『春爛漫』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『うわめっちゃ桜じゃん』
いつもの帰り道、気がつけば春爛漫になっていた。
楽しそうに満開の桜を眺めている。
てか、めっちゃ桜ってなんだ。
「髪に桜ついてんぞ」
俺はお前と一緒にいるだけで春爛漫だよ。
なんて、我ながらかなりクサいこと思ったな。
言ったら笑われてだろうな。声出てなくてよかった。
ソメイヨシノが盛りを迎えている。
青空に淡桃色の対比が美しい。
桜の花々の合間を行くは、花盗人の目白。
あっちの花は苦いぞ、こっちの花は甘いぞ。
軽やかに歌いながら飛んでいく。
足元には、穏やかな日差しに色添える蒲公英、寄り添う白詰草にオオイヌノフグリ。
春の野辺はさながら絵物語のよう。
遠景は春霞の嶺。
雄大な姿をやわらかなベールに包んで淑やかな風情。
吹き抜けるやわらかな風に導かれ
気の向くまま春爛漫の世界を散歩しましょうか。
この儚くも美しい世界を愛でるために。
【春爛漫】
桜の木は緑が宿りはじめた!
美しい薄ピンクが見たかった!一昨年は運が良かったのか、登下校のとき、ほぼ毎日きれいな桜吹雪の下を自転車通学できていた。
去年も今年も、期待したけれど見れず。
ピンクの花弁の絨毯も、最近降った雨のせいでくすんだ。
らんまん!
春爛漫といえば、最近メイクを覚えたことが、いちばん嬉しい春爛漫!
春爛漫
いや〜、外を見れば桜が満開!
春が来ましたね〜。
日本の美しいものランキングで上位に入るだろう桜。
僕の地域にも桜が綺麗に咲いている。
桜の悲しいことは咲いたと思ったら雨が降り、散る。
短い命だと思っている。
天気は僕ら人間に桜を楽しませる気はないのだろうか。
僕の春での楽しみを奪わないでくれ。
楽しみを見つけることなんて簡単なことじゃないんだよ。
見つけて継続するのが難しいんだ。
全部そうだ。
努力が苦手なのは継続だから。
それに全てが水に流れてしまうとって思うと。
今までの時間は無駄じゃないかって。
すごく怖いんだ、、。
じゃあもっと上手くいくことがあったんじゃないかって。
他のことだったらこんなことにならなかったんじゃないかって。
あ〜、ダメだダメだ。
プラスに物事を考えよう。
桜だって一度咲いても次の年にまた咲く。
僕たちに元気を与えてくれているんだ。
きっとそうだ。
また来年会お?
大好きな桜たち。
春に🌸
谷川俊太郎
この気持ちはなんだろう
目に見えないエネルギーの流れが
大地からあしのうらを伝わって
ぼくの腹へ胸へそうしてのどへ
声にならないさけびとなってこみあげる
この気持ちはなんだろう
枝の先のふくらんだ新芽が心をつつく
よろこびだ しかしかなしみでもある
いらだちだ しかもやすらぎがある
あこがれだ そしていかりがかくれている
心のダムにせきとめられて
よどみ渦まきせめぎあい
いまあふれようとする
この気持ちはなんだろう
あの空の青に手をひたしたい
まだ会ったことのないすべての人と
会ってみたい話してみたい
そのくせこの草の上でじっとしていたい
大声でだれかを呼びたい
そのくせひとりで黙っていたい
この気持ちはなんだろう
弱さや狡さを隠さない強さ。
たおやかな生命の息吹き…谷川俊太郎92歳
「よろこびだ しかしかなしみでもある
いらだちだ しかもやすらぎがある
あこがれだ そしていかりがかくれている…」
ここが1番好き。
「まだ会ったことのないすべての人と会ってみ
たい話してみたい
そのくせ草の上でじっとしていたい
大声でだれかを呼びたい
そのくせひとりで黙っていたい…」
ここが1番沁みる
この気持ちはなんだろう
冬は去り気づけば春爛漫なのだ
この気持ちはなんだろう
2024年4月10日
心幸
4月の言葉、「春爛漫」。私の暮らす街では少し遅れて来る。ここ数年の気候は「調子外れも甚だしい」ので、早いか遅いか、予測しにくくなっている。
どの家の庭も花、花、花、花…と、あちこちで花が溢れていたのを確かに見たのは、上の子が生まれた1週間後だった。いつになく強い生命感に充ち満ち、どの花も“吾こそは”という鮮やかさで、まさに「咲き誇って」いた。
