泡くらげ

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もうすぐ春になる。
3年間過ごした校舎に別れを告げるのは少し寂しいし、この季節になってくると正直クラスメイト全員が良いやつに見えてしまう。

「高校どこにする?」
「秘密〜」

こうやって同級生と笑いあうのもきっと最後。
友達と一緒に勉強したり、図書館に行ったり、
そんな時間が私は大好きだった。
だけどみんなは地元の高校に進むと言っているし、きっと私はこれから忙しくなる。

「でも本当、高校生活とか楽しみすぎ」

私は明日、スーツを買いに行かなくてはならない。
みんながローファーを履いて学校に向かう時、
多分私はパンプスを履いて満員電車に揺られている。

「受験頑張ってね」

「うん、ありがと!」

もし出来るなら、いつも通り笑ってみんなを送り出したい。心からそう願った。

『失った青春』

12/27/2023, 5:08:28 PM