『木枯らし』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
黄梅に身を寄せている
木枯らしの
夢見を知らなくて
指つまむ
(260117 木枯らし)
木枯らし
心が常に木枯らし
常に冷たい風が吹いている
いつになったら春が来る
ポカポカなりたい
切実に
木枯らしが吹き、色褪せた落ち葉が舞う。
落ち葉と共に、虫の死骸も舞っているように見えた。
「こいつらは何を成したのだろうか。」
老人は、ベンチで1人呟いた。
木枯らしが強く吹きつける。
「何を成したか。
これで私は満足だろうか?」
木枯らしが冬の訪れを告げる。
同時に、いくつかの灯火を吹き消していく
「いや、満足なのかもしれない」
「そうだ。あまり我々を待たせるな。」
いつの間にか、目の前には黒スーツの男が立っていた
「行くとしよう。」
冬が訪れる。
『木枯らし』
「寒っ……」
思わず、そう呟いてしまうほどの冷たい北風が吹いた。
マフラーをしていても身震いしてしまった。
私はこんなに寒いのに彼は寒くないのだろうか?
「寒くないの?」
私が彼にそう問うと涼しげな顔をして「うん?全く寒くないよ?」
流石は幽霊と言ったところか…。
彼は一ヶ月ほど前から、私の背後に突然現れた所謂、背後霊というやつである。
今から一か月前。
「ふぅ、やっと家に帰れる」
その日はテストの補習があって本来、帰宅する時間よりも少し遅くなってしまってげんなりしていた。
(·····別に補習なんてやらなくても点数取れるのに·····)
この前のテストで私は歴代最低点をとってしまった。
その理由は風邪を拗らせて満足に勉強が出来なかったからである。
「はぁ、さっさと帰ろ」
憂鬱な気持ちを祓いながら帰路に着く。
(今日の夕飯はなんだろう·····)
呑気に食に思いを馳せていた時、不意に背後から声が聞こえた。
「·····ねぇ」
今にも消えそうなか細い声。
私は振り向いて声を上げそうになった。
だって、私の背後から声をかけていた人物は青白い顔で、身体が浮遊していたのだから。
私が驚きを隠せずに固まっていると、その人物は少し迷ってから口を動かした。
「えっと、驚かせるつもりはなかったんだけど·····、なんか、ごめんね」
とても申し訳なさそうに項垂れている彼を宥めて私は彼から話を聞いた。
彼の名前は風葉(かぜは)。
私の背後霊で、つい最近、成長を終えて目覚めたという。
風葉は背後霊の中でもいい霊で私を守ってくれる守護霊だという。
なので、彼がいる限りは大きな怪我や病気の心配は無いという。
「·····これからよろしく」
「·····えっと、その言葉は守ってもらう側の私の言葉だと思うけど、こちらこそ、よろしく」
そんな、物語のような出会いをしてから今に至る。
「·····っ、ねぇ、寒さは守ってくれないの?」
ガタガタ震えが止まらない体を擦りながら、風葉の方を見る。
「あのねぇ、僕はそんなに鉄壁の守護霊じゃないから、大体、何もかも守ってたら、君が超人みたいに思われるけど、そう思われたいの?」
風葉は呆れていた。
「だって、この風すごい寒いんだもん·····私、凍え死んじゃう·····」
そんなことを言っていると風葉はさらに呆れていた。
「こんな風で死ぬわけないじゃん、この風は木枯らしだからこの時期くらいにしか吹かないし、人間は意外と貧弱だね」
風葉はこの一ヶ月で随分と毒舌になった。
そんな風葉も寒くないといいながら、ちゃっかりマフラー巻いてるし。
ビュウウウウウ。
ひと際、強い風が吹き、私の体は一気に冷えてしまう。
「·····くしゅっ」
等々、くしゃみまで出始めた。
大体、こんな思いをしているのは風葉のせいだ。
風葉がこんなに寒いのに外に出ようと無理やり連れ出すから。
私は風葉をキッと睨みつける。
「まったく、世話が焼けるなぁ」
風葉は自分の巻いていたマフラーを私に巻き始めた。
「な、何してるの?そんなことしたら風葉が寒いでしょ?」
私は赤くなっていっているであろう自分の顔を誤魔化すように言った。
