『春爛漫』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【春爛漫】
春がそこかしこに溢れている
暖かな陽射しに
空が笑う 山が笑う 花が笑う
春を祝って桜が咲く
まだ
朝晩は
冷えるけど
ダウンジャケットや
もこもこの上着は
片付けて
トレンチコートや
パーカーを
引っ張り出す。
昼の日射しは
もう
夏のように
暑くさえ
感じる。
どうしてだろう?
暖かくなると
外へ出かけたくなる。
今週は
お花見でもしようか。
ピクニックもいいな。
キャンプもいいよね。
さぁ、
何から始めよう。
#春爛漫
いのちが輝き出すこの季節が、俺たちは大好きです。
冬は凍えて眠っていたたくさんのいのちが芽吹き、のびやかに育ち、美しく咲き誇る。そんな姿を見ると、生きとし生けるものの強さと豊かさに息を呑むばかりです。
貴女はいつか、春が嫌いだとおっしゃいました。
貴女が学校が好きでなかったことと、大いに関係するのだと思います。新しいことが否応なしに始まってしまうこの季節が、ただただ苦しかったのでしょう。
貴女はいつでも完璧な人間であろうとしましたから、新しい環境の中でも再度「完璧」を作り直す必要がありました。重く、暗い気持ちで、その作業のために必死で作り笑いをしていた貴女を、俺たちも悲しい気持ちで見ていました。
貴女はいつから、その作業を止めたのでしょうか。
そのことは喜ばしいことだったのに、代わりに貴女は生きることの何もかもを諦めたように、部屋にひとり籠もってしまいました。まるで、完璧でないご自分を責めるかのように。
完璧な貴女でなど、いなくて良いのです。
貴女は貴女であることに価値があるのです。
俺たちは貴女に、このいのちが爛漫に花開く季節を、穏やかに愛でてほしいのです。
この世界に溢れる不完全ないのちが一斉に輝き出す時、それがどれだけ美しいのか。
それを貴女に、知ってほしいのです。
春爛漫と聞いて思い浮かぶのは桜より白詰草だったりする。
母親は手先が器用で私の遊ばせるためにと編み物でぬいぐるみやら帽子やらを編んでくれた。
マフラー一本満足に編めない私には神技である。
そんな母親にとって草木で冠を作るなど造作もなかった。
器用に白詰草を、時折タンポポを編み込んで私の頭に乗せてくれたのを今でも覚えている。
だから私は春が好きだったし待ち遠しくもあった。
流石にもう恥ずかしくて頼めないけど、春爛漫と聞くとやはりあの土と瑞々しい草木の香りに白詰草を思い浮かべるのだ。
春爛漫
春ですね
爛(ラン)ドセルしよって
漫(満)面の笑顔、入学式
縦読み厳しい…アウト?
#春爛漫
心地よい風と、
うららかな午後は
春の陽気を帯び、
満開の桜と緑豊かな植物は、
生命の息吹きを感じる。
そんな春爛漫の頃、
あたたかな日差しの中の
穏やかな気配は少し切なく感じられ、
少し憂鬱な気持ちになりそうになる。
春は毒出しの季節とも聞いたことがある。
春という始まりに合わせて
色々なものも出てきやすいのだそうだ。
そんな自分を、
今はそういう時期なんだろなと
なんとかなだめなだめ、
不安がよぎれば
なんとかなるさ精神で
どうにか落ち着かせている。
はじまりの季節。
少しでも自分と上手く付き合っていくスタートとして
心機一転、
マイペースに、穏やかに、
あまり気張らず
頑張っていこうと思う。
『春爛漫』
その日、悪役令嬢とセバスチャンは公園に来ていた。
澄み渡る青い空
小鳥たちのさえずり
ざわめく葉の音
散歩道には木漏れ日が差し込み、
地面に咲いたネモフィラが
青い花弁を愛らしく揺らす。
二人の間に優しい風が通り抜けた。
(まだ少し肌寒いですわね…)
悪役令嬢が抱きしめるように両肩を擦ると、
見兼ねたセバスチャンが持参していた
