恋物語』の作文集

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恋物語』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

5/19/2023, 8:49:28 AM

彼との出会いが私の運命でした…

どうしようもない私の生きる世界で
誰かと話したかった何気ない出会いサイト
メールが届く 何度かやり取りをしては終わり
会っても終わるような出会い
私はもういいやって投げありで
またメールが届く
何通もやり取りをしていく中で
何故だか彼と初めて話した気がしなかった
彼もそんな様子で私に「もし宜しければ今度会ってお話しませんか?」と誘われてきて
私は会うことにした
バレンタインだったのもあり
チョコを持って行くねとメールをした
待ち合わせの場所に彼が現れて
会った瞬間に私はこの人と結婚するんだと思った
彼もまた私と会った瞬間にそう思っていた
バレンタインのチョコを渡し、お返しにと
ロールケーキを買ってきてくれていた彼
話しをしてその日は終わり
また会う約束を彼とした
数回会ったのち、ホワイトデーの日に彼から
告白して付き合い、付き合って3ヶ月で結婚する
ことにした私たち…
あれから、もう9年が経ち
変わらず2人で仲良く暮らしています
運命はあるんだと私は思う
出会いがどうであれ彼は私の最後の相手です

5/19/2023, 8:47:19 AM

#83 初夏に始める恋物語

初夏を聴く
新緑の下
芝生に腰を下ろして
僕は耳を澄ませた

木漏れ日が地面に描く幾何学模様が風に揺れている

夏色に染まり始めたばかりのまだ淡い
未熟な空色のイマソラに白線を引きながら
遠のく飛行機を見送った

空に向かってスマホを斜めに構える彼女の
耳元のイヤリングはすっかり夏色で
はしゃぐ度にきらりと揺れて眩しくて...
そして、なんだか、ドキドキする

...

スマホカメラの正方形に飛行機がうまく収まらなくて口惜しそうにまだソラをみあげている彼女に声をかけた。

ねぇ、ここに座って、
一緒に耳を澄ましてごらん
今年一番の初夏が聴こえるよ。

肩が触れそうで触れない隣に彼女は座った

...

しばらく静かに彼女と空を見ながら
耳を傾けていると
飛行機が再びイマソラに白線を引き始めた
でも、彼女は座ったまま
目を閉じて静かに耳を澄ませている

僕は彼女との距離をそっと狭めて顔を近づけると
気を利かせた初夏が甘いラブソングを奏で始めた__

お題「恋物語」

#シロクマ文芸部
お題「初夏を聴く」から始まる小説・詩歌

5/19/2023, 8:32:21 AM

今日のテーマ
《恋物語》





物語のような恋がしてみたいと思っていた。
素敵な男性に一目惚れをするもよし。
格好いい男性から想いを寄せられるもよし。
頭脳明晰な人、スポーツ万能な人、頼り甲斐のある人、アイドルか俳優みたいにイケメンな人。
そんな相手と、燃えるような恋がしてみたい。
そう、子供の頃からずっと憧れていた。



「俺、おまえのそういうとこ好きだわ」
「え?」

ロッカーから荷物を出していたら、そんな言葉が耳に飛び込んできた。
放課後の教室にはまだ何人も人が残っていて、突然の告白紛いの台詞にシンと静まり返る。
そして、一瞬の後、蜂の巣をつついたような騒ぎになった。

「えっ、おまえこいつのこと好きだったの!?」
「ねえねえ、どうすんの!? 受けるの!?」
「あんたさ、コクるなら人のいないとこでやんなよ、可哀相じゃん」
「せめてもうちょっとムードとか場所考えろっての」

男女問わず級友たちに囃し立てられ、近くにいた友達には腕を揺すられ、そこで初めて告白されたのが自分だと気づいた。
容姿も頭脳も運動神経も、どこを取っても平均点なわたしは、自分の身にこんなことが起こる想定なんてしていない。
頭の中はすっかりフリーズ状態で、誰に何を言われているのかも分からなくなってしまう。
というか、今、何の話をしてたんだったっけ?