通常、この土地では雪解けが終われば、5月中旬にまず桜が咲き、続く下旬に春らしい暖気を待ちかねたように他の花々が皆一斉に咲く。モクレンも他の花達と一緒に咲く。ちなみに梅は居ない。気候が合わないのだろう。
ここ数日は、初冬に南へ渡って行った白鳥達が、ぼちぼち帰って来ている。三年前から飛行ルートが北北西へ300メートルほどズレた。それまでは必ず、私のすみかの真上を飛んでいた。渡り鳥は正確に地球の磁力線に沿って旅するから、磁場の状態が大きく変動したと思われる。真上じゃなくなって、すこし寂しい。
咲き出す花々のアグレッシブネスにあやかれるのはもう少し先だ…。そのかわり、変な風邪みたいなものがぽつぽつ聞かれる。とても中途半端な、しかし不快な体調不良をあらわすものだ。自律神経も調子を外すこの春、皆さん御自愛くだされ。
澄みきった青い空
暖かくて柔らかい陽射し
肌を撫でる爽やかな風
みずみずしく生い茂る木々の緑
仄かに色づく桃色のソメイヨシノ
天まで届きそうな黄色い菜の花
全てが眩しく真新しい
輝きに満ちたはじまり
『春爛漫』
「春爛漫」
あたたかな光の下。赤色のチューリップを差し出す。
これからもずっと、あなたとともにありたいのです。
春爛漫
「キエエエッ! キエエエッ!」
柴田は教室に入ってくるなり奇声をあげ、川崎に蹴りを入れた。柴田の机に腰かけて談笑していた川崎はというと、まともに蹴りを食らい机と椅子をなぎ倒して床に転がる。女子たちの悲鳴が廊下まで響いた。
「キエエエッ! キャッキャッキャッアー! キエエエッ!」
「アァアーッ! アァアーッ!」
すぐさま態勢を整えた川崎が柴田に掴みかかった。長い腕で柴田の胸ぐらをつかみ、小さな柴田の体を放り投げた。勢いよく壁に叩きつけられた柴田が痛みに悲鳴をあげ、両手両足を使って脱兎のごとく逃げ出した。
縄張り争いに勝利した川崎が両腕を振り上げ「キーッ!」と雄叫びをあげた。周りの腰巾着たちもキィキィと一緒になって騒ぎ、一帯が祭りの場と化す。
その様子を友香は教室の隅で見ていた。猿たちの狂騒はいまに始まったことではなく、日常茶飯事であったし、友達の麻衣も冷めた目で猿たちを見ていた。
「ホーホケキョ! ケキョケキョケキョ!」
「だよね」
麻衣がせわしくグルーミングを行いながら猿たちへ文句を言った。友香はまったく麻衣の言う通りだと思い、いつまで経っても成長のない猿たちに苛立ちをおぼえる。もう三年生にもなるというのに猿たちは毎日毎日マウンティングしてばかりだし、ひたすらにやかましい。食い散らかした果物で床を汚すから虫がわいて不潔になった。それを掃除するのは清掃委員の友香で、先生に抗議したこともあったが聞き入れてもらえなかった。
連中のリンゴに毒でも仕込んでやろうか――ハブの守口をちらりと盗み見る。守口は日向にある机の上でうとうととまどろんでいた。冷淡な態度の守口に頼み事をするのは億劫で、友香はため息をつく。
「カァーッ! カァーッ! カァーッ!」
騒ぎを聞きつけた担任の木下がめんどくさそうに翼をばたつかせながらやってきて、川崎と柴田に机を元通りにするよう叫んだ。猿ふたりはそれぞれ相手に責任をなすりつけあっていたが、木下に尻を突かれると渋々机を並べ出した。
――あたしの青春ってホント、灰色だわ。
友香は爪も羽根もないやわらかな人類の手で己の顔を触る。脆弱で毛皮もない貧相な体では彼氏もできず、麻衣の彼氏自慢にうんざりしながらも頷くことしかできない。
ホームルームが始まる。木下が出席番号順に点呼をとり、友香もまた返事をする。毎日つまらない日常の繰り返し。ゆううつなルーチンを繰り返して貴重な青春が終わっていく。
「ガー、カー、カー、コーアッ! コーアッ!」
ほう、転校生――教室が色めき立つ。
三年生にもなって転校とはめずらしい。家の事情か、はたまたいじめられて追い出されたか。麻衣のさえずりに友香も頬が緩む。
「ナァーオ」
転校生は黒く艷やかな毛皮をした猫だった。気品あるしぐさでするりと教室に入ってくると、黒板の前にしゃなりと座り、自己紹介をする。ンニャーオ。
そのきれいな緑の瞳といったら!
