『微熱』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
調べてみたら、微熱の体温の定義というのは、明確に定まっていないらしい。
ただ、一般的には、37.5℃を発熱、38℃を高熱としているそうだ。ちなみに、日本人の平均体温は、 36.89℃だそうで。
(ソースは不確かです。)
そりゃそうか、人によって平熱は違うのだから微熱が何度かなんて決めようがない。
僕の友達にも、平熱が37℃の子がいたっけ。
では、動物の平熱はどうなんだろう。
犬や猫は、38から39℃、鳥に至っては40から42℃だそうだ。
(ソースは不確かです2nd)
つまり、ここから導き出される結論は一つ、
休みたい時は、自分ちのペット様に協力をお願いしよう。
……快く脇を貸していただけるか、じっとしててもらえるかは別問題だけど。
【微熱】
ピピピ、と電子的な音を合図に脇から引き抜く。
「あー……だる」
表示された数値に思わず声が出る。
ついでにけほんとひとつ。
「はい、はい……すみません」
電話越しに悲しいほど日本人を顕す母親の姿が視界から消え、ため息をつく。疲れてるわけでも、呆れがある訳でもない。ただ、こうして歩き回れる程度に体調はマシなので、学校へ連絡するのは多少なりとも罪悪感がある。が、病原菌を撒き散らすことこそ本意では無いので、母の忠言に従ってこの身をベッドに倒しておくことにする。
熱はそれほどでもないが、普段感じない倦怠感も過度にそれを手伝っている。
ボスン、と体が柔らかさに埋まる。
火照った体に、冷えた毛布の外面が心地よい。
だが、火照りに気を遣わなくなった分余計なことに気が向く。先程も触れたが、学校を休むこと自体に対してはなんとなく罪の意識はあれど納得している。けれど、
「あいつがなぁ」
懸念点は、いつも一緒にいる彼の事だ。
きっと、私の不在を知って元々垂れている眉の端を更に下げていることだろう。
「ふふ」
少しばかり愉快。可愛いヤツめと撫でくりまわしたい。
それはそれとして。彼は恐らく見舞いに来るだろう。なんたって可愛い私の彼氏だ。だが、その彼に移してしまうのは私の本意では無い。会う時間がもっと減ってしまう。
「後でお母さんに言っておかないと」
彼が来ても見舞い品を受け取るだけにしてくれと。
本音を言えば……いや、我慢できなくなるからやめておくか。多少弱気になっているみたいだ。
彼がくれたお気入りの指輪を撫ぜながら、そんなことを考える。意識が閉じていくのにも気づかずに。
くしゅっ。
「……んぅ?」
いつの間にか眠っていたらしい。
目を閉じる前に、外に放り出していた体が毛布に収まっていることから母の来訪を知る。後で怒られるだろう。
そして。
「あ、起きた?」
愛しい彼がベッド脇にいた。
「だいぶ珍しいね」
「なにが」
「君がそんなふうに恥ずかしがるのって、キスしたり手を繋いだりする時ぐらいかと思ってた」
「私だってこれでも乙女だからね、化粧も何も無い格好で気になる人の目の前にいることに恥を隠せない感性は持ち合わせている」
「いつも可愛い乙女だけど」
「生意気」
好きな人にあられもない姿を見られ取り乱した挙句、ベッドに頭すら潜り込んでから少し。
熱で顔を赤くしながら彼と会話を楽しむ。母に伝える前に寝てしまったから、仕方ないのだが普通に失敗だったな、色々と。
目元だけ毛布から彼を眺めると、優しい笑顔でこちらを見守っている。脇の小机にはビニール袋。見舞い品だろう。
「今日はすまないな」
「ん、どしたの?」
「いや、母に伝えて、君に移さないよう会わないつもりだったんだけど」
「じゃあ、むしろ良かったよ。1日も君の顔見れないなんて耐えられないから」
「私にべったりすぎだ」
「にやけてる状態で言われてもなぁ。あ、そうだ」
彼が立ち上がる。
「私を置いてどこに行くの?」
「君もべったりじゃんか。いや、君が起きたらご馳走しようと思ってたものがあって」
そういうと、私の好きな笑顔で彼はこう言った。
「ね、ホットチョコレートすきだったでしょ?」
