『暗がりの中で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
列車の中から救い出して
なけなしの意地で転がるのはまだ生きてる証
失いたく無いのに変えなければならない何が迫っている
祈るべきか差し出すべきか
自分と神とどちらを選ぶか
辛うじてまだ死なないだけで
夢を見てるんじゃ無いか電気羊
人間である前に動物でいること
痛むこと
まだ生きてる証
少なくとも不幸ではなかった幸福を
列車から救い出して
自身さえ訝るような魂の行方を
掻き出そうと藻がいている胎内の衝動を
救い出して
灰は燃えない
暗がりの中で燻る灰を弔ってくれ
まだ生きてる証を燃やして
燃やして
どうか
ここが地獄じゃないのなら一体どこが地獄だっていうんだ
体の中で脳みその中で暴れ回っている衝動を上手く掻き出せずに、もどかしくて苦しむ時間を繰り越す日々はまるで止まることのない列車のような。この世界は悲観的な個人には生き辛くて、どうせ潰される思想ならせめて言葉に残して弔ってやろうと思っています。価値観なんかで塗り固めた皮を剥げば所詮動物でしかないのなら、何も残らなくとも燃え滓の生き様で走り抜けてみたいですね。
暗がりの中で
日本人の夢は、バケツ大のプリンを食べることと聞いたことがある。
英国人である私には少しも理解できないが、いかにも日本人らしい慎ましく馬鹿馬鹿しい夢である。
しかし笑うまい。
何事にも身の程というものがある。
私のような、上流階級と比べては彼らが可哀そうだ
なぜなら私のような立場の夢ともなれば、とてつもなくスケールが大きい。
バケツ程度では満足できないのだ。
私の夢を知りたいか?
では教えよう。
私の夢とは――
紅 茶 で 満 た し た プ ー ル を 泳 ぐ こ と で あ る ! ! !
分かるか?
日本人ではバケツで満足するが、私クラスとなればプールになるのだ。
どんな強欲な日本人でも、プールいっぱいのプリンは望むまい。
そこが私と日本人との圧倒的な差だ。
ふふふ、笑いが止まらぬ。
おっと『笑うまい』と言ったのに笑ってしまった。
英国紳士にあるまじき行為である。
反省せねば……
だが反省は後。
私には為すべきことがある。
それはもちろん、紅茶のプールで泳ぐこと。
長年の夢が叶い、ようやく実現までこぎつけたのだ。
私は紅茶で満たされたプールを前に、
紅茶の香りが、私の鼻腔を満たす。
カップとは比べることが出来ないくらい、圧倒的な紅茶の香り。
これが選ばれた人間だけが辿り着くことができる高みなのだ!
長かった。
ここまでの紅茶の葉を集めるのにどれだけ苦労したことか……
ようやく苦労が報われる。
喜びを分かち合おうと、友人たちも誘ったのだが固辞されてしまった。
ヤツらの断る時の態度と言ったら……
言葉こそ選んでいたが、目だけはおぞましい物を見るような目だった。
どうやらこの偉業が理解できないらしい。
選ばれし者は孤独なのだ
いかんいかん。
何を落ち込んでいるのだ。
せっかく夢が叶うというのだ。
塞ぎ込む時間は無い。
私は悪い感情を振り払うべくプールに飛び込む。
紅茶の中に入った瞬間、私を紅茶が包み込む。
そして嗅覚を始めとした五感すべてで、紅茶を感じる。
私はなんて幸せなのだろう。
このまま死んでもいい――
その時だ。
足に違和感を感じたのは。
すぐにふくらはぎに激痛が走る。
その痛みに思わずうめき声を上げる。
しかしそれがいけなかった。
口を開けたのは一瞬だったにも関わらず、紅茶が私の口に流れ込んできたのだ。
息が出来なくなり、パニックに陥る
溺れる!
