『春爛漫』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
春の匂いがする。
名残惜しい別れと、
新天地への期待を
胸に秘める。
雨の匂いがする。
もうすぐ、この桜も散る。
彼の匂いがする。
私からは逃げられない。
お題『春爛漫』
春爛漫
桜、チューリップ、パンジー、ガーベラ
庭に様々な花が先始める。春だ。
日差しもポカポカとして、眠くなる季節。
花に誘われて虫もやってくる。その虫を目当てに鳥がくる。
鳥に運ばれた種がどこか遠い地で芽吹き、再び花となる。春爛漫。そう。春は優しく回っている。PCAサイクルのように。
い、いけなない。眠っていた。
今は昼休みだがセミナーに参加している。いわゆる、自己啓発セミナー。参加理由は自分に自信がないからだ。そんなセミナーに参加したからと言って自信がつくものでもない。分かっているが、友達の誘いもあって参加した。
自分のこと、昔のこと、内なる自分、などなど話しを聞いてもらうことは悪いことではないが、なんか苦手。苦手を克服してこその自己啓発セミナー。間違ってはいない。はず。
でも、私にはかなりの苦痛。向いていない。だからといって、途中で辞めらる勇気もない私。はぁ。ため息しかでない。
どうしようか。午後もセミナーは続く。このまま帰ろうかな。義務でもないし。
お金払ったし、やっぱり辞められない。
はぁ〜。
何してるのやら。
自分でもよく分からないや。
外はポカポカで花が咲き、気持ちのいい季節なのに…。
やっぱり帰ろう。
帰りに服を買って、美味しもの食べて、銭湯寄って行こう。
もう、今のままでいいよ。変わらない私、バンザイ!
春先は新しいことに挑戦したくなるが、私は身の丈にあったことでいい。
できることをやっていこう。
春爛漫(はるらんまん)
寒い冬がすぎ春となっただがまだ少し寒い桜が咲いた一年ぶりの桜だ、なぜかとても綺麗に見えた、その時、少し桜の葉が落ちた、それが、鮮やかに輝いたように見えた。
見た目は確かに、美しい顔立ちをしていた。
でも…
まるで、そう。
歩いた先から花が咲き誇るような
そんな男だった。
『誰もが振り向いてしまうような、そんな人間になれたのなら、僕はやっと、君にー…』
「………君に…」
ありふれた言葉を打とうとした手は、ぴたりと固まるように止まった。
さっきまで、すらすらと浮かんできた文章たちが“気付いたら居なくなっている”ような、そんな感覚がする。
上手く言葉を紡ぐことが出来ない。
こんな時は、一旦書くのを止めるしかない。
時計を確認する。
まだ、午後1時半前だ。珍しくお昼時に止まった。
ならば、やる事はただ一つ。
「とりあえず、何か口に入れなきゃ…」
台所のある方を見る。
何があったかな………
…………食べるの、面倒くさいな………
向かおうとした足は踵を返し、机の近くに置いてある引き出しから、ラムネを取り出した。
取り敢えず、糖分だけでも取っとこう。
常備してある袋の中から、ひとつ取り出した。ピンク色のラムネだ。
口に入れてから、視界の端に見えていたピンク色に目をやる。
窓の外に、芽吹き始めた桜の花だ。
口の中は苺味なのに、視界は桜なんて…変な感じだ。
今の自分の心もそんな風に、何故だか考えても、上手く形にできない。
そもそも、向き合うべきなのだろうか。
進まない原稿用紙に目を落とす。
いつも自由気ままに書いている物ではないそれは、今抱えている原因の元凶からの依頼だ。
元凶を主役にした物語りを、作る事になってしまったのだ。
特に意識していなくても視界に入る(………まあ、それは、自分に限った話ではないだろうが)。
校内を歩いていれば、何処からともなく黄色い声が聞こえ、その元を辿れば、案の定少し明るめな色の頭に、端正な顔立ち。
あいつだ。
校内でアンケートを取れば、知らないなんて人は居ないであろうその人物。
最初は、その他大勢と同じ様に、傍観者でいた筈の自分は「頼もーっ!!!」と、ソレが声高らかに文芸部に入ってきたあの日から、傍観者では居られなくなった。
目が合えば遠くからでも声を掛けられ、付き纏われ、書いてくれと頼まれ続け、黄色い声の主達からの圧にも胃がキリキリし始めた頃だった。
『要件は基本メールで。校内で気安く声を掛けてくるな。直接話すなら、指定した場所にお前が来い。』
と言う条件を出して仕方なく書くことにした。
何が駄目だったのかと、不思議な顔をしながら承諾してくれた。
無自覚とは、恐ろしく罪だ。
その無垢な瞳を、呪う様に睨んだ。
これで校内での平和は戻ってきた。
だがしかし、書かなくてはならない。嫌でも。
自分の空想とはまた違う、あの煌びやかを背負った様な男を題材に…
しかも、演劇部で使う目的の台本だ。
適当に仕上げた物では、流石に他の方に申し訳ない。
2個目のラムネを口入れ、頬杖をつき、目を閉じる。
瞼の裏に、あいつの顔を思い浮かべ……
……………………………………ようとしなくても、自然ともう出てくる。
それぐらい見慣れる程、毎日の様に顔を合わせていた。
思い出すのは、笑顔ばかりだ。
……………他の表情を、ほぼ見ていないことに気付いた。
だから、書けないのでは、ない、か…………?
