『放課後』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【放課後】
放課後の誰もいない教室で、ルーズリーフにシャーペンを走らせる。窓から差し込む夕陽の鮮やかな橙色の光が、世界を鮮やかに染め上げていた。
この時間だけは、私は自由だ。剣を手に取り戦うお姫様の物語、美しい神様に恋をした少年の物語、たわいもない日常を過ごす学生たちの物語……私の想像した世界が、どんどんと形になっていく。わずらわしいことの全てを忘れ去れる。
不意に隣の席に誰かが腰掛ける気配がした。図書室で借りてきたらしい本を君は無言で開き、黙々と読み進める。いつものことだ。話しかけてもこないのだから、わざわざこの人気のない教室で私の隣に座る必要なんてないなずなのに、いつだって君はそうだった。
人がいる空間は嫌いだ。だけど君が隣に座るこの時間は、それほど嫌ではなかった。奇妙な温かさが胸を包み込む。気持ちが和らいで、綴る物語も美しく優しいものへと変わっていく。
(私は君のことが、案外好きなのかもしれないな)
物語ならこの感情は、間違いなく『恋』と定義づけられるものだろう。いかんせんここは現実で、私にはこの穏やかなばかりの安らぎを恋と称することに対して、いささかの抵抗があるけれど。
私のシャーペンが文字を刻む音と、君が本のページをめくる音。二つの音が奏でる旋律に耳を傾けながら、私はただ物語を紡ぎ続けた。
放課後
放課後、教室の窓から外を見る。校庭の隅でストレッチをしている彼。陸上部の彼は誰もが認めるイケメンだ。彼と付き合いたいと思っている女子は沢山いる。
ふと見ると、教室の窓から同じように彼を見ている女子が数名。彼が人気があるのは仕方ない。皆んなに優しく、モテることを鼻にかけることもなく、ユーモアもある。
女子生徒が数名、僕のところに集まる。
「ねー幹太、渉は誰か好きな人いるの?どんなタイプの人が好きか聞いておいでよ」
「あいつの好きな人なんか知らね〜よ〜。自分で聞けよ」
「自分で聞けないから幹太に聞いているんじゃん。ねっ、お願い」
「わかったよ、今度、聞いてやるよ」
そんな会話が終わり僕は教室から出る。校庭の渉のそばに行き、
「渉、女子が教室からお前を見てるぞ、渉の好きな人は誰かとか、好きなタイプを俺に聞いてこいってうるさいんだよ。ほら手でも振ってやれよ。」
渉が小声で、
「俺が好きな人は、幹太お前だ。練習が終わったら、お前の家寄るから。二人で過ごそう。愛しているよ幹太。」
そして、女子に向かって手を振る渉。そう、僕達は愛し合っている。学校では親友だけど、本当は付き合っている。
「待ってるよ、じゃあな」
と言って別れる。
皆んなからすれば、いつもの放課後。でも、僕と渉にとっては約束の確認をする、特別な放課後、、、。
放課後
放課後は部活の時間だった。
部活は好きじゃなかった。
演奏は好きだけど、自由に模索する時間が取れない拘束時間は苦痛だった。
ひとりで練習したあの時間、居残り練習の時間だけが私の青春だった。
人と一緒にやるのは向いていなかった。
みんなでハーモニーを作るのが大事だったのに。
放課後って気持ち高ぶる魔法の言葉
ワクワクが止まらない
放課後って誰もが憧れる理想の言葉
何もかもがドキドキする
魔法の言葉
日誌も職員室に持っていったし、黒板も綺麗にした。
