『手ぶくろ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「手ぶくろ」
全身が真っ赤になるほど冷たくて
手ぶくろをつけても温まらない。
彼女は唇を震わせこう言った
「どうしたらこの冷たさを紛らわせるの?」
声は誰にも届かなかった。
寒くて 寒すぎて
手が氷のように冷たくなった
右側を歩くあなたが
無言で左手の手ぶくろを
そっと渡してくれた
あなたの手ぶくろは大きすぎて
ブカブカだけど
あったかいね
右手をあなたのポケットに入れたら
ポケットの中で
手をつないでくれたね
右手と左手のあたたかさは違うけど
どっちも
ポカポカあったかいよ
【手ぶくろ】#51
手ぶくろ
両手が温かい
しもやけもへっちゃら
バッチグー
『手ぶくろ』
猫が大好きだ。そんな私がずっと気になっていることがある。足の途中から色の違う子をよく「靴下を履いているよう」と表現する。かわいい。確かに猫は前足後ろ足なんだけど、前足は器用だから、手なのではないかと。「手ぶくろをして、靴下を履いている」防寒完璧な猫ちゃんなのではないかと!!
「今日は寒いねー手ぶくろ着けてお外でよっか?」
娘が元気な声で返事をする。
外に出ると寒さが肌を真っ赤にした。
「うゎ〜外ヒヤヒヤだね〜」
娘も私もマフラーも手ぶくろもし完全防備なのに
寒くて震えるくらいの気温だった。
娘の何周りも小さい手ぶくろを見て
可愛いと癒されながら
手を繋いで目的の場所まで歩いた。
─────『手ぶくろ』
あれ?
手ぶくろ
片方、ないなぁ
散歩途中で
公園に落としたのかな
一回り探してみよう
あ!
あったあった!
木の根元に落ちてる
だけど
中に何か入っているような
膨らみが…
どんぐり⁉️
誰かが遊んで
詰めたのかな
と視線を感じて
木の上を見上げると
こっちを見つめている
リスさんがいた
まるでこう言っているのが
聞こえてくようだった
「冬の貯蔵庫に
ちょうどいいの
持っていかないで」
はーい、
わかったよ!
今年の冬は
あなたと私で
手ぶくろは
半分こね!
【手ぶくろ】
冬の風が冷たい中私は屋根の上で月を見ていた
徐々に冷たくなっていく体……
もうこの世には何も思い残すことは無いと思っていた
でも私はこうしてここに留まってしまっている
ありがとう
ごめんね
君がこの事実を知ってしまったら……
なんて……
手ぶくろ……
まだ編み途中なのに……
月が綺麗ですね
この言葉を胸にしまって
私はもう行くね
さよなら……
暖かいけどつける機会は減った。
出会うのも冬だけ。
私の気持ち
何を頑張っても私の努力は、他からしたら
努力にはならないみたい。
どうやったって変わりはしない。
ママ、私まだ私の言葉、私の気持ち言えてないよ
まって
なんで? どうして?
私はそんなの嫌なのに、
どうして聞いてくれないの?
どうして
私の気持ち
私の言葉
私の努力
私の事
ちゃんとみてよ。 聞いてよ。
もう馬鹿みたい
嫌い 皆
大っ嫌い
全部 わたしのきもち
はじめてみてくれた。はじめて聞いてくれた。
嬉しかった。
私を知ってくれる、みてくれる、聞いてくれる
そんな人。ずっと独りだと思ってた。
楽しかった。
はじめて遊んだ。お揃いの服もはじめて。
一緒に写真撮ったのも、お菓子を公園で食べて、
幼い頃に戻ったように遊んで。
独りだと思ってた私を、独りじゃないと
思わさせてくれた。
その人といると初めてのことばかりで忙しい。
だけどまた、暇になるよりずっといいだろうな。
私を親よりも誰よりも早く見つけてくれた人
わたしのことば
ありがとう。
これが、わたしのきもち
上京してすぐは貧乏で、その日のご飯もやっとだった。
だから田舎から持ってきたボロの手袋を、一緒に上京してきた彼女と分け合って片方ずつ使っていたものだ。
彼女は可愛い顔ではなかったけれど気立てが良くて、何よりも縁を大切にする人だった。
「やっぱり片っぽ寒いでしょう、私はいいから拓巳が使いな
よ。」
「いや、いいよ。二人で手を繋いでいればあったかいよ。」
なんて言い合って、飢えも寒さも2人で乗り越えてきた。
もう暗くなったぜ、これじゃすぐ冬になるなぁ。
そうだ、みたらし団子買ってきたよ、好きだったよな。
……これが本当は3番目なの、知ってたよ。安いもんな、
あーあ、お前が居ないと両手があったけぇや。
【手ぶくろ】
『さむっ?!』
これが朝イチの一言。
お母さんから『起きなさいバカ息子』と言われ
『無理ぃベットが俺を離さないぃ』
冬になってからこの会話が日常的に作られる
_________(学校行く前)________________
『あ、これ付けてきなさい』お母さんは手ぶくろを渡してきた。
『…!ありがとう母さん』
少し歪な形の手ぶくろ。
『そういえば母さん裁縫系苦手だったなぁ。』
俺の手と…心が暖まってもう寒くはないや
追記
やっべ寝ないと明日がくる!(もう明日でしたわ)
三つの時である。
あまりの煩わしさに買ってそうそう片方を紛失したらしい。
四つの時である。
近所の大学生のお兄さんに手ぶくろ可愛いねと褒められて大切につける様になった。余程嬉しかったのだろう。嬉しすぎて春がきてもつけて母親を困らせたそうだ。
五つの時である。
