『星空』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
星空
いつかは、満天の星空をゆっくりと眺めてみたい。
小学生の頃に見たプラネタリウムでの思い出がそうさせているのかも知れない。体験コーナーが併設された科学館を訪れた時にとても興味を持って過ごしたのを今でも覚えている。
とても小さな科学館だったので今ではもう、閉館している。それでも、あの時に感動したことはやはり覚えているけど美化された記憶になっている気もする。
いつかは、望遠鏡を持ち星空を眺め未発見の星を見つける事が夢だった。今ではもうその気力はないけど、たまにプラネタリウムを見るために訪れることが楽しみの一つではある。
そして、いつかは映像ではない憧れたあの星空を眺めに行く事を1つの目標にしている。
めいっぱい星をからげて引き揚げる先なく突っ立つ電柱ばっか
星が止むまで
朝に帰るまで…
君の名前呼べたら…
ウソの欠片も無い
ウソの欠片も無い…
君が次に思ってる事…
当ててみようか?当ててみようか?
ベッドサイドで…
君は僕に抱かれたくなる…
邪魔な本を取り上げたら…
予言通りかな?
待ち合わせは唇
君が瞳を閉じる場所
乙女の顔のままで逃げ遅れないか?
君を包んだLINEに触れる
順を間違えずに 君を崩していく 君を崩していく
……
モナリザの背中 CHAGE and ASKA
思い出したら…すらすらと…
“星空”
なかなか寝付けずソロソロと抜け出した深夜の街は、ひっそりと静まり返っていた。ただ道なりにポツポツと街頭だけが灯っている。連日熱帯夜が続いてうんざりしていたが、今日は涼しい風がときおり吹いていて悪くない気分だ。
気分のままに歩いていると気づけば河川敷まできていたらしい。街頭もほとんどない真っ暗な中、月の光でキラキラと光る水の流れを眺める。小さな頃はよくサッカーやらキャッチボールやらで遊ばせてもらっていたこの場所は朝から夜までなんだかんだでいつも人がいた記憶があったけれど、流石に午前二時には人の気配はない。
昔は学校帰りに場所取りなんかしていたのになあと懐かしい気持ちになる。有り余った元気を出し切る様に夢中で遊んでいたところを、元気だねえと笑って見守ってくれていた大人たちがよく座っていたベンチを見つけて腰掛けた。人っ子一人いない寂しい河川敷から見上げた夜空にはうるさいくらいに星が瞬いていた。
理科は苦手だったから、星座は正直オリオン座しかわからない。冬の夜空にでっかく浮かぶそれをみてああと思うものの、夏の夜空の星座はさっぱりだ。夏の大三角というのがあることだけは辛うじて知ってはいるが、どれがどこにあるのか空をじっと眺めていてもわからなかった。
あのちょっと明るいやつだろうか?手元にある端末を取り出そうとした時、誰かの足音がした気がした。反射的に振り返ると男が一人こちらへやってくるところだった。
「……ひさしぶり、だね」
「お前、なんで……」
ぎこちなく笑う男はそれでも歩みは止めず、しれっと隣に腰掛けた。彼の夜空色の髪がふんわりと風に撫でられて靡いてキラキラとしていた。夜空の色をした髪も、穏やかで深いその声も、いつもはぼんやりとしているのに好きなことに関して話す時だけは星が瞬くみたいに輝く目も、なんだか夜空みたいな男だなとふと思った。
彼とは、同じ仲良しグループに所属していたもののずっと"友達の友達"くらいの間柄だった。必ず間に誰か共通の友人がいた。名前も知っているし挨拶もするけれど、それだけだった。そんな彼とたまたま二人きりになってしまった帰り道で沈黙に耐えかねた彼が、教えてくれたのがオリオン座だった。
物静かで大人びたやつだと思っていたけれど、暗くなりだした空を指差して目をキラキラさせて熱く語る姿は年相応の子供だった。案外仲良くなれるかもなあ、なんて思った翌日に彼はこの街から引っ越していった。
せっかく仲良くなれそうだったのに、とやけにムカついたせいで唯一オリオン座だけは忘れられないでいる。あの時のムカつきがじわじわと唇を侵食していく。
「オリオン座って夏はどこにあんの?」
俺の言葉に、一瞬まんまるに見開かれた目はすぐにキラキラした夜空になった。
見上げた空は
雲に覆われて
見えない星に
想いを馳せる
会いたいと声にできたとして
この空はきっと
叶えてくれないから
会いに行く
待ってて
【星空】
なんとなく過ごして、なんとなく仕事して、なんとなく人付き合いして、なんとなく理由なく生きてる人生。
「もう疲れちゃったな」
いつの間にか考えてることが言葉に出てしまっていた。
辛かったことだけが頭に残っている。
幸せなことは何故か何一つ思い出せない。
そんな、しょうもない人生。
こんなことを考えるなんて今日はいつもより疲れているみたいだ。そんなことより早く家に帰って寝たいな…
ずっと下をみながら歩いていた。
靴が汚れてるな。
そんなことしか考えてなかったのに、コンクリートに反射する微かな光をみた瞬間、無性に空に目を向けたくなった。
重たい首をゆっくりと上にあげるとそこには、数え切れないほどの無数の星とどこまでも続いていく空があった。
星空ってこんなに綺麗だったっけ?
