『怖がり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
すりよってか細く鳴きつ君のあと遠く雷鳴そのわけに笑む
怖がらないで、怖がらないで!
ただの人間だよ
同じ人間!
その中身がちょっと違うだけなんだよ!
聞きたい!と言った数分前の私を怒りたい。
異国の怪談話を聞かなければ良かったとぬいぐるみを抱き締めたまま、縫い付けられたように動けない。妖怪とか狸や狐の話の類いかと思っていたら…
梅雨特有のじめじめした不快感にどろっとした愛憎が加わった後味が悪く陰鬱な話だった。今まで流れ落ちる滝みたいと思ってた特徴の木が一役買っていて見方が180度すっかり変わってしまった。まだ彷徨っていると付け加えられて…。もうあの国の柳の下は通りたくない。
「怖かった?って聞くまでもないか」
怪談の発表者である彼は、未だに余韻に捕まっている私を見る。物理的に痛いとか高いところから飛び降りるとか、躊躇いはするけどそれくらいなら怖がることは少なくて
「実体のないものには『怖がり』なの。見えないのは…苦手」
感情もそう。見えないから人とコミュニケーションをとる時はどう思われているか怖い。怨念にでもくっつかれたら対処できずに弱っていきそう…。
「俺も形のないものとは戦えないから嫌なんだ」
「…専門職に頼まずに武力で対抗するつもり?」
撃退方法が物理攻撃だなんて聞いていた話とジャンルが違う。清々しいくらいの彼らしい返しにぬいぐるみが転がっていった。
「戦えるならさ、1度くらい戦ってみたいと思わない?」
「全然…!怖がらせた罰としてミルクティーをいれて隣に来てくれないと…私がお化けになりそう」
「りょーかい。君のために特製のミルクティーをお持ちしよう」
「ミルク多め!飲み頃で、クッキーもあって怖いから早く戻って来てくれると良いなぁ…」
「はいはい」
『怖がり』だからって悪い訳ではない。それを理由にちょっとだけ我が儘になれたりする。
#怖がり
子供の頃は怖がりだったけど
最近は何も気にしなくなった
理解できないことが怖かったんだと思う
大人になればわかることが増えていく
大抵のことは知ってることになるから
アリの行列を見るのが怖かった。
死骸に沸くウジを見るのが怖かった。
怖くて怖くて、目が離せなかった。
そんな様子を見て、周りの子たちは私のことを気味悪がった、助けてほしくてもそんなことは言い出せず、ただ一人その恐怖を堪えていた。
ある時、そんな私の手をとって連れ出してくれる男の子に出会った。
手を差し出して、そんなもの見てないで僕と遊びに行こうよと言う。
今にして思えば、君は私のことに気がついていたんだよね。
あのときの君の声は震えてた、今ならそう気づける。
私は手をとって、君に釣れられて逃げることを選んだ。
君が助けてくれたから、私は今、私でいられるんだよ。
ありがとう。
子供の頃、クラスに一人の女の子がいた。
いつもアリの行列や動物の死骸にたかるウジを見て、薄く薄く笑っていた。
怖い目だった。
みんな怖がる中、僕は彼女にそんな顔をさせたくなくて、勇気を出して手を伸ばした。
もっと楽しいことをしよう、そんなものがいない場所に行こう、そうやって連れ出していたら、いつしかそんな顔はしなくなっていた。
僕は気づいている。
あれは好きなのでも、興味があるのでもない。
いつでも踏み潰せる、好き勝手蹂躙できる、そんな気持ちを押し殺している顔だった。
怖くて怖くて仕方なくて、だからそんなことをさせないように連れ回したんだ。
今君は、僕の隣で僕たちの子供抱えて笑っている。
その子供を見る目が、今は怖い。
怖がり
私は何か挑戦しようとすると、失敗するから恥だと
思い込み、やめてしまうことが多かった。
失敗して何か得ることの大切さを知る。
これからは、失敗してもいいからたくさんの取り組み
経験したいと私は意気込んだ!
