『手を繋いで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
歩く。あなたと手を繋いで。
いつ、この手を離してしまったのだろう。
あの頃は、ただ夢中だった。
自分のことで精一杯で、あなたの痛みに気付けなかった。
気付いた時には、もう遅くて。
伸ばした手は空を切り、呼ぶ声は届かなかった。
でも今、こうして隣にいる。
温もりが、確かにここにある。
大切なものは、いつだってすぐそばにあったのに。
気付けなかったのは、自分の方だった。
もう二度と、この手を離さない。
何があっても、離しはしない。
きみと手を繋いで歩く。
私から伸ばした腕、袖口を軽く掴んだら、少し不機嫌にきみから握ってくれた。それが嬉しくて、心臓をおおきな腕に掴まれたような感覚になる。幸せというものは、生まれた瞬間に終わりに向かっている。関係はいつか終わる、感覚はいつか変わる。それはこのたった23年の人生で私が痛いほど知ったことだ。好意なんてものはただの呪いでしかなくて、つまりはただ呪うか呪われるかでしかない。呪いが解けて仕舞えば終わってしまうのだ。そんなこと、わかっているはずなのに。また私はこうやって、誰かに唯一の気持ちを抱いて、手を伸ばしている。
きみの柔らかな手のひらから、細い指から、あまりにも心地よい温かさが伝わる。同時にいつかこの瞬間を後悔する日がやってきてしまう準備をしている自分がいて、そんなことでは愛される資格なんてないと静かに思う。きみは私のそういうところがすきだって言ってくれたから、つまりはそういうところに呪われてくれたけれど、明日には、3時間後にはなんの前触れもなく解けてしまうかもしれないでしょう?
きみに呪いをかけるのに成功したのはきっと偶然だけど、私がきみに呪いをかけられたのは絶対に必然。きっと何度やりなおしても変わるのことない結末だ。
私はたった3秒の間にそんなことを思いながら掌に力を込めた。強いよ、と呆れたように笑うきみの横顔はきっとこの世の何よりも綺麗で。この呪いが1日でも長く続きますようにと願った。
たまには手を繋いで歩くのもいいんじゃない
いつも見る景色も変わるかもね
と、そんな時も昔はあったね
今は、そんな人と出会いがあれば、それが最後の恋
そう思ってる
な〜んてね
手を繋いで
独りじゃないってことか。
いいなぁ。
'25年3月20日 手を繋いで
高校生の頃、体育祭が終わると3年生だけが運動場に残りフォークダンスを踊る、というイベントがあったの。
3年生になって体育祭が近づいてくると、体育の授業中にフォークダンスの練習をする日が一回だけあるんだよね。
普段の体育は2クラス合同で男子と女子に分かれて授業を受けるんだけど、その時だけは男女合同で。
運動場に大きな輪を作って内側が女子、外側が男子になったら先生が「人数確認するから男女ペアで手を繋いで。」
ちょっとみんなドキドキするよね。
先生が「はい、ここから!」って無理矢理手を繋がせると徐々にペアができてゆく。
でも女子が少しずつ後ろにずれてきて、結局女子の方が多いから何人か男子役にならないといけなくなっちゃってね。
背の高さとキャラクターを見て男子役になった中に私もいたよね。
さっきのドキドキを返して!と心の中で思いながら、それなりに楽しく練習できたけど。
体育祭当日は先生方が男子役になってくれて、私も無事に女子として踊りました。
記憶の奥から久しぶりに出てきた青春の1ページ。
手を繋いで
「百合華、危ないよ」
そう言って祖母は私に手を差し出す。私も
「はあい」
と答えて手を握る。
こんなことがあったのは一体何年前のことだろうか。
私的には数年前のように感じるが、数えてみるとおそらく十数年、いやもっとかもしれない。
あの時私に手を差し出した祖母は、私の目の前で少し苦しそうに寝込んでいる。祖母が寝たきりになってもう1年以上になる。
苦しい姿を見ていると早く楽にしてあげたい、神様もう良いではありませんかなどと思う。
しかし同時にまだ一緒にいたい、話したい、旅行に行きたいなどと未練がましいことを思う。
私の矛盾している感情を祖母が知ったらなんて言うだろうか。もう話せないから答えは聞けないけれど自分の中で予想を立ててみたりする。
そんなこんな考えているうちに心電図モニターの数字は減っていく。
いざその時が来てしまうと、どう自分の感情を処理して良いか分からなくなるなあと毎度のこと思う。
こんな複雑な感情は祖父の時も私の中に姿を現した。
こんな時、そばにいる者たちはなにをするのが正解なのだろうか。
逝かないでと泣くことか。
それとも無理矢理にでも笑うことか。
人によって正解は様々あるだろう。
私の正解は相手がしてくれたことを出来る範囲で返すことだ。
祖父は会うたびに嬉しそうに私の名前を呼んでくれた。
だから祖父が危篤状態になった時、「じいじ」と呼び返した。
目の前で苦しんでいる祖母は私に手を差し出してくれた。
だから私は布団からあの時とは少し色が悪くなってしまった祖母の手を取り出して精一杯繋ぐのである。
手を繋いで
手を繋ぐって心が通い合う感覚があります
だから好きな人とは手を繋ぎたい
嫌いな人とはできるだけ繋ぎたくない‥
手を繋げる距離に大好きな人達が居てくれたら
私はいつも大好きな人達を応援したい
そう思うのです
いつまで手を繋いで歩ける?
