『暗がりの中で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
暗がりの中で遊ぶ
鬼さんこちら 手のなる方へ
絶え間ない笑い声が響き渡る
あともう少し
あたたかい光が迎えにきてしまうまで
こうして遊んでいたい
あともう少し
少し冷たい暗がりの中で遊んでいたい
真っ暗な部屋の隅
全てを投げ出したい夜に
浮かんでくるのは
大好きなあの人の声
なんで好きになっちゃったんだろう?
あの人を知る前に戻りたい
同担拒否が否定される世の中じゃ
いつまでも辛いまま
大好きなあの人を大嫌いになるために
何が出来る…?
そんなことを考えながら
今日もまた浅い眠りにつく
【暗がりの中で】
膝を抱え胎児のように丸まり横たわる。ここは暗くて冷たくて、もう大切なものが何処にあるのかも分からなくなってしまった。
それでも一筋の蜘蛛の糸のように貴方の声が聞こえる。
手を伸ばしたくて、能わなくて。
貴方を損なうくらいならこのまま消えてしまいたいのに、貴方はそれを許してはくれない。
『暗がりの中で』
暗がりの中で、異質なモノを見つけた事がある。ただ、直感的に、あれはダメだと肉体が拒絶するように、全身の毛穴が開いた時の痺れ具合が、あの時私の全身に走っていた。今、思えばあれはこの世で最も関わりを持ってはいけないモノだったのだろう。
なぜなら、家まで走り帰って家族に言われた言葉がなんで全身血塗れなのだと叫ばれたからだ。勿論、私はモノに触れてはいない。何より私自身が体を見ても血など1滴も付着していなかった。
けれど、見つけた事がいけなかったのだ。この後、家族は私を近くの寺に連れて行きお祓いを受けさせた。お祓いを受けている最中に、私を取り囲むようにあの異質なモノが私との距離を詰めようとしているのが見えた。私は、全身の毛穴から体の水分が全て出ていくのではないかと思う程に、汗が流れ出ていた。
だが、汗が流れる度にあの異質なモノは私の目の前から少しづつ姿を消していった。結局全て居なくなるのに、8時間近くもかかった。私は暗がりの中に、潜り込むことは二度としないと誓った。
暗がりの中を、探すな。
お終い
冬
夜と朝の区別がつかない時間帯に
外に出る
徐々に明けていく空
暗がりの中で太陽を待つ
※暗がりの中で
暗がりの中で佇む私に
彼は私に声をかけてくれる
「ひとりじゃ危険だよ。」
「...うん。」
「ねぇ帰れるかな、わたしたち」
「わかんない。きっと帰れるよ。」
「うん。」
「じゃあ行こう」
今日も私と彼は暗がりの中を歩き続ける
─────『暗がりの中で』
暗がりの中で
見つけた光
希望という名の
本音の光
#暗がりの中で
わざわざ自分で「今日から寝る時は真っ暗にするの!私はおねえちゃんだから!」と宣言した君に、いつの間にそんなに成長していたのかと驚き半分嬉しさ半分で、そっかと答えたけれど、やっぱりまだ暗がりが怖くて泣いてしまった君。
ぱぱ、一緒に寝てあげる!
そう言って私の布団に潜り込んできた君。
どれもこれも私にとっては大切な思い出。
だけど、この思い出も作れるのはあと少しかな。
そう考えると少し寂しい気もするけれど、君の成長だと思うとそれすらも微笑ましいな。
これから反抗期も来るかもしれない。
だけど、私の唯一の願いは君がいつまでも健やかに過ごすこと。
だから、あと少しだけぱぱっ子でいてくれよ。
【暗がりの中で】
電気を落とした真っ暗な家の中で身を潜める。暗い家は昔から大嫌いだった。両親の怒鳴り合う声の響く中、押し入れの片隅で膝を抱えていた日々を思い出すから。だけど。
手の中のクラッカーと電灯のスイッチとを、そっと握りしめる。どうしてだろう、君のことを思うとこの闇も怖くないんだ。君がどんな顔で驚くのか、嬉しそうに笑ってくれるのか、そういうことを想像するとひたすらに胸が弾んで、暗がりの中で過ごす時間も悪くないもののように思える。
玄関の鍵の開く音。廊下を歩く規則正しい足音。
「ただいま。あれ、いないの?」
不思議そうな君の声が耳朶を打つ。勢い良く立ち上がり、クラッカーを盛大に鳴らした。
「お誕生日おめでとう!」
スイッチで電気をつければ、あまりの眩しさに目がくらむ。電灯の真っ白な光に照らされた君の瞳が、驚愕に大きく見開かれていた。まるであの日、家を追い出されて路地裏で膝を抱えていた僕を見つけてくれた時と同じように。
『え、子供……? こんなところで何してるの⁈』
