『時を告げる』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
~時を告げる~
あんなに手でつまみ上げてた虫は触れなくなってる。夜の3時とか4時とかはもう身近な存在だし
、布団から足を出して寝るのも平気になった。
店員さんの感情が見えるようになった。
親だって子供時代があって、弱いとこだってある人間なんだって知った。
小学生のころの記憶が昨日のことのような感覚のまま、もうすぐ19歳になる。何も変わってない気がしてた。けれど、案外こんな地味な変化が、大人になったよって教えてくれてるのかもしれないって思った。
時計は時を告げるもの
だが、時計も古くなれば捨てられる
直されるのもあるかもしれない
けれど、大体は捨てられてしまうのだろう
大切に扱わないとね
# 115
時を告げる
人魚の肉をまるまる一頭分食べたため強めの不老不死になってしまった。人類が滅亡し動植物が滅亡し空気から酸素がなくなっても死ねない。
気候変動しまくった地球は常時厚い雲に覆われ全てが凍りつき私も凍りついたまま暗闇の中で夢を見ている。
ときどき目覚めぎわに朝を告げる雄鶏の声の幻聴を聞く。
まだ暗い早朝に鶏の声で目覚めた農家の暮らしの記憶だ。その頃のなんでもないやり取りのなんでもなさを何億回も思い出している。数億年の記憶の中でも結局最後に思い出すのは子どもの頃のことなのか。
いつか地球が太陽に飲み込まれるとき私が聞くのは天使のラッパではなく高らかに鳴く雄鶏の声だろう。
1日があっという間だ。
寝たらすぐ朝が来て、バタバタ準備して仕事行って、仕事から帰ってちょっとゆっくりしてたらすぐ眠たくなって、また朝が来て。お風呂が超絶面倒くさすぎ。
仕事ない日でもあっという間だから信じられない。どうなってるんだ。
10年後もこんな感じなのかな?え、恐怖。
時告鳥がその名の通り朝の空気をスパンと切り分ける。
眠れぬ夜は眠れる朝に変わり、僕はやっと目を閉じた。
▷時を告げる
時を告げる
ーーみなさんどうもこんばんは、今夜もやってまいりました、三田島ワタルのオールナイトニッポンです。
カレンダーにばつ印をつける。今月になって8個目のこのバツは俺がこのANNを聴いた回数であり、同時に俺が残業した回数をも示すものだった。
ーークリスマスが近づいてまいりました。
世の奴らは揃いも揃ってうかれてやがる。まだクリスマスまで10日以上あるのに。
ーー大事な人に送るクリスマスプレゼントは、もう決めましたか?私は家内にね、フレグランスのセッ
ラジオのコードを抜く。聞いていられなかった。
もうすぐこの仕事もやめる。
どうせなら聖夜に、このラジオを聴きながら、とふと考えた。
『時を告げる』
(※多少ホラー話注意)
広島に生まれ育った者であるからか、8月6日午前8時15分の鐘の音には敏感だ。
広島の小中学生の平和学習は、語り継がれる原爆の体験談と知識が叩き込まれる。
生まれ育ったこの地で起こったあの出来事を体験してないのに、毎年行われる平和記念式典の鐘の音を聞くと時がまた経過したのだと感じさせる。
話は少しそれるが、原爆ドーム付近には沢山の霊がいるといわれている。
霊感がある者が近付くと気分が悪くなるとの噂も聞くし、近くの学校に通う霊感が強い生徒が視えすぎて学校に行けなくなったという話も聞いた。学校に出るらしい。
私自身も視たわけではないが、原爆ドームにデジカメを向けたところ「動くものがあると表示されるマーク」が画面に出たことがある。肉眼では何も動くものが映っていないのに。
昭和20年8月6日、当時は被爆した人々が水を求めて川へ向かったと聞く。原爆ドーム付近にも川がある。