「さっきも言ったけど、俺、全然寒くないよ?それに俺は君を守るために存在しているんだから、こんな所で守れないと背後霊失格でしょ?」
そんなことを言いながら私の首にクルクルとマフラーを綺麗に巻いていく。
(そう言うところが憎めないんだよなぁ·····)
私は、火照った顔をマフラーで隠すように大人しく風葉にマフラーを巻いてもらうのだった。
木枯らし
▷▶︎▷
中庭の木の葉が舞い踊る。
木枯らし1号だ。と、誰かが言った。
「 寒い… 」
冬のような色をしたその人は、
寒そうに鼻も耳も真っ赤に染めて首を竦めた。
「 …なにかな 」
じっと見られていることに気づいた彼は、不機嫌そうに眉を寄せて…けれど赤く染まった鼻の頭が可愛らしくてつい口元が緩んでしまった。
木枯らし(オリジナル)
僕は泣きながら歩いていた。
学校で友達と喧嘩した。
彼が僕のシャツに油性ペンで落書きをして嗤ったので怒ったら、そんなに怒る事ないだろと逆ギレされ、絶交された。
彼とは一年生の頃から仲良くしていて、唯一と言って良い友達だった。絶交が悲しかったし、イタズラされたシャツを母に心配されるのも嫌だった。
悲しくて苦しくて、僕は家に帰りたくなくて、泣きながら家までの道をノロノロと歩いていた。
すると突然目の前に、編笠を被ってマントを翻した同い年くらいの背の低い少年が現れた。
何のコスプレだろう。
見たことのない少年だ。
僕は少し驚いて、涙が引っ込んだ。
「君は何で泣いているの?」
その少年は、編笠の下から上目遣いに尋ねてきた。
「これ。イタズラされて。お母さんに悪いことしたなって」
服もそんなに数はないのだ。油性ペンだと洗っても消えないだろう。僕はまた悲しくなって涙が溢れた。
「そうか。うん、まぁ、格好良くできるかな?」
彼はそんなことを言う。
「え?」
「ちょっと貸してくれるかい?」
彼は僕の上着を預かると、どこから取り出したのか油性ペンの蓋をキュポンと開けた。
そして、いたずら書きの上に、さらにペンを走らせた。
「えええっ?!!あっ!ひど…」
ヒドイ、と言って止めようとしたのだが、徐々に落書きが格好良い虎の絵に生まれ変わっていった。
「すごい!」
僕は思わず手を叩く。
彼は描き終えるとニコッと笑い、
「気に入らなかったらお母さんにアップリケでもつけてもらうといい」
と言った。
僕は嬉しくなって、彼の手を取った。
「すごく格好良いよ!ありがとう!」
ブンブンと手を上下に振った。彼は僕の勢いにガクガク振り回されながら、
「お友達くんもきっと反省してるよ」
「え?」
「明日、学校でいつも通り話しかけるといい」
と言ってくれた。
そうかな、そうだと良いな。
僕はほんの少しの勇気をもらって、ニッコリと微笑んだ。
彼からシャツを受け取って、着なおす。
母親に、今日素敵な出会いがあった事を話そう。
気分がウキウキしてきて、そういえば、名前を聞かなかったと思い出す。
どこの学校の、何年生だろう。
「君は」
被った上着から首を出すと、びゅうと木枯らしが吹いた。
「わ!」
落ち葉がびっくりするほどの量舞い上がり、両手で顔を庇っているうちに、少年の姿は消えていた。
夢だったのかと上着を見ると、虎柄が残っている。
神様だったのかもしれない。
僕は両手を口の横に添えて、どこに行ったかもわからない彼に届くよう、大声で叫んだ。
「ありがとーーー!」
心がぽかぽかと温かかった。
【木枯らし】
何本も矢の刺さったお姫様は、
焼けた靴を履いて鉄の上を踊っていた。
でも誰をそれを見ない。
みんな大切な人といて、笑い合っていた。
お姫様はニコニコ笑いながら踊っている。
木枯らしだけが彼女のパフォーマンスを笑っている。
みんなはどこかに去っていってしまった。
お姫様が疲れ果てて、
焼けた芝生の絨毯の上に倒れ込んだ。
「だれかそこにいる?」
震える手で手を伸ばしても、
誰も彼女の手を握らなかった。
そこには誰もいなかった。
お財布に木枯らしが吹いてすかんぴんである……
お引越しってお金かかるよねぇ……
ま、無いならまた貯めれば良いだけの話。
月曜からお仕事頑張るぞー!
