『愛言葉』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
愛とは何なのだろうか?
考えてみても分からないし
調べてみてもふわっとしている
誰かを守りたいって事
誰かと一緒にいたいって事
誰かを慈しみたいって事
なんとなく
私には縁のない物のように
思ってしまった
そんな『愛』に
言葉があったなら
好きという
なんだか
確証のない言葉じゃなくて
もっと
私を
心から愛してるって分かる
言葉が欲しかった
愛言葉
全然関係ない蛇足
数分前まで雨が降っていたからか
外は、雨の匂いがした
何となく
寒くて
貴方が入れてくれたココアを
自分で作った
材料は同じなのに
違う物に見えて
口も付けずに
キッチンに置いてきた
言葉は無くても
ソレで伝わっていたはずなのに
いつの間にか無くなったココアは
冷めた心の象徴だった
それだけでいいと強がった
言葉なんていらないと
ただそばにいられたらそれでいいと
諦めたものを、さも望んだもののように
喉を引っ掻きながら飲み込んだ
本当は。
言葉だけでも、ほしかった
【愛言葉】
恥ずかしがりやの私は
「好き」とか「愛してる」とか
今まで言葉にしたことがなかった
逆に言われた時も
恥ずかしくて何も返すことが
できない人間だった
そんな私があなたには
「大好きだよ」と言えるようになったのは
あなたが私にいつも
「大好きだよ」って言ってくれてるから
あなたからの愛言葉を
しっかり受け取って
あなたに返せるようになりました
これからもよろしくね
「大好きだよ」
【愛言葉】
素直に甘えられないから
素っ気なくてごめんね
本当は大好きなの
気がついてるでしょ?
君への精一杯の愛を込めて
私ができる愛情表現は憎まれ口
君にしか言わないからね
愛言葉として受け取って
私のようなものが絶対に使うことができない言葉だ。
誰よりも彼とずっと過ごしてきた。嬉しそうな顔も真剣な顔も悔しそうな顔も、これまで色々な彼を見てきた。
本来感情すらもってはいけないものなのだ。もし、1回でもこの言葉を伝えてしまえばきっと…
ゆっくりと暗闇から光が差し込み、視界が広がっていく。目の前にはいつもの彼。
「おはよう。それじゃ今日も始めようか」
「…オハヨウゴザイマス、マスター」
伝えてしまえばきっと、彼は私のことなどもう捨ててしまうのではないだろうか。
私は今日もあの言葉を飲み込んだ。
〖愛言葉〗
「ありがとう」「うん」
あたりまえではないから感謝を示す
感謝されてあたりまえではないから素直に応える
#3 「愛言葉」
「では、ばいっ!」
これは私と1つ上の先輩との「愛言葉」だ。どちらかと言うと「合言葉」の要素が強い。
私と先輩は小学生の時、放課後に学童保育に通っていた。先輩は年下の私を非常に可愛がってくれた。小学生の頃の話なので特段先輩後輩といった上下関係はないが、いつも対等に話してくれていた。大好きな先輩だ。
基本的に先輩の親の方が私の親よりもお迎えが早かったので、いつも私が玄関までついて行って先輩を見送っていた。別れ際、私たちにはお決まりの挨拶があった。敬礼をするように右手を額の端に持ってきて、「では」と先輩が言う。その後2人で声を揃えて「ばいっ!」と言う。「じゃあね」とか「バイバイ」よりずっと明るく別れられるし、他にこの挨拶をする人もいなかったのでどこか優越感に浸ることが出来た。
先輩の小学校の卒業式の日、式が終わったあとに先輩とおしゃべりをした。別れ際、またいつもの流れで「では、ばいっ!」の挨拶をしようとした。中学校に上がれば先輩はもう学童保育には来なくなる。お決まりの挨拶をする日常がなくなるのかと思うと、堰を切ったように涙が溢れた。先輩も私につられて泣いていた。2人して涙でぐしゃぐしゃの顔で、でもとびきりの笑顔で大きな声で挨拶をした。『では、ばいっ!!』
