『放課後』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
高2の秋。
部活の引退が早かったから
ひと足先にひとりで帰る。
いつもはバスで帰るけど
涼しくなったから
歩いて帰ることにした。
学校の壁伝いに歩いていく。
部活のかけ声。
楽器の音。
少し冷たい秋の風。
夕暮れ時の不思議な気配。
金木犀の香り。
そして聞こえてきた
「ハッピーエンドへの期待は」の
出だしのコーラス。
歌っていたのは
たぶん
グラウンドで練習していた
運動部の男子たち。
なんか上手だったから。
すっと心に入ってきたから。
あの時間は
鮮明に記憶にのこっているの。
「放課後」
アイツがなぜ委員長なんてやっているのか。なぜ部長なんてやっているのか。
いつもシャツのボタンを大っぴらに開けてズボンから裾を出してるような、チャラチャラした見た目のアイツがなぜわざわざそんなことをやりたがったのか。
俺たちは──いや、俺は。副委員長であり、アイツのいちばんのダチだと自負している俺は。
そのことについてもっとよく考えるべきだった。
あるときアイツは3日ほど学校を休んで、次に登校したときにはひどくやつれた顔をしてた。
アイツはもともと身体が弱いから。学校を休むのも顔色が悪いのも別に珍しいことじゃあなくって、けどなんとなく俺は聞いてみた。深い意味があったわけじゃない。ただ会話の流れで、適当に、笑いながら。
そしたらアイツも、「この3日カーテンのない部屋にいたからさぁ」なんて笑いながら言って、俺たちも「夜眩しくて寝れねーじゃん」とか、「早く買えよ」とか、「着替えるとき丸見えじゃん。あ、むしろ見せてる?」とか、まーなんも考えないでテキトーに馬鹿言って笑ってた。
こんなのただのコミュニケーションで、じゃれあいで、単語の表面をなぞってそれに沿った球を投げ返すだけの反射ゲームだ。いちいち言葉の裏とか隠された意味とか、そんなことは考えない。俺たちはそれを会話と呼ぶ。
けど、いまにして思えば。
やっぱり俺は、アイツのあの発言について、もっとよく考えるべきだった。
あのとき気づいてたら何かが変わったかなんてわからない。けど、気づかなかったからこうなった。
もしかしたらあれは、アイツなりの精一杯のSOSだったりしたんじゃないか? それに気づいてたらこんなことにはならなかったんじゃないか?
ちゃんと考えればわかったことだ。
委員長も、部長も。学校に拘束される時間が長くなるからお前は進んで手を挙げたんじゃないのか?
カーテンのない部屋って──それは、窓がないんじゃないか?
そんなところに、お前は進んで3日もいたのか? そうじゃなくて……閉じ込められていたんじゃないのか?
なあ、ジンゴ。
お前は家でどういう扱いを受けていた。
出演:「サトルクエスチョン」より 福井栄(ふくい えい)
20241012.NO.77「カーテン」
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高校に入って(俺としては)まともに学校に通うようになって、気づいた。
俺は放課後の時間をもっと有意義に使うべきだ。
授業が終わってすぐに帰るのはあまりにもったいない。
誰かと遊ぶのは相手の都合もあるから毎日ってわけにはいかないだろう。バイトはたぶん許可が降りないし、そもそも俺の体調と体力を考えると仕事先に迷惑だ。
となると、部活だか委員会だかやって、なるべく学校に留まるのがいちばんいい。
どうせなら両方ともやるか。
委員会は……生活指導委員ってのにしよう。生徒会を除けばいちばん忙しいらしいし、不人気っぽいから余裕で入れそうだ。
部活の方は……とりあえず運動部はなし。お、研究会ってのもあるのか。あーでも、研究会には部室がないんだ。部室はデカいぞ、色々物置けそうだ。
