『月に願いを』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
欠ける月 姿変われどいつの夜も
そっと光れよ 君それでよし
#短歌 #書く習慣 20230526「月に願いを」
背伸びして
まんまるな
あの月に
描いてみる
✳︎月に願いを✳︎
月に願いを
「何を祈っているんだい? そんなに必死に」
「何を、祈っていると思う?」
一人の女性がこの荒廃とした世界の上でなにかに祈っている。
その横には一人の男性。
「それは…いささか無意味な問題ではないか? …まあ、僕の君の問いに対して考えを巡らす実に滑稽でゆにぃくな姿を見たいのならば話は別だがな」
男はふんぞり返ったように鼻で笑いながら女にそういった。
「そう卑屈になるな。……まあ、そんなお前のままなら、私のこの行動の意味は一生わかるまいな」
と、女は男を見上げてそういった。
「私は世界を救うぞ。皆のために」
男をみる女の目は、実に勇ましく、猛々しいまるで英雄の光り輝くあの希望に満ち満ちた強い瞳だった。
なにかに祈る必要なんてないような人間のように見えた。
「ふん、そんなバカみたいなことを言うようなやつがなにかに祈っていてどうする。……祈ることは弱者にのみ許された行為だ。今のお前がするべきことではない」
「私は祈っていたのではないよ。……これ以上話してもしかたがあるまい。そろそろ行くとするよ」
女は男に背を向けて歩き出した。
男も女も、もう二度と見ることはなかった。
「月に願いを込めていたって何にもならないだろう。どうしてそこまでしてただの物体に対して願いを込めるというのだ」
男の独り言は月明かりの照らす静寂に、木霊すること無く消えていった。
「そんなものに願うのなら……」
そんな男の願いもまた、その空気に木霊することはなく、或るかもわからないものには届かない。
【お題:月に願いを】
「綺麗だね」
それはどんな
意味合いで?
月夜の晩に
悩みふけてく
月はたしかに美しい
けれど、星々の光をかき消してしまう
流れ星の最後の一閃を隠してしまう
星の方が好きな私は
月に願いを託さない
「月に願いを」
「月に願いを」
電車の窓から低く大きな月が見えた
綺麗だな
よく観たくて歩道橋を使う道で帰る
ねぇ、今日の月綺麗だょ
この月を見てるといいなぁ
「人類がまだ月に行けなかったほどの遠い古の話だが」
「ああ」
「月には兎や蟹や鰐などの生き物と、若い女性や老婆、あとは月の女神が住んでいると考えられていたらしい
「楽園か何かと思ってたんだろうか」
「なんにも住んではいなかったのにな」
「だな。そこに初めて住んだのは結局人類で、」
「今や何者も住んではいない……」
「あるのは廃墟と、過去の亡霊たちくらいだな」
「あとはおれたちのような、」
「亡霊のなりそこない」
「……虚しいものだな」
「"賑やかな亡霊"もいるから、しんみりはしないかもな」
「いいや、あれは"騒がしい"。被害をもたらすからな」
「はいはい、冗談言ってる場合じゃないってね」
「笑えないがな」
「すんませんね。まぁ、今日もちゃっちゃとやりましょっかねぇ」
「ああ。……そうだな、古の月の女神にでも祈ってから行くか」
「いいねそれ」
「"一日も早く、亡霊が鎮まりますよう"」
「"一日も早く、昔みたいに笑える場所になりますよう"」
——————
月に願いを
空を見上げると、うっすらと月が見えた。
童話に出てくる猫が笑っているような、細く弧を描いた月。
(お星さまに願い事をすると叶うとよく聞くけれど、月に願い事をするとどうなるのかしら?)
数時間後に夜を連れてくるための標のように空に笑う月は、ともすれば嘲笑しているようにも見えた。
(今日の月は本当にあの猫みたい。あれで本当に願いを叶えてくれるのかしら?)