その日は家に帰るまでずっと空をみていた。
いつの間にかもう家の前についていた。
ふと頬を触ると濡れていることに気づいた。
最後くらい自分に優しくしてもいいかな。
そう思い、いつもより多く睡眠薬を飲み私は眠りについた。
星空綺麗だったな…
お題:最後の星空
『星空』
今日は七夕
私の彦星はどうしているだろうか
もう会えないのかもしれない
すごく好きだったし、これからも好き
笑顔で、幸せでいてね
最後に送った手紙の返事は来ない
それでも私は今でも想いを紡ぎ続けている
曇っていて星空は見えないけれど、
想いは銀河まで届いているだろう
ここ最近、というより、かなり長い間、星空を見上げていない。最後に見たのは、まだ暑くなる前の春の夜だったと思う。1人で見上げても、虚しくて寂しくて、やり切れない夏の夜だ。
星空。
星空を
2人で見よう。
2人の為の
月を待ちながら。
少しの距離でも
同じ月を。
(星空)
プラネタリウム
星座
流れ星
天の川 彦星 織姫
流星群
星空
飽きずに振り続ける初夏の雨。
曇天の日が続く梅雨の季節。
その合間に。
ふと顔を見せる、星空。
何時もより、少しだけ貴重に思える、
夜半の星の煌めき。
一際明るい星。
目を凝らさなければ見えない小さな星。
ぼんやりと輝く星。
青い星、赤い星、白い星。
星空は、様々な星を、
全て受け入れて、
こんなにも美しい。
大人も子供も。
豊かな人も貧しい人も。
善人も悪人も。
夜空を振り仰ぎ見れば、
星達は、等しく輝いてくれるんだ。
その事が、俺の不甲斐無さを、
星達が受容してくれているみたいで、
明日は会えないかも知れない綺羅星に、
そっと、溜息を零す。
こんな駄目な俺でも。
星だけは赦してくれるんだって。
星空の下で、少しだけ自惚れてみるんだ。
きらきら光る、なんて小さな頃はよく歌っていた。
七夕になると星型に切り抜いた金銀の折り紙やシールをそこら中にはっていた。
だけど、ほんものの、夜空に光る星なんてずっと知らなかった。
だってそうだろう。街は人工の明かりが強すぎて星が負けてしまう。そうでなくとも、そびえる建物が多すぎて空はとても狭い。時折見える瞬きは飛行機のライトや人工衛星で、ほんものを知る機会なんてなかったのだから。
星とは星型をしたものであり、高感度カメラのレンズ越しにしか存在しないものだった。
はじめて星を知ったのは林間学校のとき。
街の明かりは山によって遮られ、車の走行音も酔っ払いの奇声もない。虫の声を聞いたのも、そのときがはじめてだった。
満天、降るよう、そうとしか言えなかった。肉眼でも判る程の大量の瞬き。ありすぎて、早見盤を使っているのに、なかなか星座を見つけることができなかった。
それに、星はほんとうにまたたいていた。それが大気の屈折率のせいだとしても、ちかちかと繰り返す強弱に目も心も惹きつけられた。
思わず、手が伸びそうになったのも仕方がない。大袈裟でなく、手を伸ばせば届きそうだったのだ。
就寝時間まで、それを過ぎてからもベッドに寝転がりながらずっと見ていた。
数年経った今ですらくっきり思い出せる程、瞼の裏に焼きつけたそれは価値観を変えるに十分過ぎた。
この世には隠れているもの、気づけないものが多すぎる。だけど、少し目を向けてみるだけでも世界はその姿を変える。
足元の花。流れる雲。噴水の水滴ひとつすら。
嗚呼、ほんとうに、この世は美しいもので溢れている!