私は長い間生きていると、いつの間にか怖がりになってしまったらしい。
知らない間に、大人になっていたみたいだ。
世の理不尽に揉まれ、努力は報われず、人に虐げられ、下向いては転けて、何かが私を弱くしたみたいだ。
人に嫌われるのが、怖くなってしまった。
失敗することが、怖くなってしまった。
最悪を想定して、怖くて動けなくなってしまった。
自分の意思を伝えることが、怖くなってしまった。
私は大人になるにつれて、怖がりになってしまった。
『怖がり』
きみは怖がりだ。
後ろから驚かせばビクつき、
声を掛ければ怒ったように頬を膨らませる。
ぼくはそんなきみが可愛らしく見えて、
驚かせるのが好きだった。
だからかな、きみはそんなぼくに仕返しをしようとしたのだろう。大成功だ。
ぼくはとびきり驚いた。
きみが窓から飛び出したことに。
キミが居なくなると
不安になるんだ
またいつかみたいに
一人にされるんじゃ ないかなんて
キミを信じてない わけじゃないんだ
つけられた傷があまりに 深過ぎたんだ
優しさに触れると 怖くなるのは
その温もりがあまりに 温か過ぎたから
僕の名前を呼んで くれないか?
それだけでまた 歩ける様な気がする
僕の名前を呼んで くれないか?
君が居るから僕は 強くなれる…
怖がり屋さんだね。
私は君を抱き締めて、
ぽんぽんとやさしく背中を撫でながら、
子どものように泣きじゃくる君をあやす。
君は、こわい夢を見たと言う。
私がいなくなってしまう世界。
私がいない世界。
誰に聞いても皆、私はいなくなったと言うんだと。
「大丈夫だよ。」「私はここにいる。」
「私は君を置いて何処にも行きはしない。」
私はただ君を強く抱き締めて、涙を拭い、
そう繰り返す事しか出来ない。
…こちらの世界の方が夢だなんて言ったら、
君はどうなってしまうのだろう。
絶対に言えない。
何故、この夢の中でだけ、
また君に会えるようになったのか。
せっかく一緒に居られるのに、
どうして君と笑い合うことが出来ないのか。
…君を置いて行った罰なのかな。
どうしようもない気持ちになり、
私まで泣きたくなってくる。
「ねぇ、泣かないでよ、--。
私は君の笑った顔が好きなんだ。
だから、君の笑顔が見たいんだ。」
涙を堪えて震える声で、
祈るように君に言葉を掛け続ける。
「…夢の中では一緒に居られなくても、
私はずっと君のそばに居るから。
ずっと、君のことを見ているから。だから。」
他の誰でもない、私の大切な君の毎日を。
幸せに生きて欲しいんだ。
私と、一緒に…。
・・・--そこで目が覚めて、私の現実に帰ってきた。
目元に滲んでいた涙を拭い、身体を起こす。
私は君を置いて行った時、
君は私の事を嫌いになると思った。
嫌われてしまえばいいんだと、思っていた。
なのに。
今の私は、何を恐れている?
いつか君に忘れられてしまうことを。
もう夢の中でも会えなくなってしまうかもしれないことを。
とてもこわいと、思っている。
…怖がりなのは、私の方かも知れないな。
まだ朝の日が登り切らない、
薄暗い部屋で一人、自嘲した。
No.32『春雷』
散文 / 掌編小説
午前9時。わたしは本日二度目の眠りから覚めた。今日は珍しく早起きできたと思っていたのに、いつの間にか寝落ちてしまっていたらしい。
「えっ、うそ!」
手にしたままだった携帯を見て、思わず小さく叫んでしまった。そういえば今日は久しぶりに遠出の予定がある。寝落ちてしまったせいで、家を出なくちゃいけない時間が差し迫っていた。
携帯画面の傘マークを見て、傘を持って家を出た。準備万端。二週間ぶりの逢瀬はきっと上手く行く。そう思っていたその時、
「えっ、うそ!」
今朝と同じ台詞を口にしていたわたしの耳に、ゴロゴロと雷の音が聞こえてきて。
ああ、神様。あなたはなんて無慈悲なの。わたしが何か悪いことをしたとでも言うのでしょうか。
世界で一番雷が苦手なわたしは、足早に恋人のもとへと向かう。恋人に「怖がりだなあ」と笑ってもらう、ただそれだけのために。
お題:怖がり
✨✳️怖がり✳️✨
いつもビクビク怖がりで
誰か来ると
すぐに隠れてしまう
臆病な猫😽
人を見ると喜んで寄ってきて
すぐに膝の上にのる
人懐こい猫😽
様々な子と一緒に暮らしたけど…
怖がりな子はとても慎重で
ケンカもなければ
怪我することもなかった
怖がりは…
自分の身を守り
