『暗がりの中で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『暗がりの中で』
毛布をかぶるとワクワクドキドキするね。
弟と一緒に毛布の中へ潜ると真っ暗な世界。
明かりはライトだけ。
何故かワクワクドキドキする。
それは私と弟の小さな冒険ごっこ。
それは小さな私の思い出。
私は今悩みを抱えている。どれだけ考えても決して答えが出ず、まるで暗がりの中で手探りで迷宮を進んでいるかのようだ。きっかけは今年一つ下の後輩に実力が抜きん出た人がいたことだ。普段ならば戦力の増強に繋がるため手放しに喜べばいいことなのだが、今年は少々訳が違う。というのもうちの部の伝統的なルールとして最後の大会には全員がシングルスで出場できるというものがあるからだ。そして与えられる枠はちょうど今の私の代全員分のみ。しかし、大会で勝てば勝つほどポイントが貰え、翌年以降有利になるシステムの都合上、そのままでいる訳にもいかない。何度か部内で話し合いの機会を設けるも話し合いは平行線のまま、まるで進展を見せない。誰か私たちに道を照らす光を与えてはくれないだろうか。そんなことを考えながら今日も話し合いに望む。
くらがりのなかで
「……電気つかねぇ」
繰り返しスイッチを押すものの電灯は暗いまま。
電球切れた?電球ってか蛍光灯。
接触が悪いのか。なんでもいいけど絶望感。
真っ暗闇の中、一人。
なんでこういう新月の日に限って夜中目が覚めるんだろう。
なんでそういう時ってめちゃくちゃトイレ行きたくなるんだろう。
ここで漏らしたら一生の恥だよな。
別にお嬢とか笹本さんに知られる前に片付けりゃいいしあの二人は俺が漏らしたところで「そんな時もありますよ」くらいで流してくれると思うけど。
どちらかといえば石蕗さんの方が「大丈夫ですか、ここに住んでる間はあなたの体質や諸々の面倒も世話もしますけどそのうち出ていくんですよ今からそんなんでどうするんですか」って顔すると思う。やけに具体的すぎる?こないだ言われたもん一字一句違わず。
でも怖いもんは怖い。
何が怖いのか。オバケ。
言葉が通じない、話が通じない、国家権力も通じない。
理屈も心も通じない。この世の異物。
そういうところだ。
電灯がつかないなら仕方ないので少しでも明るい通路を選んでいく。こっちからだと中庭をぐるっと回るルート。
井戸もあって空気がひんやりしている。夏は気持ちいいんだろう。な〜デッカい西瓜を井戸水で冷やしてさ。
風鈴つけてさ。縁側で食う。最高じゃん。塩かける。
後日加筆します
ある日、主人公は、散歩に行きました。辺りは、とても暗い夜の道その暗がりのかなでたくさん泣いた一人の女の子がいました。その子に近づくにつれて声の音量が大きくなって行きました…。主人公は、だんだんその子に近づくにつれて怖くなりましたが、そっと声をかけました。「どうしたの?こんな夜にこんなところにいちゃだめだよ?」と言いました。女の子は、「お姉ちゃん私のことが見えるの?」と言ってきました…。主人公は、見ちゃいけないものだと思い、とっさに足が、ガクガク震えましたですが主人公は、「それより!家どこ?送ってくよ?」と言いました。女の子は、「私の家、神社なんだ!来てくれるの?」と言いました。喜んだ顔を見たせいか、主人公は、安心しました…。おしまい!
雪景色
太陽の光を
浴びて
キラキラ光る
君が
目を覚まし
アクビ1つ
目の前に
広がる景色に
綺麗と呟く
小さな
静かな町
僕が育った
何も無い町
何も取り柄も無い
つまんない
僕だけど
飾らない君
が大好きさ
今日は
クリスマス
クリスマス
プレゼント
君は喜んで
くれるだろうか
【暗がりの中で】
暗がりねぇ……何か書けるかな、と思った時に思い出してしまった。
真夏に素足でナメクジを踏んだら
ひやってしてると思う?
