『手ぶくろ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
どんなに寒くても
つけないのが意地だった
手ぶくろ
【手ぶくろ】*200*
昔よく読んでいた絵本が浮かんだかなぁ
通勤通学や、ほんと珍しく雪が降った時なんかに活躍!
でも…手をつなぐなら、いらないっか♪
ポッケに手を突っ込んだまま、駐輪場に向かう。ポッケの中で、ほつれた糸を意味もなくいじる。
「エクイティファンドってなんだよ。」大学の講義をろくに聞かず、ただひたすらに単位を取ることだけに尽力している僕は心の中で吐き捨てる。内容を理解できないのは、それまでの講義に対する姿勢が原因であると自分でも気がついている。今更真面目にやってもどうしようもないと、焦りと苛立ちが募る。
所狭しと、停められている自転車の中から、なんとか自分の自転車を見つけ引っ張り出す。
学ぶことができるものを、ただひたすらに怠惰という理由だけで吐き捨てる。その愚かさに気づいてさえ、なお改善しようとしない。そんな自分に嫌悪感すらも感じながらもハンドルを握る。
自分で自分を嫌いになる感覚に飲み込まれまいと、ペダルをつよく踏み込むも、風の冷たさに思わず目を細める。どうやら秋はもう終わったようだ。
手袋がほしい。
てぶくろ
手袋
手の袋
最近、つけていないな
小さい頃は可愛いリボンのついたのとか、ピンクのとか、色々買ってもらっていたけど。
今は、スマホ触りにくいし、髪は静電気でボサボサになるしで付けなくなったな。
手の袋
じゃあなんで靴下は足の袋って言わないのかな。
そんなことを考えました。
手ぶくろを買いに
って絵本があった気がする。
手ぶくろって暖かくて
冬の味方。
インスタである動画が流れてきたの、
“自分が成功した時、将来夢が叶った時、1番最初に伝えたい人は誰?”ってある男の人が言ってたの。
それで真っ先に想ったのは私のいとこだったの。
両親は毒親で妹は精神の病気にかかっちゃって。元々機能不全家族だからさ。
いとこにも完全に心を許してるわけじゃないけどいつもそっとみててくれる存在だから感謝してる。
そうしたらその男の人が
“今まっさきに思った人はあなたにとって大切な人なんだよ。だから今すぐ電話して感謝を伝えてみて。”
って言われてすぐに電話した。そうしたら従姉妹が
“私はあなたをいつも応援してるしあなたは長女でしかもヤングケアラー、持病持ちなのに勉強もスポーツも全て超人で誰よりも努力してる。機能不全家族で親のやることを子供が責任持ってやってる、そんな時にだれも寄り添ってくれる人もいない。私もその中の1人だから力になりたいの。”
って言われた瞬間嬉しくて泣きそうになっちゃった。
そっと見ていてくれている人がいるんだなって目を凝らしてみないと気づけないんだなって思った。
全てに一生懸命で目の前のことしか見えていなくて鬱になったりすることが多かった。でも今年は例年よりもはるかに残酷な年だったけど最悪な精神状態でも周りが見えるようになれたくらい成長できた。だから2024を憎もうと思えない。むしろ全てに感謝してる。
『変わらないものはない』。
誰もが知っている不変の事実。
私はバカだけれども、私ですら知っているくらい自明な真理。
でも人間というのは我がままで、やっぱり変わって欲しくないというものはある。
かく言う私にもあった。
けれど、駄目だった。
あれほどまでに変わらない努力を重ねたというのに、その努力を嘲笑うかのように変わってしまったのだ。
一体どうしてこんなことに……
――いや原因は分かってる。
諸悪の根源は友人の沙都子。
私はどうしようもない現実から逃避するため、事の発端を思い出していた――
◇
12月25日、クリスマスの事……
私は沙都子主宰のクリスマスパーティに招待された。
沙都子の家は大金持ち。
庶民である私には想像のつかないほど豪勢なパーティだろうと期待して行けば、私の想像以上に豪勢なパーティだった。
テーブルには所狭しとオシャレな料理が並び、配膳されるドリンクも香りから違うもの。
周りを見渡せば、テレビで見るような有名人がちらほら。
庶民である私は、普通なら絶対に見る事の無かった光景……
あまりの場違い感に、私は人生で初めて死を覚悟した。
私、ここにいてもいいの?