窓の戸締まりもオッケー。
最後の鍵かけを終えて下駄箱に行くと、猫の鳴き声がした。実家で昔、私が飼ってた猫に似ている。くるくると喉をならす甘えた鳴き声。
「お前どっからきた」
見知らぬ男子が迷い込んだ猫と喋っている。まだ子猫だ。
「くすぐってぇな、舐めるな。それはダメだって!噛むな、破れる!」
ジャージの袖を噛まれて悪戦苦闘しているみたい。
普段だったら知らない人、それも男子になんて声も掛けられないはずの私だけど。
筆箱に付いているキーホルダーや飾りを手に取って、しゃらしゃら鳴らしながら近づいた。
「おっ」
猫が興味津々でこちらを向いた。あ。茶トラだ。可愛い。
「下駄箱の上でにーにー鳴いててよ、オレどうしたらいいか分からなくて」
「この子、まいご?」
「かもな」
2人でしばらく猫と遊ぶ。
男の子は髪を纏めていて肩幅がすごい。運動部かな。ちょっと見た目が怖いけど、子猫に向けている目がきらきらしている。可愛いもの好きなんだ。
「かわいー」とか「ねこー」「これが欲しいのかーほれほれ」とか。名前も知らない男の子と、猫を中心にして遊ぶ。
陽の落ちかけた下駄箱で、私達以外の誰もいない不思議な空間。
「お前、名前は?」
と、突然問われた。どきりとして、慌てないように気を付けながら口を開く。
「める」
「は?」
「メルルって言います」
顔を上げた男の子と見つめあう。
「いや、猫な。オレはヒムな。こいつはもうネコでいいや」
猫に言ったのか!恥ずかしい。私は真っ赤になる。
「あ、やべ。オレ倉庫の鍵取りに行く途中だった。猫頼むな」
突然彼が立ち上がる。背が高い。180…あるかも?
大きな身体に圧倒されながら、どう返すか困ってるうちに、彼は廊下を靴下のまま行ってしまった。
「ちょ…」
猫、どうするの!?
夕方の迫る中、私は小さな猫を抱えて途方にくれた。
ぬいぐるみのようなもこもこで温かい生き物はこちらの気持ちなんかお構いなしに、可愛くにーにー鳴いていた。
『青春』はしたいと思うものじゃなくて、積極的に行動した結果得られるものだった。
学生の頃の僕は、青春にただただ憧れていた。
具体的に何かしたいとかはなく、キラキラしてそうな青春を夢見てた。
こんな僕でも、もしかしたら輝けるよう時があるかと思った。
でも、結局青春と呼べる思い出を作れないまま時間は過ぎた。
たわいないことで笑い合える放課後はもうない。
あぁ、どうして僕は大切なことに気づくのがいつも遅いのだろう。
放課後は、俺にとっては嫌な時間だ。
俺は自業自得だが勉強が出来ない。そのせいでいつもテストは赤点。
ほとんどの教科で補修を言い渡される。
今日は、国語の補修だ。
「あー、わかんね。めんどくせぇ……」
漢字はまだしも、文章問題が難しい。
何となくわかるものの、答えのまとめ方が分からない。
「あー、今日は何時に帰れるかなー」
教室で何時ものようにわからず項垂れていると教室に誰か入ってきた。
「林君。どうしてまだ教室に居るの?」
声をかけてきたのはこのクラスで一番の優等生で、眼鏡をかけていて、髪の毛はロング。
新学期でたまたま席が後ろ前になった俺達は、何となく話すようになったものの、席替えをしてからは話さなくなってしまった。
彼女の名前は松輪 ひかり(まつわ ひかり)
「どうしてって、見りゃわかるだろ?
