【お題:てぶくろ】
「「お」」
綺麗にハモった一文字が可笑しくて。
「知ってた?」
「おう。なんか最初だけ文字デカくなかった? 音読すんのにみんな声大きくするから頭に残っててさ」
覚えている理由も同じだったことが嬉しくて。
「この子もするかな?」
幼い我が子の寝顔を眺めて。
「読み聞かせる時に自然と声デカくなっちゃうかも」
そう言った貴方が優しく微笑んで。
「ま、覚えるまで何度でも読んでやるよ」
傍らの絵本を大事そうに撫でるから、ああ買ってよかったなと心から思ったのです。
(参考:福音館書店 ウクライナ民話 『てぶくろ』)
12/27/2023, 6:33:23 PM