まさに春爛漫、という言葉がぴったりだった。
空を仰げば、まるで空を覆うように咲き誇る桜。精一杯に背伸びをする枝たちが、太陽の光を受けてきらきらと輝いている。
スマホを掲げて、かしゃりと撮影してみる。
小さな機械の中に切り取った一瞬は、肉眼で見る世界とは違って見えて。この柔らかい空気は、この瞬間の気持ちは、止まることなく通り過ぎていく。
──今度は一緒に来たいな。
最後にもう一度桜を見上げ、もう振り返ることなく帰路につく。
地面いっぱいに広がった、桜の絨毯を踏みしめながら。
4/10/2024, 1:49:07 PM