補習だよ補習。ま、わかんねーからいつ帰れるかわかんないけどね?……そういう松輪は?いつもならもう帰ってるじゃん」
「今日は、先生に頼み事されて、職員室に行ってたの」
「ふーん。先生のお気に入りは大変だな」
「あはは、うーん。正直、少し面倒くさかった」
彼女はそう言いながら、俺の机に近づいてきた。
「国語の補習?」
「そうだよ。漢字はわかるけど、文章はむりだわー」
そう、俺が言うと彼女は俺の前の席の椅子を後に引いて、背もたれをこちら側に向け、座った。
「?なにしてんの?」
「国語、私得意だから。早く終わりにして、帰ろう」
いわゆる、勉強を教えてくれるという事だろうか。それは、とても助かる。
彼女の教え方はとても分かりやすく、今まで悩んでいたのが嘘かのようにスラスラ解けた。そして、あっという間に終わってしまった。
「……スゴッ……もう終わった」
「はい。お疲れ様でした」
「うん。ありが……………」
補習のプリントから彼女に目を移すと、彼女は、とても綺麗に、可愛い顔で笑っていた。
夕日に照らされてそう見えるだけだったのかどうかわからないが、俺は………見惚れてしまった。
「…、林君?どうしたの?」
「えっあっ、いや、その!!」
彼女に見惚れてました、なんて絶対に言えない!!そう思いながらも、小さな恋の芽が生まれようとしている事をこのときの俺は、何となく感じたのだった。
【放課後】
(※性的表現有り🔞)
「んっ…」
ここは誰も来ない場所。
部活で他の生徒が居なくなったら
先生はこっそりとオレに触れる。
「あ…
先生 気が早いですよ?」
後ろから かたくなったモノが
背中に押し当てられる。
オレはこの時に
ゾクリと興奮のスイッチが入る。
先生は1人の『オトコ』となり
獣のように息を荒らげる。
興奮がソコまで達しているのが伝わってくる。
ここは誰にも見えない場所。
先生と生徒のその先へ
オレ達は向かう。
放課後に君は金魚になる。
普段優等生をやっている君は、毎週金曜日、地味なブレザーを脱ぎ捨てて、たっぷりのレースがあしらわれたワンピース姿になるのだ。血管のように透ける赤いそれは、風が立つたびにふわふわと舞い上がる。ちょうど真昼の揺らめきに溶けてゆく、金魚の尾びれみたいに。
塾から家に帰る途中、街中でそんな君をみかけた。
夜のネオンに照らされて、君は男の人といた。父親かと思ったけれど、また別の日にみかけたときは、違う男が隣にいた。けたたましい人工の光のなかで赤いレースはゆらゆらと光って、暗い水中に滲んでいくみたいだった。
「エンコーしてんでしょ」
「バレたら退学だよね、あれ」
もはやクラスで知らない者はいないらしい。そこはかとなく囁かれる好奇の燻りの渦中にあって、君は目立つことをやめない。学校で何度か声をかけてみようとも思った。でも、いつも君の周りだけ切り取られたみたいに浮いていて、その瞳は薄暗い水面を見上げて漂っている。水槽の隅に沈む観賞魚のようだとも思った。
君の家は土地持ちで、お金に困るような生活はしていないはずだ。勉強もできて容姿もいいし、毎週の習い事をたくさんこなして何でもできる。
なのに君は孤独な金魚だ。
隠す気のない派手な姿を、まるで周りに見せつけるようにして雑多な街並みを泳いでいる。どうしてそんなことをしているのか、きっとこれからも聞けない。
チャイムが鳴り終わり、今日も君は誰よりはやく帰宅する。ネオンの海にゆらゆらと揺れて、君の赤い尾びれは夜の孤独と一体になりにいく。その心を誰にも知られないまま。
放課後に君は金魚になる。
放課後
貴方は私の手を取って走った、何処に行くとも言わず。
ただひたすらに走った、困惑していたら貴方が足を止めて上を見ろというから上を見た、私の目には綺麗な夕焼けが映っていた
綺麗…それ以外何も考えられずにいた。
いつの間にか私の涙は止まっていた。
放課後…
中学の時
大好きだった先輩が卒業し
他の市の学校へ進学した
もう学校へ行っても
会う事は無い
放課後の部活動を
遠くから見る事も無い
街でばったり
なんて事もまず無い
泣きに泣いた
あの寂しさは
今でも忘れない
二年後突然
お付き合いしませんか
と電話を受けた
へ?
