『明日、もし晴れたら』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
たまには曇りであってほしい
暑すぎてやってられない
猫は暑さに弱いと思っていたけれど
うちの子は日中、クーラーの有無に関わらず
日当たりのいいカーテンの中や
あまり風通しの良くない部屋
三段ボックスの中で引き籠もっていることが多い
そしてクーラーは嫌いのようだ
そんなに毛皮を着ているのに
【明日、もし晴れたら】
「もう永遠に、春歌とは会わない」
喜びも怒りも、哀しみも楽しさも、何の感情も読み取れない表情でそう切り出した夜雨に、困った人だなぁと内心、春歌はため息をついた。
びゅおう、風ががなり立てる音が、窓を挟んだ室内にまで聞こえ始めている。
情報収集に点けていたテレビのニュースでは、男性アナウンサーが真面目な顔で繰り返している。曰く、大型で非常に強い台風……号は、依然として勢力を保ちながら北上中です。明日未明、……上陸の可能性が高く……引き続き最新の台風情報にご注意ください。
決まってこんな日に夜雨は、こんなことを言いだすことがある。
明日、もし晴れたら。
可能性の限りなく低い賭けは、もう何度目になるだろう。面倒くさい人だ。
天気予報は当然のように雨マークで、でも、確率はゼロではない。
台風の勢力が弱まれば。進路が逸れれば。もしも、もしも、もしも。
もし明日晴れてしまったなら、本当に二度と春歌に会おうとしないだろう夜雨を、春歌はよく知っている。
けれど、毎回必死になって晴れるなと祈る春歌を、きっと夜雨は知らないだろう。言われるたびに小さく傷ついている心の奥のことも。
ひどい人だ。いつか思い知らせてやりたい。
風がまた一段と強くなった。
離れたいのか、離れたくないのか。
傷つけたいのか、傷つきたいのか。
明日、目覚めて降りしきる雨を確認するその瞬間まで、夜雨の心も、台風のようにすべてかき混ぜて吹き荒れるのだろうか。
吹き荒れて、いればいい。
困った人、面倒くさい人、ひどい人。
そして──春歌は微笑う。
可愛い人だ。
明日、もし晴れたら
俺ら引きこもりには関係ねぇ☆
…嘘です。体調面的に滅茶苦茶響くまじで
晴れてくれ
明日、もし晴れたら
好きな人と一緒にお出かけをしよう。
そしたら気分も上がるでしょ?
〜明日、もし晴れたら〜
『止まない雨はない』
学校の図書室でそう書かれた本を見つけ
思わず足を止め、訝しげな眼差しで本を睨む
雨と晴れはよく人に例えられるが
雨はしばしば印象の良くないものとして使われる
晴れが、明るい・人気者・人生の成功者なら
雨は、暗い・控えめな人・苦労人のように
僕は雨が好きだし、悪く使われることにも
憤りを感じる
「納得いかない」
思わず呟いてしまった
「本当、納得いかないよね。」
横から突然声がして視線を向けると
上級生らしき彼女が眼鏡のズレを直しながら
同じ様にタイトルを訝しげに見ていた
「どうして雨ってこうも
悪く言われちゃうんだろうね。
私は雨が降った時の静寂の中に聞こえる雨音が
すごく好きなんだよなぁ。」
彼女がふんわり笑みを浮かべて言う
それがなぜだか嬉しくて
「そうなんです、
雨音って癒し効果も絶対ありますよね。
そもそも雨が降らなければ植物も育たないし
飲み水もなくなる。
それに雨を人に例える時も
悪い意味で使われるけど
雨もその人の本質もどちらも
よく知らないのに悪く言うなって思うんですよね…」
ついつい自分の意見を
捲し立てるような早口で語ってしまった
恐る恐る彼女の表情を見ると
やはり呆気に取られている
恥ずかしくなり、その場から逃げようとした時
「すごい…同じこと考えてた人が居たんだ」
彼女は瞳を潤ませ、期待と喜びを含んだ表情で
自分を真っ直ぐ見ていた
その表情に目を奪われ動けなくなってしまう
心の中でポツポツと地面を打つ雨音がする
降り始めた雨は
顔を出したばかりの小さな芽に
恵みの雨として降り注ぐ
時に晴れの恵みを受け
またある日は雨の恵みを受け
ある時は晴れの試練を受け
またある日は雨の試練を受け
そうして強く丈夫に育んでいく
明日、もし晴れたら学校へ行こう。
彼女は決意する。
太陽が地平線に溶けてゆく。温度に打ち勝てずにだらだらと原型を崩してゆくバニラアイスのように。
溶けてゆく太陽と入れ替わりに街の街灯が目を覚ます。
今日も1日が終わりに近づいている。
真っ白なワイシャツ。紅色のリボン。チェック柄のスカート。ローファー。
身に纏っているそれらは彼女が女子高校生という事実を語っている。
…pm6:30
空気をめいいっぱいに吸う、おいしい。