「別にコクったわけじゃねえし。こいつの考え方が好きで共感持てるって話」
「なーんだ」
「だよな」
「あーびっくりした」
「紛らわしいんだよバーカ」

彼の言葉で、ざわついていた教室の雰囲気が一気に弛緩する。
わたしもフリーズが解凍されて、ゆっくり息を吐き出した。
遅れてドキドキと動悸が激しくなり、顔に熱が集まってくる。

「ちょっと、この子、あんたと違って大人しいんだから変なこと言ってからかわないでよね」
「ほんとサイテー。大丈夫?」
「うん、平気。ちょっと驚いたけど」

気遣って庇ってくれる友人達に頷いてみせる。
でも顔の筋肉は強張ったまま。
たぶん笑顔はかなりぎこちないものになってるだろう。

「なんか、ごめん」
「ううん、大丈夫だから!」

ばつの悪そうな顔で謝る姿に慌てて首を振る。
そうでもしないと何だか惨めな気持ちになりそうで。

本当は、ちょっといいなと思ってた。
授業で分からないことがあった時にこっそり教えてくれるところも。
休み時間にたまにする他愛ない雑談も。
体育の授業で他の男子とふざけあっているところも。
物語のような情熱的なものではないけど、些細なことで心が浮き立つくらいには意識してた。

一瞬でも、告白されたと思って舞い上がってしまったのが恥ずかしくて。
舞い上がった分だけがっかりして落ち込んでることを誰にも気づかれたくなくて。
わたしは、だから精いっぱい微笑ってみせた。

「じゃ、行くか」
「……うん」

そうだ、これから図書委員で一緒に図書室に行こうって話してたんだった。
共通の好きな本の話題になって、キャラクターの言動について話していたところで、さっきの爆弾発言が飛び出した。
クラスメイト達の大半はもう興味がなくなったみたいで、それぞれ帰り支度や部活に行く準備を始めている。
彼と仲の良い男子たちだけは、どこか意味深な、からかうような笑みを浮かべてるけど。

「頑張れよー」
「襲うなよー」

どうやら彼らの中ではまだ、この一件はイジり材料になっているらしい。
からかわれている当の本人は舌打ちして「うるせー!」なんて返してるけど、本気で嫌がってるわけでもないみたい。
そんな様子を横目で見ながら、期待してしまいそうになる自分を戒める。

廊下に出て、再びさっきまでの本の話をしながら図書室へ向かう。
いつもは楽しくて仕方ない時間なのに、今日ばかりは会話の内容があまり頭に入ってこない。
そんな風に気もそぞろになっているのが伝わってしまったんだろう。
もうすぐ図書室というところで、彼は不意に足を止めた。

「あのさ、さっきのことだけど」
「あ、大丈夫だよ。本当に気にしてないから……」
「いや、その……気にしてって言ったら、迷惑?」
「え?」
「考えなしに言っちゃった俺が悪いんだけど、騒がれたからああ言って誤魔化しただけで、俺、真面目におまえのこといいなって思ってて」
「え……?」
「今、つきあってる奴とかいないんだよな? もし嫌じゃなかったら、お試しとかでもいいから、俺の彼女になってほしいっていうか」

今度こそ、本当にフリーズした。
でも、今度はすぐに急速解凍して、頭の中をいろんな考えが目まぐるしいスピードでぐるぐる回る。

どうしてわたしを?
いつから?
本当にわたしでいいの?

真っ赤な顔をした彼は真剣そのものといった顔で、こちらを窺う眼差しには不安が見え隠れしていて。
それを見たら、本当に本気なんだと、すとんと納得できてしまった。
頭を渦巻く疑問は今も止まらないけど、それ以上に嬉しい気持ちが湧きあがって、一度は収まってた胸の鼓動が再び激しく騒ぎ出す。


子供の頃に憧れたドラマティックな恋とは違うかもしれない。
だけど、ジェットコースターみたいにトラブルや事件がてんこ盛りの恋なんて本の中だけで充分だ。
そうしてわたし達は、平凡だけど掛け替えのない、わたし達だけの『恋物語』を紡いでいく。

5/19/2023, 8:18:45 AM

恋って無理にでもしていなければ大人になれないのだと思っていた。ドラマも漫画も本も映画も大人はみんな恋愛をしていたから。

――別にしなくていいだろそんなの。

そう話しかけてきたのはゼミの友達だった。演習で同じ班になって以来、仲良くしている。
彼に関しては、まわりから「付き合えば」と言われながらも絶対にわたしたちは恋人にはならなかったし、告白もしなかった。お互いに友情はあったかもしれないが恋愛的な意味の好意はなかった。

「でも、してないと変な人に見られる」
「中指立てとけ」
「……下品だなぁ」
「相手を異性をパートナーにする恋愛感情ありき、性欲ありきの人間とみなす方が下品だと思うね俺は」

 そう言われて、わたしは隣に座る男をそのように見ていると思った。彼には可愛い彼女がいつかできるのだろう、とそう思っていた。
 ごめん、とわたしが謝ると彼にはちゃんと伝わったらしく「いいよ」と笑っていってくれた。

5/19/2023, 8:17:23 AM

トロトロ溶けるチョコのように甘いような見た目で、
食べてみると実は胸が苦しくなってしまう、まるで毒林檎のよう。
解毒薬は何一つ効かなくて、唯一、効果があるのがあなたと話してる時だったり…ね。

5/19/2023, 8:00:59 AM

恋物語

私の恋物語

現在恋愛中

人から見たらたぶん両想い

でもなんなんだろう?

