『時間よ止まれ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
時間よ止まれ
時間は止まらないのだと、誰もが知っている。
それでも時間は無情で、つい止まれと願う。
願ってしまう。止まらないと知っているのに。
仕事があとちょっと残っている。
この本を読んでしまいたい。
そろそろ出かける時間だ。
そんな葛藤と私たちは戦っている。
そして今日も。
そろそろ起きて庭木に水やりをしたいのにぼんやり眠気に襲われている。
時間よ、止まれ。
私の都合のいい時間まで、時を止めて。
#時間よ止まれ
姉が死んだ。妹が死んだ。友人が死んだ。
俺にとって大切な人がどんどん亡くなっていく。
止めてくれ、これ以上俺から大切なものを奪わないでくれ。
これ以上大切な人が居なくなるくらいなら、時間よ、止まれ。
そうすれば俺はこれ以上大切な人を見送らなくて済むから。
時間よ、止まってくれ……。
【時間よ止まれ】#4
『時間が止まったらな。』
人間誰しも、1度は思ったことがあるはず。
時間なんてそう簡単に止まるものではなく、どんどん過ぎていく。
でも、俺だけは違った。
俺は、生まれつき、
"時間よ止まれ"
と言うと、時間が止まり、
"時間よ動け"
というと、時間が動く能力を持っている。
でも、乱用はできない。
一日に6回使ってしまうと、体のほとんどのエネルギーが使われて、倒れてしまう。
ある日、俺は最近使ってなかったから、今日はこの能力を沢山使っちゃおうかな。と思った。
嫌いな上司を禿げさせてみたり、
嫌な感じの取引先の人を転ばせに行ったり、
ストレス発散で都心で叫んでみたり、
色々な事をやった。
「これでもう5回か、、」
終わるのはあっという間だった。
そんな時、ある人が目に入った。
トラックに引かれそうな小学生の男の子。
とっさに、助けなきゃ、と思ったが、もう5回使っているため、もう1回使ったら倒れてしまう。
でも、目の前には引かれそうな小学生。
ええい、もう、どうにでもなれ!という気持ちで、
「時間よ止まれ!!!」
と叫んだ。
すると、時間が止まった。
いつもなら、時間は止まらず、倒れるはずだった。
「え、あ、え、なんで、、」
困惑と驚きが止まらない。
「あ、た、助けなきゃ、!!」
俺は、小学生を歩道に連れていった。
この後、どうなるのだろう、
6回目の後は初めてだ。
「時間よ、、動け、、」
怖さに目を瞑ってしまった。
次に目を開けた時は、病院のベッドだった。
「おかあ、、、さん、、?」
お母さんは怒っていた。
『あんた、6回目使ったでしょ、ほんと、何に使ったのよ、ばかねぇ。』
お母さんに言われて、自分でも行動を見返してみることにした。
小学生の頃に、トラックに絵を描いたり、
給食の苦手なものだけ戻したり、
テストで他の人の用紙をカンニングしたり、
いじめっ子を殴ってみたり、
上司、先輩、取引先に嫌がらせ、
今まで、自分のことだけを思って時間を戻してきた。
でも、今日、6回目を使った時、
あれは、人のためだった。
神様も、人のために使うなら6回目を使わせてもいいと思ったのだろう。
「俺、もう自分のためだけに時間止めない。」
『え?あんた急にどうしたのよ?』
お母さんには理解できなかったようだけど、
俺はこれから、人のためだけに時間を止める。
そう決意した。
これは小さい頃のお話。
こっくりさんって知ってる?
