『怖がり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夢にまで見たよ
あの人は独特な目をしていた
嫌だと感じた
でも逃げられなかったんだ
夢が覚めて現実でもたまに感じる
不快な視線
時々目が合うんだ
私はすぐに逸らしてしまう
見てしまったことを後悔する
どうして怖さを覚えるのか分からない
次は無理にでも見つめてみようか
怖がりな自分を一旦休ませようか...
多分できないよな
これは私が怖がりだからじゃない
生物としての危機感だ
これはきっと向き合うべき問題じゃない
#怖がり
怖がり
いつも通り
口をついて出る謝罪の言葉
責めないで。
先回りして顔色を伺う
しらみ潰しに落ち度を消して
「俺のせいじゃない」
逃げの姿勢を取り繕う
何も言えずに黙り込んで
ついに見つかってしまった
ついに悟られてしまった
「この程度?」
「ごめんなさい」
......!
背中に服が張り付く、嫌な感覚で目が覚めた
またあの夢だ。
今日も変わらず、怯えて生きていく。
怖がり、なのかもしれない。
怖がり、ではないのかもしれない。
何が怖い?
ああ、私
置いてきぼりが怖いのよ。
皆と同じ位置に居たいのよ。
嘲笑ってくださいな。
怖がりめ、と。
全米中が泣いた。そんな宣伝を掲げた映画が来月に公開するから、一緒に観に行こうと友人から誘われた。チケット代は奢るからという誘い文句に、まあいいかとよく考えもせずに了承し、迎えた約束の日。
「・・・・・・この嘘つきめ!!」
当日映画館に足を運んだ僕は、映画鑑賞を終えた後、すぐさま友人へとクレームを入れる。
「嘘はついてない。全米中が泣くほどの良作だっただろ?」
「ああいうのは泣くとは言わない。泣き叫ぶって言うんだよ!」
嵌められた。完全に罠だった。
いっそ過去に戻れるなら今すぐ自分の行動を止めてやりたい。いやむしろこの隣を歩く友人を亡き者にしてやりたい。
映画館に来るやいなや僕は友人からチケットを渡され、あと5分で始まるからと急かされ、何が何だかわからないまま席に通された。
劇場は満員とまではいかないまでもけっこう混んでいて、やはり話題になっている作品なんだなと、ぼんやりと考えているうちに上映が始まった。
「でもお前、最後まで観たじゃん」
「立てなかったんだよ。腰が抜けたんだよ。察しろよ、そんくらい!」
何と僕が見せられた映画は、僕が大っっっ嫌いなジャンルであるホラー映画だった。
僕は大の怖がりなのだ。ホラーなんてもってのほかだというのに、こいつは何で僕を誘ってきやがったのか。嫌がらせかよ。
「ほら、よく言わない? 自分よりも怖がっている奴が隣にいると、逆に自分の恐怖は冷めるって。俺もそこまでホラー得意な方じゃないからさ、お前がいれば安心かなって・・・・・・」
「ぶっ殺すぞ!」
僕が吐いた物騒な言葉に、友人が愉快そうにケラケラと笑う。その友人の顔を恨みがましく睨み付けていると、僕は後ろから突然肩を叩かれた。
「君、大丈夫?」
振り返るとそこにいたのは、劇場の警備員らしき格好をした中年の男性だった。
僕は彼の問うた質問の意味が分からず首を傾げる。僕の反応に警備員の男性は何を思ったのか、僕と友人の間に割り込み、何故か僕を背にした状態で友人と真正面から向き合った。
「何をしているんだ君。こんな真面目そうな子を捕まえて・・・・・・」
警備員の人からの会話に疑問符が浮かぶ僕をよそに、友人は何かを察知したのか、とても面倒くさそうな顔つきになった。
「映画を観に来たに決まってんだろ。ここをどこだと思ってるんだよ、おっさん!」
「・・・・・・! 何だその口の訊き方は。しかも君はさっきこの少年に向かって、ぶっ殺すだの何だのと言っていただろう」
「・・・・・・いや、あれ、俺じゃねーし」
「君じゃなければ他に誰が言ったというんだね」
「あ、それ僕です」
本当のことなので、迷わず手を挙げる。警備員の男性が、呆気に取られたような表情になって固まった。さっきからこの人は、いったい何をしたいんだろうか。
「・・・・・・あー、そうか。君が、言ったのか」
「はい」
「えっと、それは・・・・・・、彼に無理矢理に脅されて?」
「脅される? いえ、僕がそこにいる友人に向けての、紛れもない本心です」
「いや、無理矢理にぶっ殺すって言わすかよ。むしろ殺意を本心として向けられてる俺のほうが、この場合脅されてね?」
僕らの間に挟まれた警備員は、僕と友人をそれぞれ交互に見つめると、はははと小さな笑いを立ててどこかにいなくなった。
「何だったんだろう、あの人?」
