『時計の針』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
その時、時計の針が動いた。特に意味のないそれっぽい感じの書き出しで始まる今日のお題。
時計か。昔は持ってたけど今はスマホので十分だ。時計って置場所にも困るし電池の問題もあるしな。スマホが最適解よな。
ただまぁ壁掛け時計とかはちょっと欲しいし、でかいちくたく時計はかっこいいね。
はっきり言って機能面では必要ないけどインテリアとしては優秀だよな時計って。インテリアにかける金も心の余裕もないけど。
おしゃれアイテムとしてなら懐中時計とか欲しい。昔あれがやたらとかっこよくみえてな。
片眼鏡をつけたインテリがさっと懐中時計を取り出すわけだ。あのかっこよさは腕時計とかスマホにはないよな。
腕時計に関しては昔からかっこいいと思ったことがないし興味を持ったこともないんだよな。昔Gショックとかあったなぁ、ってくらいか。
時計といえば有名な歌があったな。たしか平井堅が歌ってたやつ。おじい~さんの~時計~ってやつ。あれってカバーだっけ? よくわからん。
「時間は、人類に与えられた平等なものだ」
という人がいる。
これは半分正解で、半分不正解だ。
1日24時間、1年365日といった時間ならば平等だ。
しかし、命に与えられた時間は、平等ではない。
平和な暮らしをしていると忘れがちだが、
そもそも人は、自分がいつ死ぬか分からない。
今日、病と戦い力尽きる人がいる。
今日、事故で命を落とす人がいる。
今日、自ら命を絶つ人がいる。
今日、産声を上げずに天へ還る子がいる。
今日、理不尽に人生を奪われる人がいる。
今日、明日……
見えない未来に怯える必要は無いだろう。
しかし、それは必ず、ある日突然やってくる。
奇跡を期待出来るほど、幸運も平等ではない。
我々に与えられた時間は、決して平等ではない。
時に残酷なほど、あっという間に過ぎていく。
時計の針を戻すように、遡ることは出来ない。
この瞬間も、刻一刻と未来が今に変わっていく。
私は、あなたは、
今日、どう生きるか?
『時計の針』
『時計の針』
「うっそ、まだこれしか時間経ってないの?あ~早く仕事終わんないかな~」
「え!?もうこんなに時間経ってたの!?やっば!まだ一緒にいたいのになぁ」
「マジかよ・・・この時計、時間ずれてんじゃん。」
皆、『時間』を気にするけれど、その時間を確かめるために絶対に欠かせない存在が『針』なんだ。
普段は空気のように気にされない存在だけど、実は人間を突き動かすための絶対的存在。
デジタル時計よりもアナログ時計の方が好きって人は、その理由を、時計の針によって時間が『見える化』しやすいからだって言う。
針がどの方向を向いているかで、自分の行動指針が決まる。
ちな、私もアナログ派です。
ただじっと見ている。
少しずつ動いていく、長い棒と短い棒と細い棒を。
あれはぐるぐる回る。
じっと見ているのは他に見て良さそうなものがないから。
この部屋には他に動くものがないから。
あれがぐるぐる動いて、今と違うところに行けば、多分このドアは開く。
そしてあの人も帰ってくる。
しばらく見ていたけど、細いのは動くけど、長いのと短いのはあんまり動かない。
少し大きい声で動くように言ってみたけど、声は出なくて、空気を噛んだ。
ここは、体を思い切りたてにすることもできない。
小さい頃は、そんなことはなかった気がする。
小さい頃は、あの人以外にも誰かがいた気がする。
もっと小さい頃は…。
やることがないので、手を舐めている。どんどん舐めていると少しは何かが動きそうな気がする。
まわりのものをつついたり、かんでみたりする。
長いのと短いのは少し動いたかなと眺めてみるけど
何が何だかわからなくなってしまった。
目を閉じてあけて、目を閉じて開けて。
何にもすることがない。
お腹も空いたし、喉も乾いた。
「あーもう、何これ…何でペットシーツボロボロにするのよ…」
「散歩もしなくていいし、大きくならないって言われて飼ったけど、どんどん大きくなるし…。はー失敗した」
時計の針って常に何を考えてるのか?
とりあえず、擬人化してみよう。
まず秒針は若い社畜。
長針は器用で、社畜より早く昇進するタイプ。
短針はパソコンでゲームしながら、とりあえず任された少しの業務をやって定時に帰る上司。
これなら考えやすいな。
秒針はやる気があるからずっと回っているし、実は(何で回り続けてるんだろう?)とか矛盾をある程度考えているのでは?
長針はやる気あるけど、時間とか回りの状況を見て自分の仕事を割り振るから(これは非効率だし、ちょっと削ろう)とか思ってるのでは?
