人通りがほとんどない路地裏、
雑貨屋の隣にある小さな建物。
暗がりの中で1つの灯りが
今日も優しく光る。
ワタクシはここで
幸せを届けるオシゴトをしております。
なあに、
オシゴト内容はカンタンです。
上のパイプから落ちてくる手紙の中身通りに
物を包んでいけばいいだけです。
物は隣の雑貨屋さんに
全て揃っています。
制服の指定はありますが、
髪色は自由です。
たまに文字化けした手紙が落ちてきます。
その時はすぐに
ワタクシを呼んでください。
決して、
その手紙を見た後に振り返らないでください。
え?
振り返ったらどうなるのか
気になるのですか?
漫画やアニメだと
幽霊が出てきて
呪われる…。
みたいなことになりますが、
ここには怪物も幽霊もいません。
とても大きなオオカミが来て
食べられてしまいます。
それはそれは大きくて、
この建物の天上に
ギリギリ届かないくらいなのですが、
見ての通り
ここの床と天井までの距離は
1500mほどです。
ええ、もちろん。
食べられた方もいらっしゃいますよ。
なのでお気をつけくださいね。
最後に、
お帰りの際は
絶対に「夜の鳥」を利用してください。
はい、あの迷子列車です。
オオカミが近くにいた時、
家を知られてしまうと
何かと面倒なので。
それではお気をつけてお帰りください。
また明日、お待ちしております。
"Good Midnight!"
10/28/2024, 12:44:25 PM