じゃあやっぱり部活動の方で、文化系で、緩いけど毎日いてもいいようなやつ……。
意外とねぇな。漫画研究部とか文芸部とかは条件には合ってっけど、俺そういうの興味ねぇし。
……作るか。
部活の作り方……。えーと、「まず研究会を発足させて、その活動実績が認められると部活動に昇格できる」? めんどくせぇな。でも部室はほしいしな。
とりあえず研究会か。なになに、「必要人数は3人」。じゃあ俺と、キキもたぶん頼めば入ってくれるだろ。モカは……きつい。あとひとり……あ、アイツ。同じクラスの、福井ってヤツ。高校からのダチだけど、ノリいいし頼めば名前だけ貸してくれるかも。
よし、これで方針は決まった。一旦帰るか。
最初は遠いと思っていた家までの道のりも、慣れるとあっという間だ。
内側用と外側用、2種類ある鍵の片方を開けて玄関をくぐる。ちなみにもう片方の鍵は持ってない。
暗い廊下。
静かな部屋。
お手伝いさんが作ってくれたご飯を温めて直して食べる。
喋り続けるテレビ。
母さんは今日も帰らない。
飯を喉に流し込みながら考える。
高校ではちゃんと学校に通えてるし、授業もみんなと一緒に受けれてる。友達もできた。順調だ。
それに明日からは研究会発足に向けてやることが色々ある。どんな研究会にするかも決めないとな。キキと福井と、3人で話し合うか。
──ああ、放課後が楽しみだ!
出演:「サトルクエスチョン」より 仁吾未来(じんご みらい)
20241012.NO.78「放課後」
昨日枠取るのも忘れてたのでまとめて更新
世界は優しかった。
僕が思っていたよりずっと。
引きこもる間に、独りで想像していたよりも。
旅先で出逢った人々のおかげで、僕は自殺を思いとどまった。
そう言うのは簡単だが、そう簡単な話でもないと思う。
そういう「美談」という認識を通した瞬間、あたかも全てが説明されるような誤解を生みたくはない。そもそも全てを言葉で説明することはできない。
1分
1秒でも
早く!
部室へ行って
準備をしなければ!
廊下は
走ってはいけないから
なるべく
早足で
―――走ってたけど
同級生より
早く
なるべく
最後にならないように
―――最後って恥ずかしいじゃん?
とにかく
部室へ
向かわなければ!
―――青春
だったなぁ。
#放課後
** 『信念と道しるべ』**
旅の途中、カイは街外れの広場で剣を振る練習をしていた。夕焼けが空を染め、日が沈むにつれて涼しい風が頬を撫でていく。剣を握る手に汗が滲み、疲れがじわじわと身体に染み込んできているが、彼の動きは止まらなかった。
ふと、背後から軽快な足音が聞こえた。振り返ると、そこにいたのはユーリだった。彼はカイの剣さばきを見て、にやりと微笑んでいた。
「相変わらず、頑張ってんな。でも、やりすぎると後で困るのは自分だぞ。」
ユーリは軽い調子で言いながら、カイの横に腰を下ろした。
カイは息を整えながら、手にした剣を静かに地面に置いた。「わかってるよ。でも、どうしても強くならなきゃならないんだ。俺には守りたいものがあるから。」
ユーリはその言葉を聞き、少しだけ真剣な表情に変わった。「強くなるってのは、誰かを守れるってことだ。でも、守るためには自分を大切にするのも忘れるなよ。」
その言葉には、ユーリ自身の経験と優しさが滲んでいた。彼もまた、常に仲間を守るために自分を犠牲にしがちな人物だったが、それがどれほど大切であり、同時に難しいことかも知っている。
カイはしばらくの間、ユーリの言葉を胸の中で反芻した。守りたいもののために強くなることは大事だが、それを続けていくためには自分自身を壊してしまっては意味がない。そのバランスを取ることの難しさが、彼の頭を悩ませた。
「自分を大切にしながら守るか…難しいな。」カイはぽつりと呟いた。
ユーリはにやりと笑い、「完璧な答えなんてないさ。だから自分が納得できる答えを見つける、それで十分だろ?」と肩を軽く叩いた。
