『手を繋いで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【この星から”死”を使い果たしたころ】
ヒト科がこの星から”死”を使い果たしたころ
ぼくらは手を繋いで「星の丘」に立っていた
「町での暮らしはどう?」
「人がたくさん居て、毎朝おっくうになるけど、元気にやってるよ。そっちは?」
「静かなもんだよ。昔と変わらずさ。」
「良いなぁ。あの頃に戻りたいよ。町は人が多すぎて。」
「あんなに都会に出たいって言ってたのにね。」
「夢は夢のままだからキレイなんだなって思い知ったよ。」
「へぇ、そんなもの?」
「そんなものさ。」
2人で夜を明かして、夜の暗闇が寒そうにコバルトブルーのブランケットを羽織ったような朝焼けに変わるころ
懐かしそうに昔を思い出していっしょに語る。
”死”が日常に溢れすぎて、諸人が”死”に手を伸ばしすぎて
誰も寄り添うものが居なくなるほど”死”を使い果たしたいま
ぼくらは2人で”なにか”に向かって歩いていく
「これでいいの?」
「わからないよ、でも、今こうしていたいってことは分かるよ」
「むかしから変わらないね」
「きみのおかげだよ」
「なにが?」
「きみがいたから、変わらないままでいられる何かがぼくの中にあるんだ」
「空っぽなロマンチストだね」
「褒めても何も出ないよ」
「褒めてないけど」
こうして、ふたりはまた”生きる”ために歩き出す。
ふたりだけが知っている暁の星空の下、「星の丘」につめたい朝の風が吹き抜けたのだった。
【手を繋いで】
「手を繋いでくれないか?」
真っ赤な顔で左手を差し出してきたその人を見て、僕は『え、普通に嫌だな』と思ったし、表情が引き攣るのを誤魔化せなかった。
「……悪かったな! そんな顔しなくてもいいだろ!? 流石に俺も傷付くぜ?」
「あ、いえ、その。すみません……なんで僕が隊長と?」
目の前の男の特徴を表現するなら『でかい』のひと言だ。この人は魔法士団の所属ではあるが、剣の腕もなかなかのもので、騎士団からもスカウトを受けていたという肉体派。今も差し出したのが左手なのは剣を使う右手を塞ぎたくないからだろう。
もちろん立派な成人男性であり、本来なら僕と手を繋ぐ理由がない。恋人同士でもなく家族でもなく、ふざけてじゃれつく関係でもない。
「妖精の悪戯をくらった」
隊長が苦々しい声で言った。
「『方向失認』の呪いだ。まともに歩くこともできねぇ」
ああ……呪いか……なら仕方ないか。
『方向失認』の呪いを受けたということは、今の隊長は凄まじい方向音痴になっているわけだ。十歩歩くだけで道に迷うと言われる強力な呪いだ。通い慣れた道もわからなくなる。
対処法は、とにかく呪いを受けた本人から目を離さないこと。誰かが見ていなければ行方不明になりかねない。三日も経てば妖精が飽きて呪いは解除されるはずだけど……
「手を繋ぐ必要、あります?」
近くで見張って『そっちじゃない』と声を掛ければいいだけじゃないのか。
「……今朝ここまで来るのに別の隊員に頼んだら、よそ見をされて、気付いた時には第二倉庫にいたんだ」
「なるほど」
この執務室と第二倉庫では方向がまったく違うし、建物二つ分くらいは距離が離れている。
「よく戻って来られましたね」
「兵站部の治癒士が手を繋いで案内してくれた」
「え。治癒士の誰が」
兵站部は物資の保管やら輸送やら、遠征の時には料理なんかもしてくれる支援部隊だ。前線に立つことが少ないせいか、線の細い人間が多く、何人か団内でアイドル扱いされている美人がいる。
「……レベッカ班長だ」
「うっわ、羨ましい!!」
つい大きくなった僕の声に、隊長は嫌そうな顔をした。
「どこがだ。あの魔女、今いくつだと思ってる? 俺より年上だぞ。大体あいつの治癒魔法は乱暴で無駄に痛いんだよ、嗜虐趣味があるとしか思えねぇよ」
「でも、めちゃくちゃ美人じゃないですか。レベッカ班長に治療されたいって男は多いですよ」
「……お前もか?」
「僕、治癒魔法は自分で使えるので」
「ああ、そうだったな」
「それで、隊長はどこに行きたいんですか」
「騎士団本部だ。次の合同演習に関する書類に不備があったとかで、直接説明に来いと言われている」
「大事な案件じゃないですか。それ早く言ってくださいよ!」
大きくて硬くてサカつく隊長の手を取り、隣を歩く。騎士団本部までの距離がものすごく長く感じた。すれ違う人たちにジロジロと見られている気も……って、それは気のせいじゃないな。何事かと思われている。隊長の背中にでも張り紙をしたい気分だ。『要支援、現在呪われています』と。
