NoName

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目が覚めるともうすっかり真っ暗だ。
今が何時かもわからない。
スマホがあれば懐中電灯にもなるし時刻も確認できるのに。
しかし手元を手探りで届く範囲には見当たらない。
記憶を頼りに部屋の出口の方へそろりと向かう。
ふすまを開けると暗がりの中で薄ぼんやりとLEDが光っている。
なぜ電気を消しても光っているんだ。
この前購入したLEDは不良品なのか?
それともLEDの特性でそういうものなのか?
いや、さらに前に買ったLEDはちゃんと消えるじゃないか。
でもトイレに行くにはゴースト現象がある方が都合がいいぞ。
次買うときもゴーストLEDにするか。
でもゴーストの有無はスペック記載はされてないしどうしたものか。
どうにか突き当りにたどり着き用を足す。
おっと、音を立てるのは危険だ。
排尿を一時停止して、サイコガンにサプレッサーを装着した。
ふぅ、これで安心だ。
着弾先は水面を避け、極力消音に努める。
ちなみに俺は小でも大で流す派だ。
ジャー、ゴポゴポ、しまった!ヤツに気づかれた!!
いくら細心の注意を払ってもポリシーだけは曲げられない。
やっかいな性格だぜ、やれやれ。



暗がりの中で

10/28/2023, 8:41:22 PM