カイはその言葉に少し驚きつつも、納得するように頷いた。完璧を追い求めすぎて、進むべき道を見失うことがある。だが、ユーリの言う通り、自分が納得できる道を選ぶことこそが本当に大切なのかもしれない。
「そうだな、自分なりの答えを見つければいい。」カイは再び剣を手に取り、しっかりと握り直した。
すると、ユーリは少し真剣な顔つきでカイを見つめ、「お前が選んだ道なら、俺は口出ししないさ。けど、間違った時は遠慮なく指摘させてもらうからな。」と、まるで兄のように優しく忠告した。
カイはその言葉に感謝し、心が少し軽くなったように感じた。自分の道を進む覚悟はあるが、ユーリが自分を見守ってくれると思うと、不思議と安心感が湧いてきた。
「自分の道を進むのはいいけど、時には周りを見て助けてもらうのも悪くないぜ。」
ユーリは立ち上がり、カイに軽く手を振りながら歩き出した。その背中には、自由に生きる強さと、仲間を信じる柔らかさが同居している。
カイはその背中を見送りながら、心の中で静かに決意を新たにした。自分の信念を貫きつつも、無理をしすぎないように、そして時には仲間を頼りながら進んでいく。それが、強さと優しさを両立させるための道なのだろうと。
夕日が完全に沈む頃、カイは剣を腰に収め、ゆっくりとユーリの後を追いかけた。その背中はどこまでも頼もしく、どこまでも自由に見えた。
学校の怪談を検証した。
トイレの花子さん、体育館の天井にいる何か、校庭を走る二宮金次郎、コンクリートで出来た山の遊具(〝なかよし山〟という名前がついていた)に潜むモノ、夜に鳴る音楽室のピアノ·····あと一個、何かあった気がするけど忘れてしまった。
放課後、学校中を歩いて怪談が本当か確かめた。
音楽室のピアノだけは夜だから確かめられなかった。
他はどれも、それらしき音や物や気配があって、キャー!と叫びながらその場を離れた。
トイレの花子さんは学校の近所にその子の家だという建物さえあった。(じゃあ花子さんはただこの学校の生徒だった、という事なんじゃないだろうか?)
あれ?
··········。
··········。
誰と検証したんだっけ?
END
「放課後」
放課後
放課後の保健室ピンクのカーテンが揺れていた… それ、早急観た(笑)
放課後の校庭
待ちぼうけ陽が暮れて
時は流れ 一瞬だけの今日
喜びの日も悲しみの日も
じゃれ合って走った校庭
見えなくなった後ろ姿
あの時代にありがとう
美しい一瞬の日々
儚く輝く制服姿
見えなくなる後ろ姿
かけがえのないあなたにありがとう
輝くものは輝きにとどまらず
気分は最高 飛び立つ背中に
サヨナラよりもありがとう
放課後の想い出
令和6年10月12日
心幸
放課後
終業の鐘が鳴る。
生徒たちは疎らに帰り始め、やがて教室には、僕一人が残された。沈んでゆく夕陽が、僕の頬を照らす。
誰もいない教室。
なにをするわけでもなく、ぼんやりと窓際の席に座り、外を眺める。通学路からは、帰っていく生徒たちの話し声が聞こえ、遠ざかっていく。
友だちとなにかあったわけでもない。教師に怒られたわけでもない。親と喧嘩をして、家に帰りたくないわけでもなかった。
ただ時折、なんとなしに感傷的な気分になり、一人教室に残っては、ぼんやりとすることがたまにある。
秋の夕暮れ。
肌寒くなってきたせいだろうか。
季節の変化と、時間の流れは、時に人を感傷的にさせる。
酷く寂しいような、悲しいような。
生徒たちで賑やかだった教室に、一人残っては、そんな感傷に浸る放課後。
陽ももう沈みきる。
辺りは暗くなり、更に寒くなるだろう。
僕は席を立ち、鞄を手に取ると、教室を出た。
人気のなくなった校舎は、誰の気配もなく静かで、いつもと変わらないものだった。
家路に着き、いつもと変わらない日常へと、戻っていった。
「起立。礼。ありがとうございました」