絶対に好きだから大丈夫だよ!
そのまま頑張れ!

と言われるときもあるし、

意味分かんねー関係だね!
やめたほうがいいんじゃない?

と言われるときもある。

私自身も手応えがないわけじゃない

でもほんとの彼の性格を100%分かるわけではない。

でもとっても寂しい人なんだなって思う時がいっぱいある。
だから私は守りたい。
守ってあげたい。

そして、私に元気をくれるあなたが最高に大好き!

そんな恋愛をしている私です。

5/19/2023, 7:58:06 AM

※二次創作
※悪い子3人組(ばいきんまん、ドキンちゃん、ホラーマン)

「いただきまーす!」
バイキン城の朝ごはんは三人だけの空間でも、賑やかな雰囲気に包まれていた。

「あー…ん…」
赤い宇宙人の少女は、こんがりと焼かれた食パンを口にしようとした途端、しゅんと下を向いてしまった。

「どうしたの、ドキンちゃん?」
「飯が冷めちまうぞ?」
仲間の黒い宇宙人の少年と骸骨が心配そうに、彼女の顔を見つめた。

「…やっぱり、あの子のことが好きなのかな…?」

ふわふわで白い食パンの顔をした彼は、ピリッと辛いカレーの香りがするあいつのことが好きなのだろう。
私に向けたことのない心からの笑顔を、あいつに向けていたから。

「…ううん、やっぱなんでもない!」

そう言った赤い少女は、食パンにオレンジのマーマレードを塗り、勢いよく頬張った。

叶わない恋物語を物語るかのように、食パンに塗ったマーマレードの味は甘酸っぱくて、少しほろ苦かった。

おしまい

5/19/2023, 7:55:51 AM

恋物語は
甘くてどろどろ
僕らモブには関係ない
恋愛とか青春とか
そんなのあるわけないじゃん
僕らもヒロイン
王子様になれそうかな!
そうだといいな。

5/19/2023, 7:40:52 AM

恋物語\

あー、私も恋愛がしたいなー
Twitter、インスタ、TikTok.
いつもカップルの幸せそうな動画とか写真出てくるんよな…😇
私がそういう動画沢山見てるからなんだけどね笑
いーいーなぁぁー
でも、ただ恋愛をしたいだけじゃないの
お互い笑顔で居られる悔いのない恋愛にしたいのっ!
そのために
相手の気持ちをちゃんと考える
明るくする
私も、もっと可愛くなるために努力しなくちゃ
他の子と比べなくていいから、自分なりに頑張るの!
好きな人には自分からアタック!
勇気を出せ私!
頑張って私!(っ`・ω・´)っフレーフレー!!!

いつかまた、これを読んだ時には、そばに居てくれる人がいますように!!



でもね、居なくても落ち込まないで
だって、努力した私は誰よりも可愛いんだもん!✌🏻️´-

5/19/2023, 7:39:05 AM

#26「恋物語」


 誰かが、誰かを愛する感情を「恋」と呼んだ

 恋と言ってもきっかけは1つでは無い

 一目惚れ

 優しさ

 楽しさ

 顔

 きっともっと沢山のきっかけがあるだろう

 恋という木にはみんな花を咲かせたりする

 しかし上手く受粉できずに枯れてしまう花もあるだろう

 でもずっと歩いた先で幸せだと言える世界に生きていて欲しいと思う

 誰かが

 大切な誰かを

 後悔のないくらい

 幸せにすることが出来ますように

5/19/2023, 7:32:45 AM

普通の恋じゃものたりない。

面白おかしくじゃないと満足いかない。

「私も連れてって。」

こんな檻から出て、貴方のような異常者を愛してあげる。

「私を満足させてよ。」

5/19/2023, 7:20:23 AM

🕊️『明るい空の下』 

 
誰かに救われたいと思っていた私が

誰かを救いたいと思う形で
恋をするとは思わなかった

 恋愛は水鏡のようなもので
自分が知らなかった自分がよく見える
 
相手は複雑な形をした鏡で
 どんな複雑な問いもちゃんと複雑な過程を経て
自分へ返ってくる

まっすぐに向けた心はどこへたどり着くでしょう

この恋は成就せずに終わる恋かもしれないが

この気持ちを感じることがこの恋の目的なのかも知れないが

 こんな明るい空の下で
何の悪い予感もなく

見つめあえたらどんなにいいかと
思う気持ちだけは自由だ

 

