怖がり』の作文集

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怖がり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

3/16/2023, 10:37:56 PM

同じソファに座りながらテレビを見ていると、虫だったりホラーだったりが流れる時がある。

すると、「やだこわいー」と言いながら俺の背後に隠れるから、「大丈夫、怖くないよ」と優しく抱き締めるんだ。

怖がりな彼女、涙脆い彼女。

どんな彼女も皆好きで、手放す気なんか起きないよ。

俺の彼女は世界一かわいい。

だからこうして手を繋ぐ。彼女がひとりで泣かないように。


#9 怖がり

3/16/2023, 10:32:33 PM

怖がり

怖がりな私は
いつもきちんと
あなたに気持ちを
伝えられないでいる
言わなくても
わかるでしょ
なんて
言い訳だわ
愛してる

3/16/2023, 10:07:31 PM

僕は怖がりなので夜に外出するときは懐中電灯を持っていく。右手にひとつ、左手にひとつ。頭にはヘッドライトも付けていく。灯りが煌々と夜道を照らし、恐怖心は影を潜める。これで安心と思っていたら、最近妙な噂を聞いた。近所に人魂が出るというのだ。しかも人魂が目撃されたのは僕がよく通る道なのだ。怖がりな僕は夜に出歩くのをやめた。すると人魂の噂を聞かなくなった。もう大丈夫だろうと思い僕が夜に外出するようになると、また人魂の噂を聞くようになった。まるで人魂は僕を狙っているかのようだ。怖がりな僕は夜は家から一歩も出ないことに決めた。ちなみに、その人魂は三つセットで出現するらしい。

3/16/2023, 8:41:10 PM

これは、小さい頃のお話

もうすぐ目的地だというのに

私はその道を通れないでいた。

よく吠える犬が居て

どうしても怖くなって通れない。

「大丈夫?俺と一緒に行こうよ。」

そう声をかけてくれたのは

クラスの人気者の君だったね。

手を差し伸べてくれた君

私は怖がりだから震えた手を差し出したけど

笑顔で私の手を取って

私を犬から守るように歩いてくれて

心臓がバクバクした。

みんなに人気なのはそういう所なのかも

なんて思ったりした。

そんな君は今でも私を安心させてくれる。

雷が怖くて停電も怖い

こんなどうしようもない

怖がりの私を君は助けてくれた。

「ごめん。いつも」

「良いよ。助けたいじゃん好きな人のこと。」

なんてドキッとする言葉をかけてきたり

助けてくれたり

怖がりの私を安心させてくれる君が大好きだよ





─────『怖がり』

3/16/2023, 7:41:42 PM

基本は強がってるけど
実際は怖がり泣き虫
なんだかね。
我慢しなくてもいいのにね。

#怖がり

3/16/2023, 6:51:50 PM

今日は遊園地に行ってみた。
でも、僕は怖がりでジェットコースターもお化け屋敷も観覧車も乗れない。
そんなに怖がりな自分が嫌いだった。
でも今回は勇気をだして全部乗ってみた。
全部乗り終わって、、、お化け屋敷で泣いてしまった
怖くて怖くて仕方なかった。
そんな時助けてくれたのが君
ありがとう。
「いいんだよ。」
君がささやいた。

3/16/2023, 6:20:39 PM

私の旦那は、とても怖がりだ。
何かにつけてオーバーなリアクションをする
そんな彼の怖がりエピソードを紹介しようと思う、

説明した通り彼はとても怖がりで、
別の呼び方をするとそうね。「億劫」かしら
億劫な彼は人付き合いが凄く苦手で
私と仲がいいのは幼なじみだから。
所謂“腐れ縁”と言うやつだ、

そんな私たちの間には既に2人の子供がいる

1人目の子供を私が妊娠した時
初産と言うのも訳あって、凄く大変で
何度も悪阻で嘔吐する私を見て彼は
『私が死んでしまうのではないか』
『僕は1人になってしまうのではないか』
そんな事を考え妊婦の私より気を病んでしまう程だ

世間から見ると
「そんな大事な時期に頼りにならない夫なんて」と
批評されてしまうような彼だが
私は凄く大好きだ。

何故なら、そんな怖がりな彼でも
私の為なら怖がりを“克服”してしまうから、

昔…私が義両親と初めて顔合わせをした時
私達の結婚は凄く反対されていたの。

なぜって?彼の実家は古くから由緒正しい家柄で
そんな彼が“平凡な女と結婚”なんてしてしまうと
家に泥を塗ってしまうことになるからよ、

けれど彼は両親にこう言い放ったの笑

『僕は彼女と生涯を共にしたい。
彼女は僕にとって宝であり、これからそんな彼女と
夫婦になり 大切な家庭を築いていきたいと思っている。
だからこの意志は曲げない。』