日直の声が響き、生徒たちが口々にありがとうございましたーと復唱する。そしてすぐにざわざわとした雰囲気の中、部活に行くものや帰宅するもの、バイトに行くもの、遊びに行くものとそれぞれに分かれはじめた。
「健太!お前もカラオケくるか?」
友人の声にそちらを振り向くと、数人の男子がゾロゾロとやってくる。これからみんなでカラオケに行く約束なのだろう。
「いや、わりいけど、今日は見舞いに行く日なんだ」
そう言ってすまんと手を合わせれば、友人たちはこっちこそごめんな!と口々に謝ってくる。いい奴らだ。
俺に気にせずいけよと言って、健太はリュックを背負って早々に教室を後にした。
健太が向かったのは病院。手には土産の漫画とゲームが入っている。学校に持って行くと怒られるので、一度家に寄ってから来た。
慣れたように受付で手続きをして、すぐに病室へと向かう。ガラガラと音を立ててドアが開くと、中は大部屋で数人がこちらをみる。それにも慣れたように挨拶をすると、仕切りをくぐって、一目散に一人の女性の元に歩いていった。
「よ、佳穂。元気か」
「元気よ。また来たの?」
もうっという佳穂は、口では憎まれ口を叩きながらやけに嬉しそうだ。
「足の靭帯切ったくらいで、毎日来なくていいって」
ため息をつく佳穂の隣に腰掛けつつ、健太は土産を机に置いた。
「お前おっちょこちょいだからな。心配だろ。ほら、暇つぶしと学校のプリント」
「……ありがと」
照れくさそうに笑いながら、佳穂はプリントをペラペラと眺める。開け放たれた窓が少し冷たくなってきた風と金木犀の香りを迎え入れる。
「で、最後の大会には出れそうなのか」
「どうかなあ。リハビリによるって先生は言ってたけど、もう部活引退して勉強したらって親は言ってる」
ペラペラとプリントをめくったまま、こちらを見ない佳穂の頭をぐしゃぐしゃと撫で回した。
「お前はどうしたいんだよ。高校最後の試合だろ」
ぐしゃぐしゃな髪のまま、佳穂は俯く。そして震えた声で呟いた。
「……そりゃあ出たいよ。最後だもん。思いっきり全力で走りたい」
「じゃあ、メソメソしてる場合じゃないな!」
健太はニカッと笑うと、スケジュール帳を取り出す。
「一緒に作戦考えようぜ」
その様子に佳穂は安心したように笑って、もうっとまた言った。
「どっちがいい成績残せるか勝負だからね」
放課後
中学生や高校生の頃は、帰宅部で、図書委員をしていた…ホームルームが終わると、さっさと図書室に移動して、下校チャイムが過ぎても、居残っていた…特に、中学校の図書室は、木造の平屋の教室2つ分あり、本の黴臭いや、西陽で舞い散る埃の感じが、落ち着いて…
そんな、穏やかな放課後が、今でも心の支えになっている…
放課後かくれんぼ
陽が射す学校で
階段下の空間に
私は忍び込む
いつしか時は経ち
静まり返る空間で
探しに来ないから
出たら見つかった
なんだか笑えてさ
二人で笑ったの
ほんとにホッとして
見つけてくれてありがとう
放課後かくれんぼ
陽が射す学校で
過ごしたあの日々は
私の宝物
放課後かくれんぼ
チャイムが鳴ったらさ
一緒に駆け出した
自由な空の下
カーテンから差し込む光で目が覚める。
よく眠れたからか、体が軽い。
やはり健康の秘訣は8時間睡眠だな。
昨日残業祭りで夜遅かったかったから、なおさらだ。
そして顔を洗った後は、一杯のコーヒー。
やはり朝飲むコーヒーは格別だ
靄がかかった頭が徐々に晴れ渡り、思考はクリアになる。
さて頭がスッキリしたところで、これからの事を考えよう……
これからの事……
遅刻の件をどうするかだ
つまり俺は寝坊してしまったのだ
ちゃんと目覚ましをかけていたのに、こんなことになるなんて。
目覚ましが鳴った記憶はあるけど、二度寝してしまったようだ
日が昇る前に家を出ないといけないのに、既に日が昇っている
これでは、どうあがいても遅刻は確定である。
いっそ休みにするか?