多くの人が川で亡くなった。
毎年平和記念式典で黙祷を捧げ、平和を祈り、沢山の献花がされるが未だに彷徨っている霊魂があるのだろうか。
彼らはこれから何年経ってもそこに無念の思いを残し続けるのだろうか。
今年はもう過ぎ去ったけど、来年も再来年もまたその次の年も
8月6日には鐘が時を告げるだろう。
彼らの悔しさが癒えるかもわからぬまま何度でも――。
ノンフィクション 2023/09/07
時を告げる
鎌倉の小町通りから少し離れた線路沿いに、とても好きな古民家カフェがある。
外からだと一見カフェだと分からない外観の、その慎ましい佇まい、小さな店内からは中庭を臨む事ができる。晴れた日には、中庭に木漏れ日が差し込み、まるで田舎の祖母の家に帰ってきたかのような、そんな気持ちになる。
私はこの古民家カフェの、たっぷりのホイップとジャムと共に食べるスコーンがとても好きだ。熱々の紅茶とともに。
壁には柱時計が掛けられている。静かな空間に、胎動のように息づくコチコチという音、定時のボーン、ボーン、という音は、まるで長い眠りから目覚めた時の巨人のように、静かな空間を振動させ、その音を聞くたび、ハッと我に帰る。
時を告げるその音が広がるとき、それはただ時を知らせる合図なのではなく、時という目に見えない巨大な宇宙が広がる光景を、そっと胸の内に届けられているのかも知れない。
柱時計の音は、誰かと誰かの心も、音の広がりとともに繋げ、あるいは離し、違え、一つにしているのだろうか。告げられた時は、告げた音をどんな思いで見つめているのだろう。
時を告げる世界が見せてくれる、
過去と現在、神秘と邂逅、心の旅と冒険。
あわいの時。
刹那の風が吹く。
ソンへ
時を告げる
コーヒーの匂い。
砂糖の溶ける音。
仕事の昼休憩でいつも訪れる喫茶店。
ここには時間がある。
時を告げる
人の顔を踏むな。ちょ、ちょっと…目が潰れる。
悲しいかな、至福の安眠魔法がほどける時を告げる。
まだ寝ていたい誘惑を振り切るため、膝を立ててゆっくりと足を組む。
ももを抱え込みながら胸の位置まで引き上げると、左右を逆に組み替えて同様に軽いストレッチをする。
いやいやながらも重い体をベッドから起こすと、ちょうど視聴予約が起動して6時55分を告げる。
朝が来た♪
灰色が赤茶けた猫は空の器をジッと見つめ、さらなるプレッシャーをかけてくる。
~時を告げる~
時を告げるは腹の音
わりと正確で自分でビックリ
真っ暗の部屋の中。
目を閉じ、長い時間布団の上に横になっても中々寝付けない。
眠れない。
右へ左へいくら寝っ転がっても覚醒した意識は少しも収まることはなく、ただただ時間が過ぎ去っていくのを脳内で実感し、焦燥を感じられずにいられなかった。
明日の朝も早い。
仕事の為にもゆっくり休み、十分に休息をとって通勤しなければいけないというのに、体はその意志に反して一向に就寝に向かってくれない。
まいったな。この様子では通勤の途中に寝落ちしてしまうか、もしくは最悪の場合、二度寝してしまうかの二択だろう。
前者はともかく、後者は何が何でもそれだけは避けたいなとそう思ったと同時に、前からジリリリッッッと金物がぶつかり合う金属音が鳴り、自分は右手を伸ばし事前にセットしたタイマーを切った。
音が鳴りやまると枕から顔を上げ、今の時間を確認する。
時刻午前7時0分。
それを見た自分は確信した。
ーーーーーーこれは寝落ち確定だな。
寝不足のまま立ち上がり、寝室を後にした。
お題 時を告げる
時を告げる
わたしのことをもうすぐ迎えに来る
誰が迎えに来てくれるのかな?