なんて笑 億劫な彼からは想像も出来ない言葉よ。

この時同様で、私が1人目の子供を出産した日から
彼は億劫な姿を見せなくなったの
「また守りたいと思える大切なものが増えたから」
そう言ってたわ。

なのに彼ったら私より先に逝ってしまったの、
ふと思えば貴方と夫婦になって60年
こんな事が起きても当然かしら
怖がりな貴方が向こうで怯えてしまわぬように
私も今、貴方の元へ向かいます_____

3/16/2023, 6:04:05 PM

そばにいてほしくて、ずっと自分を装っていたけど、君がいなくても案外生きていける事に気づいたよ。

3/16/2023, 5:40:28 PM

(怖がり)

私 ヒトが怖い

私と同じ種族! 私のように思考してる!

私が何か考えてる時 何億という人も何か考えてる

虫が溢れ返るような怖さがある

私もその怖い物の一つと考えるとさらに怖く感じる

だけど寝たらこの怖がりな考えも忘れて
いつものように過ごすのだろうね 怖い

3/16/2023, 5:21:36 PM

『あのさ』

こう自分から切り出したのに

《好きな人いる?》


この言葉が言えなくて、いつも話を逸らしてしまう。




俺は怖がりだ。

…ずっとずっと片想いしてるのに、怖くて告白すらできない。


どうか両想いであってほしい。

ずっと好きなんだ。

3/16/2023, 5:09:25 PM

「怖がり」


「先輩!」
「なんだ?」
「先輩ってどこの大学志望ですか?」
「なんだ急に?」
「だって、一緒の大学行きたいじゃないですか」
「まぁそうだけど…」
「えっ先輩素直ですね!そんなに私と一緒にいたいんですか?」
「悪いかよ…」
「いや、悪くないですけど…素直すぎて怖いというか…
恥ずかしいというか…素直な先輩も可愛いというか…」
「なんだよそれ、てか一緒の大学は行きたいが、お前のやりたい事とかで大学決めたほうがいいぞ」
「それなら大丈夫です!私のやりたい事をするために一緒の大学行くんで!」
「俺の志望大学知らないのに、そんでお前のやりたい事って何なんだ?」
「それ聞いちゃいます?」
「自分で振っといて、言いたいんだろ?なんだよ?」
「先輩のお嫁さんです!」
「なっお前なぁ…」
「酷いです先輩!私のことは遊びなんですか?」
「いやそうじゃなくてだな、お前と以外考えたこともないしそうなりたいと思ってるけど…それ今言うか?」
「…」
「何照れてんだよ!」
「照れてないですよ!」
「あーそうかよ」

    
    「星が溢れる」


自分の気持ち
それは分かっているようで分からない。
些細なことで揺れ動くし、ましてや恋心となれば尚更だ。
彼女の気持ち、自分の気持ちを素直に受け入れた途端どう彼女と接していいか分からなくなっていた。

お互い同じことを考えていたのか同時に言葉が出た。
公園のベンチに座り彼女のために買っていたジュースを渡した。
彼女の気持ちを…
どうしてこんな俺を?確かめたかった…もう一度…
卑怯だな俺は…

そんな俺には勿体ないくらい彼女は真っ直ぐで素直に自分の気持ちを伝えて来た。
俺はそんな彼女を見ていることができなかった。自分が情けなくて恥ずかしくて…でも同時に嬉しかった…

「ごめん…」
「えっ…そう…ですか…」
彼女から涙が溢れ出す。
「すいません!私…帰りますね…」
立ち上がろうとした彼女の手を俺は慌てて引き止めた。
「あの先輩?離してください…」
「ごめん、いやそういうごめんじゃなくて…」
抑えていた感情が溢れ出した。涙が止まらなかった。
「お前のこと今まで遠ざけてたこと、お前の気持ち薄々知っていたのに…さっきも今も…また…ごめんな…」
「こんな俺でほんとにいいのか?…」
「先輩がいいんです!先輩じゃないと駄目なんです!」
彼女もまた、涙が溢れ出している。
「こんな俺を好きになってくれてありがとな…」
「俺もお前のこと大好きだ…」
「先輩…もう…遅いですよ…」
俺は立ち上がり彼女をおもいっきり抱きしめた。
「俺…相当めんどくさいぞ」
「知ってます」
「女の気持ち全然分からんし」
「それも知ってます」
「コミュ力もゼロだし」
「私が補うから大丈夫です」
「あと…」
「全部全部!先輩の全部が好きだから大丈夫です!」
「変わってるはお前…」
「先輩に言われたくないです…」