二年前の情熱はどこへやら
流石に辞退させて頂いた 笑
卒業式に貰った第二ボタンは
どこやったんだろう
物持ちいいので
ホワイトデーのお返しの
ミッキーのクッキー缶は
まだある笑
放課後は
大好きな先輩と
何処かでバッタリ会えそうで
ワクワクした時間だった
そんな事より
次のお題は
「子供のように」
だろうか… 笑
「放課後」
青春
圧縮された自由が拡散してどこまでも広がる
夜の闇がそれを阻もうとするが
旅人はそれを打ち破ろうと足掻く
その闘いによって得られる時間は宝物である
※放課後
放課後
ゴンチチの曲、
「放課後の音楽室」
ギターの音色が軽快で、大好きなの。
でも何故か、
「午後の音楽室」って言っちゃう。
午後の紅茶、とごっちゃになってる!
あなたにもいつも間違えちゃうやつ、ありませんか?
「放課後」
高校生の時、放課後にコンビニの菓子パンを食べるのが好きだった。
健康に良いかどうかはともかくとして、大量の砂糖や油を使っているので美味しくないはずがない。
店頭に並ぶパンを見て、大人になったらすべての商品を食べてみたいと夢見ていたものだ。
大人になった今、健康診断の数値が気になり、気軽に菓子パンを食べられなくなった。
成分表示を確認すると、大量の糖質が含まれていることが分かる。
よくもまあ毎日こんなものを食べていたものだと、自分でも驚いてしまう。
最近では、本当に必要なときにしか食べないようにしているが、いざ菓子パンを目の前にすると誘惑に負けそうになる。
10年後、20年後の自分のことを想い、欲望に打ち克つよう今日も戦い続けている。
─放課後─
今日も授業が終わり、部活が始まる。
一目散に教室から出て、職員室へ向かった。
「失礼します。美術室の鍵を貰いに来ました。」
先生はあまり居なかった。
静かに鍵を取って、礼だけして職員室を出る。
私の学校は美術室が三階にあるため、
階段を駆け上がり、美術室前まで急ぐ。
準備室も美術室も鍵が似ているため、
二つの鍵のどちらかが合うよう、交互に試す。
やっとのこと扉を開けると、
秋でも暑いと感じるほど空気の流れが悪かった。
その流れを変えるため、窓を全部開ける。
新しく涼しい風が美術室を変える。
その風には、ほんの少しだけ金木犀の香りも混じっていた。
この秋に染まった美術室を感じる為に、今日は急いで美術室に来た。
縦長い美術室の一番後ろから、見渡す。
夕暮れに染まり、金木犀がふと香る。
誰も居ない、私だけの美術室。
この時期の美術室が、私を魅了する。
チャイムの音に一斉に生徒たちが教室の出入口へと駆けてゆく。これから部活へと移動する人や友達と放課後どこへ寄ろうか楽しそうに話す人々。さっきまで響いてた声は次第に遠くなり、教室には自分とあの子しかいない。
HR中、眠そうに欠伸をしてたあの子は今や席に突っ伏して夢の中へと旅立っている。窓際に座るあの子の髪を風が撫でていった。桜色の愛い髪を愛でるように。
君は誰にでも愛される人だけど、風さえも君を愛しく思うようだなんて思いながら。
どうせ起きないしと近くまで寄ってみる。
まろい頬に薄紅色の唇、すぅすぅと気持ちよさそうな寝息に思わずシャッターを押してしまった。
だって可愛いんだから、仕方ない。
君の事が愛しくて可愛くて仕方ないんだ。
どうか早く目を覚ましておくれ。
その蜂蜜を溶かしたような大きくて甘い瞳で僕を見て。
君がみてる夢よりももっと楽しいところに連れて行ってあげるから。
今日は君の誕生日なんだから、一緒に出かけるんでしょう?サプライズだって用意してあるしプレゼントだってあるんだよ。
そう思ってまだ微睡んでる君の指にきらりと輝くそれをつける。未来への約束としては今はこんなものしか用意できないけど。
でも今は予約だけでもいいからさ。
どんどん綺麗になってく君を1番傍で見ていたいんだ。
君の今も未来も全部独り占めさせて。
起きた時、君はその指についてるものを見てどんな反応をするかな?