そう。紙に五十音を書いて、十円玉で行うあの、いわゆる降霊術ってやつ。
なんで小学生の頃って、あれ流行るんだろうね? 手軽な遊びというか占いみたいなものなのかな。
でも、私達がやっていたのはこっくりさんじゃなくて、その派生系。やってることはほぼ同じだけどね。こっくりさんじゃないから危なくないと思ったんだろう。
ある日、体育館の裏でそれをやっていたんだけど、どういう話の流れだったか、そのこっくりさん――正確にはキューピッドさんが、時間を止めると言い出した。キューピッドさんって、名前だけ聞くと恋愛関係のことを話しそうなのに、なんでそんなことになったんだろうね。
しかし、私達は大いに盛り上がった。それはそう。本当にそんなことができるのかと。止まったらどんな感じなのだろうと。
目を閉じて祈るように言われ、私達は目を閉じた。
時間よ止まれ。
時間よ止まれ。
時間よ――
さっきまで、遠くで誰かが誰かを呼ぶ声がしていた。「お――――い」と、大きな声を長く響かせていた。
その声が、突然ぴたりと止まった。
声だけじゃない。風が木々を揺らす音も、生命を感じさせる全ての音、時間が流れていることを感じさせる全ての音が、聞こえなくなった。
それはどれくらいの間だったか。
ほんの一瞬だったような、長い間だったような。
気付けば木々のざわめきも、誰かを呼んでいる声も、また戻ってきていた。
まるで、時間の流れに空白を差し込んだかのようだった。
キューピッドさんにあなだがやったのかと聞く。鉛筆(キューピッドさんは十円玉じゃなく鉛筆でやる)は「はい」へとゆっくり移動した。
この出来事で怖くなり、キューピッドさんをやることはなくなった――なんてことはなく、むしろ本物だ! と余計に盛り上がってしまい、それからもたびたび行っていた。大人になっていくにつれ、やらなくなってしまったが……。
それにしても、もしこれが本当にキューピッドさんの力で、もっともっと長い間時間を止められるとしたら。もしキューピッドさんがとても悪い存在で、時が止まった世界に閉じ込められてしまったら。私達はどうなっていたんだろう?
やっぱり危険なことはやらない方がいいね。
もし、これを読んで興味を持ってやってみたいと思ってしまった人。
私は一切責任を持ちません。やるなら自己責任でお願いします。
『時間よ止まれ』
自由落下は知ってるか?
簡潔に言えば
空気抵抗を無いものとし、重力のみによって
物が落下することである。
私は後悔した。
この生身で、この階層で、
自由落下は出来ないのだ。
どこからともなく風はくるし、
鳥も同じ高さを飛び回っていて
今にも衝突しそうである。
ああ、こんなに長いのであれば
いっそのこと、時間よ止まってくれ。
【時間よ止まれ】#51
時間よ止まれ
すぐそこに未来はあって
振り返れば過去が手に届く
今なんて私のほんの数十センチ
周りを漂う透明な
空気みたいなもの
先に見える景色は
今の私からは未来で
進むべき道標を示す
どの方向へ向かっても
全ては未来のことだから
何を選び何を捨てるかは
今にかかっていると知る
どこからともなく聞こえる声
「時間よ止まれ」
ここにある透明を取り込んで
少なくとも今だけは
混じりけのない
純粋な思いのままで
明日を見ていたいから
「今を大事に生きて」
過去が簡単に
振り返させずに
そう背中へ伝えるから
大きく息を吸い込んで
明日となる前を見ていく
やっと訪れた
君を忘れている
刹那
時間よ止まれ
もう
思い出させないで
君のいない世界で
麻酔のように
夢も見ないまま
何も見ず
何も聞かず
何も考えず
何も思い出さず
ただ
眠りたいんだ
君のいない世界なら
眠らせてくれ
永遠に
「時間よ止まれ」
期間限定
汗をかきながら歩く
慎重に
警戒しながら
目的地まであと少し