「さあ?」
友人が大げさに両肩を竦めた。友人の耳についている銀色の三連ピアスが重そうに揺れる。
「どうせ暇だったんだろうさ」
金髪に染めたモヒカンヘアーをがしがしと掻いて、「それより何か食いに行こうぜ、腹減った」とぼやいた友人を、僕は掛けていたメガネを上げる振りをして、鋭く睨めつける。
「おい、チケット代だけじゃ、僕の被った被害の足しにならない。昼飯も奢れよ」
「へー、へー、わかりましたよ。まったくお前は根に持つタイプだな。そんなんじゃあ、女の子にモテないぞ」
「馬鹿を言うな。僕は女子と話すのが何よりも怖いんだ」
本当にこいつと来たら、恐ろしいことばかり言う。僕よりも身長が高くて、体格もいいからって、何でも許して貰えると思うなよ。
「お前さぁ、何だったら怖くないんだよ」
「知らん。この世にあるもの、全てが恐怖になり得る対象だ」
「じゃあ、俺は?」
「何でお前が怖いんだよ?」
友人の意味の分からない問い掛けに、僕は眉を顰めた。
「お前は怖がりなくせに、怖いもの知らずだもんな」
友人は何故か楽しげな笑顔を覗かせて、僕の隣でポケットから取り出したスマホをいじり始める。
「おい、日本語おかしいぞ、それ」
僕はやっぱり文句を言いつつも、昼飯は何を奢ってくれるんだろうと、ひそかに胸を踊らせた。
【怖がり】
なぁ、と少し大袈裟に呼べば跳ねる華奢な肩
こっち、と少し強引に手を引けば控えめに握り返される小さな手
全部、全部俺のものにしたいって思ってるなんて
そんなこと
(怖がり)
怖がりな僕は
全てを遮断し
この世界から
飛び立つのだ
怖がりのキミのために
暗闇には優しく灯す蝋燭を
静寂にはゆっくりと流れる水の音を
空を掴むその手には
暖かいボクの手を
だから、ほら
重い瞼を閉じて、、、
目覚めた時には
光の世界に包まれるから
みんな悩み不安を抱きながら
生きている
みんな将来不安なんだ
そういう意味ではみんな怖がりだ
だから怖がりながらでいいから
昨日よりも1歩前に進もう
怖がりだからできることもある
怖がりだから誰よりも考える
その考える時間が
そのうち将来を生きるための大きなカギになるから
怖がり
わたしは怖がりなんだ
自分を守ってくれるものをなくすのが
すごく怖いんだ
私、あの鳥が怖い。
だって、すっごく鋭い目つきしているんだもん。
まるで射殺すんじゃないかってくらいに。
私、あの肉食動物も怖い。
だって、すっごく強くて食べ方もワイルドなんだもん。
まるで噛み殺すんじゃないかってくらいに。
私、あの人も怖い。
だって、平気な顔して酷くいじめてくるんだもん。
まるで人間じゃないと思っているくらいに。
私、この世界が怖い。
だって、日々絶えず戦争が起きているんだもん。
小さなものから大きなものまで。
怖いよ、怖いよ……
私の居場所はどこにもないよ……
〜怖がり〜
私はとても怖がりだ。
特に暗い空がとてもとても怖くて、夜は外に出られないほどだった。
みんな大袈裟だと笑うけれど、それには理由があった。
私が小学生の頃、山奥を友達と歩いていた時。
友達とはぐれてしまった。山を必死に探していると、後ろから足を引っ張られ、山をずるずると落ちていった。
目を覚ますと、祖父母の家でみんなに囲まれていた。
これがなんで暗い空が怖いのかは、
友達を思い出してしまうからだ。
彼女のなにもかも受け入れる性格、どこを見ても「綺麗」の一言しか出ない髪に、睫毛に、顔。それを思い出してしまう。
暗い空が、私を責めたてるみたいで。
彼女の黒い髪で、空を真っ暗に包み込んでるみたいで。
怖がり
高いところが怖い
虫が怖い
怒ったお母さんが怖い
怪我するのが怖い
病気になるのが怖い
笑われるのが怖い
叱られるのが怖い
見放されるのが怖い
嫌われるのが怖い
生きるのが怖い
私は怖がりです。ビビりです
怖くなって踏み出せなかったこと、掴めなかったものばかり。石橋も叩いて壊します。壊れた橋は数知れず
後悔はいっぱい。あぁしていたら、こうしていれば。タラレバだらけ
でもやっぱり怖いものは怖い。何にしたって踏み込むのはリスクが付き物だから。いつか死は来るけど、とりあえず生きていたいから。とりあえず傷は少なく生きていたい。そう考えたって、いいじゃないか
今こうして生きてるのだって、あの時の怖がりのおかげかもしれないんだから
泣かなくなってから、泣きたくなる夜が増えたの。
嫌いになってから、好かれたいって強く思うの。
怖い映画は見たがるくせに、見た後に怖くなってトイレや風呂に行けなくなる。
そしてそれがまさに今だということ。もしかして今日が命日ですか?