と、聞いたら
いつまでかなぁ?と答えになってない返答
今は?
今は大丈夫
そんなやりとりをずっとしている
いつまで手を繋いで歩けるのだろうと思いながら
今日も手を繋いで歩く
手を繋いで
手袋をしないでほしい。
それがたった一つの約束だった。
毎年冬になると、
君の手は氷のように冷たくなる。
たとえ冷たくても、手を繋いで温め合えばいい。
手を繋ぎたいという俺のエゴでもあった。
今年は
そんな手を握ることなく終わった。
暖かくなってきても、
俺の心は、君のことを繋ぎ止め、
君の体温を忘れることを知らない。
長き残暑を終えて、ようやく秋になって落ち着いた頃だ。
図書館の中で、高齢の女性が楓の落ち葉を持っていた。近所に住む子どもたちが、よく小さな花や青い柿の実、落ち葉に枯れ枝などを持ってやってくる。子どもたちの無垢な笑い声と共に四季折々の風が吹く。長年たまった貴き埃の重みに耐えている書物も軽やかに頁を開く。その風を幼心がある老婆もそよそよと優しく流しているのだ。
植物と手を繋ぐ姿は神々しく見える。植物にも宿る八百万の神の手を引いて共に歩むから自然と輝くのだろう。
土だの塵だの足跡があるだのと言い訳をして、自然の落とし物を拾わない私の心には鬼が棲みついている。石も一緒に手を繋ぎたいと誘っているではないか。
私は、数億年の空気と生死と記憶の重みに耐えた石を拾い上げて握りしめる。肌に食い込むその硬さをもって、心の鬼を斬る心の刀になっておくれ。一生手を繋ぎましょう。
(250320 手を繋いで)
いつだって共にいた
君が隣で歌っていた
笑顔で隣で歌っていた
元気でいたはずだった
でも、帰らぬ人になった
いつだって共にいたかった
歩んでいたかった…
手を繋いで一緒にいたかった…
〜君と手を繋いでいたかった〜
#手を繋いで
一駅近く歩くし
坂の下にあるスーパー
普段の仕事帰りなら行かないけど
今日から連休
散歩のついでに足を伸ばして
キミと行くことにした
初めて見る珍しい野菜や
塊のお肉なんかが売られていて
料理好きには堪らないスーパーなんだ
けれどキミは
一緒に中へ入って買い物をすることはない
少し離れた場所で
タバコを吸って待っているだけ
どうやら
ゆっくり見たいだろうって
気を遣ってくれているらしい
本当は一緒に……
ついつい想定以上の大荷物になってしまったが
キミは何も言わずに
颯爽とボクからエコバッグを奪った
長い坂道を登る間
疲れたフリをしてキミの洋服の裾を
指先で掴んでみる
本当は手を繋いで歩きたい
ボクの気持ちがつたわりますように……
手を繋いでと言えばじゃないかもしれないけど、自分が思う手を繋いでではフルーツバスケットを思い出しますね。
ネタバレ注意ですけど、最後にトールときょうくんが結婚して帰る途中のことを思い出して、何ともホッコリしますね!あの話最初はきょうくんと仲悪いじゃないですか!でも色々あって優しくなるきょうくん最高じゃないですか!?真面目にトールの性格とのマッチが最高すぎて最高ですね。てか、多分ゆきくんもトールの事好きですよね!
三角関係最高すぎる。ツンデレきょうくん良いよね!きょうくんがゆきとマラソンの競走する時あるじゃないですかその時の足引っ掛けるやつも最高に面白い&可愛い、良い
一部再現しますと「きょうくんのすっけべ〜」など「ご飯不味かったですか?」と聞くと「不味い!」と反射的に言ってしまうところです。これだと良さが上手く伝わりきらないです!オタク目線から言うと結論最高って事です👍ぜひ皆さんみてみてください!後悔はないと思います😊
また明日
君と手を繋いで。
安心できた、居場所を、見つけた。
君が、ここにいていいって言ってくれた。
ボクの大事な居場所。
ああ、ボクにも居場所ができたよ。
迷惑かけてごめん…でも、ありがとう。
今度はずっと繋いでいられるよ。
手を繋いで
私の高校生活は充実したものだった。
友達も居たし、部活も楽しかった。
成績も至って普通。大学も希望のところに行くことが決まっている。
が…
『一度も彼氏が出来なかった!』
一度でも良いからそういう相手が欲しかった!