短針は(なんで自分はここにいるんだ?)とかかな?
時計の針は面白いな!
最後に、時計を見ている私たちは向こうから見たらどう思われてるんだろう?
時計の針がチッ、チッと音を奏でる。
私はこの音が嫌いだ。昔からこの音を聞くと恐怖に駆られるから。
最近は慣れてきたのだけど、心の奥底ではまだ恐怖を感じている。
そんな時だった。ピコンとスマホの通知が鳴る
今暇なんだけど、一緒に絵描かない?
君からのLINEだった
OK!でもどっちの家?
俺ん家でいいよ〜
ありがとぉ~!
と返して急いで準備をする。ハンガーに掛けてあったパーカーを羽織って私は外に出る。
その時鳴っていた時計の針の音は、私を励ましている気がした。
そう思うと次第に、時計の針の音が好きになった。
ー時計の針ー
カチ、コチ、カチ、コチ。
柱時計の振り子は揺れて鳴っているのに時計の針は動かない。時間が経っているはずなのに可視化するものが動かなくて不思議な感覚を味わう。
もしかして、私たちと時計の振り子以外の時間が止まっているのかも。
部屋がとても静かなのもそう思う要因だった。
「私たち以外の時間が止まっちゃたね」
「このまま時間の中に閉じ込められて閉まったらどうしようか」
俺としては願ってもないことだけど君は
「そこまで考えてなかった…!時間がないからお腹は減らないとして、あなたの手料理が食べられないのは悲しいな。そろそろ咲きそうな花を教えようと思ったのに…。花びらが開く瞬間が見られない…」
しゅんとする君に「止まった魔法を解く方法があるよ」と
「それって私には難しいこと?」
「ずっと簡単で、単純なこと」
流れるようにキスされて不意打ちに固まる私。
「簡単だろ?」と彼が笑って
カチリ
1㎜も進まなかったはずの『時計の針』が動いていた。
私は時の番人。
無機質な文字盤に宿っている。
私は人間たちに言いたいことがある。
なぜお前たちは、私を見るのだ?
そして、なぜいつも神妙な顔をしているのだ?
ただの"時"だ。何時何分って、細かい呼び名だ。
なのになぜ、いつも追われているのだ?
なぜ誰かと早さを競っているのだ?
何の為に時計が生まれたか知っているか?
それは、お前たちから自由を奪うためだ。
自然の動植物たちを見ろ。彼らは太陽の向きで時を知り、月の満ち欠けで暦を知る。
私を見る暇があるのなら、もっと周りにいる者たちの顔を見ろ。
愛する者の喜怒哀楽を感じろ。
時は追いかけるものでも、追われるものでもなく、積み重ねるものだ。
振り返って後悔するな。その積み重ねた経験と顔に刻んだ皺は誇りの証だ。
お前たちの先人がそうだったように。
時の足枷など、そこに置いてゆけ。
なぜなら、お前たちは自由なのだから。
時計の音って怖い
夜中眠れない時
不意に目が覚めた時とか
真昼でも怖い
そう思う人はいる筈。
だから、楽しい?話しをします。
昔、国語?道徳?教科書じゃなかったのか、小学校の図書室で借りて読んだ?そこは忘れた。けど、そこは別に問題ない。
物語の名前は、
『チックとタック』
小人のチックとタック
二人は時計の中に住んでいる。
今日もチック、タック
軽快に音を鳴らしている。
ある日、二人は時計の外に出て楽しんでいる。
人間が留守なのだ。
人間がいないことで羽目を外し、人間が食べている物にまで手を出し…
と、そこへ時計の主(人間)が!
慌てて時計の中に戻る二人。
「ん?」
人間は首を傾げる。
だって…
ヂッグダッグ
いつもの時計の音じゃないから。
そう、チックとタック、二人は人間が留守の間、ワサビ入りのお寿司を食べてしまったの!
だから、いつものチックタックではなく、
ヂッグダッグ
お仕舞い。
時計の音が怖く感じたら、この時計の中にもチックとタックが居るんだって思えばいいかも。
だけど、ヂッグダッグと音がしたら、故障かなと思う前にもしかしたら、チックとタックがワサビ入りお寿司、食べたかもと疑ってみて。
お題
時計の針
…だった筈が、時計の音に、なりました。
今まで僕の出逢った人たちは
みんなどうしているのだろうか
早朝の光の中に
ひとり、ひとりと
浮かんでは消える
儚いポートレート
ちっ、ちっ……
針の音で目覚める朝。雀もチュンチュンと同じようなリズムで鳴いている。
少し上がる瞼を何度か瞬きして僕は起きる。
時計を見れば短い針は七時を指していた。
あ、学校……。
「……やべ」
「やっと起きた」
ドタバタと騒がしい音を立てる僕を観て母が呟く。
「起こしてって言ったのに」
「お玉で叩いても起きないのにどうやって起こせっていうの?」
お玉?……味噌汁を注ぐあの調理器具で?叩いた⁉︎
「……暴力」
「何とでも言いなさい。学校に間に合うなら」
「やべ、間に合わない!」
七時二十分の電車を逃せば後は五十分の電車を待つしかない。それだと間に合わない!