陽ももすっかり落ち少し肌寒い公園で
お互い温もりを確かめ合うよう強く抱きしめあった。
頭上には幾千の星が輝いていた…
その一つ一つが幾千の想いであるかのように…



    「安らかな瞳」


「俺も…お前が好きだよ…」

無意識に出た言葉だった。
慌てて寝たふりをする…
あいつの泣いている声が微かに聞こえてくる…

誰ももう近づけないと決めたのに…
あいつは…そんなことお構いなしに近づいて来る。
でもあいつはあいつで、不安でいっぱいで怖かったのだと今なら分かる。
近づくことで傷付く自分。
遠ざけることで傷付く相手。
結局俺がやっていたことは自分勝手で、自分も相手も誰も何も得るもののないことだったんだ…

抱きついてきたあいつを俺は、素直に受け入れることができた。
俺はこいつのこと…

どれくらい抱き合っていただろう
暫くして落ち着いた彼女の瞳は、とても優しく安らかなものだった。

3/16/2023, 4:42:01 PM

…ここ数日、この島は酷い嵐に見舞われた。私は小屋や漂流物を守りきるので精一杯だった。吹き荒れる風は、まるで私を、執拗に外へ誘おうとするようにして、窓を激しく揺すった。波は何度もこちらへ向かって手招きをした。

その様子は、むしろ強い歓喜に狂っているようだった。それに共鳴するように、私は外に躍り出た。そして両手を広げて風を感じた。大いなる恐怖でいっぱいだった。しかし、狂喜がそれにまとわりついていた。

嵐が去った海岸からは、いくつかの漂流物が消えていた。とりわけショックだったのは、空の工具入れ、ポピーの柄のついた洗面器、牛革のブックカバーなど、お気に入りの漂流物の一部が出しっぱなしになっていたために、波に奪われたらしいことだった。

嵐が去った後にも、まだ心臓のドギマギが、海岸に残り続けていた。嵐のおかげで、私のボトルメールは停滞した。それどころではなかった。本能的に、嵐の驚異から夢中で身を守ろうとしていた。

やっと心臓が波打ち際を離れて私の元に落ち着いたとき、私はふと思った。

「私は一体いつまで生き続けるつもりなんだ?」

いや、そもそも、私に寿命の概念があるのだろうか?気づいたらここに居た。名前も出生も何一つ分からない。あるのは僅かな蔵書の知識のみ。

「私は何者だ?」
そう問いかけた瞬間、左腕が焼けるように傷んだ。いや、違う。この痛みは。そう思って、左手の爪の全てを使って、右腕を思い切りつねった。

―やっぱり、この痛みだ。久々に感じた。以前、まだ文章を綴る意思がなかった時代、この痛みは毎日私を苦しめた。反面この痛みこそが「生きている」なのかもしれないとすら思ったことがあった。

不意に、生きているのが怖くなった。嵐を目の前にした時の恐怖が、そのまま私を埋めつくした。やがて重みで立てなくなり、膝をついた。

ふと、壁際の額縁に閉じ込められた手紙が目に入った。私が文章を書くきっかけになった、知らない誰かさんの遺書である。その最後の文言はこうだった。

「せめて、自分の意志で死にたいのです」

私は、死ねるのだろうか?このまま永久に何者かに生かされるのでは無いのだろうか?なぜだかそんな疑問形が脳を回り始めた。

―そして、その回転の渦によって、かつて戯れに立てた仮説の1つが頭の引き出しを飛び出した。
「変化を急かされる人生に疲れた神が、退屈で単調な、ある意味優美な生活を望んで作ったのが、私とこの島なのではないか」という仮説が。

なんだか急に恐ろしくなった。こういう根拠の無い怖がりは、どこから来たのだろう。私の頭のことのようで、知らない誰かの感情のように浮ついている。

こうなってしまっては、もう眠るしかないのだろう。この熱病の時のような頭痛が脳を覆ってしまう前に、しばらく睡眠を取るべきだと思う。これは、時間をスキップし、感情をリセットするには最も有効な方法だ。