 

    銀色夏生✨

 

🌿🩵🌿🩵🌿🩵🌿🩵🌿🩵🌿

5/19/2023, 7:20:14 AM

#恋物語

恋物語みたいな恋に憧れてるのは
私だけ?笑

5/19/2023, 7:18:14 AM

【恋物語】 
恋愛って難しい。
もし彼氏がいるのなら、本当に奇跡だと思っている。
お互いを愛し合えるなんて魔法、わたしは知らなかった。
もし恋愛の神様がいるのなら、
なんでも叶えてくれるのなら、
わたしは言うだろう、「あの人に振り向いてほしい」って。
でも、叶わないのが恋愛、叶ってくれないのが恋愛。
恋愛って難しい。

5/19/2023, 7:16:02 AM

モンブラコン*
~~~~~~~~~~~~~『恋物語』

 …中身が魚の足だから、立ち上がれない。
 …喉も魚だから、喋れない。
 …心が空っぽだから、意思がない。

 …よって失敗作だから、棄てられた。

 …腕が動くから、前に進む。意味はない。

 …毛むくじゃらの動く物に、足を食べられた。
 足はすぐに元に戻った。
 …キモチワルイ。

 …肌色の動く物に、触られた。
 …キモチワルイ。

 …無数の小さな動く物に、噛まれた。
 …キモチワルイ。

 …毛むくじゃらに食べられていたら、
 …紫色の目の、肌色の動く物に、
 抱き上げられた。景色が速く動いた。
 …キモチガイイ。

 …体がキレイになった。
 …食べられない場所にいる。
 …紫の目の、動く物が傍にいる。
 …キモチガイイ。

 …紫の目の者を噛んでみた。
 甘い味がした。
 …紫の目の者に、頭を、触られた。
 …キモチガイイ。
 …紫の目の者には、どこを触られても、
 …キモチガイイ。


「姉さん、寝言、怖いんだけど~」
 縁側で、膝枕係のテイちゃんが、お昼寝姉さんを撫でながら、微笑んでいる。

5/19/2023, 7:13:45 AM

恋物語

「バイバイ」

君は急に別れを切り出した。
どうして?
僕、何かした?
どうして?
昨日までは一緒に笑っていたのに。

どうして?
なんかしたなら謝るから。

だからお願い、

「バイバイ」

なんて言わないで。

5/19/2023, 6:59:27 AM

僕が見つめても君と目が合う事はない
君も僕と同じように誰かを見つめているから
でもたまに君が視線に気づいてこちらを振り向く
君と目が合いそうになったら窓に視線を向け
気にしてないふりをしてしまうんだ
男じゃないな〜
いつになったら君と目が合うんだろ

5/19/2023, 6:44:17 AM

【恋物語】

 むかしむかしあるところに、小さな国がありました。国の真ん中にはお城があり、王様が騎士たちと一緒に暮らしていました。
 あるとき、国じゅうに病が流行りました。不治の病でした。国民がばたばたと死んでいきます。困った王様は、国でもっとも強いと言われている魔女を呼び寄せました。魔女はまだ成人もしていないような、うら若き娘でした。
 王様は魔女の見た目に不安を覚えながらも、言いました。
「魔女よ、そなたはとても強い精霊様と契約していると聞く。精霊様のお力で、どうか皆の病を治してくれないか。成功したあかつきには、望みの褒美をとらせよう」
 それを聞いた魔女は、王様のそばに仕えている一人の騎士を指し示しました。金に輝く長い髪と、氷のように鋭い目を持つ、たいへん美しい騎士でした。魔女はその騎士に一目惚れしたのです。
 王様は困りました。騎士にはすでに妻子がいたからです。
「金でもいい、土地でもいい。そなたが望むまま、いくらでもとらせよう。しかし、人の心だけは、わたしの権力でも、どうにもならぬのだ」
 どれだけ説得を試みても、魔女は頑として譲りません。王様はとうとう根負けしてうなずきました。魔女は喜んで、国じゅうの病を治してまわりました。
 ところが、魔女の褒美になることを嫌がった騎士が、自害をしてしまいました。約束が違う、と魔女は怒りました。そして、怒りのあまり、国をまるごと氷漬けにしてしまったのです。こうして、ノースラスカの国は、永久凍結国と呼ばれるようになりました。
 げに恐ろしきは、若き娘の恋心。つける薬はなく、不治の病よりも手の施しようがありません。もしあなたが若い娘に恋をさせたなら、氷漬けにはお気をつけて。

