『快晴』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
快晴
窓を開けると入ってくる暖かい春風。
桜はもう散ってしまうけど散り際まで美しい。私も散り際まで美しくいたい。
誰かに醜いと思われても貴方だけには美しいと言って貰いたい。あの快晴の日と変わらない笑顔で。
快晴
昨日の土砂降りの雨から一転。
カーテンの隙間から見えた光に吸い寄せられるように窓を開けば、思わず目を細めてしまうほどの青い空だった。
昨日は先輩に告白して振られた。
彼女、やっぱりいたみたい。
そりゃ、そうだよね、かっこいいし。
当たり前かと自分に言い聞かせる。
泣き腫らした瞳に、この青い世界は清々しすぎた。
もう少し感傷に浸りたいのに、どうも世界はそうさせてくれないらしい。
食い気だけはあったらしく、朝ごはんはそれなりに食べた。現金なもんである。
玄関を開けると、タイミング良いのか悪いのか、幼なじみと目があった。
私の赤くなっているであろう目をじっと見て、
『あんぱん食うか?』と言ってきた。
先程、朝ごはんを食べた癖に、手があんぱんを欲しがっていた。
失恋で費えた疲労を回復しようとしているのかもしれない。
久しぶりに幼馴染みと一緒に歩いた気がする。
必要以上に話さない、その優しさがありがたかった。
不意に『オレにしとけば』と言われた。
『オレにしとけば』とは?と喉元から出かかった言葉を飲み込んだ。
唐突な告白に私は混乱したが、それでも幼馴染みだから、何となく好意があることは知っていた。
『……いいかも』
吐息と共に言葉を返した。
透き通った青い空を見ていたら、悪くないと考えたからだ。
快晴_____
背景は大事だね。
桜の木の下、勝手に考えた。
ひらりと舞った花びらと、個体によっては葉が出できた桜並木。
帰路につけばすぐに目に入る。
綺麗に舞った花びらはずっと見つめていたくなる。
そんな桜たちを見つめていた。
でもなんだか少しくすんでみえる。
視線を遠くに変えてみれば広がっている曇天。
このせいでくすんでみえたのかな、なんて。
これがもし快晴だったら。
どれだけ爽やかだっただろう。
どれだけ心地よかっただろう。
どれだけ輝いてみえただろう。
真っ白なキャンバスに、透明感溢れる空色に乗せられた桜色を想像すると幸福感に心を満たされる。
この曇天を晴天に変えるだけでこんなにも幸福感がちがうなんて。
桜に寄り添う快晴。
私に寄り添う曇天。
< my >
2024 4/13(土)
雲が、青色を譲ってくれた今日の空。
そんな快晴の空に唯一、
穏やかに一本の飛行機雲が浮いている。
こんな気持ちのいい日には、ひと夏の恋を探しに行こう。
行き先はまだ決まっていない。
#7 快晴
快晴
快晴ってさ雲一つもないよね
私の心が雲快晴になればいいのにな
櫻の散り際の見事な花吹雪。
この散り際の美しさに敵う花など無いように、私は思う。
それほどまでに、美しい。
そして、その美しさには、晴れ渡る青い空が欠かせない。
晴れ渡る春の空があってこそ、櫻の花吹雪は美しさは際立つように感じた。
快晴の空の色が好きだ。
あの水色は、遥か遠い空の果てがすぐ近くにあるように感じさせる。雲で覆われているよりずっと、空に蓋をされているように見えるのだ。
閉ざされた箱庭が何だか心地良い。
街の喧騒を抜け出して
静かな住宅地を歩く
緩やかな勾配の坂を登り
春にしては暖かすぎる陽気に
じわりと汗が滲む
途中の公園の藤棚の下で
木陰に吹く風の爽やかさを感じながら
慣れない靴で傷ついた踵を気にしてる
約束の時間まではまだもう少し
貴方の家に着いたなら
貴方にあったならば
まずはなんて話そうか
そう考える私の頭上を
熊蜂が飛び交っていく
今日は快晴
桜がまだ少し残る
卯月のころ
お題:快晴
#34【快晴】
初めて見ました。
これが快晴というものなのですね。
……
やっと、やっとこの日が来ました。
……
この淀んだ歴史に、幕を下ろすことが出来るのです
だからマスター
……
……………………………………………………………………………………………………………………………………
応答、してください。
あの日の答えを聞かせてください。
私の心は、いつ晴れますか?