「…ーと言うことなので、原稿を進める為にも、致し方ないので学校に来ている日は、1日1回。直接顔を見て喋る時間を取ってもらいます」
「それは別に構わないが…い、致し方ないとは…」
「そのままの意味だが」
「そんなこと言われたの初めてだ…」
ガーンと言う効果音が似合いそうな顔だ。
これは初めて見る。ちゃんと観察しておこう。
それにしても、まじまじと至近距離で見るのは久方振りだ。
あの条件を出して以来、律儀に守っていてくれた。
偶然目が会う状況はあれど、ブリキ人形の様なぎこちない動きをしながらも、お互い赤の他人です。と言う様な距離を保っていた。
…こんな顔ですら、相変わらず花がちらつく。
「…………………………………………あの、だ、な……」
観察するのに夢中になっていたのか、気付けば、人一人通れるか通れないかくらいの距離で彼の顔を下から覗き見ていた。
「あ………。ごめん。距離を間違えた」
「い、いや。その…俺が…慣れていないせいで、ご迷惑を(?)」
「慣れてない?あんなに人に囲まれておいて何を…」
言いかけた言葉が止まる。
だって……………なんだ、その顔………
その、咲き乱れる様なそれはまるで
〈空想の何倍も鮮やかな〉
(お待たせ致しました。前回の話よりも、少し前の話にしてみました。…本当は、別の第三者目線にしようかと思ったのですが、お題的に 鮮やかさ を残した方が良いかと思いまして…。そして、これ以上続きを書くと、凄く長くなりそうなので、ほかお題消化の為にも、ここで切らせて頂きます。少しでも楽しんで頂ければ幸いです。)
ㅤパンパンに膨らんだ買い物袋を両手に提げて、私たちは店を出た。
「楽しかった~!ㅤ人のお金で買い物~!」
ㅤほのかに残る酔いも手伝って、思わず本音を漏らすと、
「私も!ㅤコンビニで一万円使うのって、結構難しいもんだね」
ㅤ同じく買い出し係になった貴美恵が笑う。
「最後は『行列店の黒酢酢豚』ばっかり籠に入れてなかった?ㅤ五百円くらいするやつ」
ㅤ私はニヤニヤと彼女の顔を覗き込んだ。
「いや、あれめちゃくちゃ美味しいからね!ㅤ今期の売上、過去最高だったんでしょ?ㅤ盛大にお祝いしないと!」
「部長のお金だけどね」
「まあね~」
ㅤ並んで笑う二人の酔っ払いの間を、まだ少し冷たさの残る風が吹き抜けていく。
「しかしこの場所はほんと穴場だね」
ㅤ桜並木の遊歩道に戻り、貴美恵が夜桜を見上げて呟いた。花見会場として会社連中が陣取った場所はこの先にある。住宅街の外れの、数本の桜が固まって咲いている、誰が決めたかも忘れられた毎年の定位置。
ㅤ自分たちが入社した頃はほぼ全員強制参加のようなものだった花見の会は、ここ数年、いつものメンバーに固定されている。令和の今の時代に、会社の人たちと外で酒を飲むなんて流行らないんだろう。
ㅤ貴美恵がなぜこの会に参加し続けているのかは知らない。部署を異動したあともなんとなく声がかかるので来ているのだと聞いた。私が参加しているのは、貴美恵が来るからに他ならない。連絡係も買って出ている。
ㅤ空を見上げた白い横顔が、薄闇の中で不思議に明るく見える。さあっと風が吹き、さらわれたピンクの花びらがゆるく渦を巻いてアスファルトに零れていった。春が来るたび、毎回新鮮に綺麗だと思うのはなぜだろう。この季節に輝き咲き乱れるのは、花に限ったことではないのかもなんて、馬鹿なことを思ってしまう。
「あー、やっと帰ってきたー」
「何買って来たのー?」
ㅤ賑やかな『いつメン』の声がする。買い物袋を翳した私たちは、桜の舞う宴の輪の中にあっという間に取り込まれていった。
ㅤ
『春爛漫』
春のあたたかな陽射しの中、君と2人、土の道を歩く。目の前には一面の黄色。菜の花畑が広がっていた。
不意に風が吹けば、目の前の黄色がふわふわとそよいで波打つ。降り注ぐ陽射しにキラキラとして、少し眩しい。
「綺麗だね」
隣の君が、風になびく黒髪を手で抑えながら、溢すようにそう呟いた。