もしそういう相手ができたら言いたかったのに…
「お願い。手を繋いで」
仕事で上司に怒られイライラしながら帰路についていた。
明日の仕事のことを考えながら歩いていたら
後ろから足音が聞こえてきた。
その音は段々と近づいてきて私の背中を叩いた。
「今ストーカーに追われているんです。
少しの間手を繋いで恋人のふりをしてくれませんか?」
それが彼女との出会いだった。
手は繋いでしまうと、離すタイミングが分からなくなる。
先に離したほうが、見切りつけたような感じになるし。
先に離されたらちょっとショックだし。
つまり、手は繋ぐと面白くないので、ひっくり返して手相を見るか、指相撲するか、ハイタッチかグータッチするくらいでいいよ。
手を繋ぐと安心する?
なら、別に手じゃなくても肘でも膝でも、絡ませときゃ多分安心できるよ。
要は手じゃなくて、自分以外の誰かと繋がってることに安心できるんだから。
ケッ。
「も〜ようやく見つけたよ!!」
道に迷った恋人がヘルプを出してきたのは良いんだけれど、まさかのスマホの充電が殆ど無い状態だった。
最後の最後まで使えるように、必要最低限のメッセージだけで彼女を見つけることが出来た。
本当に焦ったよ。
俺は救急隊として仕事をしていて、人探しも仕事のうちだったから、そのスキルをフル動員して彼女を探した。
彼女が安心した顔をして、俺に迷わず抱きついてくる。俺も彼女の身体を抱き締め返した。
人の目なんか気にするもんか。
道に迷った彼女をようやく見つけたんだ。温もり含めて実感させて欲しい。
それでも一分もしないくらいで身体を離した。
そのまま彼女の手を取る。
「うえ!?」
「今日は、もう離さないからね」
びっくりした顔をしていたけれど、すぐに満面の笑み。
その顔はズルいでしょ。
絶対にこの手を離してあげない。
おわり
三〇八、手を繋いで
悲しい別れがあった。
たくさんの英雄が世界を守って消えてった。
あんなに仲良くしてたのに、もっと仲良くなりたかったのに、光になって消えてった。
僕の心にぽっかり空いた穴はしばらく空いたまんまで当分埋まりそうもない。
家の屋根に登り、晴れ渡っている大空を見上げ消えてしまった英雄たちの名前を呟く。
あなたたちがその命を賭して守ったこの世界を僕が守り、旅をしながら生きていく。
僕も英雄の一人なのだから。
だけどもし、叶うのならば、ちょっと気恥ずかしいけどあなたたちと手を繋いでいろんなところに出かけたかった。
英雄とかそういうのは関係なく、今この世界を生きる者として未来を、平和を共に感じたかった。
その時は僕も世界を幾度となく救った英雄などではなくて、あなたたちの友達として振る舞っていたはずだから。
§
ちまちま進めていたド◯クエ10のver6クリア記念&思いを吐き出すため書いてみました。
主人公の背負うものが多すぎたり運命が過酷すぎやしませんかと思うのは、私が人間男の子でプレイしているからなのか……
まあそれはともかく楽しいですよドラ◯エ10。
良かったらぜひプレイしてみてください。
『手を繋いで』
僕の恋した君は、クラスの人気者だった。
くりっとした大きな目。
ほわほわとした猫っ毛の茶髪。
笑った時にできるえくぼとキュッと細まる目。
色素の薄い瞳と血色の良い唇が映える白く柔らかな肌。
少し筋肉質でもちっとした足と腕。
背は小さく小動物を思わせる。
そんな彼女が僕は好きだった。
きっかけは些細なことで、図書館で同じ本を取ろうとして触れた指先が僕の心を奪った。
ほんのりと温かい彼女の体温が忘れられない。
その指先の触れるどれもに僕は嫉妬してしまう。
もう一度その手に触れたい。
僕のその欲求は日に日に増え、毎晩彼女を思って眠りにつく。
好きだ。かわいい。会いたい。触れたい。
僕だけのものにしたい。独り占めしたい。
誰に触れさせたくない。
ある日の放課後。
帰り道に彼女の後ろ姿を見つけた。咄嗟に電柱の影に隠れて彼女を観察する。
楽しそうに男と話す彼女。
僕の愛するその指先は知らない男と繋がれていた。
僕は腹の奥からドス黒い何かを感じた。
ドロっとしてて息苦しいそれは次第に嫉妬から怒りに変わり、憎悪や嫌悪となった。
許せなかった。
彼女の手が僕以外の誰かと繋がれているという事実に耐えられなかった。
僕は彼女が男と別れるまで背中を追った。
1人になったところで声をかけると彼女が微笑む。
“どうしたの?”
彼女のその声は音になることは無かった。
彼女の首をグッと締める。僕の手に彼女の手が触れる。
あぁ、君の手が僕に触れている。僕の手首を握っている。愛おしいなぁ。
だんだんと弱まる手の力さえも愛らしくて、僕はそっと僕の両手と彼女の両手を絡ませた。
そのまま彼女と手を繋いで家に帰る。
腕から滴る液体は僕の胸から溢れたドス黒い何かのように思えた。ぽたぽたと垂れる度にその何かが消えていくように感じた。
夜が明けるまで君と手を繋いで、幸せを噛み締めた。
2025.03.20
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