うん、それがいい!
となると理由が必要だ。
それにギリギリまで会社に連絡を入れなかった言い訳もいる。
鉄板は『親に不幸があったから』だけど……
却下。
以前それ使って怪しまれたんだよなあ
さすがに三人目の親を死んだことにしたら追求された。
『実は義理の父親がいて』――という事にしたけど、あの目は信じてないだろうな。
兄弟は――
駄目だ
もう何人死んだか分からない。
二桁はかるく行くな
一人っ子なのに。
仕方ない。
一度電話し、なにか大変な事が起こったテイで誤魔化すとしよう。
スマホを取り出し、上司にかける
「もしもし俺です。
途中お婆さんが困っていたので、トラックに轢かれそうになった猫を助けて、魔王を討ち滅ぼしましてたんです」
自分でも何言っているか分からない。
もう一回言ってくれと言われても、言えないだろう
だが何となく大変そうなのは察してくれるはず。
だが現実は甘くない
スマホからは、上司のため息が聞こえる。
もうダメだ
「寝ぼけているの?
残業で遅くなったから、今日は振り替えで休みって言ったでしょ」
「えっ」
俺は、昨日の記憶を掘り起こす。
そう言えば、帰り際にそんな事も言っていたようないなかったような……
限界を超えて仕事したので、記憶が曖昧だ。
「それにもう夕方。
連絡をいれるには遅すぎるわね」
俺は、目が覚めてから初めて時計を見た。
現在の時刻、PM四時。
今日もあと少しだ。
「私ももう少し寝るから、電話切るわね。
あなたも寝足りないみたいだから、すぐ寝なさい」
上司は俺の事を、疑うこともなく、アッサリと電話を切る。
なんてことだ。
俺は寝ててよかったのか……
安堵するとともに、後悔が押し寄せる。
寝てもいいなら、心底眠りたい
だが俺はコーヒーを飲んでしまったばかりに、もう眠ることはできない。
俺はヨロヨロと立ち上がり、部屋のカーテンを開ける。
「綺麗だな」
窓から見える夕日は、人生で一番キレイな夕日だった
茹るような暑い日、私は蝉の鳴き声を聞いて、教室に一人真ん中の席に座る。
特にすることなどないのだ。
ただ、家に帰るのが遅くなればいいなと思ってしまうのだ
放課後の夕暮れを独り占めして、家の帰路に着くのはまるで一人の世界で少し楽しいと感じるからだ。
何もない時は家に帰れる!って嬉しかったけど面接とかある時地獄よね。でも目標あるから頑張る。自分だけではないからね。最後は笑顔でかっこよくさりたいし。過ぎ去りし時を求めて…??唐突に思い出した。久しぶりに開こうかしら??全てが終わったらね…頑張る。
「放課後」
お題「放課後」(雑記・途中投稿)
中学の時、部活を途中で抜けて友達の家に遊びに行っていたのを思い出すなぁ。
緩い部活というか、半分以上が幽霊部員で好きな時に来て好きな時に帰る系統のほぼ遊び。
一年の最初に同じクラスの前後になった子で、部活の仮入部の時に準備室でお互い気付いてから仲良くなったのかな。P.N.の由来になった友人。
……そんな思い出話から始めたのに、今回はなぜかパソコンゲームの話。(とても古い)
フロッピーディスクを一枚ずつ交換した、その部活ならではの思い出がある。
最初にあったのはWindows3.1だけど、二年頃にパソコンがWindows ME(「ミー」と読む)に入れ替えられたから、あげたのももらったのもデータの中身はMEのはず。もう何を保存したのかすら覚えていないけど。
てか確か実家の部屋のベッドサイドにずっと置いたままだから、もう経年劣化でデータも読めないだろうなぁ。
3.1からMEに差し変わる時に保存したゲームを入れたフロッピーディスクも、実家で紛失してしまった気がする。
ハンバーガーを集めながらゴールまで行く赤いパックマンみたいな絵柄のゲームと、水に溺れるとすぐ死ぬ勇者か何かのドット絵ゲーム。
水に溺れるとすぐ死ぬゲームは、最終面が難易度高くて過去に先輩が一度だけクリアできたという話を聞いてちょっと憧れていたのに、私だけは恒常的にクリアできるようになった謎ゲーム。
鍵を集めるんだっけ?