冷たそう?
そんなことなかった。
生暖かかったよ……
あいつら意外と常温だよ……
明かりはちゃんとつけようって思った。
なるべく早く忘れたい記憶、です。
彼と2人
急に暗くなった部屋
私は怖くて震えていた
そうしたら彼が近づいてきてくれて
「大丈夫だよ」の一言
私はその言葉に支えられた
暗がりのなかの出来事
ぜーんぶを遮断して、
自分だけの空間で、
誰の目にも触れず
誰の声も聞こえない。
なんて静かな世界。
暗がりの中で、
ここにいれば安心と、沈む。
でもずっとは駄目。
ちょっとゆっくりしてから
また歩きださなければ。
ここは、私の安全秘密基地。
やあ、元気かい?
最近は書きたい気持ちが先走っちゃってね
お題に沿って書くのが続いていたよ
もう此処には来ないって言っていた僕は
どこへいったのだろうか。
でも吐き出す場所も大事なことに
今更ながら気づいて
此処にくるのも悪くはないって思ったんだ。
まあ、来れば来るほど苦しくなったけど、
吐き出さないのも良くないみたいだからさ。
自分で決めたことも守れない僕でも
独り言を聞いてくれるかい?
いや、別に聞かなくてもいい
そこに居てくれるだけでいい
それだけで救われる気がしてくるから。
たまに問いかけをするかもしれないけれど
答えなくていい。
考えなくていい。
ただ、聞くだけでいい。
多分、答えが欲しいんじゃなくて
自分が喋る口実を作っているだけなんだ。
疲れたら君も吐き出しなよ?
無理はした方が楽しいのかもしれないけど
した分だけ自分を労わる時間を作ってあげて。
疲れの借金は知らないうちに溜まっているからね
無理した時間分だけ返すんじゃ
利子が溜まっていってしまうよ
僕もしばらく此処にいるから
たまには立ち止まらないかい?
これもただ 僕が自分だけじゃ寂しいだけなんだから
別に進んでもいいんだよ。
現実に居過ぎると色々見えてしてしまうから
今日くらいは自分の世界に寄っていっておくれよ
サングラスくらいは貰えるだろうさ。
色眼鏡で見た方が楽な時もあるよ。
僕はずっと自分の世界にいるから
失明するのも近いだろうね。
失明した方がいいと思うなら
楽しいかもしれないけど
確実に生きづらくなるだろうから
真似しないでおくれよ。
まあ 本音は一緒がいいんだけどさ。
今日は聞いてくれてありがとう。
あぁ、やっぱり進んでいくのかい?
一緒に行きたいのは山々だけれど
僕はここにいるよ。
たまに寄っておくれ。
夜中電気つけたら眩しいから暗がりの中で動こうとするけど、決まってどこかに何かをぶつけるんだよなあ
#暗がりの中で
人通りがほとんどない路地裏、
雑貨屋の隣にある小さな建物。
暗がりの中で1つの灯りが
今日も優しく光る。
ワタクシはここで
幸せを届けるオシゴトをしております。
なあに、
オシゴト内容はカンタンです。
上のパイプから落ちてくる手紙の中身通りに
物を包んでいけばいいだけです。
物は隣の雑貨屋さんに
全て揃っています。
制服の指定はありますが、
髪色は自由です。
たまに文字化けした手紙が落ちてきます。
その時はすぐに
ワタクシを呼んでください。
決して、
その手紙を見た後に振り返らないでください。
え?
振り返ったらどうなるのか
気になるのですか?
漫画やアニメだと
幽霊が出てきて
呪われる…。
みたいなことになりますが、
ここには怪物も幽霊もいません。
とても大きなオオカミが来て
食べられてしまいます。
それはそれは大きくて、
この建物の天上に
ギリギリ届かないくらいなのですが、
見ての通り
ここの床と天井までの距離は
1500mほどです。
ええ、もちろん。
食べられた方もいらっしゃいますよ。
なのでお気をつけくださいね。
最後に、
お帰りの際は
絶対に「夜の鳥」を利用してください。
はい、あの迷子列車です。
オオカミが近くにいた時、
家を知られてしまうと
何かと面倒なので。
それではお気をつけてお帰りください。
また明日、お待ちしております。
"Good Midnight!"