私は
私は生命の危機を感じ、助けを求めようとした。
だが無駄だった。
ここには私以外には誰もいない、一人きりなのだ
「し、死にたくない」
私はそのまま、紅茶の中に沈んでいくのであった。
◇
「うあああああ」
私は勢いよく跳ね起きる。
周囲を見ると、見慣れた家具が並べてある。
どうやらさっきのは夢だったようだ。
若く、恐れを知らなかったときの夢だ。
あの後、たまたま様子を見に来た執事によって、私は救出された。
たしかに死んでもいいとは思ったが、本当に死にかけるとは思わなかった。
こっぴどく怒られ、私の夢は儚く散った。
日本人は慎ましいと笑ったが、彼らは知っていたのだ。
望みすぎては身を滅ぼすと……
そしてバケツでちょうどいい事を知っていたのだ。
完敗である。
「旦那様、紅茶が入りました」
「ありがとう」
執事の入れた紅茶の香りが鼻をくすぐる。
やはり紅茶は良い。
一日が始まるって感じだ。
さて反省はここまで、今日を始めるとしよう
私は執事の置いたバケツを手に取り、紅茶を飲み干す。
「やっぱり程々が一番だな」
子守唄が聴こえる。
目を開ける。
目を開けたはずなのに、視覚が捉えたのは、瞼の裏より僅かに明るい一面の、果てしなく広がる暗がりだった。
子守唄が聴こえる。
身じろぎをした。
足首の先の方にずしりと重みがあった。
床で、金属が擦れた音が鳴った。
子守唄が止まった。
暗がりの中で、微かに息を呑む音が聞こえた。
何かが擦れる音がして、手におずおずと温もりが触れた。
温かい何かは、しばらく手をつついて、それから素早くこちらの手を握った。
柔らかくて、温かい。
静かで、滑らかで、優しい、そんな感触だったから、振り解かなかった。
暗がりの中の手が僕の手を包んで、宥めるように強く、握った。
また何かが擦れる音がして、気配が、握った手の向こうからゆっくり近づいてきた。
顔が寄せられた気配がした。
優しい、甘い香りが仄かに香った。
「大丈夫だから」
ひっそりとした静かな声で、気配は言った。
手を強く握りながら。
「大丈夫だから。手を離さないで」
手の温かさが僅かに上気した。
僕は握り返した。温かくて、心地の良い優しい手を。
右の三つ目の手だ。
分かるように軽く、くっきり、手の内側に力を込める。
「良かった」
暗がりの中で、ほとんど息のような声が、耳に届いた。
「ありがとう」
声はそう囁いて、今まで耳の付近を漂っていた柔らかな香りが、少し遠のいた。
何も見えなかった。
僕自身の、変わり果てたはずの体も、人間…少なくとも人型の体をしているのであろう声の主の体も。
暗がりの中の状況も、暗がりの外の様子も。
暗がりの境さえも。
視界は一面の黒しか捉えない。
真っ暗な暗がりの中に、僕の僅かに荒い息遣いを感じる。
暗がりの中に、握られた手の、温かい感覚を感じる。
握られた手の先の、静かで柔らかな生きている感覚も、感じる。
それだけだ。
耳を立てて、鼻を蠢かす。
暗い、暗い、暗がりの中。
右の上から三つ目の手を握っている、確かな感覚だけが、光のように思えた。
暗がりが、ずうっと向こうまで広がっていた。
昨日はなぜか眠れなかった。
暗い部屋の中に雨音だけが響く。
目を開けると黒一色でその黒が自分を写す。
偶にある眠れない夜は自分を考えるいい機会をくれる。
何も見えないからこそ自分がよく見えるのかな。
(暗がりの中で)
この世には、何回やってもコダックしか出てこない「♾️(無限)コダック」というガチャガチャがあるのですよ。無限にコダックなんてイカれてるぜ!とやってみたけど売り切れて5回しかできなかったのですが。
そのうちの1個がシークレットの蓄光タイプで、寝る時に部屋の電気を消すと暗がりの中で、
ぼわゎゎゎゎと微妙に光を放っております。
ぼんやりと光るコダックかわいい。
__________
子供の頃に、例えば好きなゲームや漫画やお菓子などを親に禁止されて育つと、大人になってその抑圧から解放されてしまった時に、反動で爆発してしまうんよね。
自分のなかにいる、子供の自分が泣きやまない。
どんなになだめても、飢餓感が埋められない。
暗がりの中で、子供の自分が今も泣いている。
とある国の どこか遠い場所。
