歩く。あなたと手を繋いで。いつ、この手を離してしまったのだろう。あの頃は、ただ夢中だった。自分のことで精一杯で、あなたの痛みに気付けなかった。気付いた時には、もう遅くて。伸ばした手は空を切り、呼ぶ声は届かなかった。でも今、こうして隣にいる。温もりが、確かにここにある。大切なものは、いつだってすぐそばにあったのに。気付けなかったのは、自分の方だった。もう二度と、この手を離さない。何があっても、離しはしない。
3/20/2025, 1:12:51 PM