3/16/2023, 4:39:35 PM

あの人が隣にいないだけで
怖くなってしまう
あの人を思い出してしまう
ダメなのに、分かってるのに
怖くて怖くて求めてしまう

3/16/2023, 4:39:31 PM

我々がGを見て絶叫して飛び上がり全てを駆逐する為にスプレーするように、奴らも我々に見つからないよう壁の隙間の見えないところを移動しているのだ。

3/16/2023, 4:21:05 PM

僕は酷く怖がりだ
そして臆病者でもある
あれやこれやと未来の事を想像しては
勝手に自身の作り出したその影に
潰され怯えてしまう事も少なくない


先日会社から『仕事を辞めるなら先にしてくれ』と
言われてしまい僕はかなり面食らった
会社側の言い分は素直に受け入れ難いもので
その上前もって辞める意向は伝えていたので
あまりのままならなさにガックリきてしまったのだ

正直今の仕事は今すぐにでも辞めたいほど苦痛で
とうとう体調に異変が出てしまった
会社に行かなくてはいけないのに身体が動かない、
というのは恐ろしい事だと身をもって知った
このまま君と生活する事も有耶無耶になってしまう様な
漠然とした不安が常に頭を埋めてしまっていた

そんな僕の内情を知ってか
君は今日開口一番に「どうしたら笑ってくれる?」と
僕に尋ねてきた
そうして僕が先の事情を話すと共感した後に
これから先の未来の話をし始めた
良い物件を見つけたよ、家具はどうしようか
そうして何度も「なんとかなるよ」と笑って言った

僕は本当に自分が愚かだと思った
今を見つめられない自分を
未来に期待できない自分を
そして同時に不思議に思った
どうしてここまで正反対な僕らを
神は巡り合わせたのだろうかと
そしてありきたりではあるが
僕は本当に怖がりで臆病なので
君と離れてしまうことが時々酷く不安になるのだ
こればっかりは「なんとかなるよ」では
片はつけられそうにないけれど
今日は久しぶりによく眠れる様な気がする

3/16/2023, 4:15:47 PM

《怖がり》
君依存症
君と電話が繋がっていないと寝れない
君からの返信がなければ何度もブロックされてないか確認する
君がいなくなるのが怖くて
君に依存してるの

3/16/2023, 4:09:13 PM

#怖がり


ビビりです

チキンです

怖いの嫌いです


怪談…

コックリさんやら心霊スポットほん怖話

ホント無いわぁ〜


暗い所…

これもダメ

暗所閉所恐怖症〜

なのでMRI検査ができません

先日も高価なMRIを壊しそうになりました

暴れて(笑) 


非常識な職場のあの人…

怖いわぁ〜 

消えちまえ!

大嫌い!


怖がりだから無理はしません

冒険もしたくないです

手の届く 目の届く範囲がいい


     激変は
       
     望んでいない
         
     怖がりだもの♡



🌈黒猫のつぶやき🌈

怖がりだから
物音には超敏感
鳥肌たってます(笑)

3/16/2023, 3:57:49 PM

怖がり

私には友達が一人いる。思考が似ていて仲がいい。その人は話し上手で誰にでも愛されている。私はあなたがいないと一人ぼっち、でも一緒にいるときとても楽しくて、でもいつかあなたも友達じゃなくなる。ずっとそうだった疎遠になって合わなくなる、この時間が楽しいはずなのに。苦しいあなたがいなくなるのが怖い

3/16/2023, 3:47:23 PM

怖がりなキミはホラー映画が苦手だ。
注射器で血を抜かれる様を見るのも苦手。
なのにB級映画のスプラッターとか、そういうのは平気らしい。
正直ちょっとツボが分からない。
まあでも、怖い時僕の腕に縋るのは可愛いかなぁ。