やはり、ここで吸う空気は苦しくない。
堂山 ゆるあは自身が住むマンションのバルコニーで日が沈み始めてから沈み切るまでを観覧するのが毎日の日課だ。彼女は学校に行く日課がなくなってしまった。
いつからだろう、とゆるあは思考をめぐられせてみた。
いつから私は学校で息ができなくなったのだろう。
高校入学当初は息ができた。それなりにクラスメートとたわいない会話を交わしていたし、一緒に行動を共にしていた子だって何人かいた。
でも日を追うごとに段々とクラスメート達は濃い抹茶を飲んだ時のような顔を浮かべていった。
何が問題なのだろうか。
自分勝手な我儘を押し付けた? 違う。
彼女らの話を遮ってしまった? 違う。
誰かの彼氏を奪ったので恨まれた? 違う。
思い当たる節はない。
わからないことが怖かった。恐ろしかった。
私は仲良くしたいだけなのに。
こわい。おそろしい。
その気持ちが私を支配してたまらない。
息が詰まっていく感覚が日を追う事に重くなっていった。
1度意識してしまうと止まらなくなった。
朝、起きると自分の顔がぐしょぐしょに濡れていた。
雨の中傘を刺さずに歩いた時みたいだな、と思った。
はは、と乾いた空気に自分の声が飲まれた。
あほみたい。
馬鹿にされる為に学校に行っている自分が馬鹿馬鹿しくておかしくてたまらない。
もういかない。
いってやらない。
そう決意した日から学校を休んでいる。かれこれ2ヶ月。
私は毎日落ちてゆく溶けてゆく日を見るだけ。
わざわざ制服を纏って。
そして毎日決意する。明日、もし晴れたら学校へ行こう。と。
晴れることは決してない。
私の心は明日も明後日も明明後日もずっと。晴れることなどない。
分かっているけれど今日も日を見て誓うのだ。
お題《明日、もし晴れたら》
翡翠の海に氷を浮かべて、透き通った香りのミントで彩った、物語の続きを飲もう。
夏の陽ざしに負けないくらい、煌めく夢物語を。
雨が降ったら雨宿りして、晴れたら――駆けだそう。
私の夢を掴むために、真っ直ぐに。
掃除する時は晴れてる方がいい。
雨の日に掃除してもなんだかもやもやする。
洗濯もぱりっとしないし、そもそもすっきりしない。
晴れについての願望はそれくらいで、私は結構雨の方が好きだ。
それも雨の影響を受けない所で感じる雨が好きだ。
通勤通学、仕事中、移動中でもろ影響を受けてしまうのはあまり好きではない。かなり都合のいい「好き」である。
小雨ではなくざあざあ降りのちょっと激しめな雨を室内でぼんやり眺めたり、聞いたりしているのが好きだ。
でもやっぱり雨が続いたりすると、早く晴れてくれ〜と願ってしまう現金な奴である。
晴れがあるから、たまに降る雨が好きなのだと思う。
雨ばかりだと話が変わってしまう。掃除もした気にならない。
言うてそんなしっかり掃除できてはいないけれども。
休みの日は晴れてほしいし、その反面雨も降ってほしい。
もうなにを言っているんだ。着地点が見えない。
だめだ全然頭が働かない。眠たい。
ピカチュウが私を待っているので、もう寝ます。おやすみなさい(AM2:03)
明日、晴れたら
雨が降ってる日は
ここに来る
屋根に弾く音を
コーヒーとスマホで聞き流す
毎日書いてる萎れた紙切れ
渡したいという気持ちは
いつも天気によって流されていく
「いつもありがとうございます」
初めてのその言葉に
つい、「また明日来ます」
なんて言ってしまった
明日、晴れるかな
明日、もし晴れたら
夏が泣いていた。
夏なのに、秋雨のように冷たい涙を流していた。
プールに入りたがった子供は、悲しさに顔を歪ませている。あの女子高生は、げんなりとした様子でうねった髪を気にしているし、あの男性はおろしたての靴が汚れたようで苛立っている。
僕は、ここのところ頭痛が酷かった。
いつも明るい夏が泣いていた。普段はうんざりするほど暑苦しい奴なのに、こんな姿を見てしまうとこっちまで悲しくなってしまう。それに毎年こうなんだ。
だけど明日、もし晴れたら。
きっとみんなの心にも陽が差すだろう。すると、太陽にも負けないくらい眩しい笑顔であふれるんだ。
あの子供が元気に泳いでほしい。女子高生は、さらさらとした髪を風でなびかせて。ピカピカになった靴でいきいきと歩いている男性も。
僕はアイスにかぶりつくだろう。つい食べすぎてしまうから、結局のところ頭痛薬は手放せないだろうけど。
そうして僕たちを明るく照らしてほしいんだ、明日こそはね。
まだ夏は始まったばかりなんだから。
明日、もし晴れるなら君に会いたい
雨の日は決まって部活が休みだ。
吹奏楽部なのに変でしょ?
