このお題懐かしいなぁ。
はい、書きます。
嫌なことが沢山続いた日は、「時間よ止まれ」と何度も心の中で唱える。
時間は、早く進んで欲しい時には進まず、過ぎ去って欲しくない時はすぐ過ぎ去ってしまうもの。
「正直、1日24時間じゃたりないよね」
「うん。100時間くらい欲しい」
「分かる。外が明るい時間は10時間くらいでいいけどね。それ以外は夜がいい」
「それいいね。あぁ、今日は満月が綺麗だから、この時間のままでいたいなぁ」
「まぁそうは言っても、明日は来るからね。じゃ、おやすみ。また明日」
「ん、おやすみ」
スマホから、プツッと電話が切れる音がした。
願ってもいないのに、明日は来る。
世の中は、時間だけは平等に振り分けられている。
私は窓から見える満月から目を離せなくて、そっと呟いた。
「時間よ止まれ」
君からのLINEは、なぜだか心が踊る。
恋なんて、もうしないとひねくれた心が、少しずつ脈打ち始める。
スマホの画面を滑る指も、どことなくいつもより早い気がする。
それも、今日で終わり。
「俺、彼女できたんだ」
また、心が、腐り始めた。
透き通った海に、コロコロと貝殻が落ちてる。
友達と集めて、貝殻を家に持ちかえる。
当時、大切にしていた宝箱に放り込む。
何かが生きていた証。
とても、綺麗だと思った。
友達からの、自慢。
部活の、これからの方針の話。
文化祭での、出し物の話。
君からの、恋愛報告。
全部全部、煩わしくて、LINEを開けなくて。
いや、きっと、開きたくなかった。
そっと、通知を切って、スマホの電源も切った。
私の心はもう、いっぱいで、何も受け止められません。
辛いことがあったら、海へ行く。
海は、私の話を聞いてくれるから。
そのかわり、楽しいことや嬉しいことがあっても海へ行くようにしてる。
辛い気持ちを半分こにしてくれる海に、ほんの少しでも、嬉しさや楽しみをおすそ分け出来たらなって。
海へ、いつもありがとう。