心持ちの問題だとは思うが、一度そうだと思ってしまうと本当にそう見えてしまう。
(――けど)
ニヤニヤとこちらを見下してくる笑みに一瞬心を逆撫でされた気がしたが、
(けど、それくらいのいい加減さがちょうどいいのかもしれない。“彼”は気まぐれだもの)
ふと思い直し、肩の力が抜けた。
「お月さま、どうか私の願いを叶えて」
人知れず呟いて、少し白が濃くなった月に祈った。
(些細なことに捕われない、強い心を持てますように)
/『月に願いを』
月に願いを
夜空の遠い所には、星があります。
それらはキラキラと輝いていて、幻想的です。
月はこの星から一番近い星。
曜日のひとつになるくらい有名で、綺麗です。
彼女は夜によく見られますが、お昼頃にも見える時があって、昼の彼女もまた、趣があります。
二度楽しめて、とてもいいです。
宵闇に乳白色の輝き
伝わる光りに微睡み
癒やしを浴びる
夜毎姿が変わり
光りは消える
微睡みの夢に
癒やされますよう
―「月に願いを」―
#88 月に願いを
自分の力だけで
何でも叶えてきたけれど
今夜は特別
お月さま
どうかあの人を助けてください
冷たい月が涙に揺れる私を白く照らした
お題「月に願いを」
「え、うちもあのサービスやるんですか!?」
「しょうがないよー、上が急にやる気になっちゃってさ」
銀河にたゆたう星々を扱う事業者の中には、
「願いを叶えるサービス」を提供する物好きな組織もある。
下に付いている者はさぞかし手を焼いていることだろう。
「そもそもエネルギーに余裕あるんですか?」
当たり前だが願いを叶えるには膨大なエネルギーが必要だ。
そして、そのエネルギーは星に住む民衆による祈りによって集められる。
つまり、祈ってはもらうがギリギリ叶えられない塩梅で条件を設定する必要がある。
集めるエネルギーよりも叶えるエネルギーが多くなっては立ち行かなくなってしまうからだ。
最大手である流星サービスの「流れ星に願い事を3回言う」というのは、現実的ではないが夢のある絶妙なラインといえる。
条件を変えずに速度で難易度を調整できる点もよくできている。
「余裕あるわけないでしょ、カツカツだよー」
流星サービスが好調なのは、潤沢なエネルギーと手広いサービス、そして流れ星という大きな武器があってこそだ。
まず我々の管轄は月とその軌道、つまり白道の周辺である。
当然流す星なんてないし、月を扱うとなるとサポートは地球という辺境の星しかなくなる。
しかも聞いた話では、地球では願い事といえば星がメジャーになっていて、月の知名度はかなり低いといえる。
上手くいく通りがない。
我々は上の気まぐれ、ハズレくじを掴まされたわけだ。
「そういうわけだからよろしく」と上司ももういない。
とはいえ、報告ができるくらいには体裁を整えなくてはならない。
その後、新月限定で願い事を受け付け、定期的に抽選で叶えるという方法を採用し、知名度こそ低いが継続できる程度には上手く定着されることになる。
すぐ終わると思っていたのに、何だかんだ面白がってくれている。
回るだけの球体のどこに神秘性を感じるのか、この星の民衆の感性はよくわからない。
~月に願いを~
「月に願いを」
叶えたい願いは星に
届けたい願いは風に
ひそやかな想いは、月に
ーーーーーー
「いつまでも降り止まない、雨」
おそらのかみさま、あめをありがとうございます。
のうかのひとたちもよろこんでいます。
だけど、そろそろおひさまがみたいねって、
じいじもばあばもいっています。
すぎたるはおよばざるがごとしだって
(よくしっているでしょう、えっへん)
あめがやんだらきっと虹がみえるよって、
パパが言ってました。
かみさま、ぼくに虹をみせてください。
おねがいします。
【月に願いを】
窓から見える月は、相変わらず美しい。
月は、とある星に落ちてきた隕石によって、二つの惑星に別れたことで誕生したとされる説が有力らしい。
そして、月と一緒に生まれた双子の惑星が、地球だ。