暗がりの中で、金色の目が光りました。
「きゃっ!」
やみ夜の中で驚き立ち止まった王女様の前を、一匹の黒猫が横切っていったのです。
黒猫は不吉な予兆。
そう言い伝えられているこの国では、忌み嫌われている存在です。
王女様も例に漏れず、黒猫が通り過ぎ去った道を、顔を顰めながら見つめました。
それもそのはず。
王女様は、結婚が嫌で逃げ出していたからです。
相手がどんな人間がなんて知りません。
王女様は、結婚すること自体が嫌だったのです。
(知らない国に一人で嫁ぐなんて、寂しいもの)
だからどうしても捕まるわけにはいかなかったのです。
黒猫は、王女様の意にそぐわない結婚を予兆しているかのようで、王女様の心を不安にしました。
また暗がりで、金色の目が光りました。
王女様は怖くなって、さらに歩みを早めようとした時、足元を黒い影が横切りました。
小さな悲鳴をあげ、反射的に立ち止まった王女様でしたが、突然後ろから誰かに抱き上げられました。
ランタンの光に照らされた相手は、とても綺麗な男性でした。
彼は、王女様が口を開く前に捲し立てました。
「ダメじゃないか! このまま進んでいたら、君は崖から落ちていたんだぞ!」
そう。
暗がりで気が付かなかったのですが、王女様が向かおうとしていた道の先は、崖に続いていたのです。
(もし……黒猫が横切らなければ……私が立ち止まらなければ……)
王女様は、真っ逆さまに落ちる自分を想像して、ぶるりと身を震わせました。そして、助けてくれた男性に大変感謝しました。
*
結婚式が始まりました。
王女様の顔には笑顔が浮かんでいます。
何故なら、今伴侶として隣にいるのが、あの日自分を助けてくれた男性だったから。
彼こそが、王女様の結婚相手だったのです。あの日、王女様がいなくなったと聞き、いてもたってもいられず、一人探しに飛び出したのです。
それを知り、王女様は自分の身勝手さを恥じました。
そして、彼のことをもっと知りたいと思うようになり、いつしか愛情へと変わったのです。
王女様は彼の国へ嫁ぎました。
しかし一人で寂しくなんてありません。
優しい夫、子供たち、そして黒猫たちに囲まれて、末長く幸せに暮らしました。
黒猫が救い、縁を結んだこのお話は国中に広がり、黒猫はいつしか恋愛の象徴として、長く人々から愛される動物となったそうです。
『赤と青』
赤と青 そこに黒は無い 笑顔があって 私も笑う
いつか虹は奪われた 5分前のリップスティック 色づくこともないんだな 赤と青 その間には居られない
どちらかで息をする その色に染まり生きていく
闇に紛れて。そうすれば何も気にすることはないのに。何も見えなくて、互いの声しか聞こえなくて。でも心許せるときにはパッと照らされて。そんな便利な太陽が一人ひとりにあったらいいのに。
見た目に気を病み、周りと比べ、落ち込む必要はなくなるから。
闇の中に一人座ってぼぉっとしていたい。誰とも関わりたくはないからさ。…なんてね。一人じゃあ、寂しいよ。たまには話し相手だって欲しい。でも自分からは話しかけにはいかない。いけない。だって向こうが自分を求めていなかったらどうする?自分から話しかけたくせに話が続かなかったら?つまんなかったら?常に受け身で生きていたい。根本は相手にある。どうするも勝手だ。悪魔で相手に判断を委ねる。
暗い中でひっそりとしていたい。生まれたときからそれならば。友というものを、娯楽を知らなければ良かったのに。…ならば生きる意味はあるのか?生まれてきたことすら無駄ではないのか?
…これでは母親に申し訳ない。ごめんなさい。何も取り柄がなくて。ごめんなさい。見た目に優れているわけでもなく、話が上手いわけでもなく、頭が良いわけでも、運動が出来るわけでもなく、何も秀でたものがなくて。勿論、貴方はそんなこと思っていない。そんなことないでしょう、って励ましてくれる。温かく包みこんでくれる。
でもそのたびに胸が痛む。100%の努力なんてしていないから。自分は駄目だと分かりつつも、努力が出来ない。期待をされているから、嫌、されていなくても自分が自分に期待をしているから。辛い。苦しい。どうしてこんなにも学生が向かないのだろう。いつの時代なら馴染めた?