太陽の光を背負った君が、まるで神様のように見えたことを覚えている。あの日から僕の人生は君のもので、君が笑ってくれる姿が僕の生きる意味になったんだ。
「お祝いしてくれてありがとう、むっちゃ嬉しいよ!」
満面の笑みで僕を抱きしめてくれる君の温もりが、空っぽな僕の心を満たしてくれた。
夜は優しい
毎日世界を一色に近づける
暗がりの一元論
夜は教えてくれる
世界に差異を生んでるのは光だと
その光の中で見た何かに怖くなった今日
夜ではそんな何かも私と同じ色になっていく
瞼の裏と世界の差異がなくなっていく
私の中の世界と世界が重なっていく
わずかに残る感覚だけの世界に私がいる
世界にいるのは私だけなのではないか
そんなふうに独我論が私を包み込んでいく
暗がりの中でみた独りの世界が怖くなってきた
自分以外の何かの存在を信じたくなった
私以外の何か…何か…誰か…
朝は優しい
毎日夜に終わりを告げる
多元な世界へ私を連れ出す
《暗がりの中で》
わたしの世界は光に包まれていて
何も知らず しあわせが当たり前だった
誰かがわたしを暗闇に連れていき
身動きの取れないロウ人形にした
怖いとか 痛いとか そんな気持ちすらも
繰り返される時間の中で溶けていった
私の世界は闇に包まれていて
今日もあの人が帰ってくるのを
静かに待っている
『暗がりの中で』
時間は22:22。
"夫婦の日"や"スワンスワン(吸わん吸わん)の日"など、
よく目に付く数字。
私にとっては嫌味な、こじつけたその言葉達が頭に浮かぶ。
「つまらない。」
そう吐き捨てながら台所へ向かい、煙草に火を灯す。
昔は、そのつまらない事を共感する相手がいた。
そんな些細な事が、
本当につまらなくなったのはいつ頃からだろう…
溜息には白煙が混じっている。
闇を照らしていた火が消える頃合。
頭がボーッとして体がふらつく感覚に気付く。
寝起きの喫煙で思考が止まる。
ふらつきながら暗がりの中で静かにしゃがみこむ。
暗がりの中で
君は何を見ているの.....?
「周りに誰かいる....?」
かゴめカごメ
かゴノなカノとリヨ
イツいツデあウ
『うシろノショうねンだァれ......?』
見えないなら
立ち止まって
自分の感覚を
研ぎ澄ませる
何に気付くか
誰かいるのか
何もないのか
迷い込んだか
此処は何処だ
進めないなら
声を上げ叫べ
私は此処だと
見えたものは
気付くものは
大切なものは
『暗がりの中で』
飲食会
同級生6人で
みんな盛り上がってる
でも俺は
俺だけ
帰り道の事しか考えられない
楽しいけど
すごい楽しいんだけど
帰り道
もし、崖から落ちたら
道に迷ったら
車にひかれたら
怖い人に絡まれたら
なんて、1人で考えて落ち込んでる
将来
なにしてるんだろ
みんな大体夢が決まってる
俺は決まってないけど
頭が良くなかったから
それなりの高校に行った
みんな
大学受験頑張ってるんだ
そんな話題になるこの時期
この先、生きてるのかな
病気になったりしないかな
みんなと同じくらい
長生き出来るのかな
暗い未来だけ考えてしまう
いつも
考えすぎてしまう。
怖くて
怖くて
息が苦しくなる
ネットで調べた
「ネガティブに考える人は鬱病になりやすい」
「精神科医に相談するのも1つの手」
精神科
聞かれるんでしょ
医者に
どのようになるかって
そしたら
また
いろんな不安が頭をよぎる
もう、考えたくなかった
お父さんにも相談した
精神科に行っても、薬で誤魔化してるだけだ
気分転換に散歩でも行くか
ポジティブに考えればいいんだよ
そんな考えすぎるな
って、
それができたら
苦しんでない。
もう、どうしたらいいか分からないんだ。
みんな
未来があるのが当たり前だって
生活してるけど
来ないかもしれない明日を考えてしまう
ねぇ
誰か
助けてよ
俺だけ暗がりの中にいる
暗がりの中で、私は綺麗な提灯を手に、神社の中を進んでいる。
これは神社と私の居る会社とのコラボ事業の一つで、無事に進んでいってるから、休憩ついでに体験してきて、と言われ、私は今実際に自分達で企画したイベントを体験している最中なのだ。
今回コラボさせて貰った神社は、パワースポットとして人気を博している神社だ。コラボ内容はいたってシンプル。
参道から進み、少しある森に入って神社に置いてある札を持ち帰り、その番号によって貰えるものが違うというもの。
もちろん、商品は私の居る会社の商品である。
「あれっ?私、迷った……?」
ちゃんと進んでいた筈なのに、一向に神社に辿り着かない。幸いスマホの電波は繋がっているものの、何で私はこうなってるの?