あなたの近くに行ってみたくて
奥のほうに足を踏み入れると
暗がりに迷い込んでしまったようで
当てにもならない目印を頼りに
私が右往左往していることを
あなたは知る由もないのだろう
06
それでも毎日は過ぎていく
今日は倉庫で書類の整理
入れ換える書類を抜いていると
電気が消えた
またか…
人がいるのを確認しないで
消されることが前にもあったので
暗がりの中
出口へと向かう
その時
電気がついた
「すみません」
入ってきたのはあの子だった
安心したのか
暗がりの中で怖かったわけでもないのに
涙が出た
「すみませんでした!」
慌てて駆けよって
なだめてくれようとする
その優しさに甘えたくなった
暗がりの中で
私は「傷ついた分だけ優しくなれるよ」という言葉を聞くと、複雑な気持ちになる。というか、私はあんまり好きじゃない。 なぜなら、私にとって「傷つく」というのは優しさに繋がるものではなく、ただただ深く、終わりなく傷が増えるようなものだったからだ。
同じような苦しみを持つ人を見れば、心の奥に劣等感が反応して、「自分の方が不幸だ」と張り合おうとしてしまう。そして自分とは違う境遇の人を見れば、その人の不幸を見下し、自分を保とうとする。自分の心が荒れ果てた乾いた土地なのに、一滴の水すら吸収できない、そんな枯渇した状態なのが分かる。たとえ一粒の涙がこぼれたところで、乾いた心には届かないのだ。
私の中には余裕もなかった。もし空腹のときに目の前に食べ物があれば、きっと他人に分ける余裕もなく奪ってしまうだろう。そして、残るのは罪悪感だけだった。くだらない虚栄心や嘘、陰口といった些細な行動が、じりじりと自分の心を蝕んでいく。転がる石は止まり方がわからない。私は「傷ついた分だけ優しくなれる」どころか、「もっと傷ついてきたのに!」と周囲に主張して、また他人を傷つけてしまうのだ。
これを言葉にして表現すると、なんだか幼いように感じられて、自己嫌悪や恥ずかしさが湧いてくる。それでも、正直なところ、これが私の中にある感情そのものだ。
それでも、「傷ついた分だけ優しくなれる」という言葉に、どこかで惹かれてしまう。たとえ自分にとっては難しく感じられても、信じていたい気持ちがあるのだ。
私の人生の暗がりといえば、職を失い、病気になり、頼りにしていた人に別れを告げられた時期だった。お金も底をつき、未来が真っ暗に見えていた。何もかもが空虚で、不安すら感じられないほどだった。誰にも何も言わず、ただ死ぬタイミングを考えていた。そんなとき、友人がそばにいてくれた。
その友人は、私よりも多くの死別を経験し、早くに自立していた。彼女自身も望まぬ不条理を背負っていたけれど、それでもそこから滲み出る魅力があった。同年代には持てない深みと余裕が彼女にはあったのだ。そして、彼女が私に「生きていればそれでいいよ」と言ってくれた言葉が、私の心に深く届いた。まるで心臓が身体の奥底に落ちるような感覚だった。
友人は、ただ私の存在を受け入れてくれていた。彼女の傷が、彼女の言葉と佇まいのすべてに滲み出ていた。私はただその存在に感謝しても仕切れなかった。そして、友人が乗り越えてきた痛みが、確かに私を癒してくれた。あの日、私はその友人や同じように痛みを抱えた人に、心から優しくしたいと思った。自分の未熟さを痛感して泣いた。
人生の暗がりの中で、誰もが傷つく。傷つかないほうが良いし、苦労しないならそのほうが良いに決まっている。けれど、望まずに刻まれた傷が、思いもよらない形で他人を救うことがあるのだろうと思う。
「傷ついた分だけ優しくなれる」という言葉を、本当は心の底から言える自分になりたいのかもしれない。まだどこかで反抗してしまう自分がいるけれど、暗がりの中で、あの日の友人のように、私は誰かに静かに寄り添える人でありたいと思うのだ。
