快晴
昨日の土砂降りの雨から一転。
カーテンの隙間から見えた光に吸い寄せられるように窓を開けば、思わず目を細めてしまうほどの青い空だった。
昨日は先輩に告白して振られた。
彼女、やっぱりいたみたい。
そりゃ、そうだよね、かっこいいし。
当たり前かと自分に言い聞かせる。
泣き腫らした瞳に、この青い世界は清々しすぎた。
もう少し感傷に浸りたいのに、どうも世界はそうさせてくれないらしい。
食い気だけはあったらしく、朝ごはんはそれなりに食べた。現金なもんである。
玄関を開けると、タイミング良いのか悪いのか、幼なじみと目があった。
私の赤くなっているであろう目をじっと見て、
『あんぱん食うか?』と言ってきた。
先程、朝ごはんを食べた癖に、手があんぱんを欲しがっていた。
失恋で費えた疲労を回復しようとしているのかもしれない。
久しぶりに幼馴染みと一緒に歩いた気がする。
必要以上に話さない、その優しさがありがたかった。
不意に『オレにしとけば』と言われた。
『オレにしとけば』とは?と喉元から出かかった言葉を飲み込んだ。
唐突な告白に私は混乱したが、それでも幼馴染みだから、何となく好意があることは知っていた。
『……いいかも』
吐息と共に言葉を返した。
透き通った青い空を見ていたら、悪くないと考えたからだ。
4/13/2024, 1:35:13 PM