※閲覧注意※
軽率なクロスオーバーとIF歴史。
モブちゃん2号。活きが良い方。
好戦的な野生児。
神様は容量が大きいので、人間2人分に分けたよ。
《快晴》
「見るべきものは、見た―――。」
退去と覚悟が決まった、その合図。
水面を揺らして、海底へと堕ちていく体躯。
沈むための細工を施したのは、絢爛な死装束。
「あんな派手な死装束じゃ、地獄の門番も黙ってないよな。」
黄泉路でも、きっと華々しく大立ち回りして、獄卒たちと喧嘩三昧だろうなぁと、苦笑いする。
「さぁて。こちらも、お役御免かな。」
元現代っ子としては、切腹とか自害とか怖すぎるので、海には入るけど!
「ドザエモンも、ホントはヤなんだけどなぁ…。」
他人を傷付けるのも、苦しいのも痛いのも本当はイヤでイヤで堪らなかった。
でも、生きる為には仕方がないと、ストンと納得してしまった。
「グレちまったなぁ…。ちゃんと生きて行けるのかね、あっちで。」
真っ当に生きる自信がなくなった、なんて家族がひっくり返る未来しか浮かばない。
「うへぇ、何でこのタイミングで思い至るワケ?だー!何が何でも帰ってやるぞ、コンチクショウ!」
手当たり次第、近くにいた可哀想な敵方の雑兵の首根っこを掴んで、海の中に飛び込んだ。
まだ生きていたい雑兵達は、自分を足蹴にして海面へ戻って行った。
(これで、ホントに戻れんの?)
沈んでいくのを感じながら、一抹の不安が過ぎる。
(おーい、龍神様やー?ちょ、マジで死ぬんだが??)
死ぬ判定が必要なやつか?これは。
『ふぁあ、おはよう。世話になった。ありがとう。私は、空へ還ろう。息災でな。』
のんびりとした声が響いて、鈴の音が鳴り響いた。
美しいせせらぎの音から、水面を藻搔く繁雑な五月蝿い音に変わり、溺れる様な感覚から、陸へ打ち上げられた魚の様に意識が衝撃を以て浮上した。
「大丈夫ですか?聴こえますか?」
救出されたばかりの溺れかかった体が、酸素を欲しがってはくはくと口元を揺らす。
(溺れ死んだかと思った。…生きてる?)