2024.10.28 エッセイ-暗がりの中で
・4『暗がりの中で』
その時部屋が突然暗くなった。停電か?と思ったが
ヤツが消したようだ。
なんのつもりだと問おうとしたが
言葉は出なかった。
小さな沈黙がとても息詰まるような静寂になり
俺の反対は封じられてしまった。
そしてソファーに座っていた俺の腕を迷うことなく掴み立ち上がらせると背中に腕をまわされ肩に頬が乗せられた。
そのまま無言のまま玄関に追いやられた。
【続く】
暗がりの中で
これはもう、人生経験対人経験共に少ない私からすれば、怖い系か色恋系でしょうよ。
こう見えて(どう見えて)見えないものが見えます的な能力は持っていません。
しかし、小さい頃から不思議な夢を見たりはしていました。
その中の一つが私の奇行の一つに関係しています。
幼稚園に通っていた頃、夜は押入れの上段に布団を敷いて寝ることを好んでいた私は、田舎暮らしで街灯もない外の闇と、戸を締め切った真っ暗の押し入れの中に慣れているせいか、見えない闇の怖さをあまり感じていませんでした。
そんな中夢で見た光景。
それはまさに【蠢く闇】が適当でしょうか。
暗い押し入れの中に仰向けに寝ているのに、見えるのは天井ではなく何かが蠢く黒の空間。
人っぽい感じもしますし、草木が揺れているようにも思えました。
大人になった今思い出すと、暗闇の中でさらに深い闇が蠢いているんです。
怖さはなくなんだろうなぁくらいに見ていると、視界の隅で手が左右に振っているんです。
まるで道端で少し前から知り合いが歩いてくるのに気が付き、こっちだよと気づかせるかのように。
しかもそれは、ちょうど私の右手のすぐ先で振っている。
これはこちらも振り返した方がいいかなと思ったところで気づきました。
身体が動かないんです。
視線だけは動かせますが、見えるのは蠢く闇と振る手。
でも怖さはない。
それらと対峙しながらいつしか眠くなり、夢の中で眠りへ。
次の気づいたのは朝。
押し入れの引き戸の隙間から明かりが差していました
そんな話を朝ご飯を一緒に作りながら祖母に話すと、またお前は変なこと言ってと怒られて終わり。
まあ夢の話ですし、現実ではないでしょうからね。
暗がりの中で蠢くものは、そしてこちらを意識するかのようなあの手は、夢だったのかそれとも……。
暗がりというよりは暗闇でしたね笑
思いのほか長くなったので、色恋系のほうは他の方にお任せしておきましょう。
ここはどこ?ずっとずっと光のない道を彷徨って彷徨って彷徨って、考えても考えても私の道なんて見つからない。答えのない問いばかりが、ぐるぐるぐるぐる頭の中を回ってる。誰かの道を見つけては縋って縋って縋って、空っぽの自分を隠したくて、でもそれにも限界がきて、またそれの繰り返し。
なんとなく周りの音も色も薄くなってきて、何もしない日が多くなって、ただただ無気力になっていく。このままじゃいけないって踠いて踠いて踠いても抜け出せなくて、どこかで諦めてる自分もいて。
人に疲れたのに人に依存して、またどこかで人に期待してる。人に縋っているときだけは、その人の一筋の光の道を歩き自分は大丈夫だって安心する。でも自分を抑えられなくなってまた戻るんだ。
私は私を探して歩く。縋って、踠いて、みっともなくたってずっと、この「暗がりの中で」
『暗がりの中で』
20241029
布団を頭まで被り目をぎゅっと瞑る。
...ダメだ。やっぱり寝れない。
諦めて目を開けて真っ暗な世界を見つめる。
布団から手を伸ばしスマホを手探りで探す。
いつもの手触りを見つけ布団に引き込む。
スマホは布団の中の世界を眩しく輝かせる。
...目が痛いから優しい明るさに設定する。
特に興味のない内容の投稿を流していく。
晒し系、惚気話、愚痴...