「怖がり」
怖がりなことは隠してる
平気な顔をして
強くありたいと、いつも身構えている。
私は強くありたい。
そう心で願ってる…
何かに怖がっていたら
生きていけなかった。
そのくらい子どもの頃から
ずっと1人だった。
オバケは亡くなった母だから怖くないし
怖いことがあっても母が自分を守ってくれる。
思い込みながら今日まで生きてきた…
テーマ「怖がり」
今夜は風が強い
あちこちで窓や扉が軋んでいる
まるで鍵でも掛け忘れていないかと
ためしてまわっているかのよう
どうしたら僕らの不安は消え去るだろうか
良いことより嫌なことのほうが記憶に残りやすいね
同じように悪い未来のほうが想像に容易くて
いっそ石橋は叩き壊してしまおうか
あらゆる出入り口にバリケードを築こう
ありったけのお気に入りを缶詰めにして
地下のシェルターに籠もってしまおう
寂しくなったら詩や小説や日記を贈り合おう
一方通行でもいいから
そうして僕らは夜風を忘れてぐっすり眠るんだ
隕石でも降って来て
世界が滅ろぶ朝を待ちながら
『怖がり』
怖がり
明るい性格のほうが良いに決まっている。怖がりの性格は隠している。でも物事に慎重になるときその性格が現れる。人間、失敗を重ねると弱気になる。まわりから疎まれても仕方がない。よく考えて行動するようにしている。だからいろいろ考える。ソクラテスの妻は悪妻だったいう。だから哲学者になれたのだと。確かにまわりの環境が自分自身を作っている。環境を変えない限り自分を変えることは出来ないと思う。
ある日の出来事。私は仕事を終え、家路についた。とても身体が重い。早く帰って寝ようと思った。布団にはいって目を閉じた。でも眠れない。明日も仕事がある。行きたくないと思った。でもそれではいけないと自分にいいきかせる。明日も頑張らねば。みんな頑張っている。これはプロジェクトなのだ。何が起こるかわからなない。プロジェクトX。
怖がり
自分は人が怖い。
いじめにあったり、笑われたり、虐待されたり、性虐待にあったり。とにかく人は自分にとって、全員が加害者だった。
それは大げさに周りの人間がそう見えていただけなのだろうか?
自分にとって怖くない相手など一人もいない。それは今もそうだ。人がいる限りこの世界は安全ではなく、凶器で満ちている。
すれ違うだけの人だって、怒ったり、文句をいったり、睨んだり、人に危害を加えるじゃないか。
人とは、そういうものなのだと、小さい頃から学んできた。
子どもであろうと、大人であろうと。悪意の塊なのだ、と。
でも、そんな人たちだって、自分は正義のつもりなんだ。大切な人に対しては、あふれんばかりに優しいんだ。
聖書にも書いてあるじゃないか。
「自分のことを愛してくれる者を愛したからと言って、なんということがあろうか。悪しき者ですらそれをするのだ」
ああ、なんてその通りなのだろう。
みんなが悪意の塊。
みんなが悪しき者。
そう見えるこの世界で愛があるなら、その悪の中に混じっているんだ…。
人を怖がり、生きることを怖がりながら、愛をつかもうとするなら、悪の中に手を差し入れなければならないんだ。その中から、見つけ出さなければならないんだ。
なんて恐ろしいことかと思う。
人が怖い。
生きるのが怖い。
もう傷つきたくない。
…傷つかなくてすむなら、愛なんていらないや…。
諦めたい。
人を。
生きることを。
愛を。
諦めたい。
こんな怖がりな自分に、愛を見つける資格なんてあるのだろうか?
テーマ“怖がり”
「君は怖がりだから、僕が付いていないといけないね」
って言った幼馴染は、いつの間にか
私を放っておいて、他の人とばかり、仲良くしていた。
私は独り、人が怖い。
話し掛けると「変な声」って笑われるから。
頑張って話しかけてでも、君以外の友人を作らなければいけなかったのは、分かるけど
それでも、笑われるのは怖くて、辛くて、悲しくて、痛くて…
でも一番は、いつも微笑んでいてくれた貴方が、私に一切話しかけてくれなくなったことが苦しかった。
だからね…
怖がりな私は、誰もが本来なら一番怖いであろう方法を取ることにしたよ。
ごめんね。
ばいばい。
怖がりな私の、最後の強がり。
(フィクションです。)