玉響

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『束の間の休息』
私はふう、と息を吐き椅子に深く腰かける。作業に集中するために遠ざけてあったスマホを手にとり、束の間の休息にと画面をスクロール。どんな投稿が上がってるかな…。
しばらくすると、ふと一件の投稿に目が留まる。投稿主の名前が目に入った瞬間思わず笑みがこぼれてしまう。誰も居ないというのに私は慌てて口元を隠して、投稿をじっと見る。いいねはつけようか、つけていいものか、と逡巡する。その後、私は出来るだけ画面を自分から遠ざけながら恐る恐るハートのボタンの上に指先を乗せた。そしてまるで逃げるかのように素早く画面を閉じて、遂にはスマホもベッドの方へ投げ出して天井を仰ぎ、また一息。
「全然休息になってないよ…」そう言った私の声色は自分でも分かるほどに明るかった。

10/8/2023, 5:53:09 PM