あなたの笑顔も声も聞けないそんなのつまんない。透き通るような美しい声に、真面目だけどたまに見せる君の子供っぽく笑う姿、1分1秒でも見逃したくないし見ていたい。
きっと君は、私のことなんか目にも入ってないはず。だけど私はあの日から君が好きになったんだ。
私は、無理矢理吹奏楽部に入れられた。というか、適当に合図地打ってた私が悪いんだけどね。まぁ、見ての通り練習にもやる気が入らなくてただたに楽器を吹くばかりだった。だけど君は、私と初対面なはずなのに怒りながら「やる気無いなら出てって」って言ったよね。私は、あまりのことでただ立ち尽くすことしかできなかった。正直そんなに怒んなくてもいいのにとも思ったし、怒りっぽい人とすら思えた。だけど放課後君は私に謝罪をしにきたよね。スッゴーく謝っていてもうどっちが悪いのかわんなくなるぐらい。だけど君はたくさんのことを教えてくれたよね。音楽の大切さや楽器の吹き方、そして1つ1つの楽譜に込められたメッセージを、「みんなで一緒に全ての人に感動を伝えれるような演奏を作りたい」君が放ったその言葉と、まっすぐに輝く君の瞳に負けちゃって、誓ったんだ、君の夢に
あの日から私は君に惚れた。ちょっときびしいところもたまに見せるあの笑顔も、、、
だから明日も頑張れるんだ。君に会うために、
もう私は高校2年生、彼はもう3年生、
あっという間に時間が、いや時が過ぎて行く。
今だってそう時は止まること無く進んでる。
君と会えるのもあと少ししかない
もし明日晴れるなら君に会いたい、
1分1秒でも卒業式が来るまでに
明日もし晴れたら、視力トレーニングを兼ねてどこまで見えるか試してみよう。
ベランダから観る景色はMAXどこまで何が見えるかなぁ〜
雨は憂鬱だ。
体が重く感じる。肺に湿気が入り込み、喉に水が溜まる錯覚。息を吸う度に不快感が増していく。
「明日は晴れてくれるといいな」
隣にいる彼女が呟いた。彼女の声は、私の耳に優しく響いた。
「そうしたらね、 」
そして、その言葉が、心に光を与えてくれた。
明日晴れたら、この体の不快感も消え去るだろう。そうすれば彼女のあの言葉の様に……。
そう思いながら、私は深い眠りに落ちた。
「明日晴れたら、」
明日、もし晴れたら
君に思いを告げよう
もし、明日晴れたら
君の横で笑ってみよう
明日、もし晴れたら
夜空を一緒に観よう
もし、明日晴れたら
君に好きだって言ってみよう
もし、明日晴れたら
きっと月が綺麗に見えるだろう
明日、もし晴れたら
明日もし晴れたら、
体育は外でドッチボールだ、
なんて思いながら天気予報を見る、
そんな幸せ。
雨はまだ止まない。
【明日、もし晴れたら】そして、休みならば(笑)、
海を見に行きたいなぁー。そして、ボーっとして、
海の広さを見て、クヨクヨしていることとかを流し
たい。そして、また決意する。自分の決めたこと、
自分との約束は守りなさいってー。行くって決めたん
でしょ。貫き通すと決めたんでしょ。ってー。
海からパワーをもらいにいきたいなぁー。
でも明日、晴れても海に行けないから、
明日の天気は曇で!!??(笑)
3年後のpure
―可哀想に
そうですね。とても可哀想です。
―情けない
そうですね。すごく情けないです。
―どうして
とうしてでしょうね。全く検討がつかないです。
ズルリ、ズルリと音を立てて黒い布が剥がれ落ちていく。
ようやく見えてきた中身はボロボロで今にも崩れてしまいそうだ。どこもかしこも傷だらけできれいなところなど見当たらない。ただのガラクタ、ゴミ同然のもの。
途中で拾ったテープでヒビを隠し、欠けたところには布を裂いて詰め込んでいく。
テープにはとてもきれいな言葉がぎっしりと隙間なく印刷されている。幸せを説き、素晴らしいものを並べ立て、喜びを分け与えるようにできている。