「そもそも、なんで呪われたんですか」
「昨日、団長が甥っ子とかいう子供を連れて来てただろ。あの子が妖精の巣をつついて怒らせたんだ。呪われそうになったんで、代わりに俺が呪いを受けた」
「はあ……」
そんなの放っておけばいいのにと思うが、実にこの人らしい。それも、団長に気に入られて出世しようなんてことはこれっぽっちも考えていないのだ。ただ『弱いものは守らねば』という信念で動いているだけ。
「隊長の明日の出勤、何時ですか」
「ん? 何か用事か?」
「宿舎の部屋まで迎えに行きますよ。また倉庫まで無駄に歩くとか嫌でしょ」
「呪いが解けるまで、お前が世話してくれるのか?」
「ええ。その代わり、今度一杯奢ってくださいね?」
「……仕方ねぇな。頼むわ」
騎士団本部からの帰り道。僕は隊長と手を繋ぐ代わりに制服の袖の上から腕を掴んだ。
「最初からこれで良かったっすね」
「……ああ、そうだな」
隊長も慌てていたのだろう。手を繋ぐ、という方法以外、思いつかなかったらしい。そのことが恥ずかしかったようだが……
「そこで照れないでくださいよ。気色悪い」
「……お前、意外と性格キツイよな」
そんなの。心の広い上司が軽口を許してくれるって知っているからだ。
「ねぇ、隊長。長生きしてくださいね」
「なんだよ、急に」
「いえ、なんとなく?」
だってアンタ簡単に死にそうじゃないか。子供を庇うだけじゃない。軍人なんて仕事をしてるのに部下を切り捨てることを躊躇する。だからこそ、僕も他の隊員もこの人について行こうと思えるのだが。
この人の甘さが嫌いじゃない。けど、それが本人の首を絞めることにならなければ良いと、本当にそう思っている。
ずっとその手を繋いでいたかった。
成長するにつれ、あなたは僕の手を握らなくなった。
これが大人になることならば、僕は子どものままで良いとすら思えた。
再びその手を握る時が来た。
でも決して握り返してはくれない、冷たいその手。
ありがとう、そしてごめんなさい。
白い布で覆われたあなたはもう二度と笑いかけてはくれなかった。
手を繋いで
わたしはあなたの手が好き
健康的で慈悲深くて温かい手
寄り添い歩く時も
並び座る時も
優しく呼びかけてくれる時も
こうしてあなたに抱かれている時も
その手
手を繋いでいてほしい
手を繋いで
方向音痴で
すぐ迷子になる私の隣にいたあなたは
私と手を繋いでいたのか
私の手を捕らえていたのか
どちらにしても
自由になったこの手は
今何とか自分1人でやっているよ
あなたの手は
今、何を掴んでいるんだろう
ある晴れた日に
手を繋いで川沿いを歩こう。
それで 今まであったいろんなことの話をしよう。
「手を繋いで」
ご夫婦の 高齢者で 手を繋いで歩いているのを お見受けすると なんて ほほいましいとこちらまで ほっこりします
あんな風に 年をとりたいと ~
寒いけど 美味しい空気 ありがとう
さあいくぞ 楽しい歌を 思いきり
おつかいに 急いで歩く 若かぶって
お題『手を繋いで』
ギャラリーがさわがしい。それもそうだ。俺は今、腕相撲大会に参加していて、もう九連勝している。十連勝すれば優勝が決まり、賞金が貰えるんだ。
次、絶対に勝つぞと息巻いていると次の対戦相手が向かいの席に座る。
俺は目を疑った。可憐な少女だったからだ。年の頃は大体女子高生か? まぁいい、相手が女の子だろうと容赦はしない。俺には優勝がかかってるんだから。
そうして、俺は少女と手を組む。白い肌に小さい手、肌質も俺みたいに血管が浮き出た筋肉質なものよりもずっとやわらかい。女の子と手を繋ぐ機会なんて普段まったくない。正直、役得か。
そんなことを考えてる時に「レディ、ファイッ!」と掛け声がかかる。
相手が女の子だろうと負けるわけにはいかない。悪く思うなよ。そう手に力を込めた瞬間、少女の手の甲に血管が浮きできたのが見えて、気がついた時には俺の手の甲がテーブルの上に叩きつけられていた。あまりの衝撃に痛みを感じる間もなかった。
周りから歓声が上がる。俺は今の状況に混乱しながら少女から手をはなすと、ギャラリーの声援に押し流されるように勝負の場を後にする。
その後も勝負が続いた結果、少女が優勝した。俺はそれまでの間、茫然自失の様子でそれを見続けていた。
「おーてえーてー、つーないでー」
私の手を握りながら娘がずっと繰り返し歌う。幼稚園で習った曲なのだろうか。きっと童謡の一つだろうが、あいにく私の記憶にはない。