彼が持ってきたマグカップから、甘い香りがふわりと漂う。好きな人が好きなものを持ってきてくれて、それが家の中。実質夫婦ではないだろうか。
「変なこと考えてない?」
彼の物言いたげな目線すらも、シーンに盛り込んだ演出に見えてますます顔がにやけてしまう。
「いいや。幸せだな、と改めて感じてただけ」
「正面から言われると照れちゃうよ」
「いつものお返しだ」
「じゃあ僕もいつものお返し」
身を上げた私に、マグカップを渡す。
優しいブラウンと渦を巻く甘みが彼の瞳と瓜二つだ。
「ありがとう」
「こちらこそ、いつもありがとう」
せっかくの感謝も愛情で隠されてしまう。
それがなんとも面映ゆい。
照れ隠して、チョコレートに口をつける。
口の中で風味が溶ける。湯煎されてとろりとしたソレは、愛情に味があるのであればこんな味だろうと思わせる。それを与えてくれた彼は。
チラリと見やると、彼は変わらず、いやより強く。
甘さが見える優しい笑顔で、本当に嬉しそうにこちらを見ていた。
それを自覚した心が、体の熱さを増長させる。
きっとこの微熱が溶けることは、おそらく生涯ないだろう。
「え、どうしたの急にこっち近づいて……わ」
「好きだよ」
感じてる気持ちが、彼の中に残りますように。
あの日、わたしは微熱をだした
高校生にもなって微熱で休むつもりなんてない
そう思っていたけど
親が過保護で、強制的に休まされることになった
親はわたしが勉強の遅れを気にしてると
思っているけれど、本当は違う
1日でもあなたに会えないのが嫌だった、つらかった
ただでさえ、今日は金曜日で
土日がはさまって、2日間会えないのに
ああ、会いたいな…
あと3日後しか会えないのか、
でも、
あなたは会いに来てくれた
多分、わたしの親は仕事でいつも夜遅いと
聞いていたからだろうか
家に訪ねてきて、すごく嬉しかった
この日は、いつもとは違う
いわゆるお家デートをした
彼はわたしの体調を心配くれていたけれど
本来、学校に行けるほどだったから、問題はなかった
なりより、彼との時間がわたしを安心させる
ああ、わたしは彼が大好きだ
そう実感した日だった
この時初めて
"今日は微熱が出てよかったのかもしれない"
なんてバカなことを思ってしまった
〜微熱〜
少し熱い
正確に言うと顔が火照ってる
可愛い子に可愛いって言ってたら
かわいいよって言い返されちゃった
可愛い子のこと思ってやった髪型に
かわいい!毎日可愛いけどとか言われちゃった
やばいって
私はその子が大好きだ
心からの優しさを持っているから
普段は見ないフリしてるけど
本当は分かっちゃう
優しい人、優しくない人
だから
心の底から優しさが溢れている人が大好きなんだ
可愛くて愛しい
もう存在がいい
人って存在してるだけで愛しいんだな
だって生きてるだけで自分のために頑張ってるんだもん
付き合うなら心からの優しさがある人がいいな
心の底から愛せるから
保全し忘れました。2話連続です。
▶26.「微熱」
▶25.「太陽の下で」
24.「セーター」
23.「落ちていく」
:
:
1.「永遠に」近い時を生きる人形✕✕✕
---
「私は…」
「今は動くな。大穴に落ちたんだ、覚えてるか?」
「ああ…」
人形は視線のみを動かし、大穴に落ちる前と同じ場所にいることを確認した。
落下した衝撃でシステムダウンしていたようだ。
休止状態にまで復旧したところで、
攻撃を受けていることを検知し、✕✕✕は強制覚醒に至った。
目の前の男に叩かれたか何かしたのだろう。
己の肉体に意識を向けると、足を大きく損傷していることが分かった。
修復にはそれなりの時間がかかるだろう。
✕✕✕は、まずシブをどうにかすることにした。この男がいては修復がままならない。
「もう大丈夫だ。助けてくれたんだな、ありがとう」
「礼はやめてくれ。助けるのも当然のことだ。すまない、俺が注意を怠ったせいで✕✕✕の足を駄目にした」
「いや、それは」
「とにかく俺の責任だ。謝ってもどうにもならねぇが…もちろん治療にかかる金はいくらでも俺が出す。かなり痛むだろうが、森を出るぞ」
痛み。
(痛み…?)