友香はしばし転校生の美しさに見惚れ、彼がなぜ転校してきたのかを右から左に聞き流した。するすると音もなく机の合間を縫って歩き、友香の斜め前の席についた転校生の背をぼうっと見つめる。四月の朝の日差しが転校生の毛皮を縁取り、金のヴェールがうっすら彼を覆っているようだった。
――あたしの春、きたかも!
友香の机に桜の花びらが落ちる。まぶしいほどの陽を受けて机たちが輝き、学校は春色に染まっていく。
新学期だった。
この季節がまたやってきた
春爛漫と咲き誇る桜はまるで、
私たちの新しい始まりを応援しているかのよう
そんな桜が好きだ
それでも桜を見ると切なくなる思いが
心の片隅にある
四季の中で1番春が好き
春はお花が綺麗それ以外ももっとあるかもしれないけどとにかくお花が綺麗!お花を見てると何も考えないで居れる。例えばどんな悲しいことが起きて落ち込んでいてもお花をみてたら何もかも忘れてお花に集中出来る!だから私は春が好き
春爛漫である。
桜がちょうど盛りを迎え始めた日、私の祖母が天に還った。
ああせっかく、春が好きになりそうだったのに。
学生時代はずっと嫌いだった春。
やっと解放されて、桜の色を心から楽しんで、今年もそのつもりだったのに。
病院へ向かう自転車を漕ぎながら見た桜並木が美しかった。斎場の周りは桜で埋め尽くされていた。そして、桜が散る頃に祖母は荼毘に付される。
思い出がまた増えてしまった。春爛漫の祖母よ。
春爛漫
この地では、いつも雪が降っている。それは太古の昔に冬を使命づけられたあなたが、この地をずっとずっと彷徨っているから。
わたしはそれを知っている。
あなたが悲しいくらいバラバラになった自分の心の欠片を、世界の果てであてどなく探して回っている姿をわたしは見ている。
寒い寒いこの地で、あなたは今日も吹雪の中を背中を丸めて歩いていく。そして、いつも降り積もった雪の中でうずくまる誰かを見つけては、立ち止まる。
「君……どうしたんだい?」
「左目を、失くしてしまったの」
雪に埋もれた少女が、そう答える。
「そうか。だが、君にはまだ右目が残っている。君はまだ生きていかなくてはいけない。左目を失くして死ぬのならば、右目が残っている内は生きねばならない」
少女は頷いて、雪の幕の向こうへ消えて行く。
昨日の男の子は彼の言葉で死んでしまったから、少女が生きる道を選んだことに、わたしは嬉しくなった。
春は命の誕生、秋は命の循環、夏は命の成長、そして冬は命の死を司る。
わたしは秋の使命を受け継ぐもの。わたしにあなたの春は連れて来られない。あなたはまた、涙すら凍る冬の中を重すぎる雪を背負って歩き出す。
春を遠い彼方へ攫われてしまったあなた。
あなたの冬は、いつ明けるのかしら。
春は傲慢だ。
なぜ春爛漫なんて言葉があるのか。まるで春が四季の中で最も輝かしく、豊かで、美しいかのように振る舞っている。
たしかに春は桜が綺麗だし、気温も過ごしやすい。でも夏の空と海は壮大だし、秋の山々の紅葉の鮮やかさは心踊るし、冬の一面の雪景色には息を飲むはずだ。それぞれの良さがあるし、それぞれが最高なんだ。
いつみても君は綺麗だよ、ハル。
光の中に誇らしげにいる君も、暗闇でも自分を見失わずに光を湛えている君も。
もちろん、はらりはらりと踊る姿も。