しかし眼前には無常の大蛇
飢えた獣達の織りなす鎖
ここは戦場だった
※時間よとまれ
どんなに願っても、たぶん、願うほどに、より強く感じるんだ。
心臓が絶え間なく動いていることを。
時間よ止まれ
あなたの声が聞けるこの瞬間が一緒に笑っていられる瞬間がどれだけ大切なものなのだろうか。
未来の私は今の私を羨ましく思う日が来るのだろう。
そうなってしまうくらいなら、時間よ止まれ。
『時間よ止まれ』
疲れているときの風呂ほど嬉しいものはない、と感じることが増えた。
仕事、家事、育児に加え、最近の異常な暑さにより疲れがたまっているせいだろう。
一人でお湯に使っているときは、何も考えずボーっとしていられるし、次の休みにどこへ行こうか計画を立てることもできる。
子供のために浴室に貼っている日本地図を見ながら、まだ行ったことのない場所へ思いを馳せるのもよい。
何時間でもお湯と一体化していたいが、残念ながらのんびりもしていられない。
この後は、子供たちを風呂に入れ、着替え、ドライヤー、歯みがき、寝かしつけ、とやることは盛りだくさん。
自分だけの入浴時間はせいぜい十数分しかなく、いっそ時間が止まればいいのにと思う。
今度自分だけの休みが取れたら、銭湯にでも行って、心行くまでお湯に浸かろう。
習作
(kkネタバレを含む可能性があります。)
∅*。
時間よ止まれ
“時が止まればいいのに”
そう思いだしたのは何時からだっけ
でもずっと、ずっと前から思ってたこと
今はもう止まってるも同然なんだけど、そうじゃない気がする
もうとっくに忘れちゃった
何が欲しかったんだろう
でも楽しいからいっか
あなたにいつでも会えるしね
退屈しない
どんな残酷な最期も、どんな幸せな最後も
私は見てきたよ
でも、
なんとなくあなたにはあなたなりの選択をして欲しいな
時が止まれば良いと望んだ私に感謝しなきゃ
そうじゃないと、あなたにこんな気持ち沸かなかった
沸くはずもなかった、なんて思うんだよね
あなたにこの事を言うことはないと思うけど
それでいい
そうじゃなくちゃ楽しくないじゃない?
少しくらい生意気じゃないと
面白くないでしょ?
ふふ
(彼女は無邪気に微笑んだ)
『時間よ止まれ』
藍から青へ、青から白へ、白から橙へ。
レンズ越しに覗いた白む空の変遷を、カシャリカシャリと軽い音を立てて、写真の中に閉じ込めていく。
瞬く間に移ろいゆくグラデーションを、ただ無心に焼き付けて。止まることのない時をせめてこの写真の中に捉えようと、私はシャッターを切り続けた。
そして今日もまた、夜が明ける。
雪が降り積もった冬のある日。
朝焼けを見に行こうと誘った君の言葉に乗って、まだ空に月が浮かんでいる時間に家を出た。マフラーに顔を埋めて寒さから身を守ろうと縮こまる君が差し出した手を握って二人でゆっくりと夜の道を歩いた。
暫く歩いて開けた河川敷に着いた。並んで草の上に腰を降ろしたのは失敗だったかもしれない。二人のズボンに雪がたくさん着いた。
くだらない事を話しながら夜明けを待つ。
「あっ!」
君が小さな驚きの声を上げた。ふと見ると、朝焼けが近づいてきたようで、空が少しずつ明るさを増していた。暫く二人でじっと水平線の彼方を見つめていた。
一瞬のうちに空の色がどんどんと変わっていった。いつもと同じ空のはずなのに、何色もの色を巧みに使い分けて造られた空は、いつもよりずっと綺麗だった。空が藍色から水色に変わって、水色から黄色に変わって、黄色から橙色に変わって、橙色から赤色に変わって、そして最後に朝が来た。
「…綺麗……!」
思わずそう零した君の横顔は数多の色の空の光に彩られていて、つられて思わず零してしまった。
「綺麗…」
ああ、カメラを持ってこなかったのは失敗だったな。カメラさえあればこの時間を永遠に残しておけるのに。ああ、このまま