他にはフロッピーディスクのゲームも揃っていたのに、入部したら結局ずっとパソコンに元から入っているゲームしかやらなくなった。
フロッピーディスクゲームは、二階から飛び降りた程度で死ぬ、ドット絵の通常頭身のレトロファンタジー(剣と魔法の世界みたいな。剣があったけど魔法はあったか忘れた)が一番人気だった。
パックマンみたいなキャラのゲームは、3.1がドット絵でMEは3Dっぽい雰囲気だったはず。98か95にも対応していた気がするけど、3.1の時に二台だけあったのが98だったか95だったかは忘れた。3.1の最初の面か二面目の題名が「サルでもできる」だったのにめちゃくちゃよく死んだ覚えがある……。床が氷でできていて、一段目から飛んで二段目に着地したら、氷で滑ってそのまま端から落ちる事が多かった。(ゴールは三段目)
MEのバージョンは自分で新しい面が作れる。トゲみたいなのに当たったら死ぬんだっけ? 忘れた!(二十年前の話)
その後はクターにもハマったなぁ。チャットもやっていた記憶がある。あの頃個人サイトを立ち上げていたら、と今でも悔しくなる。
この頃は日本語打ちでそこそこ早かったのに、高校の時に実家のパソコンで時間制限掛けられたせいで、キーボードの打ち方を完全に忘れてしまった。今はローマ字打ちだけど、日本語だけなら日本語打ちの方が早いんだよな。ローマ字は母音と子音が分かれているから、打つ必要量が単純に多いのが原因。
この3.1で楽しかったのが理由で、親からOSのない5インチのフロッピーディスクを使うパソコン(要するにめちゃくちゃ古い)をもらっても割と遊べたなぁ。
当時書いた一太郎のデータを他に移せなかったのはちょっと痛いけど。
花王の「フロッピーディスク劇場」ってシリーズだと後に知った、フロッピー十枚入りに一枚ついてきたらしいおまけゲームも一緒にもらって、めちゃくちゃ楽しかったけど結局クリアできないまま……。
一周が十面かな?あってセーブ機能なくて、それが四エピソードぐらいあるやつ……。
碁盤目状の迷宮で、階段から始まって次の階に行ける階段までひたすら通路を探すやつ。通路? 真っ直ぐ、十字路、丁字路の三種類が当たるルーレットで道を繋げていって、一升進んだらアイテム拾ったりモンスターと戦闘になったりする。方向が違う真っ直ぐが出たら進めないんだっけ? よく画面の端まで真っ直ぐが出てしまって、行き止まりになってすごすご引き返した覚えがある。
結末が知りたくて後年に調べたら、私がもらったパソコンにはスピーカーがついていなかったけど、BGMが特徴的(らしい)「elf」って潰れた老舗エロゲメーカーが作ったと知ってびっくりした。夜勤病棟とか鬼作とかが代表作かな。(鬼作の抱き枕カバー欲しかった。鬼作だっけ臭作だっけ)明日の雪之丞もelfだと知ってびっくりした最近。主人公の女剣士も、私が唯一クリアできたエピソードに出てきた誘拐されたお姫様も可愛かった覚えがあるのはそういう事かと納得。他に何が出てきたかは忘れたけど、バブで体力全快する時のセリフが妙に可愛かったのもそのせいかもしれない(当時既に商業エロ漫画好きだった)
全然無関係に、「アイドルマスターシャイニーカラーズ」のグループ「放課後クライマックスガールズ」(というらしい。「放クラ」の略称だけ知っていたんだけど)を思い出した。メンバー見たけど凛世しか知らないや……。
……放課後からかけ離れた話になったから終わる!