「は?」
 物語を聞き終えたアオイが最初に発したのは、その一言だった。
「なにその話。若い娘バカにしてんの?」
 自身が若い娘だからか、アオイはおかんむりだ。だからといって、僕に当たられても困る。僕は本の内容をそのまま読んだだけだ。最後のくだりは、僕もどうかと思うけど。
「しかも魔女が情緒不安定すぎない? 怒ったからって、いきなりぜんぶ氷漬けなんてする?」
 目の前にそびえる国境の壁を見上げて、アオイが唸る。壁はカチコチの氷漬けで、真昼の太陽に照らされても、溶ける気配はない。
 僕とアオイは、物語の国の目前まで来ていた。僕の国から馬で丸二日。いまは昼食休憩中。東の国から来た留学生のアオイは、永久凍結国ノースラスカは北にあるから凍ってる、ぐらいの雑な知識しか持っていなかったので、僕がいつも持ち歩いている本で、ことの顛末を読んで聞かせたのだ。
「この話、じつは後半が捏造されてるんだ。魔女は病を治してない。病がこれ以上広がらないように、国をまるごと凍らせただけ」
「えっ、じゃあ、これ溶かしたら、あたしたちも不治の病に襲われかねないってこと?」
「アオイ、僕らの専門学科は?」
「医療魔術。……いや、いくらあたしたちが優秀だからって、未知の病なんて治せないでしょ」
「未知じゃないよ。この国を襲った病はすでに特定されている。緑呪病だ」
「なんだ、大地の呪い系か。それならあたしたち二人がいれば楽勝じゃん」
「そう。現代なら誰も死なせることなく治療できる。魔女は国の時間を止めて、未来に可能性を託したんだ」
「なるほど、思いきったことするなぁ……」
 アオイは改めて壁を見上げた。
「……いやさすがにみんなもう死んでるでしょ。氷漬けなんだし」
「ところがそうでもないんだよ。魔女が凍らせているのは、水じゃなくて、時間だから。氷は見せかけ。状況をわかりやすく外部に伝達するためのインターフェイスというか」
「首席魔術師様のおっしゃることは、相変わらずよくわからんですわね」
「とりあえず、このまやかしの氷の中では、時が止まってるってこと。魔女が契約している精霊は、時間の精霊だから」
「えっ、そりゃ最強だわ。時間の精霊って、契約できるんだ……?」
 と、アオイは胡乱げな視線を僕に向けた。
「その話、ほんとなの? あんたはどこで知ったのよ」
「時間の精霊から直接」
「は?」
「僕が騎士の子孫だからか、精霊のほうから事情を話しに来てくれるんだよ。代々、律儀にね」
「たしかにあんた長い金髪だし、愛想のない氷の目をしてるもんね。物語の騎士っぽいわ。でも、騎士の子供は国と一緒に凍ったんでしょ? 子孫が発生する余地ある?」
「子供と奥さんは、流行り病を避けて、早いうちから隣国に疎開していた。その子供が、僕の母の曽祖父」
「なるほど、生き延びたのねぇ。……ははーん、あんたの家系、さてはカオだけで成り上がったな?」
「否定はしない」
 僕は休憩中に広げていた荷物をまとめ、出立の準備をはじめた。アオイも僕に倣って、荷物をまとめだす。
「ねぇ、魔女がまだ病を治してないなら、騎士は早まったんじゃない? なんで自害なんかしちゃったんだろ。そんなに魔女が嫌だったの?」
「騎士は魔女が嫌で自害したわけじゃないよ。時を止める魔術の生贄になったんだ」
「えっ」
 アオイの手が止まる。
「ちゃんと生贄ってこと納得して自分で死んだから、ある意味自害かな。そもそも、魔女は騎士に恋してたわけじゃないんだ。時間の精霊が騎士の命を欲しがっただけ。あいつは若いイケメンが好きだから」
「じゃ、じゃあ、さっきの本はなんなのよ。なんで若い娘が恋したのが悪いみたいなまとめられかたしてんのよ!」
 アオイがまたぷりぷりと怒りだす。
「まあ、時代というか……。魔女を悪者にしたかった人がいるんだよ。僕の母の曽祖父のことだけど」
「ただの私怨」
「後世に伝わる物語なんてそんなものだよ。さ、行こう」

 アオイの風の魔術で城壁を乗り越え、真っ平な氷の上を進む。馬は置いてきたので、予め用意しておいたスケートで走る。アオイが作る追い風のおかげでスピードが出て、みるみるうちに城が近づいてくる。僕の胸の鼓動も高まっていく。もうすぐ、夢にまで見た魔女に会える。
