叶湊

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なんとなく過ごして、なんとなく仕事して、なんとなく人付き合いして、なんとなく理由なく生きてる人生。

「もう疲れちゃったな」

いつの間にか考えてることが言葉に出てしまっていた。
辛かったことだけが頭に残っている。
幸せなことは何故か何一つ思い出せない。
そんな、しょうもない人生。

こんなことを考えるなんて今日はいつもより疲れているみたいだ。そんなことより早く家に帰って寝たいな…

ずっと下をみながら歩いていた。

靴が汚れてるな。

そんなことしか考えてなかったのに、コンクリートに反射する微かな光をみた瞬間、無性に空に目を向けたくなった。

重たい首をゆっくりと上にあげるとそこには、数え切れないほどの無数の星とどこまでも続いていく空があった。

星空ってこんなに綺麗だったっけ?

その日は家に帰るまでずっと空をみていた。
いつの間にかもう家の前についていた。
ふと頬を触ると濡れていることに気づいた。

最後くらい自分に優しくしてもいいかな。
そう思い、いつもより多く睡眠薬を飲み私は眠りについた。

星空綺麗だったな…

お題:最後の星空

7/5/2024, 6:02:33 PM