放課後
部活も楽しいし青春って感じだけど
部活だけじゃ物足りないんだよね
毎日部活があって
放課後遊べなくて
彼氏もできない
理想は放課後、友達や彼氏と遊びに行くこと
現実は部活に行くこと
早く家に帰りたいかもしれないけど、
放課後の学校にしかない青春があると思う
【放課後】
学校帰りに食べるファミチキ
なんであんなに美味しいのだろう
作品No.195【2024/10/12 テーマ:放課後】
※半角丸括弧内はルビです。
「なあ」
二人きりの放課後の教室で、叶屋(かなや)がそう声をかけてきた。僕は無言で顔を上げる。
叶屋美羽久(みわく)——学年一目立つといっても過言ではない生徒だ。明るい金髪に、耳にはいくつものピアスが輝き、両手の爪が色とりどりに飾られているその姿は、派手な人が多いこの学校でも、さらに目立つ存在として、僕の目に映った。
「彩伊里(さいり)って、ウチのことどう思う?」
「……は?」
この〝は?〟は、別にバカにした意味ではない。ただ、困惑と共に吐き出した音がそれだっただけだ。
綾部(あやべ)彩伊里——正真正銘、僕の名前だ。染めたことのない黒髪、黒縁の度入り眼鏡は、この学校においてはある意味では地味過ぎて目立つだろうが、幸運にも僕は安穏とした学校生活を送れている。目立ちたくないのだ、とにかく。だから、なるべく目立たないように日々を過ごすよう心がけている。
それなのに、だ。
そんな僕の名前を、叶屋はすんなりと口にした。それも、みんなが呼ぶ上の名前ではなく、下の名前でだ。
「だから、ウチのことどう思ってんのって訊いてんの」
「それを僕に訊いてどうするんです?」
「敬語かよ。ウケるー」
〝ウケる〟と言う割には少しだけの笑顔を浮かべて、叶屋はすぐに真面目な顔に戻る。
「彩伊里って、見るからに真面目って感じじゃん? 実際、テストとか、成績もいいじゃん? そんな人から見たウチって、どう見えてんのかなーとね、叶屋美羽久は気になった次第なんですわ」
叶屋は、頬杖をついて、僕を見る。見据えてくる。
「で、どうなの? はっきり言ってくれていいよ。別に怒んないから」
「それ、怒るフラグってやつじゃないですか」
僕のなんとなくのツッコミに、叶屋はまた笑う。意外と、よく笑う人なのかもしれないと思った。
「よくわかりませんが、僕が思ってることを、正直に言えばいいんですよね?」
「そ。お願いします」
僕は、あらためて叶屋を観察してみた。
「髪染め直すの大変そうだなとか、爪整えるの大変そうだなとか——そういったところでしょうか」
「それ、感想じゃん。ま、いいけど。……他は?」
そう言われて、僕は考える。そして、一つの結論に至った。
「すごいなと、思います」
僕の言葉に、叶屋が目を見開く。
「すごい? どこが?」
「自分を磨くために、惜しみなく色々なモノを注ぎ込める——すごいことだと思います。僕にはできない、いや、やろうとも思わないから」
最低限身なりは整えるが、僕はそれだけだ。髪を染めようとか、爪を飾ろうとか、アクセサリーを身に付けようとか、そんなことは思えないししない。
でも、叶屋は、自分がより美しく見える努力を、惜しんでいない。金色に染めた髪も、たくさんのピアスも、色とりどりに塗られた爪も、全てが叶屋美羽久を引き立たせ輝かせる。僕にはできない、僕がしないことを、やれる叶屋はすごいと思う。
「ふーん、そっか。〝すごい〟、か」
ヘヘヘ、と叶屋は照れくさそうに笑った。
「うん、なんか、聞きたかったこととは違ったけど——いいや。綾部彩伊里っぽい答えが聞けたし、ウチは満足です」
「僕に何を言わせたかったんです、一体」
「ないしょー」
そう言って笑う叶屋を、僕は、ほんの少しだけ、すてきだなと思ったけれど。それは言わずにおこうと決めたのだった。
少なくとも、今は。
そろそろ放課後って時間が人生からなくなりそう、鬱だ
【放課後】