上を見ると君がいるだけで、俯いても足元にそっと寄り添ってくれることも、こんなに心が動くって思わなかったんだ。
だから、ありがとうね。
:春爛漫
「桜、満開やで!」
明るい声で起こされた。
起きる直前に何か夢を見ていた気がするが、明るい声で全てかき消された。
まだくっつきたがっている瞼を必死にこじ開けると明るい声に違わない爛漫の笑顔が目の前にあった。
「起きた?起きたな?花見行こうや」
今日が花見日和やって、明日からは雨らしいで、人混む前にサッとでええから行こうや、
覚醒しきらない俺を他所に、着ていく服やら目覚めのコーヒーやら色々と準備してくれながら急かしてくる男に笑いが洩れる。
ちょいちょい、と手で呼ぶと「なん?」と言いながら寄ってくる。
腕を掴んでぐいっと抱き寄せると男からはほんのり桜の香りがした。
「散歩行ってきたん?」
早朝目が覚めると1人で散歩をするのが日課な男に問うと、あんまり桜が綺麗やったから途中で戻ってきてん、と返された。
日課の散歩を中断するほどの桜、いや、それを俺に見せたくて戻ってきたのか。
たまらない愛おしさが込み上げてきた。
早く準備をして行こう。
スイッチが入ったようにきびきび準備をしだした俺に笑いながら、どこのルートがあんま人おらんかなぁ、とぼやく男。
10分で身支度を済ませ、今度は2人で散歩に出た。
男が慌てて起こしにきたのも頷けるほど、河川敷の桜並木は満開だった。優しく風が吹くと桜の香りが漂ってきて、思わず深呼吸した。
土手に咲く菜の花やたんぽぽの黄色に新芽の柔らかい緑、青い空、世界は美しいな、なんて柄にもなく思う。
「起こしてくれて、散歩誘ってくれて、ありがとう」
そう言うと、男はまた爛漫の笑顔を返してくれた。
【お題:春爛漫】
「春爛漫」
ひらひら舞い踊る桜の花弁
扇子を片手に三味線の音に合わせて
舞い踊る
春爛漫なり
我がココロ
サクラの踊り子
『元気出してこーぜ!』
付箋が貼られた缶コーヒーを持って
屋外へ一歩
「ははっ。一番安い珈琲じゃねーか」
笑って見上げた空には
透き通る青と
輝くピンクのひとひら
#春爛漫
午前中の温かい日差し
ミモザの黄色
桜の紅茶
クロテッドクリームたっぷりつけて食べるスコーン
川辺りにいる猫の親子
満開の桜
道角に咲いてるたんぽぽ
いろんな色のラナンキュラス
こし餡いっぱい詰まった大福
ピスタチオ色のフットネイル
リネンの香りの洗濯物
菜の花のにおい
公園の噴水
ビオラの群れ
犬がかけてく土手の道
新しくおろしたシャツ
花柄のランチョンマット
新玉ねぎのマリネ
筍の天ぷら
パステルカラーのマカロン
いちごラテ色に染めた髪
冬を乗り越えて出てきたミニバラの芽
君の楽しそうな笑顔
ぜんぶぜんぶ、春爛漫
春爛漫
桜の季節になると思い出す。
あの日、彼女から紡がれた言葉を。
ひらひらと舞い散る桜と同じように、
彼女の頬は薄く染まっていた。
あの時の僕は、その期待に応えることができなかった。
『友達』という枠から先に進むことが怖かったのかもしれない。
桜の季節なると思い出す。
あの日、彼から紡がれた言葉を。
ひらひらと舞い散る桜と重なって、
彼は凛とした声で答えた。
一年越しに発せられた彼からの気持ち。
去年は悲しみに頬を濡らしたけれど、今は違う。
ようやく2人の気持ちが交わった。
来年もこの桜の景色を2人で見たいと思う。