その横顔は穏やかに微笑んでいて、とても綺麗だ。『そう言う君のほうが綺麗だよ』なんて、この場には野暮でキザなセリフが頭に浮かんだけれど、それは口には出さずに飲み込んで、僕は静かに「うん」と頷いて、繋いだ手をきゅっと握る。それに君は僕の方を見てふっと笑って、それがとても眩しかった。
穏やかで眩しい世界に、君と2人だけになったみたいだ。
春爛漫。風がまた優しく世界を吹き抜けていった。
春爛漫
花に目の移る私の横であなたはなにも見えなくなっていく
春が来て私だけが元気になっていく
愛らしい桜が咲き誇る季節、ふと見渡せば、場所によってその美しさは異なります。しかし、この美しさの裏側には、じわじわと感じる''何かが可笑しい''という不安が潜んでいます。令和に入ってから、私たちは何かを失ったような、取り戻せない何かが存在するような気がしてなりません。
美しい景色は時に灰色に染まり、栄光ある街は静かに炎へと包まれていく。時には、声に耳を傾けずにはいられない。言葉にできない思い、それは震える歯車のように、社会全体の足音がこの先に反響します。訪れる人々は、まるで何かに気づきながらも、本当のところはわからない、そんな微妙な心持ちでいるのでしょう。
夢から覚めてはいけない。いつも通りの生活を続き、日々の喜怒哀楽を楽しむことこそ、今の私たちに求められていることです。正しいと思う道を歩みながらも、罪を背負うこともまた、生命の一部です。試練に失敗すれば、それが根を張る肥やしとなり、やがて思いの実を結ぶでしょう。2025年、そしてその先に待つ未来に向けて、希望を忘れずにいてほしいのです。
プロ野球の大谷翔平選手やスケートの羽生結弦選手を引き合いに出すと、ちょっと大袈裟だと思われるかもしれません。しかし、彼らの姿は今を生きる私たちそのものです。私たち一人一人が、目の前の道を進まなければ、何も得られないのです。時は待ってくれず、前に進むしかありません。
この文章を書いた理由は、私たちが抱えている思いや不満が、いつの間にか消えてしまいそうだからです。そのために、今の日本における大切な思いを整理し、皆さんにも感じて欲しいと思ったのです。もしここまで読んでくださった方がいたら、心から感謝します。どうか、皆様が良い道を歩まれますように…🌸🫧
3月28日(金曜日)
【テーマ:春爛漫/2025年の思えた声】
「春爛漫」
花、花、花
野にも山にも、街にも庭にも
あなたの胸にも
花、花、花
春爛漫
だいぶあったかくなってきた。ガード下のいつものねぐらで、毛布をはねて寝ていた。ここに住んでもう5年、お気楽でいい。
家族や仕事に気を使うこともなく、起きたい時に起きて、眠たくなったら寝てる。1日に1回か2回、メシを貰うためにコンビニにへつらって店の前を掃除する、なんてことはするが、嫌なことはそのぐらいだ。
あちこちからアルミ缶を集めて売ってくる仲間もいるが、俺はやらない。やってみたことはあるが、自販機の空き缶入れから持ってこようとして警察呼ばれたし、アルミ缶だって、集まると重いんだぜ。
時々、「俺はこんなところで何をしているんだ?」と自問自答してみるが、考えるのがきらいだから、いつの間にか寝てる。
さぁ、今日は散歩に行くか!ここから少し歩くと、小さな公園がある。狭い段ボールの家でずっと過ごすと、からだに悪いかなと思い、時々そこまで行って帰ってくる。俺なりの運動だな。
今日は、本当にあったかい。歩いていたら汗が出た。だが、公園の手前からどうも人が多い。ぞろぞろと、俺と同じ方向に歩いている。なんなんだ?やりにくい。
公園に着いたら「これか!」と腑に落ちた。入り口と真ん中にある大きな木に、桜がいっぱい咲いている。おとといも来たが、気が付かなかった。桜の木だったんだ!みんな、あれを見に来たんだな。
しばらく、遠くから桜を眺めた。もっと近づくと、きれいなカッコした人に、臭いって言われると悪いからな。桜、ホントにきれいだ。なんだっけ、これ?