ストールを彼女の肩にそっとかけた。
「風邪をひかないよう気をつけてください」
「ありがとうございます。セバスチャン」
広場まで辿り着くと、見知った顔の者がいた。
その者が杖を振ると、たくさんのしゃぼん玉が
空に浮かび、お日様の光を浴びてきらきらと輝いた。
子どもたちはしゃぎ回り、指先でちょんと突いてから
弾けた姿を見て笑い合ったり、大きなしゃぼん玉を
捕まえようと空に手をのばしたりしている。
「お嬢様ー、セバスチャンー、こんにちはー」
二人の姿に気づいた魔術師が笑顔で手を振ってきた。
魔術師の他にもう一人、知人と遭遇した。
「こんなところで奇遇だね!」
「メインヒロイン!?どうしてここに」
「今日は天気がいいから、外でごはんを食べたら
美味しいだろうなと思ってお弁当を作ってきたの」
彼女が手に抱えていたバスケットの蓋を開けると、
そこにはハムと新鮮な野菜を挟んだパンや、みずみずしい苺と生クリームを包んだクレープが入っていた。
籠の中のご馳走に目を輝かせる悪役令嬢と、そんな
彼女を見てふふっと笑みをこぼすメインヒロイン。
「よかったらみんなで食べましょう」
「お花見ですか、いいですねえ」
いつの間にやら近くに来ていた魔術師が割って入る。
魔術師が杖を振ると、芝生の上に大きな敷物が
敷かれ、ふかふかのクッションや座布団が
ぽん!ぽん!と音をたてながら飛び出してきた。
一同はセバスチャンが魔法瓶に淹れてくれた
紅茶を飲んでホッと一息つく。
ひらひらと舞い散る桜を眺めながら四人は
朗らかな春を堪能したのであった。
春爛漫。
最近遊んでないけどスキップが楽しい…違うそれ華爛漫だ!
近頃桜が咲き乱れてきました。桜並木の道を通って髪に桜の花弁がかかるのも乙なものです。
ふと考えてみると満開の桜の木の近くで茶会をやったことがありません。抹茶の入った器に桜の花弁が1枚2枚と入って…そういうの見てみたいですね。たぶん添えられる和菓子は桜餅か道明寺でしょう。
家庭科の教科書を開くと桜餅の作り方が載っていたりします。秋口に作ろうとして桜の葉の塩漬けが手に入らなくて…作るなら今、ですね!
『春爛漫』
「今年も春爛漫と言う言葉がぴったりなほど、桜の花が咲き誇る季節になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか」
突然届いた手紙はお行儀よく、形式通り時候の挨拶から始まっていた。
「前回からさほど時間も経っていないのに、こうして手紙を送ることを少し恥ずかしくも思います。
しかしどうしても素敵な出会いがあると私の胸は高鳴り、居ても立っても居られなくしまうのです」
くしゃりと手紙を持つ手から音がして、慌てて手から力を抜く。
どうも無意識に手に力が入ってしまった。
目をつぶり深呼吸して、心を落ち着かせる。
「この度は、現在限定公開されております舞姫の雫を頂きに参ります。
それでは、またお会いできることを楽しみにしております」
そこまで確認すると、また腹立たしさで手紙を破り捨ててしまいたくなったが理性で押し止める。
こんなものでも立派な証拠品だ。
勝手に捨てては証拠隠滅になってしまう。
「またヤツから予告状が届いた! 今度こそ警察の威信にかけて捕まえるぞ!」
皆の応えは警察署が揺れる程であった。
春爛漫
桜の花びらがひらいて、風に揺れる。
ひらひらと舞い上がる花びらに春を感じる。
春爛漫。
君と一緒にいたい、そんな日。
ぎゅっと手を握ったら、同じように握り返してくれる。
この時間が何より幸せで、愛おしい。
花びらが絨毯となり、桜が葉桜になっても。
葉が秋の色へと変わっても。
やがて新芽を待つ枝へと変わっても。
君と居たい。
ずっと、ずっと。
何度目か分からない季節を繰り返し、人生の季節も乗り越えて。