木が枯れてきた
少し肌寒くなってきた
もう冬か、、、
「 木枯らし 」
「木枯らし」
故郷の冬は大体雪と風、そして雷という感じなので木枯らしというのはあまり意識をしたことがないかもしれない。
木枯らしという言葉には乾いたイメージが浮かぶが、故郷の冬は湿っているのだ。なので幼少期は加湿器なるものの存在が信じられなかった。
別の地方で暮らしたら、木枯らしのイメージも変わるのだろうか。
僕たちは幼少期から3人で一緒だった。小学校も、中学校も、高校になってもずっと同じクラスで僕たちは家族のような関係だった。
それが揺らいでしまったのは僕のせいだ。
いつも3人で帰っていたのに、今日は2人きり。と思ったら、置いていかれたあの子が僕らを走って追いかけてきた。
「あんたたち、付き合ったんでしょ?お幸せに。」
そう言って僕らを追い抜いて行った。
いつの間に気づかれていたんだ、と驚いたが、10年以上の付き合いだからバレるのも当然か。
あの子は、気遣って僕ら2人の時間を作ろうとしてくれているのか、他の友達と話すようになってしまって、3人で話すことはなくなった。僕たちと話している時よりも笑顔が引き攣っていて、どこか無理しているように思えた。
僕のせいだ。僕がちゃんと謝らなきゃ。放課後待ってて、とだけ伝えて、自販機であの子が大好きなコーンスープを2つ買って、屋上へ向かう。
屋上の扉を開けると、木枯らしが吹いていて、いつも以上に肌寒かった。
寒がりあの子はマフラーに手袋、イヤーマフまで付けているくせにミニスカートで、木枯らしに乱された髪と葛藤しながら僕を待ってくれていた。
「ごめん。」
僕は呟くことしか出来なかった。木枯らしのせいで聞こえているかどうかさえ怪しかった。
「いいんだよ。私絶対あんたのこと好きにならないんだし、恋愛くらい好きなようにやりなよ。」
「また3人で仲良くしてくれる?」
「無理。私なんかに気遣ってないで彼女大切にしなね。てか私さ、彼氏が待っててくれてるんだよね、もういい?」
僕が渡したコーンスープの缶を開けないまま、あの子は帰ってしまった。また強い風が吹く。見下ろせば、枝だけの木が震えている。僕らの選択は間違っていたのだろうか。
『木枯らし』
今日は一段と風が強かった。
天気予報を見た時から外には出たくなかった。
暴風警報が出ることもなく、
通常通り授業があるからそれは無理だったけど。
授業が終わって外を歩いてたら、
急に特別強い風が吹いた。
思わず目を瞑ってしまったけど、
目を開いたらあなたが視界に現れた。
空気は冷たいけど、体温が急上昇するのが分かった。
魔法にかかったみたいだった。
こんな魔法にかかるのなら、
風が強かったとしても毎日通うと思う。
木枯らし
空き地の枯れ葉が ワルツを踊る
琥珀のドレスを 激しく揺らし
空っぽになった 枝の真下で
降り積もる雪の 重さを待っている
冬に向けて、木々たちは葉を落としていく。
葉を失うことで寒さから自分の身を守っているのだ。
失うことを生きる仕組みに取り入れた木々には尊敬の念を抱く。私にはできない。手放すことは、新しいことに手を出すよりよっぽど怖くて難しいから。
それなのに木々は、毎年失い。そして、葉を失ったおかげで春を迎える。
青々と、自分たちの成果を自慢する。
今年も、最後の一枚を木枯らしが攫った。
「木枯らし」
イチョウの葉が美しくさいていた、去年
あなたと
手を繋ぎ
今、その木は寒そうに
わたしたちを見ている
わたしたちも見ている
神社の奥にあるので
とても、静かに
穏やかになる
目を閉じて、ただ、枯れ葉の
シャリ
シャリ
と
いう、奏でに
次のイチョウの葉を、はせる。
吹きつける木枯らしに身震いした。
隣になんとなく目をやると、男は缶を傾けて、底をしきりに叩いている。底に残ったコーンがなかなか出てこないらしい。
このもどかしさに耐えられないから、どんなに寒い日でも、俺は缶のコーンスープを買わない。けれどもこいつは「そのもどかしさがスパイスになってさらに美味くなるんだよ」とかよくわからないことを言って、むしろ自販機のコーンスープを好んで買う。
いつだったか、この男は「コーラは瓶のほうが美味く感じるのと同じで、コーンスープも缶で飲むほうが美味い」とも言っていた。至極どうでもいいと思ったので、ふーん、と気のない返事をしたことを覚えている。
バス早く来ねえかなと思いながら、コーンスープと格闘する姿をぼんやり眺めていると、友人は突然むせた。どうやら、コーンが変なところに入ったようだ。激しく咳き込みだしたので、おお大丈夫かと背中をさすってやる。
友人はひと通り咳き込んでから、息をついた。とりあえず落ち着いたらしい。俺が渡したペットボトルの水を飲み、男は掠れた声で「コーンスープに殺されかけた」と言った。
「コーンのせいでコンジョウの別れになるところだったな」
「…………」
ひときわ強い木枯らしが吹いた。
【テーマ:木枯らし】
木枯らし一号は
冬が来たぞと
知らせてくれる、
一号、凄いぞ
よくぞ来た!と
いつも
思ってしまう、
私って変…!
題名:木枯らし
西高東低の冬の日に
突き刺す視線と風が吹く。
木の葉の散らしたその風を
口をそろえて「木枯らし。」と。
秒速八メートルの風。
とばす自転車と、紙一重。
木枯らしの季節はどこにも行きたくなくて
遠くから聞こえる声が
凛とした空気の中から君を見つけ出す
「木枯らし」
庭に生えた豆の木をぐんぐん登っている最中に急な木枯らしに吹かれた。
生えたばかりの若々しい葉っぱをも吹き飛ばす勢いの風だ。
上手く風下側に身を隠しているがいつまで保つか分からない。
(木枯らし)
ジャックと豆の木のオマージュ、危ないから降りてらっしゃい。