怖がり

3/16/2023, 3:43:49 PM

怖がり

「私、怖いんだ」
彼女がそういったのは一体いつ頃のことだっただろうか。
なんてことのない日、いつもどおり僕の家でどうせ見やしないテレビをつけて、特に理由もなくソファに互いに身を寄せてスマホをいじっていたあの夜。
僕が「なにが?」とスマホから目を離さずに言った僕に、彼女はスマホに目を向けたまま静かにこういった。
「人って死んだらどこに行くんだろうね」
その時、僕は彼女のそんな言葉に少しどきりとした。
死、そんなものを考えたことをいちどでもあっただろうか。僕はまだ大学生だった。死なんて言葉に実感なんてものはなかったんだ。
自分の遠くにある、自らが手を伸ばすことがあっても到底届くようなものではないもの。そんな認識だった。実際、高校の頃に見た戦争の映画なんかや少し前にあった親戚の葬式なんかでも死を実感することなんてできやしなかったんだ。
だから僕は、
「さあね、地獄か…天国にでも行くんじゃない?」
なんて、適当なことを彼女に言った。
「ふふ、そうだね。私は天国に、いけるかなぁ」
彼女はスマホをいじる手を止めて天井へと目線を移した。
その時、彼女の声が少し震えていたことに気がつけば何かが変わったのだろうか。
「自分が天国に行けないようなことをしていると思ってるの?」
話の核が見えなくて、少し声に苛つきを持たせてしまった。
「ううん、ちっとも」
彼女はこの話を始めてから一度もこちらを向いてはいなかった。
「じゃあ、なんで?」
「これから、するかもしれないだろう? …私はずっと怖いんだ、死ぬのが。ここのところ良く考えるんだ。ずっと、ずっと、ずっと考えている」
その時の彼女の声は、到底死を怖がってるような声には聞こえなかった。何かを、何か重要なことを抱えて覚悟を決めた人間の声だった。
僕は、愚かにもそんな彼女の異変に気がつくことができなかったんだ。
「そんなもの考えるだけ無駄だ」
だから僕は彼女にこんな言葉を吐いてしまったんだ。
「君は、そのままでいいよ。そのままでいてね」
彼女はこの言葉を最後に、もうなにも言わなかった。