自分の心を守る
手段かもしれないね✨
✨☘️🩷✨
子供に留守番させて買い物に行くとき、誰がピンポンを押しても絶対に開けてはいけないといい置いて出かけた。
すると、留守中に実家の父が来てしまったのだが、ドアを開けてもらえなかったと、あとで苦笑していた。
犬が怖い。遊んで欲しいのか威嚇しているのかわからない。
怖がり
恐怖というものは、生存本能だ。
あらゆる死という恐怖に抗うための、人間という種の生存のための力だ。
だから、怖がりだと揶揄されることは、生きる力が強いということでもある。
今はそういうことにしたい。と怖がりな私は自分を肯定して生きるのだ。
怖がり
怒られてばかりだと無気力が育つ
褒められて育つと意欲的で、元気になる
それは育児も新人教育も同じなのではないだろうか
いつも怒られていると物事への意欲がなくなり、興味もやる気もだんだん無くなってくる
なぜあのコは、アイツはそんなこともできないのか、考える事ができないのか
それは貴方が怒るからです
怒りの感情は何も生まない
ネガティブな感情の渦が大きくなるばかり
もっと効率を、生産性をと言うならば褒めて育てなければならない
ずっと昔から知っていたはず
やってみせ、
言って聞かせて、
させてみせ、
ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、
耳を傾け、
承認し、
任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。
これが答えなんだと何かあるたびに学ぶ
怖がりでないひとなどいない
生まれた時は、知らない世界に産み落とされ泣いたではないか
生まれた時は、世界の愛に振れて泣いたではないか
自分がされたら嫌なことはひとにはしてはいけないと教わったではないか
己のおこないを日々、振返り共に成長していきたい。
僕には、怖がりな友達がいた。
ホラーが駄目でお化け屋敷も行かないが、この前あったら平気になっていた。
大人になったのだ。
なら、あの時、一緒にアトラクションに行きたかった。
大人になるのが遅い。
もう遊んでもあの頃のようには楽しくない。
怖がり
自分のことだ
人の目を気にする 結果を気にする
ビクビクオドオドして生きてきたのが自分
この歳になって やっと解放され始めているような気がする
でも まだまだ 気にしている
本当に自分に自信が持てない
これでいいんだ と 出来ない
みんなはみんな 自分は自分
と 簡単に割りきれれば良いのだが
残りの人生 ビクビクオドオドして生きていきたくない
自分の思ったことを 思った通りにやろう
どうせ 誰にもわからず死ぬんだ
自分は自分の人生勝手に生きても 誰も気にもしない
どこの誰かの人生なんて 自分以外はどうでもいいことだからな
ならば 好き勝手に生きよう
怖がらす 自分の残りの人生
楽しかった 頑張ったなぁ と思えるよう
生きてみよう
遮断機の下りた踏切が、私の人生のゴールになることは、残念ながらなかった。電車が通過している間、内から込み上げてくる何かに必死に耐えながら、ただ身体を強張らせただけの自分が、ひどく情けない。
こうして、あの日マグカップごと殺しきれなかった恋心を己ごと抹消する計画も、生粋の怖がりのせいで失敗に終わった。
私の胸の内の恋慕が、ドス黒く醜い呪いになりかけている。これを一体いつまで、君の前で隠していられるだろうか。君の幸せを願っていたはずなのに、君の穏やかな笑顔を見ると、今は苦しくてたまらない。君にそれをさせるのも、君がそれを向けるのも、私ではないという事実が、積み上げてきた10年を一瞬で塵にしたように思えた。こんな風に考えてしまう私の浅はかさを君が知ったら、きっともう私たちは友人でいられない。私は、それがとても怖かった。
/怖がり
怖がりさん、
母はわたしをそう呼ぶのだった。
いつも彼女のあとを歩き、
背中に隠れているわたしのことを。
怖がりさん、いらっしゃい
そう呼ばれると安心して笑った。
わたしは母に、完全に守られているのだった。
怖がりさん……
わたしは怖がりのままでも大きくなり
いつのまにか好きな人を見つけ
その人にくっついて遠い町に来たけれど、
たまに母と会ってあのやさしい声を聞くと
母のうしろに隠れてみたくなる。
わたしを優しくとじこめていた、
今やわたしよりも小さなあの背中に。