娘が私の手を握りながら、腕をブンブン振る。
「おーてえーてー、つーないでー」
娘の丸っこい目と目が合った。私をじっと見ながら繰り返し同じところを何度も歌っている。
まさか、続きを催促されているのではないか。
私は困ってしまった。私はその歌を今日初めて聴いた。娘のおかげでおそらく歌い出しの部分は完璧に覚えた。
でも続きは何も出てこない。それっぽい歌詞にテキトーなメロディをつければ成立するだろうか。ただ私には替え歌のセンスは皆無だ。娘をがっかりさせて終わるだろう。
困って顔が引き攣る私。
私の手を握りしめてブンブン振り回して歌う娘。
そばにいながら黙ってスマホを眺める夫。
誰が見ても異様な光景に、思わずため息が出た。
もう流石にギブアップだな。
どんなに考えても答えを知らなければ、何も思いつかない。
何かを期待している娘に謝ろうと、口を開きかけた。
「そろそろ野道歩いても良くない?」
夫が突然そう言い始めた。変わらずスマホから目を離さないが、話は聞いていたのだろう。チラッと私に目配せしてきたが、残念ながら私はその歌詞を知らない。
私は夫に向かって首を振ると、夫は目を見開いて驚いた様子だった。目の丸さ加減が娘にそっくりだと、全然違うことを考えてしまった。
「のみちは、イヤ!」
娘は歌うのも私の手を振り回すのもやめて、大きな声を出した。
「のみちは、オニと、オオカミと、ライオンと、ムシと、あと、あと、ヘンなオジサンがいるから、イヤ!」
鼻息荒く主張した娘に、一瞬の静寂の後、私と夫は体を捩らせて笑った。
『手を繋いで』
誰かと手を繋いだ記憶を辿った。
高校3年生の冬、なぜか分からないがクラスのある女の子と妙に仲良くなったことがあった。仮にAちゃんとする。仲良くと言っていいのか、よくわからない距離感だった。Aちゃんは所謂陽キャと分類される子で、かわいくていつもいい匂いがした。それまでは会話すらしたことがなかったのに、急に話しかけてくれることが多くなった。
3年生の冬の授業なんて、ほぼ暇つぶしのようなものだろう。授業で映画を見ていた。
前の席にAちゃんが座っていたのだけど、映画が始まる直前に私の手を繋いできたのだった。そのまま映画が始まって、私は手を離すタイミングがわからなかった。徐々に手汗をかいてきて、引っ込めようか、いや、ここで手を引っ込めたら彼女に失礼かな…など悶々としながら寝たふりをきめていた。Aちゃんは前に座っていたので、本当に意味がない行動だったが。
いつまでそうしていたかわからない。結局自分から手を引いたと思う。手は汗で湿っていた。もちろん映画の内容は頭に入っていない。
彼女もいつ手を離そうか悩んでいたのか、それともなんとも思っていなかったのか今はもうわからない。
短い冬の出来事。この記憶を思い出すたび手で顔を覆いたい気持ちになる。今もだ。
うぁあああ…。
Aちゃん!Aちゃんは何も考えてなかったと思うしもう覚えていないだろうけど、私はあの冬いっつも心臓バクバクしてたよ!ばーか!もう会うことはないよね。Aちゃんの真意もわからない。でも幸せでいてくれたらうれしいよ。
この記憶とも早くお別れしたいな。
あなたと大好きな街を歩きたい
これからも一緒にいられたら
同じ景色を流れる時間を過ごしていけたら
一歩踏み出して言葉にしてみようか
「ね、手を繋いでもいい?」
あなた今どんな顔してるかな
いいよ、って笑ってくれるかな
#手を繋いで
貴方はいつも、人混みの中で私と手を繋いでくれるよね。
「だって、背が小さいからどこにいるか分からなくなるんだもの」
「なにそれ。背が高いのが悪いんじゃん」
「はいはい。ほら、こっち」
私は方向音痴だから、貴方のそばにいないとすぐに迷子になっちゃう。
「それに、貴方急にどっか行っちゃいそうで怖いんだよね」
「どういうこと?」
「いつもぼーっとしてるし、色々溜め込んじゃうし。そのうち夜逃げしそう」
「それとこれとは話別でしょ」
「ううん、違くないよ。これで貴方はひとりじゃないって、思えるじゃない」
なにそれ、私はまた小さく笑いながら言った。
今度は私から、手を繋ぎたいな。
メガネとかに触るとかなり汚れるじゃないですか、そして初対面の相手だとけっこう緊張するし、だから手を繋ぐこと以前に、握手ですらこちらからかなり気が引けてしまうんですよね、こちらからですよ。
とくに夏場でも当たり前に握手してくる外国の人とか、あ、自分の手いま汗だらけやん、どないしよ...