温もりを知ってしまっているから、自分より上をみあげてしまったから。暗い闇に包まれて、そっと消えてしまいたい。
夜のドライブは好きだが
街灯の無い夜道を走るのは嫌だ
子供の頃、旅行の帰り道に
父が道を間違えて
街灯の無い山道を走ったのが
トラウマになっているのだろう
ナビもスマホも無い時代
あげく、車もしょっちゅう故障していた
前にも後ろにも車は無く
暗がりの中で恐怖に怯えていた
やっと麓の民家の明かりが見えた時は
子供ながらにホッとした
今となっては笑い話だが
二度とあんな体験は御免だ
10/28 「暗がりの中で」
「光が存在するためには闇が必要だ。私はそう思ったのだ」
命の源である魔結晶を砕かれ、その存在が光となって消えていく僅かな間、魔王が語ったのは一人の青年が最悪の魔王と呼ばれるに至るまでの物語だった。
「私の生きた時代は所謂、平和な時代だった。人類を脅かすほど強大な敵はおらず、魔術の発展により病魔や天災さえも克服しかけていた」
今の時代では考えられないほどの平穏な時代。しかし、それを語る魔王の顔はその言葉とは反して心底忌々しげだった。
「平和な世界。誰も傷つかなくていい世界。そんな世界が実現した時、次に人類は何を始めたと思う?」
分からない。
俺はそう答えた。
俺が生まれたその時からこの世界は滅びの危機に瀕していた。
人々は常に日々を生きる為に死力を尽くしていた。
それでも唐突に降り注ぐ理不尽が嘲笑うように全てを壊していく。
そんな世界が嫌で俺は旅にでたのだ。
だから、俺には魔王が何を言わんとしたかなど分からなかった。分かりたくもなかった。
そんな俺の答えにひどく満足そうに魔王は笑った。
「世界なんてものは適度に滅びているべきなのだ。平和は人を腐らせる。外敵と悲劇、適度な絶望こそが人が最も美しく輝くために必要なものなのだ」
ひどく身勝手な言い分だ。
この旅を始める前の俺ならば躊躇いなくそう吐き捨てただろう。
けれど、今はそうではない。
この旅を通して多くの国や集落を訪れた。
中には立地や環境から限定的ではあるが所謂、平和というものを手にした国や集落も少なからずあった。
そして、そこでは何が起きていたのか俺は知っている。
だから、今の俺にはただ魔王の言葉を否定するという簡単なことが出来なかった。
「私はね、闇になろうと思ったのだよ。人類を脅かす圧倒的な闇に。人々が僅かな希望にすがりながらも美しくもがけるように。私という脅威に対して団結し、一丸となれるように。そうして私は最悪の魔王と呼ばれるに至ったのだ」
魔王は甘美な夢でも見ているかのように、喜びに満ちた声で虚空に手を伸ばす。
その焦点は既に合っていない。
あれ程までに強大だった存在感も今では欠片も感じられなかった。
「さぁ、勇者よ、希望の光よ。ここから先は私が拒絶し、君達が命を賭して掴み取った真に平和な時代だ」
吐き捨てるように魔王が言い放つ。
「私は先に行かせてもらう。そんな時代など、私は…私は、まっぴらごめんだ」
消えていく。
多くの国を滅ぼし、多くの人の命を奪った闇の王が。
世界を恐怖と絶望で支配した最悪の魔王が。
そして、いびつながらも人を愛した一人の青年が消えていく。
朝日が差した。
闇の時代の終わりを告げるように。
光となって消えゆく寸前、確かに彼は笑っていた。
あ 見えないって
い 目で見なければ良い
あ そんな
い 目だけじゃないだろ
あ そうか…
い 人の感覚とは…あっ
あ え?
い 痛っ!