パパ、ママ、お兄ちゃんたち
泣かないで·····
わたし、もうすぐ自由になれるの
確かに病気に勝てると思ってたけど
わたしの力不足でダメだった
まだ夢もやりたいこともあったよ
旅行とか行きたいとこも沢山あった
友達とご飯食べたり冗談言ってゲラゲラ笑っていたかった
今は声も出ないけど、お迎えが来るまでじっとしてるね
私はもうすぐ居なくなってしまうけど
この家族に生まれてこれてとても幸せな人生でした
もし、生まれ変わってこれるなら
またこの家族の一員になりないな
あっ·····お迎えの時を告げる鐘がなったよ
わたしにしか聞こえてないんだね
まだみんなと一緒にいたいけど
そろそろ行かなくちゃ
パパママ、お兄ちゃんたち
本当に本当にありがとう
もう泣かないで笑顔でいつもみたいに笑っててよ
これから神様のとこに行って
もうちょっと強くなって帰ってくるから
その時はまた家族として迎えてね
短い人生でしたがわたしはとても幸せでした
みんなありがとう
そしてさようなら
娘が旅立ったとき、遠くで教会の鐘の音がその時を告げるように
静かに旅立ちを祝福するかのようになったような気がした
#77【時を告げる】
今日もまた、あの頃と変わらない音がする。
始まりと終わりの音が。
幾度となく繰り返し聞いたその音は
嬉しくも淋しい音色で
今尚変わらず、ノスタルジーを演出するのだ。
遠くで誰かが笑っている。
さぁ、そろそろだよ。
時を告げる
鐘が鳴る
出会いの合図でも
別れの合図でもない
私ではなく、君でもない
誰かの
何かの
合図
いつも静かになっている
時を告げる小さな鐘が
時を告げる
はたちの時、映画「時をかける少女」を映画館で見た。主演は原田知世さんだった。
「ダンデライオン(たんぼぼ)足長おじさん」のミュージカルの実演も東京の数百人程入る小さな三越劇場で見た。
真ん中一筋横、座るとちょうど彼女と顔の高さが合う席だった。見えても良いパンツ(スパッツ)が11回、彼女が踊ったり座ったりするたびに見えた。帰ってから友達に自慢した。
それよりも何も、その回数よりもっと顔と言うより目が合って、彼女は真っ直ぐこちらを見て来るのに、こちらはそのたびに照れて目線を外していた。
彼女が私が崇拝するさだまさしさん(氏の友人が、私の幼なじみでお兄さん且つ母の長年の上司)の小学校の後輩だと最近知った。ふたりが長崎出身なのは有名で知っていた。
「時をかける少女」はTV映画アニメになった。最初「タイムトラベラー」という題でテレビで放送されたらしいが、生まれて2~3歳ぐらいの時なので、全く知らない。
そのあとが私が見たバージョンで、そのあとが仲里依紗(長崎出身)さんか、足ガールの子(名前ど忘れした好きだったのに)のどっちかバージョンで、続いて2006年にアニメ化された。
ちなみに原作者の筒井康隆さんは私が通った演劇研究所の大先輩です。
21作目 時をかけた少年 徳博
アオい夕暮れに、セーラー服を漕ぐ。
風に置いてかれる君の微笑は
私の顔を緩ませて、愛の鐘が時を告げる。
【時を告げる】#38
「なんで目覚ましかけてないの?」
「かけたわ!お前が叩き落としたんだろうが!」
時刻は午前8時を少し回ったころ。
このまま何事もなければ、あと1時間ちょっとでシドニー行きの飛行機は定刻通り飛び立ってしまうだろう。
無情にも、彼を置き去りにして。
あれはナイチンゲールよ、ひばりなんかじゃないわ。
なんて優美にごまかすような状況になる前に、どうやらあたしは別れの時を告げる歌を奏でるはずのひばり改め我が家の目覚まし時計をぶん投げて黙らせたらしい。
哀れな目覚ましは役目を果たせぬままどこか不貞腐れたように床に転がっていた。
あ"ー!!と叫びながら駆け込んだ洗面所の方から聞こえてくる喧騒を、あたしはベッドの上にぼんやりと座り込んで、聞くともなしに聞いていた。
またしばらくのお別れだというのに情緒もへったくれもないなぁとへらりと笑う。
あれはナイチンゲール。だから大丈夫、まだ行かなくていいの。
真似して言ったらやっぱ帰らないって言わないかな…無理か。
急き立てられているような速さで全ての支度を終え、荷物を掴み足早に玄関へ向かう彼の後をポテポテと追う。
背を向けたままトントンと踵を靴へおさめ、ドアノブに手をかけながらじゃあな!と告げる彼の上着の裾を思わずキュッと引いてしまった。
