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11/17/2024, 11:52:15 AM

慌ただしい夏が終わって、ようやく秋っぽくなったと思ったら、もう季節は冬になるらしい。

「冬になったら、何やりたい?」

「うーん、何もしたくないなぁ」

「冬眠?」

「あ、いいね。冬眠したい」

今年の夏、貴方は忙しそうにしていたから、燃え尽きてしまったのかもしれない。

涼しくなり始めてから、貴方はなんだか元気がなさそう。

「冬が一番好きなのに、夏で全力出しすぎた」

「部活も勉強も頑張ってたしね」

「頑張れてたのかなぁ。大した結果は出なかったし」

「じゃあ、今年の冬は来年に向けて冬眠だね」

「そうもいかないよ。来年に向けて頑張らないと」

「一睡もしなかったら、いつか倒れちゃうよ」

「だって、みんな、急かすんだもの。私だって、出来たら布団でぬくぬくしてたい」

貴方は冗談っぽく笑ってみせる。

いつも、冬になったら笑顔が耐えなくなる貴方なのに、今年は、なんだかいつか消えてしまいそうな、そんな弱々しい笑顔だった。

11/15/2024, 1:26:49 PM

「あれ、子猫なんて飼ってたっけ?」

「拾ったの。親猫が、この子の近くで亡くなってたから」

相変わらず、貴方は優しい。

スマホに映し出された、小さな三毛猫の写真を、貴方は愛おしそうな目で見つめていた。

「それに、三毛猫って、よく幸運を呼ぶとか言うじゃない?私はこの子自身が、私自身の幸運なんじゃないかなって思うの」

相変わらず、貴方は難しいことを言う。

とても小さくて、ボロボロな幸運でも、貴方はすぐに気づいて優しく拾い上げる。傲慢な私とは大違い。

そんな貴方の笑顔は、子猫のようにどこか愛おしく思えた。

11/12/2024, 6:14:20 AM

「こんなに大きい翼があるのに、なんで飛べないの?」

ちっちゃな翼でも、懸命に飛ぼうと頑張っている人も沢山いる。

大きい翼を利用して、遠くに羽ばたいている人もいる。

じゃあ私は?

「だって、高いところは、危ないじゃない」

「そんな甘えたこと言って。世の中にはね……」

あーまたその話。

私は自分の翼を、小さく小さくたたんだ。

11/6/2024, 11:47:48 AM

たくさん殴られた体と心を、優しく撫でてくれる柔かい雨。

冷たいのに、なんだか温かく感じる。

人間より、自然から温もりを感じることが多かった私は、雨の日でも家を飛び出して、ふらふらとそこらじゅうを歩き回った。

寒くないし、痛くもない。

やわらかい雨が沢山撫でてくれるから。

空も、私と一緒に泣いていてくれるから。

11/3/2024, 11:19:47 AM

鏡を見ると、ゾッとする時がある。

自分の笑顔が、ぎこちなさ過ぎて。

鏡の中の自分は、なんだか笑うのが下手のよう。

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