その遠くない未来を想像しながら微笑んだ。
────目を覚まして、夢の続きを見せてあげるから。
──────僕の愛しのマイレディ。
放課後#2
16時30分
一日の終わりのチャイムが響いて放課後になった。
クラスメイトが帰り支度を始めていて、早い子はもう部活に行ったっぽい。
私も部活に行かなきゃな〜
「亜紀ちゃん部活いこーよ」
反応が返ってこない亜紀ちゃんの方に視線を向けたら中途半端に片手を上げて固まった姿がそこにあった。
この姿を見るのはこれで何回目なのだろうか。
そんなに様子伺うならバイバイってまた明日ねって言っちゃえばいいのになぁ~
うふふがんばれ~
なんでこんなに友達の恋愛って面白いんだろうな。
私も恋したりしたら亜紀ちゃんにからかわれちゃうのかな。
私が恋愛相談したらいい相談相手になってくれそう。
そういえば亜紀ちゃんまた部活の後輩ちゃんの恋愛相談も乗ったりしてるって言ってたな。
自分の恋も大変そうなのに後輩ちゃんの話も聞いてるなんて大変なんだろうな~
私もいつかそんな大変な側になるときが来るのかな。
そんな気持ちにさせる人は一体どんな人なのやら…
「おーい、ふぅちゃんどうしたのそんなボーっとして
ほら部活遅れちゃうよ〜」
「ちょっと置いてかないでよ~」
最近寒くなってきたし、恋人さん欲しいかもと思った部活前の夕暮れでした。
君と過ごす放課後が好きだ。
君はクラスのいわゆるマドンナでみんなから好かれていて僕とは真反対の人間だ。そんなに接点もない。
だけど、放課後だけはお互いのおすすめの本を持ってきて交換して、喋るでもなくただ本を読む。
外からは部活動をしてる学生の声が響く中、教室にぺらりと紙の音が充満していく。
そんな関係が心地よかった。
今日も君との週に一回、約束の時間。
お気に入りの本を図書室で借りて教室へ。
この前の少女小説は僕が読まないタイプで面白かった。
君もミステリーは読まないようでのめり込んで読んでいたのをよく覚えている。
今日の小説は、この前とは違う時代小説。君はどんな作品を持ってきているだろうか。
少しわくわくしながら教室で待つ。
時計がかちりかちりと音を立て時の流れを教える。
気がつけば、約束の時間から1時間がすぎていた。
君は時間はきちりと守る方で1度も遅れたことがなかったのに来る様子もなかった。
なにか用事でもあったのだろうか。もう帰ってしまおうか。いや、もう少しでも待とう。
小説を片手に時計を眺める。
ふと、夕日がこちらにさして本を照らしているのに気がついた。
そんな情景に心奪われ、夕日を見ようとした瞬間、窓の外の夕日をさえぎって君が視界に流れていったのが見えた。
【放課後】
放課後、それは学生の唯一無二の醍醐味である。
遊びに行ったり、部活に打ち込んだり、デートに行ったり....
そんな学生の内でしか体験できないのが放課後である。
かくれんぼ、おにごっこ、たかおに、かんけり……。
思えば子供の頃は遊んでばかりだったなあ、とコーヒーを飲みながら思い出し笑いをしていると、洗い物を終えてテーブルの向かいに座った君が手を拭きながら、怪訝そうに私を見ていた。
物静かな君は子供の頃、どんな遊びをしていたのかな。
案外、女子達とママゴトとかをしていそうだ、と思いながら君に聞いてみると、少しだけ不機嫌そうな顔で私を睨んで。
さり気なく目線を目の前に置かれたコーヒーに移して、角砂糖を六つ、黒い液に落としてから優雅な所作でコーヒーを一口二口飲む君。
暫しの沈黙、かちゃりとカップをソーサーに置いて一言。
黙秘権を行使します。
……それから、ままごとは絶対に、してませんからね。
そう言って笑う君の笑顔が少しだけ怖かった。
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