ドレスコードは大丈夫なの?
制服着てこいって聞いたけど、本当に制服でよかったの?
私の頭にいくつもの疑問が浮かぶ
「百合子じゃない。
パーティ、楽しんでいるかしら?」
私がオドオドしている様子が面白いのか、沙都子はご機嫌にやってくる。
沙都子は真っ赤なドレスに身を包み――ってドレス!?
「どういうこと!?
沙都子も制服着るって言ってたじゃん!」
「百合子、本当に制服を着て来たのね……」
「謀ったな!!」
沙都子め、始めから私を晒し物にするつもりだったらしい。
こんな嫌がらせをしてくるなんて、沙都子は本当に友達なのだろうか?
関係を変える時が来たのかもしれない。
「冗談よ、安心しなさい。
制服でも大丈夫だから。
受付で止められなかったでしょう」
「あー、そう言われてみればそうだね」
「パーティにはいろんな立場の人が来るの。
百合子みたいな、普通の学生もいるのよ」
沙都子の言葉に、私は周囲を見渡してみる。
確かに制服を着ている姿がチラホラ見える。
緊張のあまり気づかなかったらしいが、それなりに制服を着てきた学生は多いようだ。
「本当だ。
普通に、制服着てる人もいる」
「そうよ。
このパーティには普通の学生も参加してるの。
例えばあそこにいるのは普通の――普通の超高校生級のサッカー選手よ」
「普通とは!?」
全然普通じゃなかった。
というかやっぱり私場違いじゃん!
「大丈夫よ百合子。
あなたも超高校生級の……
超高校生級の……
大丈夫よ、あなたも彼らに引けは取らないは」
「中途半端は止めてもらいたい!」
なんだよ、それ。
馬鹿にするなら、きっちり馬鹿にしろよう……
反応に困るじゃんか。
私がやり切れない思いを抱えていると、沙都子が近づいてそっと耳打ちをする。
「そろそろよ」
沙都子の言葉にハッとする
そうだった。
私はこんなところで落ち込んでいる場合じゃない。
私がこのパーティに参加を決めた理由。
それは――
「それでは本日のメインディッシュ!
世界一のパティシェが作り上げたクリスマスケーキ。
とくとご賞味ください」
司会のアナウンスと共に、執事がワゴンを押して入って来る。
そしてワゴンにのっているのは、巨大なケーキ。
これこそが私の目的。
食事を抜いてまでやって来た理由だ。
それは大きな苺がたくさん載った、スタンダートなケーキだった。
庶民の私でもよく見るタイプのケーキだが、お金持ちのケーキともなれば一味違う。
見たこともないくらい赤くて大きな苺が、これでもかと並べられている。
ホイップクリームも綺麗に飾り付けられ、味だけではなく見た目にもこだわっているのが見て取れた。
まさに文句の付け所がない、完璧なケーキだ。
私は唾を飲み込む。
想像以上だ。
ケーキの事はさほど詳しくないが、凄い事だけは分かる。
お金持ちになると、ここまで贅沢に出来るのか!
私は早速相伴に預かろうと、足を踏み出そうとして――沙都子に手を掴まれる
「待ちなさい、百合子」
「止めないで。
私はアレを食べに来たの。
早く行かないと取られちゃう!」
「知ってる。
けど待ちなさい」
「ダメだよ、ああいうのは早い者勝ち――あれは!」
苺のケーキのワゴンの後ろから、チョコレートケーキが乗せられたワゴンが出てくる。
しかし、これが最後では無い。
後ろから次々とワゴンが出てくる。
チーズケーキ、ロールケーキ、ガトーショコラ、etc……
それら全てに、違う種類のケーキが乗せられていた。
「あなたのために、たくさんケーキを用意したわ。
気の済むまで食べなさい」
優しく囁いて、手を離す沙都子。
どうして沙都子のことを疑ってしまったのだろう……
沙都子は、なんだかんだで私が一番欲しい物をくれる。
意地悪ばっかりすると思っていたけど、結局は私の事が大好きで、あれは照れ隠しなのだ。
沙都子、君は私の親友だよ!