「時間が止まってくれたらいいのに」
太陽が別れを告げる夕空、放課後。
その下で友人とわたしは、帰るべき場所へと向かっている。
「ねえ、時間が戻るならいつの時代に戻りたい?」
素朴な雑談のテーマといったところだろうか。友人は唐突に話し始めた。
「うーん、いつの時代か......。江戸時代かな」
日本史の小テストが明日あるので、思わず浮かんだ時代を口にする。
「それ、小テストの範囲じゃない?」
友人は吹き出しながら、私の答えに突っ込む。コンマ1秒で友人に心の中を読み取られてしまった。
ばれたかーと、頭をかきながら、友人にも聞いた。
「じゃあ、そっちはどの時代に戻りたいの?」
「私はねー......」
友人は、か細い腕で背伸びをしながら答えた。
「文化祭の日」
こうして、 交差点前についた。
「じゃ、ここから1人で戻るね」
そう言いながら友人は横断歩道を渡っていく。
「大丈夫?道わかる?」
「馬鹿にしないでよねー」
小言を言い合いながらも、友人は遠くへと消えていく。
何か言いたいのに、言葉が詰まって出てこない。
次第に歩いていく姿は、視界が滲んでよく見えなかった。
「文化祭の日」
あの日は本当に楽しかった。友達とやりたい事を全力で準備してやり切って。これ以上ない出来事だった。
でも翌日、私は救急搬送された。癌だった。手術をしても、進行が早かったので寿命は半年。
すぐ学校は行けなくなった。でも、たまに病院近くを通る友達へ会いに行くために、こっそり病室を抜け出した。
真面目で生徒会も受験も忙しい、私の友達。
もっと一緒にお出かけして、お弁当も食べて、テスト前には勉強会もして。恋バナとかもしたかったな。
交差点を渡る途中、痩せ細った体を無理矢理動かしながら、考える。でもきっと、
「文化祭が楽しかったな」
そう、戻れるなら文化祭の日がいい。友達と過ごした1番楽しかったあの日。
だけど、ちょっと違うかも。
「戻る」というよりは、あの日を永遠に。そう、いっそのこと『時間よ止まれ』。これが合っているだろう。
『時間よ止まれ』昨日の夜に。
今、開かない駅で電車を待っている。置いてこようと思った飲み物食べ物はやっぱり持っていこうとリュックに詰めこんでいた。歩いてくるとき重かった。先を考えると辛いので、途中に難民がいたらあげようと思い探した。都合良く居たらスゴいと思いながら歩く。なんと駅に着いたら沢山いた。段ボール引いて、寝転がったり座ったりしているから都会にはこんなに難民がいるのか、これではあげる人を選ばなきゃいけないじゃないか無理だ、と思ったら駅が開くのを待っている人達だった。「まだ二時間もあるのに」と、タクシー運転手が私と待機民の集団を見てヒソヒソと話した。私はその場を離れて歩道橋の階段に座った。ぬるい風と工事の音がする。通行人もほとんど居なくて気楽だった。さらに夜の工事の作業者が離れにいて明かるく賑やかだったので安心できた。
悲しくて涙が出た。悲しいのか寂しいのか、不甲斐ないのかみっともないのか。配慮にかける自分への苛立ち。
食べ物の匂いを嗅ぎ付けたカラスが近くで鳴いている。餌はここだぞ。
通りすがりの男性が見えなかった私に気付いて、わ!と驚いた。ごめんよ。自転車のおじさんがやってきて「ここは何処にありますか」とスマホを見せてきた。文字だけが書いてあり、スナックかと思って店名を調べたら、スーパーマーケットだった。まだ開店してないけど良いのか聞いたら何も言わない。開店は午前10時..今は午前2時半ですおじさん。一応場所がある方を指差して教えたら無言で去っていった。待ち合わせでもしていたとゆう事にしよう。これもやはり工事の人達が作業しているお陰で安心できた。彼らも少しは作業に張り合いが出るかもしれない。こんな時間なのに賑やかな街で気は紛れる。この気持ちを吐き出すことで、気が紛れる。
