貴方はいつも、人混みの中で私と手を繋いでくれるよね。
「だって、背が小さいからどこにいるか分からなくなるんだもの」
「なにそれ。背が高いのが悪いんじゃん」
「はいはい。ほら、こっち」
私は方向音痴だから、貴方のそばにいないとすぐに迷子になっちゃう。
「それに、貴方急にどっか行っちゃいそうで怖いんだよね」
「どういうこと?」
「いつもぼーっとしてるし、色々溜め込んじゃうし。そのうち夜逃げしそう」
「それとこれとは話別でしょ」
「ううん、違くないよ。これで貴方はひとりじゃないって、思えるじゃない」
なにそれ、私はまた小さく笑いながら言った。
今度は私から、手を繋ぎたいな。
12/9/2024, 11:26:46 PM