それでも今日のこの日をきっと忘れない。
2人見上げる、春の空。
この空の美しさを。
いつまでも。
了
桜が舞って、いろんな環境が変わり、新入生や新入社員が街にあふれ、いろんな人たちがスタートラインに立つ。
始まりの季節だ。
でも、春はあまり好きじゃないな。
「春爛漫」
日差しがサンサンと降り注ぐ中
桜や菜の花々が咲き乱れ
満たされた情景が浮かぶ
爽やかさだけではない
不思議で素敵な漢字だ
「春爛漫」
春爛漫になると春の花が咲き、光に満ち満ちた日
そこで自然、虫、動物、何もかもが長いに長かった春がやっとくる季節
素敵です
朝から人数が少なくて合同保育。
途中から通常保育に。
朝から泣いてる子やソワソワする子が多い。
そりゃそうよ。4月ですもの。
自由遊びでも、なんとなく遊びに集中できない子供たちが多いので、絵本を読んで子供たちをリラックスさせる。
子供たちもただ見るだけなので、集中しやすい。
それから、リズム運動や絵本を途中で入れつつ子供たちをまとめる。
今日はなんだか自由保育の難しさを感じた1日でした。
まさに春爛漫、という言葉がぴったりだった。
空を仰げば、まるで空を覆うように咲き誇る桜。精一杯に背伸びをする枝たちが、太陽の光を受けてきらきらと輝いている。
スマホを掲げて、かしゃりと撮影してみる。
小さな機械の中に切り取った一瞬は、肉眼で見る世界とは違って見えて。この柔らかい空気は、この瞬間の気持ちは、止まることなく通り過ぎていく。
──今度は一緒に来たいな。
最後にもう一度桜を見上げ、もう振り返ることなく帰路につく。
地面いっぱいに広がった、桜の絨毯を踏みしめながら。
春爛漫とは春の花が咲き、光が満ち溢れる表現。
今、私の目の前の光景とは正反対。
親友のあの娘は……
家の梁に縄を通し、目を闇に落とし、ぶら下がってる。
私のせいだ。
私が「同性で付き合うとかありえない」って言ったから……。
庭から桜の花びらが入ってくる。
『春爛漫』
「20歳の春、またこの場所で。」
帰らぬ人と叶わぬ約束。
僕だけが残されてしまった。
突然ふわっと吹いた風に桜が舞う。
いたずら好きな君が吹かせたのだろうか。
一つひとつの花が輝く春は
君の大好きな季節だったね。
春爛漫。
#春爛漫
道端のたんぽぽ
真っ直ぐに伸びたつくし
春の到来を喜ぶように舞う蝶々
淡色のほんわりとした和菓子
真新しい色とりどりのランドセル
そこもかしこも春爛漫
桜の下には死体が埋まっている。
そう書いた文豪は誰だったか。
桜、菜の花、すみれ、白詰草、たんぽぽ、ホトケノザ。
色とりどりの花が満開に咲いている、春爛漫の川原道。
小さい頃に、友達とワイワイ作った花冠を思い出す。
僕は、百花繚乱の道の中、一人、川沿いを歩く。
人通りはない。ここは山の麓の、穴場スポットなのだ。
僕は、スーツケースを引きずりながら、ボストンバックを胸に抱える。
もうすぐね。
僕は鼻歌を歌いながら、どんどん進む。
もう少し。もう少ししたら、あの桜の木に着く。
それにしても、この辺りは花が特に綺麗。どの花も、生き生きと、美しく咲いている。
やはり、この地は土壌が良いのだろう。
僕が買ってきた花よりも、ここらの花の方がずっと美しい。
毎年、ここの景色は変わらない。
あいもかわらず、春爛漫で鮮やかだ。
僕はぐんぐん先へ進む。
彼女は気に入ってくれるかな。
僕は胸に抱えたボストンバックを、大切に抱きしめる。
たんぽぽと白詰草の花の中、細くくねった道を歩く。
彼女がいる場所まではあと少し。
樹々の開けた目的地が、もうすぐそこに見えている。
空気がグッと重くなる。
春爛漫の暖かい気温が、ここに足を踏み入れると、冷や水をかけられたようにひんやりと下がる。
彼女の近くに着いた証拠だ。僕は顔を上げる。