私は返事の代わりにぐっと親指を立る。
沙都子も親指を立てて返してくる。
私は負けられない思いを胸に、ケーキの元に向かうのであった。
◇
「やっぱし、食いすぎだよなあ……」
私の口から自然と言葉がこぼれる。
私が何度見返しても少しも変わる事のない体重計の表示。
この数字が変わらないように努力してきたというのに、この前測った時より5Kg 増えてるという事実。
本当にどうしてこうなった?
たしかにあの後、私は限界までケーキを食べた。
というか限界超えても食べた。
食べて食べて食べまくった。
途中からは味が分からなかったけれど、それでも食べた。
さらに沙都子が容器を持って来て、家に帰っても食べれるようケーキを取り分けてくれた。
両手で持ちきれないくらい貰って、持ちきれない分は後から持って来てくれた
それも食べた。
たくさん食べても飽きないくらいケーキはおいしかった。
でも今になって思う。
『アレは沙都子の策略だったに違いない』と……
沙都子が私に優しくするのは、いつだって裏がある。
今回も私を太らせようとして、ケーキをどんどん食べさせたに違いない。
奴はそう言う女である。
きっと今頃ニヤニヤしていることだろう。
沙都子とはいい友人同士だと思っていたし、ずっと変わる事のない関係だと思っていた。
けれど沙都子のあまりの嫌がらせ振りは、そろそろ我慢の限界だ。
いい加減この一方的な友情を終わらせる時がきたようだ――
とその時、ブーブーとスマホが通知を知らせる。
スマホを見ると、沙都子からLINEの通知が来ていた。
『百合子、正月もこっちに来れる?
パパとママがあんたを気に入っちゃってさ。
お年玉用意してるって』
そのメッセージを見て、私は自分の意見を180度クルリと変える
金の切れ目が縁の切れ目。
沙都子がお金持ちである限り、私たちの友情は不変である。
手ぶくろ
北風が吹き抜けるこの季節は、手ぶくろが欠かせない…指先がかじかんでいても、この手ぶくろがあれば、取敢えず大丈夫…
まるで、あの人の様に、私の手を護ってくれる…特別温かくなる訳では無いけれど、優しく包んでくれるだけで、いい…
※手袋
ニトリル手袋しか思い浮かばなかった
なぜなら毎日、肌荒れ対策として使用しているから
手ぶくろって
あたたかいのでしょうか
元々あたたかな手を
あたたかく保つだけであって
芯まで冷えた手を
あたためてくれる代物では
ないように思います
氷のように冷えきった
触ると痛いくらいの手を 指を
あたためてくれるものは
一体どこにあるのでしょうか
悪口を夫にすぐ言ってしまう。
しまうってのは、直したいけど言ってしまう。
悪口言いたいから言うというよりも気付いたら悪口言ってしまう。
まずは1週間悪口を言わない生活をする!
できたらご褒美!
【書く練習】
明日から冬休み
何しようかな
あれやこれや考える
失敗したくないので
入念に考えよう
そうしている内に休みが終わる
そして激しく後悔するまでが一連の流れ
これが通常の休みの過ごし方
つまらん人間でスマン
今年も嫌な季節がやってきた。
寒いだけの何もいいことがない冬が私を苦しめる。
冬なんて来なければいいのに。それか人間も動物みたいに冬眠出来たらいいのになんてバカなことを思いながら見慣れた街を歩く。
今日はクリスマス。周りはイルミネーションでキラキラキラキラ、腹が立つくらい輝いて街は賑やかに煌めいている。吐く息の白さにため息をつきながら家路まで早足になりながら帰る。クリスマスがワクワクしたのは何歳までだったかな。
ふと前の人が手袋を落としたのが視界に入る。どうやら本人は気づいて無いみたい。声かけた方がいいけど不審がられてもなぁ…と悩む。悩んでいる間にも落とし主は歩を進める。「はぁ、、、」と何度目かもわからないため息をついてから手袋を拾い、落とし主の元まで駆け寄る。
「あの、すみません。これ、落とされましたよ。」
落とし主は振り返り「え、あ、あれ!?あ、すみません、ありがとうございます。気づいてなかったです。……あれ?」と焦ったようにお礼をちいい手袋を受け取る。
受け取ったあと私の顔を見て驚いた顔をする。なんだろう?私なんか付いてる?