あー、春爛漫って言うんだったなぁ。
No.150
もはや初夏の気温
半袖半ズボンで涼しいくらい。
ハルランマン
「春爛漫」
お題『春爛漫』
普段在宅勤務をしてるから外の気候がわからないけど、今日って暑いらしいね。
三月なのにぽかぽか暖かいというか、むしろ暑いくらいで外に出た同居人は「汗をめちゃくちゃかいたらしい」
春爛漫どころか、もう三月の時点ですでに夏の足音が近づいてきているのではないか? そう思い始めている。
今日は、菜の花をお皿に盛り付けた。
お皿のなかに春が広がった。
わたしの心にもほんわかした気持ちが広がった。
ぽかぽかした優しい気持ち。
この気持ちにずっと寄り添えますように。
わたしの願いが届きますように。
春爛漫
とある休日の昼下がり。
あなたは庭の花壇に咲き誇るラベンダーたちにジョウロで水をやっていた。
ラベンダーはわたしが一番好きな花。あなたと一緒の家に住むことになった時に前の家から持ってきたものだ。
開いた窓からふんわりとレースカーテンを巻き上げて、ラベンダーのいい匂いが入り込む。
巻き上がったカーテンに透けるあなたがあまりにも綺麗で、少しの間時が止まったように感じる。
わたしがあなたを見つめていると、あなたはそれに気づいて少し微笑む。
あなたの足元にあるラベンダーに負けないような美しい笑顔で。
幸せだ、そう思う。
あなたが笑っていて、生きていてくれるだけで心から幸せだと思える。
あなたにはずっと笑顔でいて欲しい。わたしのために怒ったり悲しんだりしてくれるのも嬉しいけど。
あなたには笑顔が一番似合うから。
どんなに辛くたってあなたの笑顔を見ればなんだってできる気がするんだ。
その笑顔はわたしが、あなたを幸せにできているって証拠だから。
だから、わたしの最期にはあなたの涙が見たい。
わたしがいなくなってしまう事に涙を流すあなたの顔が見たい。
わたしが居なくなることで涙を流すあなたは、わたしが今まであなたを幸せにできていたっていう証拠だから。
そして私が居なくなった後、街中でラベンダーを見るたびに、春になって花が咲くたびにわたしを思い出して泣いて仕舞えばいい。
そういうのも、愛だから。
花に囲まれるあなたを眺めながら1人夢想する。
わたしの夢。
あなたが笑顔いてくれる事。
あなたがわたしを思ってくれる事。
それを叶えるためならなんだって出来る。
でも一つわがままを言うならば、
夢が叶ったその時の世界に、わたしたち以外、誰も居なければいいのに。
「去年4月10日頃のお題が『春爛漫』だった」
一昨年はスミレの砂糖漬け、去年は桜の塩漬けと山椒の新芽。それぞれ春にふさわしいであろう食い物を投稿してきた某所在住物書きである。
スミレも桜も投稿済み。今年は何を書こう。
「5月前後に咲くらしいミカンって『春』?」
それは初夏かもしれない。または晩春か。
「じゃあリンゴの花は?」
ネット検索によれば5月上旬に咲くとの情報。
意外と南国のミカンと雪国のリンゴは似た時期に春爛漫、花を咲かせるらしい。
「来年もこのお題が来たら、次はミカンかな」
なお季語としては、「ミカンの花」は初夏で「リンゴの花」は晩春とのこと。
3月に真夏日など観測する昨今。いずれミカンで「春爛漫」を書ける時期が来るかもしれない。
――――――
花より団子、春のパンまつり、お花見ケバブ。
春爛漫を楽しむ食い物の言葉というのは、世に多々色々、あるもので。
今回は桜とお菓子とグルメと、不思議な子狐が出てくるおはなしをご用意しました。
最近最近の都内某所、某稲荷神社敷地内の宿坊に、稲荷の子狐と和菓子屋の化け子狸と、
それから別の世界から仕事でやってきた管理局員が、それぞれ、「春の美味しい」を持ち寄って、
秘密の春爛漫会合を、開催しておりました。
「キツネは、キツネはね、まず、フキの肉づめ」
稲荷神社在住のコンコン子狐、母狐が宿坊の厨房で作ってくれた大きな大きなお弁当箱の、フタをよいしょ、開けました。
「それから、フキの天ぷら、ワラビとおニクのあぶらいため、おあげさんの肉づめ」
子狐が持ってきた春爛漫、「春の美味しい」には、早春の山菜がいっぱい!