流石に去年の柄と色を詳細に覚えていなければ新調せねばならない。それでも何かが違うと怪訝な表情であった。怪訝にしているがつけなければ手が冷たいと覚えせっせと指を通した。
六つの時である。
つけないと寒いがつけないのがかっこいいなどと言う謎のプライドが芽生えた。あのプライドは当時しかわからないのだ。
それからはつけたりつけなかったり。
社会人になる頃には防寒兼ファッションだ。
だがいざ子持ちになれば子供用手ぶくろの可愛さで納得する。大人が揃いも揃って自分につけさせたがっていたことを。もっとてけてあげれば良かったと今更になって痛感した。
手ぶくろ
【お題:てぶくろ】
「「お」」
綺麗にハモった一文字が可笑しくて。
「知ってた?」
「おう。なんか最初だけ文字デカくなかった? 音読すんのにみんな声大きくするから頭に残っててさ」
覚えている理由も同じだったことが嬉しくて。
「この子もするかな?」
幼い我が子の寝顔を眺めて。
「読み聞かせる時に自然と声デカくなっちゃうかも」
そう言った貴方が優しく微笑んで。
「ま、覚えるまで何度でも読んでやるよ」
傍らの絵本を大事そうに撫でるから、ああ買ってよかったなと心から思ったのです。
(参考:福音館書店 ウクライナ民話 『てぶくろ』)
今年はひとりじゃない。君がいる。
とある冬の日。僕は彼女にいつもありがとうという気持ちを込めて、プレゼントを送ろうと思う。君は何だったら喜んでくれるかな、やっぱマフラー?手紙?ありったけの愛?僕には難しくて分からないや。だから、僕なりの愛の示し方で君にプレゼントを送った。喜んでくれるといいな、
――――――――――――――――――――――
来年もきっと。君がいる。
何年目かの冬の日。私は彼氏を家に誘ってお家デートをした。数日前に彼氏の家に行った時は、彼氏が最近刺繍にハマっているようで集中していてなかなかイチャイチャ出来なかったが、今回こそはイチャイチャ出来るだろうと期待して待っていた。数分経つと、彼氏が家にやってきて、
「もう、遅いよ〜!」
なんて声をかけて家に上げる。部屋に入れると、真っ先にプレゼントを渡した。私からは手袋をあげた。私なりの愛の示し方だ。喜んでくれるといいな。
彼は帰りに、
「これ、プレゼント」
と、私に紙袋に入った何かを渡してくれた。私は、
「ありがとう。」
とだけ言って、彼をお見送りした。
彼が帰ると、すぐさまプレゼントを開けた。そこには、前に彼の家に行った際に彼が一生懸命作っていた刺繍が入っていた。私は幻覚かと目を擦ったが、どうやら夢では無いらしい。嬉しさのあまり彼にメールをしたが、返事は返ってこなかった。まぁそうか、彼は既読スルーが多いのだ。そんなところも大好きだけどね。
そういや、手袋の意味って知ってる?
「私を捕まえて」
あ〜ぁ、もうちょっと愛してくれもいいのにねぇ?まぁいいや。この刺繍、何処に飾ろうかなぁ、私嬉しくておかしくなりそう。ねぇ、早く私の事捕まえてくれないと、
私が貴方のこと捕まえちゃうよ?
題名「手袋」
読んでいただき、ありがとうございます!
『手ぶくろ』
とても寒い日のお買い物
赤くなった私の右手を
そっと握ってポケットに入れてくれた
母のポケットは
世界一の手ぶくろ
こら!キリストが寒がってるでしょう!!
プレゼントくれたからってサンタさんだけじゃなくてキリストにもちゃんと手袋あげなさい!!
クリスマスイヴが終わったからって半裸の子を放置するんじゃありません!
題 : 手ぶくろ
ある朝、認知症の祖母の私物の中に私の手ぶくろが混ざっていた。あれは私が小学生の時に使っていた物だ。
「おばあちゃん、それ私のだよ」
その一言が出てこなかった。しばらくすると祖母はその手袋をつけて買い物に出かけた。
もう使わないはずだった私の手袋。それがこうして誰かの役に立っている。いちいち横槍を入れなくてもお互いが幸せに終わるならそれが1番だ。そう思い、手ぶくろを使う祖母に笑いかけた。
手袋は片方無くしてしまいました
靴下もいつも片方無くします
いつも両方は無くしません
いつも片方を探します
今日も片方を無くしました
私は片方を無くしました
私の片方をなくしました
私を片方をなくしました
私の手袋は片方です
私の靴下は片方です
私は片方です
手ぶくろ
手が小さく指も短いから
手ぶくろの指先はいつも余って仕方ない
細かい作業をしようと思っても、余った指先が折れて邪魔になっちゃうのと拗ねてみせる
だけどそんな手が好きだよとあなたが笑う
ヤバい、またあなたの魔法にかけられてしまいそう
もうすぐ春になる。
3年間過ごした校舎に別れを告げるのは少し寂しいし、この季節になってくると正直クラスメイト全員が良いやつに見えてしまう。
「高校どこにする?」
「秘密〜」
こうやって同級生と笑いあうのもきっと最後。
友達と一緒に勉強したり、図書館に行ったり、
そんな時間が私は大好きだった。
だけどみんなは地元の高校に進むと言っているし、きっと私はこれから忙しくなる。
「でも本当、高校生活とか楽しみすぎ」
私は明日、スーツを買いに行かなくてはならない。
みんながローファーを履いて学校に向かう時、
多分私はパンプスを履いて満員電車に揺られている。
「受験頑張ってね」
「うん、ありがと!」
もし出来るなら、いつも通り笑ってみんなを送り出したい。心からそう願った。
『失った青春』