「ここならいいか。」
彼を担ぎ、慎重に歩く。追われる身ではあるが、負傷した彼を休ませるため洞窟に入る。日は射さないが、一時しのぎにはちょうどいい場所だった。
兵服を丸めて置いて、彼の頭をそっとのせる。彼の体が冷えないように自分のマントを上からかけ、ぴたりとくっついて横に座る。
見下ろした彼の無心の寝顔が、いつか本当に彼が目覚めない日を私に想像させ身が震える。彼の顔におもむろに手を近づけ、優しく頬を撫でる。指先に伝わる熱が愛おしくて、惜しい。
つかの間の休息が終われば私たちはまた戦いに行かなければならない。こんな状況なのに、私は今この時が永遠に続けばいいと願った。
『想いは永遠に』
時間よ止まれ
心の底からそう思ったあの数日間
私は灼熱の国で恋に落ち
気持ちの整理をする為に
彼とさよならをする為に
何回も訪れたこの国を
最後にしようと決心してそこに居た。
時計を何度も何度も見ては
残された時間を思った
いま私の周りに眠る子供達は
彼の子では無い。
でも言えるのだ。
あの気持ちは
あの苦しくて切なくて
気が狂いそうな程の心の痛みは
そこまで人を恋慕ったあの経験は
私を確実に変えたのだと。
あの時ほどの
時に対する自分の欲望は
年月を経ても色褪せない
時間よ止まれ、止まってください。
もしかしたらもう1人の私は
彼と止まった時間の中で
笑いあっているのかも知れない
そんな風に思うほどに。
「ねぇ、もし少しだけの間、時が止まるとしたら何をしたい?」私は友人に訪ねた
「そうね、、少しだけの間止まるなら彼の頬にキスをしたいわ」
彼女は頬を赤らめて言った
「ふーん、ロマンチストね」
「そういうあなたはどうなの?」
彼女は、はぐらかすようにして質問を投げ掛けた。
「私?そうね、、、私は,彼の顔をずっと眺めていたいわ」
「彼はいつも煌めいていて、いつも見ることができなかったの」
「彼は、どういう人なの?」
私は高ぶる感情を押し殺して言った
「透き通るような肌に、真っ黒なメガネだった気がする、あっ!.あと彼は真面目で優しくて、お茶目で、少し子供っぽかった気がするわ」
「ふーん、そうなの」
友人は詰まらなそうに相づちを打った。
「彼はいつも眩しくて見えなかった,だから私さ、時が止まってくれるなら彼の顔を見つめ続けたい」
「彼は私にどんな顔で話していたのか,彼の唇はどんな色なのか,、今まで見渡せなかった分全部見たいわ」
私はうっとりとした目で語り始めた。
もし願いが叶うなら、どうか神様、彼の顔をしっかりと見れるチャンスを下さい
「なっ、、、あんた大丈夫?!」
「えっ、、、?」
私は、とっさの事に戸惑ったがすぐに気付く
「顔中鼻血で埋もれてるよぉ!!」
その合図と共に私は激しく床に叩きつけられた。
「ええっ!!、また倒れるのぉー、今回で何回めよ!!」
彼女は口をへにしてそう発した。
「今年で13回目、、、」
彼女はおぼつかない手付きで13と指でさした。
「おめでとう、あなたの出席番号と一緒よ、これ以上増やさないで」彼女は深いため息をつく
彼女は私の体を背中に移動させる。
「お願いだから、、、そんなに、興奮しないで下さい」
私は、頭が朦朧とする中テレビで聞いたことのある有名な台詞が聞こえた。
命は、一所には留まれない。
空を流れる雲のように、深い海の底を巡る海水のように、絶えず流れていく。
流れていく間にバラバラに砕け、どんどん小さく解れていって、やがて散り散りに。
微粒子になって他のものと混ざり合って、少しずつ寄り集まって、全く新しい命となる。
愛して、愛されて、そしてまた、命は還っていく。
アナタも私も、皆、ここから去る時がやって来る。
命は、一所に留まることは出来ないから。
巡り廻った先の先で。
きっと、また。
テーマ「時間よ止まれ」