遮断機の下りた踏切が、私の人生のゴールになることは、残念ながらなかった。電車が通過している間、内から込み上げてくる何かに必死に耐えながら、ただ身体を強張らせただけの自分が、ひどく情けない。
こうして、あの日マグカップごと殺しきれなかった恋心を己ごと抹消する計画も、生粋の怖がりのせいで失敗に終わった。
私の胸の内の恋慕が、ドス黒く醜い呪いになりかけている。これを一体いつまで、君の前で隠していられるだろうか。君の幸せを願っていたはずなのに、君の穏やかな笑顔を見ると、今は苦しくてたまらない。君にそれをさせるのも、君がそれを向けるのも、私ではないという事実が、積み上げてきた10年を一瞬で塵にしたように思えた。こんな風に考えてしまう私の浅はかさを君が知ったら、きっともう私たちは友人でいられない。私は、それがとても怖かった。
3/16/2023, 10:48:17 PM