「あれ?もしかして同じ小学校だった相楽さんじゃない?」と言われる。言われるが私はこの男の人が誰か分からない。「確かに小学校の時は相楽だったけど…。ごめんなさい。貴方は??」正直に聞いてみる。「あー、覚えてないよね?結構昔だしね、俺5年の時同じクラスだった中本!中本大樹!」中本、中本、、、あっ!
「思い出した!委員会同じだったよね?」
懐かし〜!あの頃は良かったよなあ、世間知らずの子どもで。
「そーそー!相楽って珍しい苗字だなあって話した記憶ある!」あったなぁ、そんなこと。
「いや、まさか手袋拾ってくれた子が相楽さんだとは思わなかったよ〜!これって運命?」と冗談交じりに爽やかな笑顔で言ってくる。変わってないなぁ、この笑顔。
ふと出会った日を思い出してクリスマスツリーの準備を進める。「ママ〜!このお星様は私が付けるー!」5歳になる娘は私たちの宝物。手袋が繋いでくれた2人の愛の結晶なんて当時の私に言ったら鼻で笑われるだろう。大嫌いな冬が大嫌いじゃなくなったあの時、あの手袋は今でも大切に保管してある。
もう、息が白く染まるほどの寒さ。
「おまたせ」
うしろから大好きな声
「もう!遅いよ!」
怒ったように頬を膨らましてみる。
「ごめんごめん」
と笑って謝る君。
長時間君を待っていて冷えきった手のひらを息で暖める。
「寒いの?」
「少しね」
そういうと、
「ん」
だまって手袋をろを差しだしてきた。しかも片ほうだけ。
不思議に思いつつ、つけてみる。
「あー違う違う。逆」
「逆?」
言れるがまま逆の手につけかえる。
「これなら暖かいでしょ」
そう言って空いた手をつなぐ。
確かに。手袋より暖かい。
あぁ、やっぱり好きだ。
【No.37 手袋】
水たまりの中に、赤い何かが沈んでいた。
それは金魚のヒレのように、水の中でぶわっと広がって、水面の奥に沈んでいた。
一人きりで、大きな蝙蝠傘の中で、僕はそれを見た。
雨はぼつぼつと降り続いていた。
コンクリートから湿ったアスファルトの香りが立ち上った。
通りすがりの誰かが水を跳ね上げた。
太い雨が降っていた。
傘の取手を掴む裸の手が、ひんやりと冷たい。
雨の中に佇んでいると、周りの音がやけに大きく聞こえる。
自動車のエンジン音。タイヤの軋む音。
雨粒が地面を叩く音。
誰かの喋り声。足音。
跳ね上げられた水の音。
動かない水たまりの中の赤い塊は、音を立てなかった。
立ち尽くす僕もまた、音を発していない。
無数の雨の音の中で、僕と水たまりに沈んだ…水をたっぷり吸い込んだ手ぶくろは…黙って佇んでいた。
右手の手ぶくろが水たまりに沈んでいる。
誰かが落として、そのまま拾われずに沈んでしまったのだろう。
持ち主に気づかれることもなく。
通行人に気づかれることもなく。
手ぶくろはただ、声を上げることもできないで落ちていて、雨に濡れてずぶ濡れに膨れてしまったのだ。
手ぶくろは泥の混じった水を吸って、醜く膨れていた。
僕は手ぶくろを見つめ続けた。
なんだか、僕みたいに思えたから。
結婚まで考えていた恋人に、捨てられた僕。
就活を始めたけど、箸にも棒にもかからない僕。
単位を落としすぎて、友達にも先生にも見捨てられた僕。
水たまりの底に、手ぶくろが沈んでいた。
片手分の手ぶくろが。
雨が降り続いている。
雨雲は、雨を地面に叩きつける。
アスファルトに。水たまりに。地面に落ちているゴミに。水たまりの中の手ぶくろに。
水を吸った手ぶくろのは、ぶくぶくにほつれ、醜く、汚く膨れていた。
『手ぶくろ』
今年の冬は手袋をして過ごすよ
隣にいたあなたはもういない。
あなたはいつも悴んだ手を握って
温めてくれたね。
でも今年の冬
あなたはいなくて
私は
この手が悴んでしまわないように
手袋をして過ごすよ。
手ぶくろ
寒くなり始めたら真っ先に付けるのは手袋。
すれ違うと手を振りながら嬉しそうにこちらにきて手を繋いでくれる君。