 時間の精霊は、過去のできごとを映像で伝えてくれる。鮮明な魔女の姿に、僕は一目惚れしていた。長く艶やかな黒髪。憂いを秘めた黒いまなざし。儚げに揺らめく細い手。たぶん精霊による思い出補正がかかってるけど、それを加味しても、彼女は美しかった。それに、美しいだけじゃない。国の人々のことを想う、心優しき魔女だった。
 国民を助けたいという彼女の願いは、僕の母もその父もその母もその父も、叶えられなかった。だけど、現代に僕が生まれた。僕には、魔女の願いを叶えるための条件が揃っている。僕ならこの国の凍てついた時間を溶かせる。生きている彼女に、やっと会えるんだ。そして願いを叶えたあかつきには、魔女の心に、僕の存在が強く刻み込まれるだろう。
 ほどなく辿り着いた城の外壁には、氷の階段があった。精霊が僕を招くために作ってくれた道だ。魔女がいるであろう場所へと、カーブを描いて続いている。僕たちはスケートを脱ぎ、階段をのぼった。手すりはないし氷でツルツルだけど、いざとなればアオイの風が受け止めてくれるから、落下死の心配はない。ところどころに、休める踊り場も用意されている。僕たちは黙々とのぼった。アオイは口数が多いほうだけど、この国に入ってから、やたら無口だ。
 いくつかの踊り場を経て、とうとう視界にその場所が、その姿が映った。城の端から城下の広場に向かって突き出した広いバルコニー。両手を組み合わせた祈りのポーズで、黒髪の乙女が凍りついている。精霊が見せてくれた映像と寸分違わぬその容姿に、僕の心はうち震えた。
 魔女の傍で、精霊が手招きをしている。僕は残りの階段をふらふらとのぼり、バルコニー前に用意された氷の足場に立った。腰の短剣を引き抜く。
 お望み通り、このあり余る魔力と、精霊好みの容姿、そして若き命を、時間の精霊に捧げよう。凍った時間を溶かして魔女を目覚めさせる、僕はそのための生贄だ。
 短剣を一気に胸に突き立てる――その直前、鋭い風が短剣を弾いた。短剣はバルコニー内に落ちて滑り、柵で跳ね返り、魔女の足元で止まった。
「なんで止めるんだ!」
 僕は怒ってアオイを振り返った。
「なんであんたが死ななきゃいけないのよ」
 怒りのこもった低い声。僕の目よりも冷たく光る黒い瞳。僕が一瞬気を呑まれた隙に、アオイは僕を押し倒した。背中が冷たい足場に押しつけられる。アオイの腕は細いのに、風の力が加わっているからか、男の僕でも跳ね除けられない。
「騎士が生贄になったって話を聞いたとき、嫌な予感がしたから、絶対に止める気で風を練っていたのよ。あんたが死んだら国家の損失でしょ。よそから来たあたしが知ったこっちゃないけど!」
「それならほっといてくれ!」
「ほっとけるか! ……ああまどろっこしい! このさいぶっちゃけるわ! あたしがあんたに死んでほしくないのよ! あんたが好きだから! だから、なんとしても止める!」
 突然の告白に驚き、僕は言葉を失った。
「あんたにいきなり旅行に誘われて、どれだけ嬉しかったと思う!? 卒業記念にノースラスカ溶かすとかいうあんたらしい無謀な計画、あたしにだけ話してくれたと知ったら、ノる以外ないでしょ!? 実質卒業旅行だし、しかも二人っきりだし、ワンチャンあんたがあたしに惚れてるのかもと思って、舞い上がってたんだからね! 氷の城の前で愛の告白イベントとか、夢見ちゃってたんだからね! それがこの仕打ち!? 目の前で死なれたら一生引きずって新しい恋もできんわ! ふざけんな!」
 いつものアオイの調子で、まくしたてられる。
 と、アオイは急に、魔女へと顔を向けた。
「おいてめぇ聞いてるかこのすっとこどっこい精霊! そういう事情だからこいつは渡さない!」
 そして、大きく息を吸い、
「若い娘の恋心舐めんじゃねぇ!」
 一喝。アオイを中心に風が渦巻いた。まるで嵐。アオイの長い黒髪が逆立っている。アオイに体を押さえられていなかったら、僕も舞い上がっていただろう。嵐は城をまるごと呑みこみ、揺すらんばかりに吹き荒れた。
「城を溶かすだけなら力業でどうにかしてやるわ! いちいち生贄求めんなこの面食い精霊が! 人の命が必要なら、せめてあたしを持っていけ!」
「そ、それはだめだ!」
 僕は慌てて叫んだ。
 僕が生贄となって死ぬことについてなら、じつは書き置きで残してあるし、異母兄弟にもこっそり告げている。同行したアオイが罪に問われる心配はない。でも、東の国の第五王女が帰らぬ人になったら、外交上の問題に発展する。アオイに同行を頼んだのも、さんざん迷ってのことなのに。