声にならない声。周りが思ったよりも五月蝿くて、掻き消されそうだ。
「どうしました?声が聴こえますか?」
こくりと頷くと、乾いてベタつく口腔内を無理矢理動かして、鈍い声帯を無理矢理震わせて、絞り出す。
「すいません、寝てたみたいで。」
か細い蚊の鳴くような声が、ひよひよと出てきた。
周りを忙しなく動いていた女性たちが、どっと笑う。
「うん、寝ちゃってたのね?起きられて、良かったです!良かった、良かった!」
バイタル?が落ち着くまでの処置が終わって、まだ少し血圧が低いのと、同じ様な事があると手狭だから、部屋が変わると説明されて、ベッドに寝かされたまま、何処かへ移動した。
取り敢えずは、戻って来れたらしい。
快晴の眩しさには、大抵コテンパンにやられる。眼の疲れから頭痛になり、肩も凝ってきたりする。
昔、ホームセンターで買い物していて目に入ったサングラスを買った。「日本競歩協会推奨」などというシールが付いていた、スポーツタイプのものだ。紫外線アルファもベータも99%カットなんてシールも付いてた。これでだいぶ楽に過ごせるだろうか…と思いながら、眩しい快晴の日に、そのサングラスをかけて外を歩き、まだまだ元気だった祖父母の家に用事で行った。
「あらあらあらあらあらあら…」
サングラスをかけていた私を見た祖父母の第一声である。…かなり堪えた。…えっ、どんな形のサングラスなのかって? スポーツタイプだってば。顔の形に沿う曲線フレームに、外側から目が全く見えないミラーグラス(樹脂製)で、目に光が入らないようにフルカバーするフレームの形から、横に長い印象の全体像になる。
とりあえず、私がそのサングラスをかけると、「あらあらあらあらあらあら」なんて言われちゃう印象らしい。「そんなに変かな」と聞いてみても、「あらー…」だけ。気になってしまって、きょうだいにもサングラスをかけて「これどう思う?」と聞いてみた。曰く、「お前それはやめとけ。だいたい何処で買ったんだそんなの」ときた。私は静かに答えた。「お前の店だ」と。
結局、どう見えるのか明確なコメントは誰からも得られなかった。ただただ、「うわー…」という雰囲気だけ。快晴の日の、「うわー…」「あらあらあらあらあらあら…」
ほんっと、どう見えてるんだ?
快晴
パシャッ…パシャッ。シャッターの気持ちのいい音が屋上に広がる。
「今日も綺麗だな〜。」そんなことを呟きながら、僕は空の写真を撮る。シャッターを切るのに夢中になっていたら、同じクラスの女の子が泣きながら屋上に入ってきた。僕はびっくりしたがその顔に馴染みがあった。僕は、その子に近寄り
「だっ…大丈夫?なんかあったの?」とハンカチを差し出しながら聞いた。すると女の子は、驚きながらも僕のハンカチを受け取り涙を拭いながら
「大丈夫…大丈夫。ごめん。ありがとう。」と素っ気ない返事ではあったが、僕にお礼を言って去っていった。僕は気がつくと、何か彼女にあったのではないかと心配になった。だって彼女はいつも、笑顔で明るい人だから。
次の日
僕が学校に登校し、教室に入ると彼女は教室の窓側の席隅っこで俯いていた。僕は、不思議に思った。あれ?いつも一緒にいる子達がいない。なぜだろうと教室を見渡すと、廊下側の机に固まって彼女の悪口を言っていた。何かあったんだな…そう思った。
授業が終わり、僕はいつもの屋上に行った。屋上に着くと、カメラを準備し空を撮り始める。僕にとってこの時間は癒やしの時間でもあり、学校生活で唯一上を向ける時間だから僕はこの時間が大好きだ。今日も空に夢中になっていると、彼女が来た。服が汚れていた。僕は、彼女に駆け寄り
「ど…どうしたの?服が汚れてるよ?何かあったの?」そう聞くと、彼女は俯きながら泣き出した。僕はどうしていいかわからず、とりあえず彼女を抱きしめ
「ここは僕しかいないから、たくさん泣いていいよ。」そう言うと、彼女は僕の背中を掴みより一層大声で泣き出した。彼女が泣き止むと、ぽつりぽつりと僕に話だした。
「あの子達にいじめられてるんだ。いつも、私はあの子達に合わせてた。私、友達がいなかったから…」と彼女は、あの子達と今日に至るまでの話をしてくれた。しばらくして僕は、うつむいている彼女に話始めた。
「僕も中学生の時クラスの子からいじめられてたんだ。。だけど…ある女の子が僕をいじめるやつに仕返しをしてくれて、それから常に僕の側にいてくれるようになってね。ある日その子が"ねぇ!空をみて!綺麗だよ!"って言って僕も見上げたときの空に感動したんだ。雲一つない快晴の空がオレンジ色にグラデーションされていて。それが印象的でずっと、上を向いてあの子と見た空をもう一度見れるように、毎日、上を向いてシャッターを切ってるんだ…」そこまで言うと彼女は僕の方を見て目を丸くしていた。
「あのときのお返しだね。次は、僕が君を守るよ。」
そう言うと、彼女の表情は緩み微笑んでいた。
「ねぇ、空をみて!綺麗だよ。」と僕が言うと、彼女は上を向き
「私の真似しないでよ。」と笑いながら言ってきた。その時の彼女の表情と雲一つない快晴の空にオレンジ色にグラデーションされていて…
僕は思わずシャッターを切っていた。
空で輝く、眩しい明るい球。
イカロスは、あの球の熱で羽が溶け死んでしまった。
人を恋焦がれさせ、やまない、あの球。
私は、あの球になりたい。
私に?