一緒にいて、好きだとか楽だとかじゃなくて、苦しくない、と言われたときに思わずわたしも、と呟いた。
【愛言葉】
→短編・合言葉
「いつもありがとう。オヤスミ」
夫は寝る前に必ず言った。新婚のときから、ケンカでぎこちないときでも、そうでもない普通の日々も、そう言った。
はじめこそ、戸惑いながら「こちらこそ」などとゴニョゴニョと答えに窮していた私も、いつしか「いつもありがとう。おやすみなさい」と同じように返すようになった。
「いつもありがとう」はオヤスミの枕詞みたいだと私は笑ったことがある。彼は眼尻を下げ「一日を気持ちよく終えるための合言葉」と穏やかに言った。彼の健やかな人柄に触れて心が温かくなったことを、私は昨日の事のように思い出す。
何百、何千もの合言葉を繰り返して、私たちは歳を重ねた。
夫の検査入院が入院生活の始まりとなり、寝室を違えることになった私たちは、合言葉の回数を減らした。
長い入院が続き、夫は微睡むことが多くなっていった。
彼の目が開いた。焦点の合っていない瞳が私を探す。最近では会話もあまり成り立っていない。それでも私は彼の耳に口を寄せる。
「私はここよ」
驚いたように口と瞳を開き、夫は私を探した。少し呼吸が荒い。
私は彼の手を取り、もう一度言った。
「私は、ここよ」
ようやく白内障で白く濁る瞳に私を捉えた夫は、私の手をキュッと握った。彼の痩せた腕に筋が浮き立つ。妙な力強さに、私の心臓が早鐘を打った。
彼は努めて温和な微笑みを浮かべ、ガラガラと喉をならし喘ぎながら言った。
「いつもありがとう、オヤスミ」
それは、とても久しぶりに聞いた合言葉だった。
長い夫婦の時間が阿吽の呼吸が、その言外を読み取らせる。
目頭が熱くなり、唇が震えた。
終わりのときが、来てしまったのだ。
彼は喉をヒュッと鳴らした。瞳が涙で湿っている。薬はほとんど効いていない。常態化した痛みが彼を蝕み続ける……。
私は大きく深呼吸をした。
「いつもありがとう、おやすみなさい……」
一言一言に想いを込めて私は言った。自然と脳裏に二人の思い出が過ぎる。
とてもゆっくり彼の目が閉じられてゆく。
「本当にいつもありがとう。ゆっくり休んでね」
力が抜けてゆく彼の手を、私はいつまでもいつまでも握り続けた。
私たちの合言葉は今日で終わり、彼との思い出に変わる。
テーマ; 愛言葉
愛言葉……
愛してるって言葉は、はずかしくて言った記憶がない
好きとは、言えたけど愛してるは、恥ずかしくて…
あ!だけど今は、言えてる
素直のままに、普通に言える
大好き過ぎて、どうしようもないのです。
私の側から居なくなってしまったら生きて行けるのだろうか?
毎日、一緒に居ても飽きることはない愛らしくて甘えん坊でただただ可愛い❤️
もう13才となれば後何年?
一緒に居られるのだろうかと
思うと切なくなる💧
この子にだけは、素直に普通に愛してる大好きだと言えてしまう
ずーと永遠に側に居て欲しい
(=^ェ^=)ちゃん♥️
“一緒に年取っていこう”
“何歳になっても手繋いでいたい”
いつかあなたは
私にそう言ってくれた。
最期の時まで
ずっと隣にいるんだと
当たり前に考えてくれるあなたが
私はとても愛おしい。
“愛してる”より
ずっと愛が感じられる気がする。
だって
未来でも私と一緒にいるのが当たり前のように
思ってくれるから。
『最期は私が看取ってあげるからね』
そう言うと
彼は嬉しそうに笑ってる。
ずっと先の未来の話。
私達だけの愛情表現。
#愛言葉
足音が近づき、ベルが鳴る。
「誰なの?」
「僕だよ」
「誰を愛してるの?」
「君を愛してるよ」
とてもシンプルな愛言葉。
でもいつもシンプルで都合の良い
ただの合言葉。
やっと鍵をかけられたの。
もうドアを開けることはない。
愛の言葉?
