エグチーセット

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春爛漫と聞いて思い浮かぶのは桜より白詰草だったりする。
母親は手先が器用で私の遊ばせるためにと編み物でぬいぐるみやら帽子やらを編んでくれた。
マフラー一本満足に編めない私には神技である。
そんな母親にとって草木で冠を作るなど造作もなかった。
器用に白詰草を、時折タンポポを編み込んで私の頭に乗せてくれたのを今でも覚えている。
だから私は春が好きだったし待ち遠しくもあった。
流石にもう恥ずかしくて頼めないけど、春爛漫と聞くとやはりあの土と瑞々しい草木の香りに白詰草を思い浮かべるのだ。


春爛漫

4/10/2024, 2:06:27 PM