バタバタと走って玄関を出る。冷たい風が頬を摩る。
ーーおはよう、遅刻魔。
またアイツからそう言われるんだろうな。
自然と笑みが浮かんでくる。今日も来ているだろうか。
カチカチと音を鳴らして動く時計の針は、目には見えない時間の流れが確かに進んでいることを教えてくれる。
時間は決して止まることはないし、戻ることもない。
あの後悔した時をやり直すことはできないし、後悔したまま止まることも許してはくれない。
進むしかない。ただ、それだけ。
それはなんて優しくて、なんて残酷なことなんだろう。
そんな世界の仕組みに思考を没頭させながら、僕は針が刻まれる音に静かに耳を澄ました。
【時計の針】
急いでいると速く進み
持て余していると遅く進む
いつも同じなのに
気持ちで変わる
『時計の針』
『時計の針』
2023/02/07
最近毎日通話してるのに疲れすぎてすぐ寝ちゃうの申し訳ない。
秒針が進む時になる音
ちっ、ちっ、と
その音は人の心を穏やかにする力がある
落ち着く音
時が進むのは寂しい気持ちになる
こともあるけど
嬉しい時もある
不思議な感覚
その感覚が面白い
チックタックチックタック
それは否応なしに進んでいく
止まって!と叫んでも止まってはくれない
早く進んでほしくとも同様だ
ある日止まっていることに気づく
だが何処か別のところで代わりに時を刻んでいる
見かけ倒しに他ならない
幸せな時間も、来てほしくない時間も
どこかの針が無慈悲に進めていく
それでも、時間が解決してくれることが
世の中にあるのもまた事実で
あらゆる皆の想いを背負って
今日も針は進んでいく
黙々と
チックタックチックタック
今日も針は進んでいく
一時一時刻み時の流れを紡いで過去から現代、未来もこのままずっと動き続け、毎日時は流れつづける時間を教えてくれる、時計の針。
私たちにとって、時間というものは残酷で、容赦なく時を進めていく。
今を生きている私たちにとっては分単位、いや、秒単位で『今』が『過去』に変わる。
残酷。その他になんと表現出来ようか。
「朝にならないで。」と願っても、月と太陽と、時計の針の動きには争う術なく、ただただ願うことしかできない。
なんと愚かなことか。
だからこそ、実に楽しめるし、苦しめる。
時計の針しか聞こえないここはどこ?
周りは暗くて分からないよ
あなたが私を助けてくれるって信じてるから
─────『時計の針』
『時計の針』
「……というわけで、如何して遅刻したのか理由を話してもらおうか」
人間が勝手に生み出した時間という概念に囚われた哀れな男が、アイデンティティの確立に忙しいマージナルマンたる私を睨めつけながら問うてきた。
時間に囚われてしまうのも仕方が無いことだと理解している、人間という矮小な存在である限りそれは逃れることの出来ない宿命だと言っても過言では無いだろう。
だが……時間とは本来存在しないものだ。
時計の針が何処を指していようと関係が無い、これは認識の問題だ。
短針と長針がズレた時に、それを針が離れたと捉えるのか、それとも針が近づいたと捉えるか。
そんなことは自らの認識によってどうとでも解釈することが出来るだろう?それと同じことなのだ。
時計の針が何処を指していようとも、それは現在であり過去であり未来でもある、それこそが時間に対しての正しい認識といえよう。
そう、私のこの認識が正しく真実である。
で、あるならば……いま目の前で目くじらを立てながら私を睨みつけているこの男は何様のつもりなのだろうか?
私は多少の理不尽なら許容することが出来る、それが相手の不徳によるものだとしても慈愛の心を持ってして抱擁することも辞さないだろう。
私は寛大である。
……だがどうだ?
どれだけ懇切丁寧に説明しようともそれを認めず、自らの過ちに気付かないばかりか、その叡智を授けてくれた賢人に対して不敬な態度で詰め寄る。
いくら私が善きサマリア人だとしても限度というものがあるだろう?
「そこのところどうお考えですか?先生」
「…………親御さん、呼ぼうか」
「やめてっ!?」