その次の日から彼女のいない生活が始まった。


彼女に会えたのは半年後のことだった。
「なあ、どうしてだ? どうして僕に何も言わなかった? それに何なんだの手紙。他に好きな人ができたから別れようって、何を考えているんだ?」
彼女の居場所をようやくのことで突き止めた。そこに入ってすぐ、出てきたのは久々の再開を確認する言葉でも、愛の言葉でもなかった。
彼女はある病院の一室にいた。あの時よりも遥かに痩せ細り、弱々しくなった彼女がそこにいた。
呼吸器をつけている彼女は儚くて、息も絶え絶えで、今まで僕の頭になかったものが一気に頭を駆け巡った。
「ああ…来て、しまった、か」
弱々しく、生気のない声で彼女は言った。
僕は彼女に一目散に駆け寄った。
「なあ、どうしてそんな姿なんだ? それにこの手紙、何なんだ? なあ、死ぬのか? まさか死ぬなんて、言わない…よな?」
久々に見た彼女の姿と、いままで言いたかったことがグチャグチャになって口から出ていった。
「ははは。君の…そこまで焦っている、姿を見るのは初めて、だな」
彼女はこんな状況でものんきにそんなことをいった。まるでいつもどおりの日常の会話のように。
爆破無意識に自分の頭をガシガシとかく。
「そんなことどうでもいいだろ。なあ、質問に答えてくれよ。なんでそんな姿なんだ?」
「ははは…。その癖もあい、変わらず…だな。…そうだな、まず、手紙のことだが…。君に別れを告げよう、と思ったんだが、君は、強情だからな…簡単には、別れられないと思って、手紙を、書いたんだ」
「それで僕を納得させるためのいい訳が他に好きな男ができた、か。なあ、本当にこんなもので僕が納得できると思ってたのか?」
僕がそう言うと彼女はくぼんだ目を細めて笑いながら、でも少し泣きそうな顔をしながら
「君なら、そういうと、思ったよ。だから、夜逃げを、したんだ。…問い詰め、られたら、ボロが出てしまう気がしてね…」
「なんでだ…、本当のことを言えばよかったじゃないか。なんでわざわざこんなことを…」
「君に、死に目を見せたくなかったんだ」
彼女の僕を見る目が変わった。何かを慈しむような優しい目。
「君には…死を、感じてほしくなかった。未来…と、いう名を…持つ、君には、ね…。死という概念を…感じさせない、そんな君を変えたくは…なかったんだ」
「なんだよ、それ…。じゃあお前は僕に、愛している人の死に目を見せないつもりだったていうのか!?…そんなのあんまりだ」
彼女のくぼんだその目が、少しだけ見開いた。
「愛…している、か。死ぬ前に…君から…そんな言葉が、聞けるとは、ね」
「死ぬ前って、そんな事言うなよ…。せっかく、たどり着けたのに」
僕のその言葉を聞いた瞬間彼女の、肉のない、骨と皮だけの腕が少しだけ動いた。
「ああ…もう、君の頭を、撫でることも…できないのか」
僕は反射的に彼女の手を握った。手はほんのりと暖かくて、でも、普通に生きている人間の体温ではなくて、彼女の死が刻々と近づいているのがわかってしまった。
目に水がたまる。
「ああ、泣かないで…くれ。…本当は、言うつもりは、なかった、んだけど、ね。……こわ、かったんだ。死ぬ、のが。君、と離れるの、が」
『怖い』という言葉を彼女がこぼしたのはたったの二回目だ。
「君が、死ぬ、直前まで、いると、生きたい、と思ってしまうんだ。でも、そんな、思いを持ち、ながら死ぬのは、いやでね。君が、いない場で静かに死ぬ方が…マシだと思ったんだ。
君が、最後まで…私のそばで悲しんで、るところを想像すると…どうしても耐えられなくて」
僕は彼女の吐く初めての弱音に何も言うことができなかった。彼女はもっと強い人だと思ってた。死なんてものは彼女の前ではなんてことのないもので、彼女に関連のないものだと、思っていたんだ。
「以外だ、と思っている…の、かな? はは、は…どうやら、私の猫かぶり、は最後まで…成功していたよう、だな…」
「猫かぶりってなんの…」
「私は、ね…君が思って、いる…何十倍も…怖がりな、弱い…人間なんだ、よ。だから…死、なんてものは特に…怖かったんだ…。悪かった、ね…君のことを、今まで騙して、いて…。
君は…私の芯のある、ところが…好きだったの、だろう?」
こんな時なのにも関わらず、彼女は僕心配をしていた。
「そんなこと、どうだっていい …。どうだっていいから…!」
だから…と、僕が続けようとしたところで、彼女は言葉を紡いだ。
「なあ…君、は…私、が怖が、りでも…愛して…くれた、か?」
そんなの…そんなこと、
「当たり前だろ…!そんなこと、だって、だって僕は…」
「そうか、なら…いい、さ」
ピッ………ピッ………ピッ…………
僕が来た時から、いや来る前からずっと規則的になり続けている心電図の音がやけに頭に響いた。嫌な予感が、頭をよぎった。
「ああ、もう…そろそろ、だめかも、ね。…君の、家に…唯一、置いて、いった…物があるんだ。探して、みて…くれ」
彼女はそれだけいうと一度だけ、少しの間だけ目を閉じると
「…最後に、顔を見せておくれ」
彼女は優しく柔和な笑みを浮かべた。僕は何も言わずに顔を彼女に近づけた。僕はもう、何も言わなかった。何も言えなかった。
ただただ、何も言えない口に変わって涙がこぼれ落ちた。
涙は彼女の人工呼吸器と、顔をつたる。
「ああ…、死に、たくない、なぁ…。君が、来る前…は覚悟が、できていた…はず、なの、に。ああ、死にたくない。死に、たくないよ。まだ、君といたかった。君と、君と…。
なあ、未来…君を、君を、私は…本当に…_____」
ピーピーピーピーッ
彼女が、死んだ。
無機質なその音が彼女の死を告げていた。僕は彼女の顔を見ることができなかった。
シーツに滲みている涙が、彼女のものか、僕のものなのか、それは誰にもわからなかった。


チリン…チリン…
鈴が僕の歩くテンポに合わせて鳴る。
彼女の残したものとは鈴だった。小さな小さな、それでもどこか存在感を放つ、したたかな鈴だった。『必ず、いつでも持ち歩くものにつけるように!』という彼女の残し手紙の言う通り、
スマホにつけて持ち歩いている。そのせいで、どこに行こうともこの鈴はチリン…チリン…と規則的なリズムを刻んで僕についてくる。
彼女は本当に怖がりだった。怖がりな人間だった。僕は、それに最後まで気が付かなかった。いや、気がつくことをしようとしなかった。きっと僕も怖がりだった。死ということを僕は僕の奥底できっと恐怖していた。
だから、僕は彼女を忘れない。僕に死を教えた彼女を、最後にこんなものを残していく怖がりな彼女を僕は忘れない。忘れることはできないだろう。
死を教わった僕もまた、怖がりになってしまったのだから。

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