……別に一生の別れじゃないんだし。
それぞれにいくつかの季節を過ごしたら、
また『久しぶり』と笑って共に過ごせるのだ。
わかってはいるんだけど。
掴んだ裾からそっと手を離し、じゃあねと告げるために顔を上げた刹那、くるりと振り返った彼に腕を取られグンッと前へ引き寄せられる。
勢いのまま体勢を崩して前につんのめったところをそのまま抱えるように無言で抱きすくめられた。
形のいいおでこがぽすりとあたしの肩へ置かれる。さらりと目の端で金髪が揺れるが、表情は見えない。
何も言わない背中に手を回し、ぽふぽふと宥めるように抱擁する。
……離れ難いのはお互い様だよね。
「……また来るわ」
「ん、待ってんね」
そうして彼は、再度あたしをぎゅっと抱きしめると振り切るようにガバリと身体を起こし玄関を飛び出していった。
ガンガンガンと階段を勢いよく駆け降りていく音。続く無音。
情緒もへったくれもない。
ひばりも歌声を響かせない。
それでもあたしはこういう朝でいい。
こういう朝がいい。
時を告げることのできなかった哀れなひばりを拾い上げてサイドテーブルへことりと納め、ひとつ伸びをした。
とりあえずお洗濯をしよう。
もしかしたら飛行機見えるかも知んないし。
方角知らんけど。
『時を告げる』
/遠距離恋愛のお話
まるで天使。
真っ白いシーツの上、波打ち広がる君の髪が、朝日を浴びてキラキラと輝いていた。
長い睫毛、スッと伸びた鼻梁、静かな寝息、思わず溜め息が漏れる。
かわいい、うつくしい、マジ天使。
サイドテーブルに置かれた君のスマホのアラームを解除しておく。よし、邪魔者は消えた。
こんな機会は滅多にないので、気持ち良さそうに眠る君をスマホのカメラで撮りまくった。
火傷しそうなほどにスマホが熱をもつが気にしない、それ程貴重な君の寝顔。
耐えろ、我がスマホよっ。
まだまだ起きる気配のない君のすぐ側。
ベッドに腰掛けながら、たった今撮った画像をホクホク顔で見る。
ああ、もう、たまらない。
変な声が出そうになるのを堪えていたら、いきなりガバッと上掛けが跳ね上がった。
突然の事に驚く前に、グイと力強く抱き寄せられその上に上掛けが覆い被さり。
薄暗い中、寝起きで不機嫌そうな君の目とかち合った。
……もしかして、起きてました?
恐る恐る聞けば、君は少しだけ口角を上げて頷いた。
テーマ「時を告げる」
短い小説『時を告げる』
「時間だ…行ってくるよ」
荒れる波。波打つ水しぶきが船着き場にも掛かる。これから船出の時間だというのに、それを引き止めるような悪い天候だ。
これから、数年間遠い国へ単身赴任しなければならない。最愛の妻を置いて遠い所へ行くなんて、想像もしていなかった。恐らく妻も想像していなかっただろう。
数年間ハグが出来ないのは辛いし、当たり前のように横に座ってテレビ見てご飯食べて他愛もない話をしていた日々がかけがえのない日々のように巡ってきて、目頭が熱くなる。最後に、もう一度だけしっかりとハグをして、しばしの別れの挨拶をしよう…。
妻もハグがしたかったようで、腰から首に手を回し、キスをしてきた。妻の唇はいつも以上に熱かった。
汽笛が鳴った。このまま時間が止まれば良いのにと思ったが、行かなければならない。
…別れの時を告げることにした。
「…もう時間だ。行ってくる。しばらく会えないけど、数年後には必ず戻って来るよ。…そうだ」とっさに思いつき、カバンに付いている愛用のキーホルダーを外した。
「これ、僕だと思って。」
愛用のキーホルダーを妻に渡した。これで少しでも寂しさを紛らわせれたら嬉しい。
妻は重い表情でも、少しだけ顔が綻び、受け取った。
…だが、その時、違和感を覚えた。
もう一度確認したが、妻の指には結婚指輪が無かった。ずっと付けていたのに、一体どうしたのだろう。
妻の顔をよく見てみた。うつむき気味だが、口角は大きく上がっており、細かく震えている…ように見えた。キーホルダーがそんなに嬉しかったのだろうか。
妻は何も言わなかった。ただキーホルダーを握りしめていた。悲しいが、船出の時間なので振り返らずに船に乗った。
戻った時、家の中は妻のものは一切無くなっており、あの時渡した愛用のキーホルダーだけが置かれていた。
別れの時を告げたのは妻の方だった。