二つの星は互いに寄り添い、くるくると回っている。
だからこそ、月を見ていると、離れた場所にいる友達と会えなくても、心は通じているような気がするのだ。
もしも月に願うことがあるとしたら、私は遠くで頑張る友達が幸せでありますように、と願うかもしれない。
数学のテストが62点だった日、18時過ぎに家に着いて自転車を停めると満月が見えた。「これからは80点以上取れますように。毎日欠かさず努力するので、神様、お願いします。」と小さな声で言って月に向かって手を合わせた。私は、都合の良いときだけ神様を信じるということが嫌いだった。普段は神様など意識しないのに、神社で何かを祈るときだけ神様を信じる私たちに嫌気が差していた。信じると信じないの2択にしようと思った私は、神様を信じることに決めた。信じる、信じないという行為そのものが自分にとって都合の良いことだからこそ、良いことがあったときには神様に感謝し、悪いことがあったときには神様の定めなのだと思うことにした。都合の悪いときでも、しっかりと信じることにした。私は、信じることで自分を安心させようとしているだけなのかもしれない。私は神様のノートでありたい。
中2の10月
ー月に願いをー
今は特にお願いごとはないから
お月様に感謝を。
【月に願いを】
この綺麗な月の下であの人と一緒に見れますように。
こんなしょうもない願い事ばかりが出てくる。
こんなこと思うくらいなら告白ぐらいしろって話だよね。
でも、付き合っていない今の関係の方が
1番好きかもね。
月に願いを-。
ハッピーターン食べたい.
【月に願いを】
昔、子育て真っ最中のころ、家事や仕事、子育てでいっぱいいっぱいになっていた。
姑からの些細な言葉にも傷つき、言い返せばさらにいざこざが大きくなり、それが一番の苦痛で耐えられない私は…夜、眠る前に祈っていた。
「なにごとも起きませんように」
自分が耐えればことは大きくならない。ならば耐えよう。そんな気持ちからだった。姑からの言葉よりも何か起きたときの姑の八つ当たり、暴言、家の中がギスギスして…そんな環境に耐えられなかった。
時は流れて、子どもも育ち私にも耐性ができてきたのか、夜、眠る前の祈りの内容が変わってきた。
「何か起きても耐えられる私でありますように」
それに気づいた時、自分の変化に驚いた。
これは成長なのか?単なる時の流れが変えてくれたことなのか?わからない。でも、そんな風に祈れるようになったことは小さな喜びだった。
そして今、祈ることも忘れて眠りにつくことも増えた。姑のことをここで吐き出し、駄文に♥️をもらうことで姑については祈ることも少なくなったが、かと思うと自分の親族のことで頭を痛めることが増えて、悩みの種がつきることはない。今の祈りは
「親族間の問題が解決しますように…」
である。
月に願うというよりは、心の中でそっと呟くような祈りだか、今度の満月には、あらためて月に願いを話してみよう。
#14
#月に願いを
「おはよう、らん」
目を開くと、黄色い瞳が映る
ゆっくりと身体を起き上がらせる
そして、目の前にいる恋人が言った言葉をくすりと笑って訂正した
「…朝じゃないでしょ?笑」
「そうだけど、起きたらおはようだろ?」
そう言われて、考える
「そうかな…、いや、うん。そうか。そうだね」
「おはよ」
にこりと表情を緩めると、頭を撫でてくれる
「今日ね、怖いの見たんだ」
撫でてくれていた手が離れた
「夢?」
「あのね、いるまが死んじゃったの」
「そっか、でも大丈夫。死んでないから安心しな」
頭から離した手をまた頭の上にのせる
「…嘘つき」
「…でも、ごめんね。そうだよね、俺のせいだもんね」
「ごめん、もうおはようって、しないと」
「おやすみなさい」
___
眩しい
「ん…」
「ぉ、はよ」
月明かりが眩しい
また、夢から覚めた
空に浮かぶ月はいるまと同じ黄色
もう、いるまに会えないのかなと思うと、いつもと同じ様に月を眺めて考えてしまう
また、いるまと逢えますように___。