目の前には満開に咲き誇った桜の大木が立っている。
花弁がはらはらと散り、花をいっぱいにつけた枝が重たそうに揺れる。
その木の下に、桜色のワンピースを着た、美しく愛らしい少女が、立っている。
“彼女”だ。
「1年ぶり。元気にしてた?」
僕は彼女に話しかける。
彼女は微笑む。
「僕は、いつも通りって感じ。うん、進展はなし」
「やっぱり、貴女にしか話せないよ。恋バナは。うん、もう諦めてるんだ。きっとね、」
「生きているうちは、僕は誰とも結ばれない」
「…でも良いんだ。貴女が居てくれるから」
「……そして、貴女は、僕の好きな人をずっと取り込んで、美しくいつも一緒にいてくれるのから。」
僕の近況報告を兼ねた独白を、彼女は柔らかな笑みを浮かべながら聞いてくれる。
「だからね…ほら、今年も持ってきたんだ。…僕の好きだった人。きっと、取り込めば、君がもっと美しくなれるね」
「これで来年も会えるよね。今年も、一年よろしく。僕たちはずっと一緒。大好きよ」
僕はそう少女に笑いかけ、桜の木の根元の土に、シャベルを突き立てる。
穴を掘り、ボストンバックの中のもの…ついこの間まで人だった、女性の腕を入れる。
「…この腕が一番美しかったんだよ」
僕は少女に告げる。少女はいつもの柔らかい微笑を浮かべながらそれを見つめる。
僕は、その穴に土を被せる。
それから、スーツケースの中身を入れるための穴を掘る。
年に一度の、彼女とのデート。
今年も快晴の日を選べて良かった。
春爛漫の、長閑な桜の絨毯の上に、高いフランス料理のように、どきつい赤色とやわこい白い肌とが、のっかっている。
少女は、にこにこ笑いながら、僕のすることを見ている。かわいい。
今年も、素敵なお花見だ。
僕は、シャベルを動かしながら、春爛漫の空を仰いだ。
春爛漫
「先輩に解けない事件や謎、悩みとかないんですか?」
1年前
桜が一斉に咲き、春爛漫のこの日新入生の女子生徒が俺にこう言ってきた。
俺は「無い。」と無愛想に答えた。
しかし、あまりにも活発な女子で初めてあったばかりなのに質問攻めだ。こんなにも自分のことを知りたいと思ってくれる人はこの人が初めてだとその時思った。そして、最後の頼みに「先輩のワトソンにならせて貰えませんか?」と。最初は、びっくりした。自分の探偵倶楽部に興味を持ってくれた子は初めてだったからだ。俺は、快く承諾した。彼女の顔は、パァッと明るくなった。
それから、二人でさまざまなな事件を解決していくうちに出会った当初には感じなかった胸のざわめきを感じ始めた。この感情が何かわからない。彼女と会うと、胸が苦しかったり、俺以外の男と話している姿を見ると無性にイライラする。少しだけ、彼女とは離れよう。そう思った。
半年後
あの日から、彼女を避けるようになり話さなくもなった。しかし、今日は俺の卒業式だ。最後に、彼女に話さなくてはならない事がある。だから、今日の卒業式後に二人で会う約束をした。
彼女が俺の近くに来る。
「卒業おめでとうございます。」無愛想に言う彼女の目には涙が溜まっていた。そんな彼女の姿を見てこの感情に確信を得た。
「覚えているか?初めて出会ったとき、君が俺に最初に言った言葉。"先輩に、解けない事件や謎、悩みとかあるんですか?"ってね。君と会うまでは、本当に無かった。だけど…君が現れてからこの時まで唯一解くのに時間がかかった謎が一つだけあったんだよ。それはね…」ここまで言うと彼女は不思議そうに首を傾げ、この言葉の続きをはやく聞きたそうだった。可愛くて、愛おしいその姿を見て、俺は少しだけ意地悪をしたくなった。だから俺は…
「なんだと思う?考えてみてよ"俺の好きな"ワトソンさん。」…
彼女は、すぐにこの意味がわかった。
桜が一斉に咲き春爛漫のこの日。
二人の頬は少し赤く目を合わせ微笑んでいた。