愛とはなんでしょう私にはよくわからないのです……愛を考える度に何も浮かばないのです…どのぐらい浮かばないかと言うと無の領域にいるような気分になるぐらいです
私にとっての愛は無いけれどもあなたにとって愛は私とは違うでしょう?
もし教えて貰えてようやくわかるのなら…私はそれを教えて欲しいのです
愛を表現する言葉として
愛言葉を口にして
あなたはやまびこ同じ言葉を繰り返し
合言葉は愛言葉
そうやって哀を確かめたい
それは例えば花に込めて渡すような
それは例えば宝石に込めて贈るような
それは例えば一杯のカクテルを君に勧めるような
そんな遠回りな言葉。
ずるくて小心者な僕からの精一杯の言葉。
――――――――――――――――――――――――
付き合って初めて貰った赤い薔薇の花束には、白いアザレアの花を返したの。
付き合って暫くして結婚を意識した時に贈られた薔薇の名前を持つ宝石がついた指輪には、涙声での返事。
そのあと貴方にオレンジ色のサードオニキスを着けたネクタイピンを贈ったの。
それからもずっと貴方は折につけて花を、そしてたまに宝石を贈ってくれた。
貴方のその不器用さに少しだけ不満はあったの。
でも貴方の瞳や態度は言葉なんかよりお喋りだったから私はそれで満足してた。
その分、私が言葉で伝えようと思ったの。
最初だけはあなたに合わせたけど、その後は出来るだけ言葉で返したの。
大好き
愛してる
ありがとう
いいコンビでしょう?私たち。
ねぇ、でも貴方。
あのカクテルの意味だけは私まだ分からないでいるの。
どうして貴方はあのとき、私にあのカクテルを贈ったの?
――――――――――――――――――――――――――
君と「もう一度素敵な恋を」してみたかったんだ。
別れるつもりなんてないよ
泣きそうな顔をした君に慌てて僕がそう言うまであと少し。
題.愛言葉
お世辞にも、私は素業が良いとは言えません。
妻がいるにも関わらず、愛人をつくり、仕事が行き詰まれば酒を浴びる。
おまけに、私は喫煙者でありまして妻が体に悪いから、と辞めるよう勧めることに耳を貸しませんでした。
私がろくでもない人間な話は、あげればきりがないでしょう。
こんな私に未だ寄り添ってくれる妻、常日頃から苦労をかける彼女へ、私はろくに伝えていない感謝の気持ちと結婚して以来、言っていない想いを伝えようと思いました。
しかし、いざとなるとどうにも気恥ずかしくなってしまい、声を掛けてもしどろもどろでまともに伝えられりゃあしない。
ああ、私はこんなにも度胸がない奴だっただろうか…。
行きつけのバーで会う女達には、流れるように世辞を吐き、口説き文句が言えるというのに。
本当に伝えたい女には愛の言葉一つも口にできやしない。
はぁ、きっと溜息を吐きたいのは妻だろうに、私は息を吐きだす。
女に愛を伝えるのがこんなにも難しく、むず痒いとは到底、思わなかった。
…いや、最愛の妻である彼女だからだろう。
某日夜、小学校。
人気のない廊下に、一人の少年が歩みを進めていた。
彼の名前は、空木 想太。
この学校の生徒である。
しかし、生徒だからと言って夜の学校にいていいわけがない。
なぜ彼はこんな時間に廊下を歩いているのか……
それは彼が、宿題のプリントを教室に忘れたからである。
彼の担任の教師は、宿題を忘れることを決して許さないタイプなのだ。
彼の担任の教師は基本的におおらかなタイプだ。
居眠りも遅刻もおしゃべりも怒らない先生である
しかし宿題を忘れる事だけは許さない。
宿題を忘れた日には、その晩の夢に出てくるほど猛烈に怒られる。
だから彼のクラスでは宿題を忘れる生徒はいない。
それでも想太は、はじめ学校に来ることにしり込みしていた。
彼は怖がりなのだ。