「ちゃんと進んできたのに……。
私って、方向音痴なの……?」
これまで道に迷った事は無かったのに、私は今迷子になっているかもしれない。
パニックになってもいいのに、私はまったく怖くないし、パニックにもなってない。
それも不思議な話…。
その時。
『こんなところで何している』
いきなり声をかけられ私はびっくり。
「えっ?!あ、あの……」
『こんな所で迷ってないで早く神社の道へ戻るんだ。』
私に声をかけてきたのは、二十歳くらいの青年で、とても綺麗な顔をしていた。
この子は……誰?
『さあ、早く……』
そう言われると、私の手を彼は優しく掴み、神社の近くへと連れて行ってくれた。
『さあ、速く戻るんだ。ここは貴方が居ていい場所ではない。』
「あ、あの……」
『幸せに、人の子よ』
「えっ……?」
そう言うと青年はいつの間にか消えていた。
私は無事に神社辿り着いたわけだが、どうやら私は長い間帰ってこなかったらしく、会社の人達にとても心配されていた。
私には全然そんな実感がなかったので驚いたが、私はやっぱり道に迷っていたらしい。
けれど、そんな私を優しくここに連れてきてくれたあの青年は、一体誰だったのだろう。
もしかしたら、この世の人では無かったのかもしれない。
けれど、青年が最後に言ったあの言葉、
『幸せに、人の子よ』
あの青年は、もしかしたらこの神社の神様だったのかもしれない。
私は霊感とかそう言うものは全くないのだが、私は不思議な体験をしてしまった。
けれど、何だか嬉しく思う、体験だった。
雨が降っていた。
いろんな音が聞こえていたが
俺は雨の音に集中していた。
しかしそれも長くは続かなかった。
なぜなら人の声は何よりも耳に届き
理解できる言葉はどうしても脳を刺激するからだ。
聞こえた言葉はいくつかあった。
聞こえた声もいくつかあった。
どれも耳を塞ぎたくなるような言葉。
そしてどれも容易に状況が想像できる言葉。
でもその中でひとつだけ、はっとさせられた言葉があった。
『ありがとう。ママ。』
か細く震える声だった。
今にも消え入りそうな女の子の声に聞こえた。
悲嘆や苦しみや憎悪などではなく、
その声はとても穏やかにそう呟いていた。
こうなってしまってからどれくらい経っただろう?
スマホのアラートがけたたましく響いたのが昨夜の22時半頃だったと思う。避難警報なんて意味無かった。それは一瞬で、気付けば天井が目の前にあって、もはやそのスマホもどこに行ったか分からない。探すことも出来ず体を動かすことも出来なくなっていた。。
全身に力が入らない。
痛みももはや分からず、
自分の体がぶるぶると痙攣しているのが分かった。
少し眠かった。
無意識に目を瞑っていた。
でもある瞬間、気付くと
目の前の壁が無くなっていた。
それに気付くと少し頭が疼き、
視界がぼんやりと赤く染まるのがわかった。
でも暗闇の中でやっと見えた星空。
降りしきる雨で赤い靄は晴れていき
俺ももうすぐ終わるのを感じた。
星は綺麗だった。
声も聴こえなくなった...。
目が覚めるともうすっかり真っ暗だ。
今が何時かもわからない。
スマホがあれば懐中電灯にもなるし時刻も確認できるのに。
しかし手元を手探りで届く範囲には見当たらない。
記憶を頼りに部屋の出口の方へそろりと向かう。
ふすまを開けると暗がりの中で薄ぼんやりとLEDが光っている。
なぜ電気を消しても光っているんだ。
この前購入したLEDは不良品なのか?
それともLEDの特性でそういうものなのか?
いや、さらに前に買ったLEDはちゃんと消えるじゃないか。
でもトイレに行くにはゴースト現象がある方が都合がいいぞ。
次買うときもゴーストLEDにするか。
でもゴーストの有無はスペック記載はされてないしどうしたものか。
どうにか突き当りにたどり着き用を足す。
おっと、音を立てるのは危険だ。
排尿を一時停止して、サイコガンにサプレッサーを装着した。
ふぅ、これで安心だ。
着弾先は水面を避け、極力消音に努める。
ちなみに俺は小でも大で流す派だ。
ジャー、ゴポゴポ、しまった!ヤツに気づかれた!!