そう、私になりたいのね。
綺麗だものね、私。
人は私を見て目をしばたかせるわ。私の美しさと言ったら、筆舌に尽くし難いものなんだもの。
ある学者は私をこう表したわ。「太陽」って。おかしな名前よね、笑っちゃう。
私に恋する生き物はたくさんいるのよ、今だって多いけれど、前はもっと凄かったんだから。本当よ。
私に近付きたいあまり、一億と五千キロメートルも離れているのにやって来た人もいたわね。その人は目いっぱいに私の姿を映して、私に近付いたわ。でも、私に触れた途端、破裂しちゃったの。あの時、私とても驚いたわ。
私の体はサラマンダーみたいに熱いの。私に触れて生きていられる人なんか、まずいないのよ。あの人はそれを知らなかったから…。いえ、知っていたのかも知れないけれど、私があんまり素晴らしかったから…。哀れよね。
ああ、私、つまらないわ。
そりゃあ、私は美しいけれど、ただそれだけだわ。それが何になるって言うの。この退屈を埋めてはくれないわ。
それにね、私、ほんとは自分の顔なんか、一度たりとも見たことないの。こんなに大きい私を映せるくらいの鏡なんかないんですもの。
ねえ、私になりたい?
なっても良いのよ
私はもう飽きちゃったわ
お題『快晴』
朝、目が覚める。
カーテンの隙間から、陽光が差し込む。
あぁ、朝だ。1日が始まったのだ。
今日は何をしよう。
目を細めるくらいに眩しい日差し。
青空に消える伸ばした手。
ここにあるすべてのものが、自分の心とは反対で。
*快晴*
「うわぁ、眩しい、まさに快晴って感じだなぁ」
午前中の講義を終えて空きコマの暇を潰すために、屋上までやってきた
大学で一年間過ごして友達ができなかった僕の憩いの場所それが、この屋上だ
季節は春、新入生が入学してきて僕は晴れて大学2年生になった
と、言ってもこの自由度の高い大学において、学年というものは、ただの数字に過ぎない
強いて言うなら新入生だからという免罪符が効かなくなったくらいだろう
「春だけど日が当たると、結構暑いんだなぁ」
誰に言うでもない独り言が空に消えていく
元々友達付き合いは上手くないし、自分から積極的に作ろうともしない
その結果がこれだ
…わかってたけど、ちょっと寂しい
校内を元気に歩く二人組や三人組の大学生を見て一人ため息をつく
まぁ、一人も気楽でいいけど
僕は周りを見て、誰もいないことを確認し太陽で温まった屋上のデッキに腰を下ろす
寝っ転がって、空を見上げると午前まで曇っていたとは思えないぐらいの雲一つない晴天が目の前に広がる
──あぁ、寝れそうだ
半分も内容の入っていない午前の授業の疲れがどっと出て、このまどろみに身を任せたくなる
少しの間、目を瞑りデッキに寝転んでいると
まぶたに映る暖かな明るい光が急に消えた
何かと思って目を開けると、逆さの顔が目に飛び込んできた
「うわっ!」
僕は驚いて、飛び起きる
目の前に現れた男はこの暖かさには似合わない、 黒いタートルネックにロングコートを羽織り笑みを浮かべていた
「だ、誰ですか?」
「驚かせてしまって、すまない。
屋上に来てみたら、人が倒れているようだったから、
つい、死んでいるのではないかと気になってね。」
「あっ、それはすみません」