特に夜の学校という不気味な空間は、彼にとって絶対に訪れたくない場所である。
そんな彼がここにいるのは、ひとえに心強い助っ人――友人の隆二がいたからだ。
「助かるよ、隆二。
僕一人じゃ来れなかった」
「なんだよ想太、改まって……
俺たちの仲だろ?」
隆二はにこりと笑う。
彼は想太の良き理解者であった。
彼は、想太の事なら何でも知っており、そして常に彼の味方だ。
そして、想太が助けを求めれば。、すぐに駆けつけてくれる正義のヒーロー。
それが隆二だ。
これを読んでいる読者は、『そんな奴いない』とお思いの事であろう。
それもそのはず、隆二は想太のイマジナリーフレンドなのだ。
想太は家庭の事情から、引っ越しが多かった。
そして生来の引っ込み思案から、なかのいい友達が出来ることが無かった。
彼はアニメや漫画で見る『友達』に人一倍憧れ、ついには空想上の友達を生み出すに至ったのである。
「それにしても想太、忘れ物多いぜ。
気を付けな」
「気を付けているんだけどね」
しかし想太は、隆二が存在しないことに気づいていなかった。
彼には友達がいない。
その寂しさが埋まらない限り、隆二は彼の心の中で存在し続けるのだ。
「なんだよ、想太。
気味の悪い笑顔をしやがって」
「いやあ、僕もいい友達を持ったなあって
やっぱり持つべきものは友達だね」
思い込みとはいえ、想太は一人ではなかった。
不気味な校舎も、二人であれば怖くない。
想太は、ウキウキしながら教室に向かうのであった。
◇
だが、その様子を見ていた者がいた。
想太と同じように、宿題のプリントを取りに来たクラスメイトである。
そして彼女は一人でしゃべる想太を見て震え上がる
無理もない。
想太は、隆二と楽しく会話していると思っているが、その実独り言である。
事情を知らない人間から見えれば、想太が何か見えない存在――幽霊と話しているようにしか見えないのだ。
彼女はその様子を見て怖くなり、逃げるように逃げてしまった。
先生に怒られるよりも、幽霊と話す想太のほうが怖かったのだ
そして次の日、クラスで『空木想太は幽霊と話せる』という噂が流れ、想太に友人が出来る日がさらに遠のくのであった
愛言葉
花束でも贈ろうかな?なんてね、
しばし休業中です。
まだ足りない まだ足りない
私を愛する貴方を愛す
貴方を愛する私を愛す
私は愛に囚われる
私は 私は
まだ足りない
甘い妖しい蜜の味
まだ足りない
私は愛を摘む
あの日の綺麗な満月は
いつしか燻んで油色
私は蝶々 内緒のあの人に会いに行く
私を愛する貴方を愛す
お題【愛言葉】
タイトル【味のしないガム】
愛言葉
家の奥のその部屋からはいつも煙草の匂いが充満していた。ノックもせずに不躾にがらがらと扉を開ける。買い物袋をドサッとその辺の机に置いた。煙のせいか元は白色であろう壁は黄色に変色していた。この部屋では、どんな物や生命でもその輝きを鈍色に変える。煙をあまり吸い込まないようにぱたぱたと手で扇ぐ。今更こんなことやっても仕方ないが何となく気分だった。
「やあ、頼んだものは買えたかな」
部屋の主は、私の不機嫌そうな顔に目もくれず微笑みを投げた。私が目線で煙草と告げると、ごめんごめんといって煙草を灰皿で擦り付けて火を消した。
「煙草、健康に悪いですよ」
「ああ、そうだね」
手で後頭部をぽりぽりとかく様子はいかにもどうでも良さそうだった。いや、本当にどうでもいいと思っているだろう。この人、私が先生と呼ぶ人物は、自身の命にまるで執着がなかった。私はため息を着きながら、煙草と龍角散を先生に差し出した。
「早死にしないでくださいよ」
「ふふ、どうかな」
意図も簡単に交わされる死の文言。これが私たちを繋ぐ合言葉のようなものだった。
『灰の中から』