みんな各々のことを呟いている。
...あんまり興味が無い。
薄い内容ばかりであくびが出てきた。
このまま眠れそうだ...
布団の中の世界はまた暗くなる。
朝まで眠れると...いい...な。
語り部シルヴァ
〈暗がりの中で〉
私は閉所恐怖症だ。特にエレベーターが怖い。どのエレベーターが怖いかと聞かれると、私は必ず上る時や下る時に照明が消えるエレベーターだと答える。
あの上っていると分からせる重力に加えて、暗闇で見えない状態になると、動悸がする。
最近のエレベーターはそんな仕様はない。少なくとも、今まで見たことはない。ただ、幼い頃、テーマパークへ遊びに行き、泊まるホテルのエレベーターがその仕様だったのだ。幼い私は「怖い」という感情を上手く伝えることができず、泣きながら過呼吸になった。それ以来、エレベーターを使う度に緊張するようになった。
「じゃあ、上村頼んだぞ」
上司からそう言われ、大手の芸能事務所へ足を運んだ。
私はぺこりと頭を下げ、会社の外で待っているタクシー運転手に行き先を伝え、流れる景色を窓から見ていた。
契約を結ぶというのは、子どもの頃の指切りげんまんのような軽いものでは決してないことに気づいた。そんなのは、当たり前だが、今まで順風満帆な生活を送ってきた私は、社会人として少し世の中を舐めていたのかもしれない。エレベーターを除いて。
「着きましたよ」
運転手の声ではっと気が付き、経費で払い、目の前にそびえ立つ事務所に圧倒された。今や世界を握る事務所との契約を任されたという自覚が、今になって引きずる。
事務所に入り、カウンターで受付を済ませ、待っていた担当者と挨拶を交わした。
40代、いや50代くらいだろうか。白髪交じりの高身長な男性は、年齢が娘でもおかしくない私でも物腰の柔らかい対応をしてくれた。
「では会議室は12階にあるので」
その一声で背筋が凍る。
大丈夫だ、今まで数々のエレベーターを乗ってきたが、照明が暗くなるエレベーターとはあったことがない。
大丈夫、大丈夫。
私は心の中で言い聞かせ、担当者と一緒にエレベーターに乗った。
案の定、暗くならない仕様のエレベーターだったようで、安心する。
これなら大丈夫だと私の脳も認識したようで、私から担当者に、最近勢いのあるアーティストについて話しかけた。お互い同じことを考えていたようで、意外にも盛り上がり、担当者と束の間の談笑を楽しんでいる中で、急にエレベーターが止まった。
照明が落ち、真っ暗になった。
「あっ、止まっちゃったかな?」
担当者は冷静にスマホを取り出し、ライトを付け、エレベーターの緊急事態ボタンを押した。
しかし、そんな冷静な担当者とは、反対に私は息苦しくなった。何とか耐えてたつもりだったが、私の乱れた吐息に気づいたのか、担当者が私の顔をのぞき込む。
「もしかして閉所恐怖症ですか?」
図星を突かれ、どうすることもできない私はこくこくと頷くことしかできなかった。
「大丈夫ですよ、私の妹も閉所恐怖症なんで。対処法は知ってるつもりです」
そう言い、ゆっくり呼吸するように促された。
この3ヶ月半、このプロジェクトのプレッシャーに押しつぶされそうになっていた。
だが、やると決めたからには必ず結果を残さなければならない。
学生気分でいたら恥ずかしい。と自分で喝を入れ、何度もリサーチやマーケティングに励んだ。
今日初めて会った人とは思えないが、担当者の柔らかい声に意識が遠のいていった。
何も見えない暗がりの中で。
手探りの中、温もりと質感のある、いわゆる『生きた何か』に触れたならば。
それはある意味、幽霊よりこわい。
それが人肌であるなら、なおさら怖い。