いくら細心の注意を払ってもポリシーだけは曲げられない。
やっかいな性格だぜ、やれやれ。
暗がりの中で
『暗がりの中で』
深い暗闇の中、ただひたすらに歩く。
灯りは見えない。足にも疲労が溜まっている。
けれども、不思議と進む道は分かっていた。手足さえも見えない暗闇の中、ただ真っ直ぐと進む。
……どこに行くんだっけ?
ふとそんな疑問が脳裏によぎった。この暗がりを抜けた先。そこに何かがあったはずだ。
そう思っても、頭には霞が掛かる。どこへ向かっていたのかなんて思い出せない。
それなのに足は進んでいく。すべるように、刻むように。
――とつとつ。とつとつ。
規則正しく鳴る音に、ぼんやりと、心臓みたいだなんて思う。体を動かす全ての源。生きてる者の、命の音。
けれども周りは酷く静かで、温度すらない。暗闇以外、何も存在などしない。
……ならば、今ここで。この足を止めたら、どうなるのだろう?
そう思った直後、前方の闇が蠢いた。ざわざわと闇がのたうつように、濃くなったり薄くなったりしている。
「……何?」
思わず呟いた時だった。歯切れのよい、どこか見知った声が聞こえてくる。
「走って! ――!」
その言葉が聞こえた途端、理解するより先に体が動いていた。足は飛ぶように地面を蹴る。
思考なんて置いてきぼりにして、体はただ走っていた。
……まって、まって待って!!
何で走ってるのかも分からないまま駆け抜ける。良く見れば足をついたところが僅かに光を放っていた。
……なに、なに、なに!?
光は徐々に強くなる。いつの間にか前方の闇は薄れていた。
――そして。
「わっ!?」
「……ルシアッ!?」
気付けば森の出口にとびだしていた。先に待っていたであろう兄が慌てて受け止める。
「良かった! 途中ではぐれた上に出て来ないから、森に飲み込まれたのかと……無事で、ほんとに無事で良かった……!!」
少女――ルシアは兄の腕の中で目を瞬かせると、はぁ、と小さく息を吐いた。
あぁ、と鈍くなり掛けていた頭を動かす。
……森で、迷っていたのか。
森。人を迷わせるという暗霧の森。魔物から逃げる途中、その問題の霧に足を踏み入れてしまったのだ。
それに気付いたであろう兄は、前を見つめ『何があってもあの方向へ走れ!』と言っていたのだが。
いつの間に逸れてしまっていたのだろうか。
「何だったの、今の……」
思わずそう口にしていた。
思考が鈍くなっていく空間。一寸先も見えない闇。
森の中に居たはずなのに、そうとは思えないような何も無い場所。
あのままあの場所にいたら、どうなっていたのだろうか。
兄から少し離れると、頭上から少し疲れたような声が降ってくる。
「忘れた方が良いよ。また引きずり込まれたら、たまったもんじゃない」
「忘れるって……難しいよあんな場所」
「大丈夫、きっと月日が忘れさせてくれるから。そういう場所なんだ彼処は」
そう言った兄は狐のような細目を森へと向けた。クリーム色をしているはずの髪が影を落とし、その表情はどこか暗い。
「……そうなの。でも確かに、あんな思いはもうしたくないかな」
ルシアは兄を追って森を見やると、ふるりと身震いした。
暗霧の森。出来ればこれ以降は遠慮願いたい。
「……そういえば魔物は?」
今日ここに来ることとなった原因を思い出し、兄へと聞く。
「あぁ、倒したよ」
「倒した!? あんな中でよくやるね……」
「捕まる前に倒して、逃げ仰せたからね。これでも無我夢中だったんだよ?」
そう笑う兄は、トレードマークとも言える三つ編みがちょん切れてしまっている。無我夢中という言葉も嘘では無さそうだ。
「さ、仕事は終えたし帰ろうか。さっさと離れて我が家に帰ろう」
「そうだね。お腹空いた……」
「何食べたい? 美味しいの買ってっちゃおう」
そんな会話をしながら、森を背にする。
ゆっくりと歩き出した二人の姿を、柔らかくて大きな白い月は優しく照らし出していた――。
……暗がりの中で聞こえた声は、きっと少女を救うための……
拍手が聴こえる
観ているものがいる
得体の知れない不快感
暗がりの中で