「いえ、構わないよ。
それにしても、今日は暖かいね、絶好のお昼寝日和と
いったところだろうか。」
「そ、そう…ですね」
男は不思議な話し方で、ただの雑談をペラペラと繰り広げる
無視するわけにもいかないので一応相槌を返すが
どこからどう見ても、変な人だ
「君!今、僕のことを変な奴だと思っただろう。」
「えっ?そ、そんなことないですよ!」
急に鋭い目になりそう僕に告げた男に
心を読まれたのかなんて、非現実的なことを考えてしまう
この人だったら、そんな能力持っていそうだが…
「いやいいんだ、変な人と思われることは、僕にとって
は、褒め言葉だからね。
存分に言ってくれたまえ。」
相当変な人だ、やばい、離れないと
そんなことを思っていると、男は急に距離を詰めてきた
「君、探偵に興味はないかい?」
「は? 探偵…ですか?」
意味がわからなすぎてつい聞き返してしまう
「そう探偵さ」
男は腕を組みうんうんと頷きながら、自信満々に僕の問いに答える
「探偵って、あの?」
「そう、あの探偵。
猫を探したり、浮気を調査したり…その探偵さ。」
「えっと、マジで意味わからないです。その探偵が何な
んなんですか?」
僕は混乱する頭の中で、なんとか状況を整理しようと話を進める
「ああ、申し遅れた僕はこういうものなんだ。」
彼はそう言うとコートの胸ポケットから名刺を差し出した
「探偵…サークル?」
名刺には〈探偵サークル部長〉と書かれている
「そう、僕は探偵サークルの部長をやっている。
とは言ってもサークルメンバーは、まだ僕一人。正式
にサークルと決まっているわけではないのだけれどね
今、メンバーを集めていて、たまたま屋上に来たら、
君がいた、というわけさ。」
「はぁ、」
男は熱心に早口でそうを説明する
「僕は、君が探偵に向いてると思うのだよ。」
「…向いてる?」
「そう!僕から見たら、君は探偵に向いている!
いや、正確には、探偵の助手に向いている!
僕という探偵の助手になるべきして生まれてきたと言
っても過言ではないだろう!!」
男は自信に満ちた顔でそう、断言する
いや、そんな意味わかんないこと言われても探偵とか興味ないですし、っていうか助手ってなんだよ
そんなことを思いながら、黙っているとどうやら、顔に出たようで
「おや、嫌かい?君なら喜んで引き受けてくれると思っ
たのだが。」
と、少しシュンとした顔で言う
何を根拠に言っているんだろうか?
とりあえず断らなければ、そう思い断る、口実を考える
「嫌というか急に言われても困るというか」
「そうか、急だからいけなかったんだね!
ならば、こうしよう!今から一週間、お試しで、僕の
助手をしてみるというのはどうかね?」
「お試し…?」
「そう、一週間のお試し期間さ、大抵のものにあるだ
ろ、トライアルってやつだ。」
「トライアルって、どちらかというと、僕が借りられる方
じゃないですか?」
「まぁまぁ、きっと一週間試したら、君は僕の助手にな
りたいと思うだろう!」
「ならなかったら、断っていいんですか?」
「あぁ、もちろんさ。
まあ、そんなことは絶対に起こらないだろうがね。」
本当にどう考えたら、その自信に繋がるのだろうか?