人形に痛覚はない。また人間の前で損傷を負うのも初めてである。痛がる人間を見たことが無いわけではないが、どのように演出すればいいか全く分からなかった。
「話はわかった。だが痛みにはかなり強いんだ。肩を貸してくれれば歩ける」
「よし、それじゃ立つぞ」
✕✕✕はシブと共に、どうにか森を出た。
後は何とか理由をつけて、彼から離れれば-
「足なんだが、穴から引き上げるのに適当に縛っただけだ。まだ街まで長い、腐る前に巻き直すぞ」
止める間もなく腰を下ろされ、人形は座るしかなかった。
今までバレなかったのが不思議なくらいだが、ここは高く登った太陽の下。布が解かれ、損傷部分が露出すれば人間でないことが分かってしまう。
なんとか止めたいが、経験豊富な人間が相手では反論が見つからない。
逃げるにしても、シブを気絶させないと確実に捕まるし、そもそも気絶させる薬もなければ、足を損傷していては昏倒させるほどの殴る力が出ない。
(駄目だ。人形だと知られてしまう)
「シブ、謝るのは私の方だ」
布を解こうとした男の手を止め、人形は自ら解き始めた。
「✕✕✕…?」
「私は、人間ではないんだ。本当にすまない」
---
よく分からないことを言って、✕✕✕は布を自分で解いていく。
人間じゃない…?
森を抜けて明るくなった視界で折れた足首を見て、
ハッと息が止まり、反射的に後ろに飛び下がった。
体が臨戦態勢に入ったかのように鼓動が跳ね息が上がり、
微妙に熱が上がっていくのを感じる。
ぐにゃり、と脳から音がした気がした。
✕✕✕への認識が歪んでいく。
目の前にあるモノは何だ。
「危害は加えない。私は街には入らず、ここから去る」
もし、私が泊まっていた宿屋に消息を聞かれたら、急用で出ていったと伝えて欲しい。どうか私が人間でないということは言わないでくれ。
言っていることがよく分からない。頭を下げているコレはなんだ。
お互い無言の時間が続いた。
目の前にいる奴がピクリとも動かないので、さすがに頭は落ち着いてきた。
奴が言うには、✕✕✕は人間じゃないらしい。
人間じゃないなら何だ。
「人間じゃないなら何だ」
「私を作った博士は、人形だと言っていた」
思ったことがそのまま出てしまった。
人形、人形なのか…。
なるほど痛みに強いわけだ。
見た目の若さの割に落ち着きがあるのも、そういうことなのか。
ちら、と足首に目を向ける。
人間の血にしては色が薄すぎる。
中身も、まぁ見た事なんざ自分がやった時くらいしかないが、
違うわな。あんなんじゃなかった。
「それ、なおるのか」
「時間はかかるが、直せる」
「そうか…」
俺が何も言わなくなると、奴も何も言わなくなった。動かずにいる。
衝撃が去り、事実と奴が言ったことを並べてみると、
悪い奴ではなさそうなのは分かった。分かった、が。
だからと言って何の保証もない奴に対して俺の緊張は解けず、
再び膠着状態となった。
誰か通りがかったら相当変な目で見られるだろうな。
「む…すまない」
「なんだ」
「私は体の損傷が激しく、内部の修復機能が過熱状態を起こしている。休眠を要求する」
「つまり?」
「人間で言うと微熱程度だが、辛いので寝たい。助けてほしい」
助けて。
奴自身が人形と言ったくせに、
そんな人間くさい言葉が通じると思ってるのか。
頭では、そう思っているのに体は勝手に奴の方へ動いていた。
つまり、そういうことだ。
「はあー!分かった!分かったよ!どうすりゃいい!?」
了承の言葉を聞くと、✕✕✕は顔を上げた。
「私は光と熱を動力にしている。緊急事態のため目を開けたまま休止状態に入る。昼間は太陽があるから何もしなくていいが、日没後から一晩、火を焚き続けてほしい」
「火だな。もっと人に見つからねぇ場所まで移動するぞ」
最近妙に人肌が恋しい。
あの人に会いたいからなのか。
いいや、冬の寒さがそうしているだけだ。
心の中でつぶやきながら
牛乳を入れた小鍋を火にかけた。
ミルクココアを数杯マグカップに入れ
沸騰した牛乳をゆっくりとかけていく。
ダマになってしまわぬように
ティースプーンでくるくると混ぜる。
ふわりとココアのよい香りがして
途端に懐かしい気持ちになった。
冬に出会って冬に別れたあの人。
タバコを吸うあの人の横で
あったかい缶のココアを飲んでいた
あのときの記憶が、缶から伝わる微熱が
たまらなく愛おしかった。
微熱
なんとなく体がだるいのよね
いつもと違ってなんだか思うように
動けない
自分では動いてやらないと
いけないことをこなしてるつもり
頭もぼーっとしてて、考えるのも
どうでもいいやって、
ひとりになると布団に入って寝てようかな
少しでも、まだその話しに熱があるのならば、微熱だろが、最後まで聞いてあげられるよ。だって、君が嬉しそうに熱をもって話すその物語は、僕が生涯を掛けた大切な物語だから、その熱が消えるまで、君の感想が嬉しくて聞いていたい。
どうしたのだろう?