「あのね、キツネ、イチバンおいしーのは、コレだとおもう。おニクとキノメ、木の芽」
最後に出したのは鶏肉の甘じょっぱ煮に、山椒の新芽を添えたピリ辛メニュー。
「わぁ……いいよ、イイよぉ……」
秘密会合唯一の人間、「ドワーフホト」というビジネスネームの女性が、幸福のため息をひとつ、
はわぁ。吐きました。
「あたしが持ってきたジュースに、合いそう」
「次は、僕だ」
和菓子屋さんで見習いをしてる化け子狸が、2段の木箱をゆっくり、開けました。
「春だから、僕、お花の和菓子と、おまんじゅう、がんばって作ってきた。
お花のネリキリ、おはなのワサンボンって砂糖菓子、お花見団子、あとサクラのおまんじゅう」
化け子狸が持ってきた春爛漫、「春の美味しい」には、春の花がいっぱい!
「おはぎもあるよ」
みて、みて。白あんをサクラの色に染めたおはぎの上に、本物の桜の花を添えて、季節感もばっちり。
「うぅ〜、どれから食べるか、迷うよぉ」
ドワーフホトは子狸の、一生懸命作った和菓子に一目惚れ。だってすべてが、今日のため、この春爛漫な秘密会合のためだけに、作られたのです。
「よぉし!最後は、あたしだよー!」
唯一の人間のドワーフホト、満を持して、持ってきたものをお披露目です。
「少しずつお湯で溶かして楽しめる、スープ系とか飲み物系とか、持ってきたぁ!
コンちゃんの山菜料理に合いそうな、新玉ねぎとか新じゃがとかのお味噌汁の味噌玉でしょ〜、
ポンちゃんのお菓子に合いそうな、桜の緑茶とか紅茶とかぁ、あと、山椒の香りがするジュースぅ!」
ドワーフホトが持ってきた春爛漫、「春の美味しい」には、花と美味の香りがいっぱい!
「個人的に桜とチェリーの紅茶はマストぉ〜」
タパパトポポ、とぽぽ。
さっそくドワーフホト、ティーセットを引っ張り出して、ティーバッグにお湯をそそぎました。
「あとねぇ、今日来れなかった友達から、ミカンの花とミカンジュース預かってきた〜」
「キツネ、この、おあげさんにする!」
ドワーフホトが持ってきた油揚げ味噌汁の味噌玉に、早春の山菜を並べた子狐は大興奮!
「僕はこれだ、桜のかおりがするお茶!」
ドワーフホトが持ってきた桜緑茶のティーバッグに、花のお菓子を並べた子狸も大喜びです。
さぁさぁ、皆で春爛漫、山菜の天ぷらと花のお菓子を食べながら、それらを繋ぐ飲み物を飲もう。
稲荷の子狐と和菓子屋の化け狸と、それからドワーフホトのビジネスネームを持つ女性は、笑って仲良く秘密の会合。春のグルメ祭り。
次は誰を誘おう、何を持ってこようと、
わいわい、わいわい。語り合ったとさ。
#春爛漫
今朝、窓を開けると重なりあった山からもうもうと、湯気のような白い霧が昇っていた。
霧に見え隠れするピンクの帯が、山をくの字に縦断している。
昨日まではなかったのに、群生する桜が花をつけたらしい。
この季節だけ現れる桜色の道。
春の精霊たちがしずしずと、魔法をかけに下りてくる。
春爛漫って
暖かい陽気と彩りの中
ウエルカムでハッピー自由なイメージだよね
植物 鳥 昆虫 生きとし生けるものぜーんぶ一気に活気づいてさ
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だけど あちきには無縁 外の世の事ざんす
空気清浄機がフル稼働する屋敷の囲われ者
花粉症重症患者という名でありんす
花粉症おさらばえーなんて
高笑いで
桜の花道を仰ぎ見て
粋にお別れする夢もありんした
所詮 夢はゆめ
臈長けたあちきに 杉様がまだ御執心
手放してくれないのでござんす
外の世は今年も 春爛漫でありんすか🌸
(年増花魁が杉花粉の苦しみを語る)
春爛漫
桜吹雪で、思い出す。
春爛漫な君の笑顔を。
君は怒っているかな。
突然、別れを告げて。
でも仕方がないんだ。
僕には先がないから。
君の幸せだけが、僕の幸せなんだ。
もう二度と会えないけど。
元気でね。
式典後、
緊張ほどけた
新入生の花笑み
お題:春爛漫
春爛漫
年少から乗れる園バスを待ち侘びる、
自信に満ちた横顔の光の灯った輪郭線。