メガネと一緒でなるべく触らずにおきたい。
「暗いのは怖いから手をつないで」
なんて言えない可愛げもない私のことを
読み取ってくれる彼が好きだった。
何事もないように
手を繋ぐのが当たり前とでも言うように
行動に移してくれる彼が好きだった。
「もう手を繋がなくても平気だよ」
もう子供じゃないからね
─────『手を繋いで』
知らない場所で置き去りにされて寒空の下何時間も放置
それでも別れるのが怖くて縋り付いた
今は振り向いてちゃんと待ってくれて並んで歩いてくれる
当たり前のようで得難い幸せ
「手を繋いで」
〜手を繋いで〜
差し出された手を
握りしめて
歩いていきたい
人に頼るのが怖くて
誰かを好きになるのが辛くて
自分の存在を肯定できなくて
迷惑なんじゃないかって不安で
そんな私に手を差し出してくれた
きっとその人は見返りなんて求めてない
きっとその人は純粋にわたしと居たいのかな
だからこそ嬉しくて
だからこそ不安で
でもその手を握り返した
今はまだ不安でも
きっと一緒にいるうちに気づけるから
あなたといたい
どんな私でもあなたがいい
私はあなたと手を繋いで歩いて行きたいって
あ ぎゃー
い 大丈夫だって
あ 苦手って言ったよね
い 手握ってるから
あ お化け屋敷は特に…
い 先行こう
あ あ…置いてかないで
い …
あ …
い ほら抜けた
あ …どこ?…まだココだよ〜w
い …手を握ってる…から…?
『手を繋いで』
「クリスマスパーティーは手を繋ぐ」
叶奏(かなで)♀︎ 奏多(かなた)♂︎
これは、名前は違いますが実話です。
僕とリア友の話🗣︎
。.ꕤ………………………………………..ꕤ.。
第1話
叶奏『ねぇ、奏多!
僕たちが通っていた保育園、覚えてる?』
奏多『あぁ、覚えているよ。
…なにかあったのか?』
叶奏『( ⸝⸝⸝⩌ ᵕ⩌)✧フフフ・・・
実はね…保育園で行われるクリスマスパーティー
に誘われちゃったんだぁ⸜(*ˊᗜˋ*)⸝』
奏多『クリスマスパーティー❔︎❔︎
○○保育園で行われるのか❔︎❔︎❔︎』
叶奏『おっ(๑°ㅁ°๑)‼✧
奏多、乗り気だね(,,⩌ࠔ⩌,, )』
奏多『べべつに…(̨̡.ˬ. )̧̢
ただ、叶奏が行くなら行こうかと思った
だけだ。』
叶奏『(꒪꒫꒪ )マジデ❔︎
奏多、嘘だったら許さないからね( ・᷅-・᷄ )』
奏多『あ、あぁ( .. )"
…で、クリスマスパーティーはいつなんだ?』
叶奏『えへへ(,,. .,, )
それはね…(* ˊ꒳ˋ*)』
次回、続く >𖥦<.ᐟ.ᐟ.ᐟ
手と手のあいだに
いつもあった
見えない秘密を
ほどくわけにはいかない
むすび目は眠る
あの頃の笑顔に
無邪気なさよならを
2度としないために
きみのとなり
ひとりで歩く
温度を感じながら
【手を繋いで】
つまずきそうになったら
咄嗟に手を
差し伸べてくれる 君
転びそうになった君を
今度は僕が 手を伸ばす
君とならきっと
どこまでも 行けて
何にでも なれる
【手を繋いで】