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高2の秋。

部活の引退が早かったから
ひと足先にひとりで帰る。
いつもはバスで帰るけど
涼しくなったから
歩いて帰ることにした。

学校の壁伝いに歩いていく。

部活のかけ声。
楽器の音。
少し冷たい秋の風。
夕暮れ時の不思議な気配。
金木犀の香り。

そして聞こえてきた
「ハッピーエンドへの期待は」の
出だしのコーラス。

歌っていたのは
たぶん
グラウンドで練習していた
運動部の男子たち。

なんか上手だったから。
すっと心に入ってきたから。

あの時間は
鮮明に記憶にのこっているの。


「放課後」


10/12/2024, 3:26:31 PM