コップ代わりの取っ手付きビーカー
自家製のレモンシロップ50ml
炭酸水をたっぷり注ぎ
氷を放り込む
今日は贅沢がしたくって
星空を飲んでみたくって
月に見立てたレモンの輪切り
星に見立てた金平糖
ビーカーに入れた
それらは深く沈んでいった
あんまり星空には見えなくて
少しガッカリしたが
それでも何時もより贅沢で
気分は良かった
その気分のまま
夜更けの自室に戻り
卓上ライトにビーカーをかざす
そこにはキラキラした数え切れないほどの星があった
沢山の星が下から上へと昇り消えていく
図らずもそれは星空だった
私はその星空を飲み
底から掬い取った青い星を
奥歯で噛んだ
幽かに檸檬の味がした
小さな贅沢を噛み締めた
〜星空〜
『星空』
あんなに愛した星々から、
「見たくもない」と目を逸らした
あの日をきっと僕は忘れない。
それは冬の日のことでした。
十八の私は、進路だなんだと
見たくもない現実ばかりを見せられいて、
大変疲弊しておりました。
学校帰り、駅から出た私はふと空を見上げ、
確かにその両目に星空を映したのです。
そこにはいつもの通り、
眩しく輝く星々がおりました。
普段なら「もっとよく見たい」と
瞳孔を開かせていたところです。
けれどその時、私の身体は初めて
星々に対して拒否反応を示しました。
「見たくない」
咄嗟に顔を背けました。
地面を見ながら歩きました。
そんな自分が惨めでなりませんでした。
星々の輝きが眩しくてたまらなかったあの日。
とてもじゃないが見ていられなかったあの日。
あんなに愛した星たちから、
目を逸らしてしまったあの日。
あの日をきっと僕は忘れない。
そうして今日も星空を眺める。
星空
昔、バカみたいに青いケーキを食べた。
四角くて青いクリームがたっぷりのったそれは、どうも気持ち悪くて仕方なかった。
味は普通のケーキだったのに、見た目が受け入れられなくて、一口でやめた。
でも眺めているうちに蛍光灯の下のアラザンが光っていることに気が付いて、すごく、星だ、と思った。
本当の星は銀じゃないし、本当の空は青じゃないけど、幼い私には星空に見えた。
その日星空を食べていた。
この満点の星空の下あなたといれて僕は幸せです。
来年の夏もまたこの場所に来てこの景色をあなたとみたいです。
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theme 星空 2024-07-06
→短編・プラネタリウム
もうすぐプラネタリウムの上映が始まる。隣の席の彼女が「楽しみだね」なんてこっち見て肩を上げる。あ〜、今日も可愛いなぁ。
館内の灯りが消える。暗闇とアナウンス。上映が始まる……――。
彼女と出会ったのは3年前。マッチングアプリ経由で付き合い始めた。まるでアプリのCM並に価値観が一緒で、初対面のときから初めて会った気がしないくらい盛り上がって、とにかく最高で。
そして今日は3回目の出会った記念日だ。毎年必ずデートしている。もちろん今年も。平日なので仕事終わりからの夜デート。でも今年の記念日は今までとは気合いが違う。
俺はポケットに忍ばせてある指輪を握りしめた。今日、今ここで、俺は彼女にプロポーズする!
俺のプランはこうだ。プラネタリウム上映中に彼女と手を繋ぐ。そのときに一緒に指輪を仕込んでおく。何を渡されたのかと彼女は確認するはずだ。驚く彼女。その指輪を再び手に取り、彼女の左薬指に指輪を通す。星空の下でのプロポーズ。(映像だけど……、そこは、まぁ、予算とか時間とか、ね?)その後は2人でよく訪れてるフレンチを予約してる。店長に相談に乗ってもらった結果、ケーキと花束を店が用意してくれることになった、と、一通り今夜のプランを再確認した俺は、球面のドームに広がる映像を睨みつけた。
どういうこと!? 手元まで暗い映像ばっかり続くの、何なの? 下見の時はずっと明るいくらいの星空の映像ばっかりだったじゃん! またよりにもよってダークマターとダークエネルギーって渋いテーマだな、オイ!