そして裏側にはベッタリと張り付いて離れない執着がある。
真っ黒な布には何重にもなった記憶が画かれている。
何が画かれているのか読み取れなくなるまで重ねられていて、それがどんな記憶だったのか思い出せない。
だけどずっと纏っていたいくらい温かなものであることは確かだ。
淡々と貼って詰めてを繰り返す。
きちんと元通りになるようにしっかりと丁寧に作業する。
誰に邪魔されようとやり遂げなければいけない。決められたことを守り、与えられたものを大切にするのだ。
黒い手が肩を叩く。ポンポンと優しく呼びかけるように何度も何度も叩いてくる。そしてとんでもないことを囁くのだ。テープを貼る手を止めてくれ、布は詰め込むものではないから止めてくれ、と。弱々しい声で縋るように囁いてくる。
いい加減、鬱陶しくなってきて作業する手を早めた。丁寧さなんて二の次でいいからはやく終わらせたい。この黒い手と囁きから解放されたい。これ以上邪魔されたら、
「明日、もし晴れたら―――」
「え?」
思わず振り向いてしまった。だってそれは、あまりにも魅力的な誘いだったから。テープに印刷された言葉よりも、黒い布の温かさよりもずっとずっと甘美なものだったから。
テープを投げ捨てた。しつこい粘着が手について離れないけどもう関係ない。
布を踏みつけた。気を抜くと絡みついてきてきつく縛りつけてくるから大嫌いだったんだ。
黒い手の主は優しく微笑んでいる。
ああ、黒くみえていたのは手袋をしていたからだったんだ。そうだよね。あんなベタベタしたものを直接触るなんて嫌だもの。
うん、あんな布きれよりもこの手の方が温かいよ。自分の体温で温めていただけで本当は温度なんてなかったんだ。
黒い手が赤い紐を差し出し、プレゼントだといった。
そして自分の首を指さして、こう使うんだと説明した。
同じように巻きつけたら、褒めてくれた。
手を差し出されたから握った、握り返された。
嬉しくて嬉しくて久しぶりに声をだして笑った。
「明日は晴れだといいね」
次の日は晴れだった。
みんな黒い服を着て彼を囲んでいた。泣いたり怒ったり、意味のない問いかけをしてを繰り返している。
幸せそうに笑いながら横たわる彼の首には赤い紐の痕がある。
「…晴れてよかったね」
【題:明日、もし晴れたら】
明日、もし晴れたら…
と、計画を言ってその晩眠りにつく。
翌朝、塗り残しなく空が曇っていたら
顔面まで曇りませんか。
その顔には、午後から晴れる見込みも無く、
暫く心の中には梅雨の季節が訪れる。
僕は雨の日も晴れの日も好き
曇りは何となく苦手、気分が下がる
雨の日も気分が下がる時は下がる
でも、雨の中遊び回るのは楽しい
晴れの日は雨の日と違って動きやすい
雨の日は滑りそうになる
最近曇りの日が多い
どうせなら雨が降ればいいのに
明日は友達と出かけるんだ
曇りはヤダなぁ
皆は「雨の方がイヤ!!」って言うだろうけど
もし、明日晴れたら楽しいお出かけ
曇りでも出かけるけど気分が乗らないからヤダ
もし、明日が雨ならお出かけは延期
行きにくいから延期にするんだって
雨なら外で遊び回っちゃうなぁ
でも、皆と出かけるのは楽しみだから晴れて欲しい
てるてる坊主でも作ろっかな
今まで作った事ないけど(笑)
お題〚明日、もし晴れたら〛
常滑焼の茶色いカメの蓋を開けると、甘い果物の芳香が鼻いっぱいに広がった。
重石代わりの小皿を退けて、黒い紫蘇の層を菜箸で優しく取り払うと赤い液の中、まだ少し黄みの残る梅がギュウギュウに詰まっていた。
カビも生えていない、梅の薄皮も破れていない。上出来だ。
ササッと紫蘇を平らに均し小皿を戻してから蓋をすると、流しの上の棚から平たい竹ザルを三枚取り出して、キレイに洗い上げておく。
明日は梅を干す、晴れていたらね。
テーマ「明日、もし晴れたら」