 ノースラスカの城に近づくためには、アオイが契約している風の精霊王の力が必要だった。それに、アオイなら魔力量は僕より上――どころか歴代魔女の中でもずば抜けている。力で押し切る癖があるけど、技量もある。なにかトラブルがあっても、アオイなら切り抜けられるとふんだのだ。
 さすがに、アオイが生贄になろうとするトラブルなんて予想してない。生贄になるべきは、僕だ。
 アオイを押しのけて起きあがろうと揉み合う僕の目の端で、ふわりと、黒い影が動いた。
 僕は息を呑んだ。動いたのは、魔女だ。アオイの強引な力でわずかに時間が溶け、ついに魔女が目を覚ましたのだ。
 魔女はバルコニーの中から、あの憂いを帯びたまなざしで揉み合う僕たちを見た。驚いたように見ひらかれる瞳。続いて、ふっと優しく微笑む。ドキリと心臓が跳ねる。魔女の手には、いつのまにか僕の短剣が握られていた。
 止めようと動く隙もない、あっという間のできごとだった。
 魔女が、自害した。
 たちまち周囲の氷が溶ける。まやかしの氷は水を残さず、蒸発するように消えていく。氷の足場を失った僕たちは落下。アオイが力強く僕を抱きしめる。風が僕たちを受け止め、そっと地上に下ろす。
「……なにがあったの? あたし、ほんとにやっちゃた?」
 アオイが上半身を起こした。
「魔女が、生贄になった……」
 アオイの下で、僕は呆然と呟いた。
「時間の精霊は、魔女を永遠の国に連れていった。魔女が、それを望んだから……」
「つまり、あんたは助かったってこと?」
「…………」
 僕はショックのあまり、うなずくこともできなかった。
 でも、これでよかったのかもしれない。力の抜けた体で、ぼんやりと思った。時間の精霊の国に連れていかれて、僕にそっくりな先祖の騎士と永遠の刻を生きるのは、ちょっと気まずい。これまで通り、アオイにライバル視されたり活を入れられたりしながら医療の研究に身を捧げて年老いていくほうが、張り合いはある。
 魔女と騎士はこの世界では死んだけれど、精霊が造った永遠の国でいまも生きている。もしかしたら、魔女は本当に騎士のことが好きだったのかもしれない。僕を見た瞬間に見ひらかれ、ふっとやわらいだ黒い瞳、あれは、愛しい人を見つめるまなざしだった――
 そうか、僕はあの瞳の記憶を、一生引きずって生きていくことになるのか。……たまらないな。
 アオイが立ち上がり、僕に手を差し伸べる。黒い瞳が、嬉しそうに輝いている。その光に、僕はなんだか救われた気持ちになる。
 街のざわめきが耳に入る。時間の凍結から戻った人たちが、なにも知らぬまま日常をはじめようとしている。
 僕はアオイの手を借りて、立ち上がった。
「……まずは診療所に行ってみようか」
「そうこなくっちゃ!」
 アオイがはりきった笑顔で腕まくりをする。
 さあ、これから忙しくなるぞ。医療魔術師の卵として、ノースラスカ隣国の王子の一人として、やるべきことは、たくさんある。

5/19/2023, 6:32:23 AM

#22 恋物語


自分の教室に向かっていたら、
職員室から先生が出てくるのが見えた。

「あ!先生!おはようございます!」

「おはよう」

「先生は今日も歩くのが早いですね」

いつも返事はくれるけど、歩くの早いし止まらない。クラスまっしぐら。

「そう?授業あるから、もう行くね」

「そうですか、かんばってください!」

「はい」

それでも、話せるのが嬉しい。
先生が私が行く方向とは別の角を曲がるまで見送ってから、教室に足を向けた。
勝手に上がる口角は放置して。


授業は分かりやすくて面白い。
こっちが小走りになるくらい颯爽と歩くけど、
見た目は普通だと思う。
先生のことは好きだけど、そういう好きではない。


そのはずだったのに。


今は、最後の授業が終わったところ。

先生は背を向けて教材を片付けている。

(学校に遊びには来れても、もう授業は受けられないんだ)

そう思うと寂しい気がして、なんとなく近寄ってみた。

広い背中だ、と意識した瞬間。
くらり、目眩のようなものを感じた。

-目の前の人に、触れて、みたい-

衝動的に足を踏み出そうとして。