彼女の横顔に顔を向ける。焦る俺とは対照的に真剣な顔で宇宙の神秘に聞き入っている。好奇心旺盛な彼女の目が星空を映したように輝いている。あぁ、やっぱりこの子のこと、好きだなぁ、俺。
彼女、きっとこのあとの食事でこの話をしたがるだろうな。一緒に盛り上がりたいけど、俺、ほとんど聞いてないわ。しょうがない、計画変更! ここでのプロポーズは諦めて、レストランでしよう。今のバカ話をして、一緒に笑おう。それで週末には図書館で宇宙のことを調べに行こう、その後は……。
「それでは只今よりこの時期の夜空をお見せいたしましょう」
映像が切り替わった。
うわぁ、と方々から歓声が上がる。それくらい綺麗な満天の星空 がスクリーンに映し出されている。観客席まで届く優しい灯り。
そうだ! これを待ってた! 今しかない! 慌てて計画を実行に移す。ヤベェ、手汗ハンパない。
汗だく俺の手に、彼女のびっくりした顔がこちらを向いた。俺の予想とは違い、彼女は握った手の中にある硬い感触を握ったまま探るように動かす。コロコロコロ。輪っか状のもの。これはなぁに? やがて、なぞなぞの答えを見つけた彼女は興奮に顔をクシャッと寄せたような愛嬌のある笑みを浮かべた。
彼女が声を出さずに口だけを動かした。
―YES
彼女の笑顔とこの星空を俺は一生忘れない。
テーマ; 星空
【星空】
都会住みでもないですが、適度に汚染された空の地で育ち、夜空には数える程度の星しか見たことなかった若かりしころの自分は、いつか満天の星空を見てみたいなーと憧れていました。ロマンあふれる雄大な宇宙の神秘、じかに目にできたらさぞ感動するだろうと、ずっと夢見ておりました。
それから時は過ぎ、社会人となってポツポツと旅に出るようになったころに、ようやくチャンスが到来しました。
N県の花と回廊で有名なお寺近くの宿に泊まった時のこと。旅の疲れですぐに寝付いたのですが、なんの拍子か突然真夜中の三時頃に目が覚めてしまいました。そしてふと、ここが街から離れた自然あふれる山の中だということを思い出し、もしかして満天の星空が見られるかも!と思い立って期待しつつ窓を開け、夜空を見渡してみました。
すると予想通り……というより、予想を遥かに上回る想定外の光景がそこにはありました。
見慣れない巨大な大きさの星がいくつもあり、それよりは小さい星も無数にウヨウヨとあって、それらが強烈にギラギラと不気味に輝いて夜空に所狭しとひしめき合っている……そんなおぞましくも禍々しい眺めが目の前に広がっていたのです。
――満天の星空って、こんなにも気味の悪いものなの――?しばしドン引き状態で呆然と眺めていましたが、ちょうどその時に流れ星、火球らしきものが現れ、その迫力と恐ろしさに震え上がり、急いで窓を閉め布団の中へ潜り込み、早く夜が明けることを願いながら眠りました。
その体験以来、夜空に浮かぶ星はおろか、月までも見るのが恐ろしくなってしまった次第……調べてみると「星空恐怖症」なる症状があるとか。満天の星空へのロマンは全人類が共通に持っている感情だと思っていたのに……いや、もしくは星空恐怖症なる私のような存在は人類外なのかも?まあそんな自覚は多少ありますが……(´Д`;)
あんな禍々しいものが常に頭上に漂っているなんて ―― 悪夢のようなあの光景を思い出すたび、考えるたびに憂鬱になる。ロマンチシズムを欠片も持ち合わせていない、超残念な私の身の上話でした(ー_ー;)
星を欲してはいけませんか
きらきらと まばゆいあの星を
手を伸ばし胸に仕舞うことを
許していただけますか
あっじゃあこれとこれとあれとそれとそっちとー
え?
別にひとつだなんて言ってませんけど
欲張りなんです、私
“星空”
初めて流れ星を見た時
初めてできた彼氏とずっと一緒にいたいと、
お祈りをした。
若かった。
今、星空の下
独りの家に帰る毎日。
それも、悪くないと思える。
嬉しいこと楽しいこと
悲しいこと辛いこと
夜の闇がそれらを包んで星になり
光となって私に降り注ぐから。