『暗がりの中で』
私は毎晩、寝る前にこの文章を書いている。電気も消して月明かりも届かない暗い自室で、ベッドに入りスマホをとる。アプリを開き、テーマに沿って執筆を開始する。書きながら、あんなことこんなこと、思い出しては消えていく。書き終えたら今度は日記を書く。その日あったこと、日々の中で感じること、忘れられない思い出。その全てを引き続き暗がりの部屋の中で書く。目に悪いだとか、行儀が悪いだとか言われても仕方ないことだ。しかし毎晩のこの時間が、自分と向き合って正直になれる数少ない時間になっているのも確かだ。今日も明日も明後日も、私は暗がりの中で文字を書く。
丸呑みにされたのは一応救いだったのだろう。噛まれてたら助からなかったはずだ。
そして、暗がりの中には先客が居た。
先に飲み込まれていたおばあちゃんだ。
狼の胃の中はギュウギュウ詰めでかなり苦しい。
どうにかしてこの暗がりの胃から出なくては。
しばらくもがいていたら、いきなり光が差し込んできた。そして、6匹の子ヤギたちが押し込まれてきた。
暗がりの中でパニックになっている子ヤギたちと、諦めて寝ようとしているおばあちゃんに挟まれつつ、どうにか助かろうともがいていた。
その後色々あって、無事に暗がりの胃から出れた2人と6匹は狼の胃に石を詰め込み古井戸に突き落とした。
暗がりの中で狼がもがく声が響いてくる。
その声が漏れないように蓋を閉める。
全てが終わった頃、日は沈み辺りは暗がりに包まれていた。
(暗がりの中で)
赤ずきんちゃんと7匹の子ヤギに出てくる狼のラストシーンが同じだと気付き混ぜました。
旅のしおり
2024/10/28㈪日記
旅行中、勝手に動くであろう両親。
父はいつの間にか、いなくなるし。
先手を打つ為に作った。
小学生の先生気分。
列車の切符も一緒に渡すつもり。
旅行前に渡す約束をしているんだけど、体重減少が止まらないから
母に「痩せたけど、どうしたの?」と
聞かれるのは間違いない。
昨日も「元気?」と聞かれて
「元気」と答えてしまった。
元気だけど、胃の調子が悪い。
胃の調子が悪いけど、元気。
真実か嘘か、自分でもわからない。
親なんだから本当の事を話したら
良いんじゃない?
わかってるんだけどね、心配は
掛けたくない。
腹を括って言うとなると
嘘からは解放されて楽になるが
お怒り(注意)も受けるだろう。
「食べ過ぎ!」って。
しばらく考えよう。
アイシナちゃんがコーヒー片手に
バス旅行していた。
チョコレートナッツもお供にして。
僕も長時間乗る列車の中で、飲みたいけど、飲めない。
せめて窓から海が見えるように
席を海側にした。
今週は少食でいきましょう。
おやすみ。
暗がりの中で
1つだけでいいから、
確かな光を掴んで
意気地なしの私でも、暗がりの中でならあなたの側に居られるから、私は星の綺麗な夜が好き。あなたの見上げる夜空に私も目をやる。そうするとなぜだろう、いつも私は少しだけ泣いてしまうのだ。#暗がりの中で
オレンジ色のライトが
部屋の隅っこから
いい感じで照らしてる
どれだけ部屋を
好きなように飾っても
ベッドの上で
項垂れたまま
動けないのは
今日も会えないあなたと
ぜんぜん素直じゃない自分が
ちょっと憎たらしいからよ
「暗がりの中で」
6年前に起きた
ブラックアウト
我が家は約2日間ほど電気がなかった
幸いなことに水は使えたのと
食べ物もあるもので過ごせたので
娘とアナログゲームをした2日間だった
そして
電気がないとモーター音もなく
とても静かな時間が流れていた
リビングからは空を眺め
娘と話し
電気が戻るのを待った
ゆっくりと目を開け、身体を起こした。周りを見渡すとぼんやりとした光で現在の時刻を知らせる。俺が眠ってから二時間くらいしか経っていない。
暗がりの中で視界が慣れ、横を見ると背中を向けた恋人が安心した表情ですやすやと眠っていた。
彼女の気の抜けた顔に自然と口角が上がってしまう。
俺は彼女を背中から抱きしめると、むにゃむにゃと俺の体温に反応した。
軽く振り返って俺を確認すると、ふにゃりと微笑んでから安心したように身体をあずけてくれる。
そのまま俺も彼女の肩に顔を埋め、もう一度瞳を閉じると、彼女の優しい香りが鼻をくすぐった。
ああ、やっぱり安心する。
俺は彼女の温もりに包まれながら意識を手放した。
おわり
一六五、暗がりの中で
[暗がりの中で]
暗がりの中で見つけた光
しばらくはその光を信じたけれど
陽だまりに着くとその光は弱かった
暗がりの中では小さすぎる光も大きく見える
騙されないで生きていきたい