けれど、このまま話していても、この人は聞く耳を持たない気がする
諦めて一週間付き合ってみるか、どうせ暇だし
「分かりました、一週間だけお試ししてみます」
「本当かい?!ありがとう!!」
男は笑顔で僕に詰め寄り
「それでは、これからよろしくワトソン君!!」
そう言って手を握ってきた
「うおっ、は、はい」
こうして僕と男の奇妙な探偵生活が始まるのだった
というのが、僕と先生の出会いです
──へぇ、大学生の頃からのお付き合いなんですね。
まぁ、はいそこから色々あって、今のこの探偵事務所を開きました
──大学生のサークル活動からこの街で1番有名な探偵事務所になるなんて、物語の中のようですね。
ほんとそうですね、自分でも不思議な感じです
まるで誰かの書いた物語の中の主人公なんじゃないかってたまに思います
まあ、そんなわけないんですけどね
僕は、そう冗談まがいに笑いながら、あの日と同じような綺麗な快晴の窓の外を眺めていた
お題:『快晴』
快晴の今日この日、久しぶりにこんなに快晴で風も程よく、お昼寝に丁度良い天気だった。本当にお昼寝をしそうになった。 【快晴】
雲があってもなくても、晴れは快い。
「青い空より、雲があったほうが空っぽくないですか?」
「青空は空そのものなのに、ぽいとかぽくないとかある?」
「だって青空の色ってエラー感強くて……」
青空はパソコンのブルスクに似てると現代っ子は嘆いた。
【快晴】2024/04/13
ちゅ、雑駁でごめん。
快晴
雨の日より晴れの日が好き
晴れの日より雨の日が好き
曇ってるととっても好き
快晴とは、魚眼カメラで空を見た時に、空に雲が0〜1割くらいしかない、真っ青な空のことらしい。
確か、中学の頃の理科でやったはずだ。
つまり、快晴とは今日のことだ。
一年ぶりに開けたカーテンの、曇った窓から、快晴の空が見える。カーテンから立った埃が、眩しい太陽の光に照らされて目障りだ。
身じろぎをすると、ガサッと音を立てて、足元のお菓子の袋が、移動する。
小さめなテーブルの上に手を伸ばす。テーブルの上には
昨日の夕ごはんのラーメンのカップ、スープに突っ込まれたままの耐熱箸、底にうっすら水が溜まったコップ、開きっぱなしのファッション誌…ごちゃごちゃと置かれたものの中から、スマホを手に取る。
…電源がつかない。
どうやら、昨日充電をさし忘れたらしい。
溜め息をついて、でも、充電器を探すほどの気も起こらないまま、天を仰ぐ。
天井には、LED電球が、しょぼくれた灰色のままぶら下がっている。
このままじゃダメだ、分かってる。
でも、もう無理なのだ。仲良しで、仲間だと思っていた友人たちから言われた言葉が、胸の中に突き刺さって、抜けない。
なんであんなに容易く、見捨てられてしまったのだろう
頑張っていたのに…。
責任を取りなくないみんなの代わりにリーダーを買って出た。
なかなか出ないみんなの意見を引っ張り出して、聞いて、なんとかとりまとめた。
方向性を決め、手を尽くして、みんなが楽しく、真面目に活動できるように計画した。
みんなの愚痴も雑談も丁寧に聞いた。
なのに、たった一回。たった一回、「改善してほしい」「協力してほしい」と自分の気持ちを伝えただけで、みんなから見捨てられた。
残りの僅かに残った、仕上げみたいな仕事を、みんなが勝手にやり遂げて、終わった。
その日から、何もする気が起きなくなった。
外は清々しい程の快晴だ。
だけど、薄暗い部屋の中で、生命維持だけをしてきた一人暮らしの人間には、快すぎて、眩しすぎる。
真っ青な空を、鳩が飛んでいる。
快晴の、澄んだ空の中を、気持ち良さそうに。
あの鳩にはなれそうにない。
もう枯れたはずの涙が一筋伝っていった。