私はいつも気が気ではない。荒れた手を触ることにより君に傷がつくのではないかと。優しい君はこんなボロボロの私の手を何も言わずに取ってくれる。私としてはそれ以上にありがたいことはない。
ボロボロなのは毎年のことだから変に反応されるより嬉しい。
私にとって手袋は人と触れるための装備品。乾燥で荒れている手を人目に触れさせることなく、触らせることなく、なおかつ暖かいという優れもの。そして布越しに君に触れられる。
題【手ぶくろ】
続きだよ☆
「なんか、外寒くなってきたねー。」
「ですね。莉緒さんは大丈夫ですか?」
「うん!手ぶくろとマフラーをしっかり身に付けてきたもんね!」
「そうですか。良かったです。(^∇^)」
「次はどこ行こう?」
「どこ行きたいですか?」
「もうっ~!」
「な、なんですか?どうしました?」
明らかに戸惑っているかいくん。
「かいくんの行きたいところにも行こうよっ!」
「で、でも楽しんでくれていたら俺も嬉しいので。」
「私は、かいくんの行きたいところにも行きたいの!優しすぎるんだよっ!」
本当に、小さい頃からそうなんだよな~、、、
良いところだけど!
自分の意見を後回しにしちゃう。
そこが私には嬉しいけど気になっちゃう。
「えぇ!?き、気を付けま、す?」
「よろしい!ふふっ。」
「え?あはっ、はははっ!」
「で?行きたいところをどうぞっ!」
「うーん。では、お洋服屋さんで、良いですか?」
「もっちろん!」
ちょっと意外だった…!
「ここ?」
おしゃれな雰囲気だな~!
「はい!俺の一推しのところですよ。」
「そうなんだ~!じゃあ、可愛いのが沢山あるね!」
「え?なんで最初に分かるんですか?」
「だって、かいくんの一推しだよ?絶対!」
「そうですか?ありがとうございます。」
「莉緒さん、これとか可愛くないですか!?」
「えぇ!?似合わないよ、///!」
「莉緒さんにピッタリですよ✨」
「そ、そうかな?まぁ、可愛いよね。でも私なんかに?」
「はい!あの、おそろで買ってくれませんか?」
「え?」
「これ、同じデザインの男性と女性用があるんです!」
「うーん。まぁかいくんとなら、全然いーよ!」
「わぁ、ありがとうございます!」
「うんうん。私も友達としてみたかったし!」
「(と・も・だ・ち、か…。いいえ、頑張るんです!弱音を吐かずにっ!)」
「じゃあ、そろそろ帰りましょうか。」
「うん!」
店員さん「お買い上げありがとうございました!」
「ありがとうございます。」
「クシュッ!はぁ、寒いなー。(小声)」
「寒いのですか?」
「へ?さすが地獄耳っ!」
「そうでしょうか?寒いのですか?」
「う、うん。ちょこっとね。」
「では、失礼します。」
「えっ!?///手を繋ぐの!?」
「寒いのですよね?」
「ま、まぁそうだけどっ!」
「では、暖かくなりますので。」
「いやいやっ!」
別の意味ですっごく体が熱くなったよ!
「着きましたねー。」
「そうだね。」
「なんだか、寂しく感じてしまいます…。」
「確かに!」
「あの、また、デートに行きましょうね。」
「うん!お願いします!」
「では、さようなら!」
「うん!バイバイ!」
冷たい私の手
何もできない私に、
1つの手袋をくれた。
ありがとうも言えない私に
優しくしてくれた。
手袋つけるとスマホも傘も使いにくいし……、寒いの我慢した方がマシと思っていた。
「手冷た……」
手が当たったときに思わず呟かれた。そりゃ、あっためてやるよ、とポッケの中で手を繋がれるなんてベタなことにはならず。
「付けてなよ」と引き抜いた手袋を押しつけられるように渡された。本当にいらないのに。
次からは自分で手袋をつけてこよう。この人の手が冷えないように。
相手を大事にするには、まず自分を大事にしなさい、と言われたことに、こういうことだったのかもしれないとふと思った。
【手ぶくろ】