教室の外を誰かが通るのに気づいて、
ハッと我に返った。

(なに、いまの)

いや、考えちゃいけない。

少し近寄っただけで、先生とは距離がある。
誰にも気づかれてないし、実際何も、起きてない。

私は咄嗟に心の中で蓋をした。


そして数日後、高校を卒業した。
私が先生を慕って追いかけていたことは校内では周知の事実だったが、
最後の授業で起きた現象を誰にも話すことはなかった。


---

それは、心に蒔かれた恋の種だった。

芽吹いたのは、成人を祝う同窓会で再会したとき。
そこから猛アタックを始めるなんて、
まだ本人すらも知らない。


これは、私の恋物語の前日譚。

5/19/2023, 6:27:01 AM

【恋物語】
(私にしてはかなり長文)

~その1~
高校生の時、憧れの人がいた。
告げた記憶はないのだけれど…
卒業後、地域のサークルで一緒になり帰り道ドライブに行ったりした。
憧れが現実になると冷めてしまうのが私の癖なのか、サークルの足も遠のき、そのままになった。
数年前、地元のお祭りで偶然会い、○○さん?と声をかけられた。
還暦間近というのに甘いマスクは若い頃のまま
少し心がときめいた。

~その2~
大学のサークルで、無口でシャイな人に出会った。
飲み会の時は、さりげなく隣に座った。
彼女がいると仲間の噂話で知ったけど想いを捨てることはできなかった。
彼がサークルを辞め会うこともなくなり、それでも忘れられなかった。
想いを抱えてることが苦しくなって告白してあきらめようと決め電話で呼び出した。
初めて作った不格好な手作りのシュークリームを持って彼を待った。
小さな古い喫茶店をなかなか見つけられなかった、と遅れてきた彼に
「好きでした」
絞り出すような声で告げた。
返事がなんだったか、本当に記憶がない。
うん、と頷いただけだったか?
そう…と言ったか?
それだけで終わった。
「好きでした」
なぜ過去形で言ったのか?
あるいは言えなかったのか?
自分でもわからない。
たぶん踏ん切りをつけるためだったからかもしれない。
噂では今も隣町に住んでいるらしい。
竹内まりやの「駅」みたいなことがあったら良いのに…と思いつつ、きっと会ってもお互いわからないかも、とも思う。

~その3~
社会人になり長期研修で一緒になった人はハンサムではないけど、とても話しやすくて楽しくて自然体でいられる人だった。
研修が終わる頃、勤務地も遠いしもうこれで会えないかと思うと急に寂しくなった。
電話番号と住所を交換し、またねと別れた。
1度、家に電話をかけた。お母さんが出て、今日は仕事だと言う。
手紙も書いた。
少したって返事をくれた。
真面目な律儀な人なのだ。
離れていると憧れが憧れをよび、より素敵な人に思えてくるような…
それが虚しかった。
北海道にひとり旅に出て、そこから電話した。
在宅していて話すことができた。
「お見合いの話があるの」と唐突に言ったら、「そうか!」という言葉。
研修の時に「神威岬は良いぞ!」とあなたが言ったから、北海道に来てるのよ!とは言えなかった。
その後は連絡をしなかった。
せめて当時、携帯やメールがあったら繋がっていられたのだろうか?そうしたら違う人生があっただろうか?と今のデジタルの進歩にふと思う。

~その4~
中学生の頃から憧れの俳優がいた父親くらいの俳優だったが、所作や仕草、甘い声、シュッとした顔立ち。
当時はビデオもなかったのでブラウン管に映る俳優の写真を撮った。
大人になってからも結婚してからもずっとファンで亡くなった時は本当に悲しくて寂しくて…再放送のドラマは全て録画した。
好きという意味では、その俳優が一番好きだったかも…
柏原芳恵の「最愛」のようなものである。
一番好きな人の前ではおならもゲップもできないのだから…

今、隣にいる夫の前ではおならもゲップも平気、なぜなら一番好きな人ではないから(笑)

恋と愛の違いは何か?
恋心は相手をよく知らなくも持てるけど、愛情は相手を知らなければ持てない感情だと思う。
そういう意味で夫との恋物語はない。
恋する前に夫という人間を知ったから…

#7

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