今日はおかしい。
風邪ではないみたいだけど……
?!
昨日帰り際にあの人から言われたことを思い出した。
顔が急に赤くなるのを感じる……
少し熱があるみたい。
今日は学校を休もうかな?
でも確かめたい。どうしよう……?
『微熱』
「微熱」
コロナに罹患した時、最初は微熱からはじまり
深夜になるにつれて次第に熱が高くなっていった。
そしてその頃、母は集中治療室で生死の境を彷徨っていた。
あの数日間は今になって振り返ってもゾっとする。
もう二度と経験したくない苦しい記憶である。
微熱
微笑
微糖
微炭酸
微生物
微分積分
微 の基準は?
いったいどこから どこまでが 微 ?
「間宮くん、大丈夫?……」
声をかけられて、俺は机に伏せていた身を起こした。がばっと。
「新田さん」
委員長が眉をひそめて俺を覗き込んでいる。幾分、心配そうに。
「あ、ああ。俺、うたたねしてた?」
やべ。なんか、ぼうっと頭が重い。なのに汗ばんで、気分が悪い。
俺は制服の襟元を知らず、緩める。ネクタイが、苦しい。
「顔色、悪いわ。保健室に行った方がよくない?」
「そうかな。いや、大丈夫。ちょっと熱っぽいだけだよ」
俺は前髪を掻き上げた。突っ伏していたから、でこに変な痕とかついていないといい。けど。
新田さんはなお、表情を強張らせたまま「熱」と言った。
「うん。風邪かな」
「……それって。その、薄着したせいじゃないかしら。こないだ。ブレザーだけで帰ったでしょう」
新田さんが切り出しにくそうに話し出す。俺はそれが、「あの日」だということを悟る。
忘れたセーターを取りに戻った、放課後のこと。ここで俺は新田さん――委員長に会った。
一人残っていた彼女は、この教室で、俺の。
「あの、ーー今更だけど私、あなたに謝らないといけないことがあって」
そこで意を決した様子で新田さんがぐ、と身を乗り出した。
お。
「私、間宮くんのセーター、持って帰ってしまって。ずっと言い出せなくて。返そうと思ってたんだけど、タイミングが……」
これ、と言ってバッグからファッションブランドの可愛い袋を取り出す。
「ごめんなさい、黙って持ってて。風邪を引かせてしまって、本当にごめんなさい」
深々と頭を下げる。
俺は反射で突き出された袋を受け取り、中を見ると俺の学校指定のベージュのセーターが入っていた。
きちんとクリーニングされているようだった。きっちり畳んである。
「いや風邪は新田さんのせいじゃないし。でも、そっか、新田さんが持っててくれたんだ。よかった。見当たらないなと思ってて」
こうやって出てきたんならいいいよ、と笑って見せた。うまく誤魔化せたらいい。俺があの時見たことを、新田さんが気づかないといい。
なのに馬鹿正直に新田さんは続けた。
「私、き、着ちゃったけど、しっかりお洗濯したから汚くないよ。気持ち悪くないから」
「気持ち悪いとか、そんなこと思うわけないでしょ」
「そ、そう?」
「当たり前。ーーてか、き、着たの。これ。俺の」
スルーしようと思ってなのに、なんで言うんだよー。俺は内心トホホだった。言われたら、訊くしかないじゃないか。
俺が突っ込むと、新田さんはう、うんと詰まった。
「な……何でか、訊いていい?かなあ」
「……」
新田さんは真っ赤になって俯いた。それは、と蚊の鳴くような声で呟いた。
「き、着てみたかった、から……」
「~~」
も、だめ。もう限界。俺は緩む口もとを手で押さえる。新田さん、これってもう既に恋の告白だよ? 気づいてる?
優秀な君なら、分かってるんだよね。俺はじりじりと首周りの熱が上がる心地がした。
あついーー顔がぼおぼおする。これは風邪のせいか、それとも、恋の微熱のせいか。
俺はぐらっと視界が揺らいでまた机に撃沈した。
「ま、間宮くん? しっかりして」
新田さんの慌てる声が遠くに聞こえる。そのまま俺は保健室に担ぎ込まれ、有無を言わさず病院送りとなった。
#微熱
「セーター2」
「37度2分」
夕方くらいから身体に熱っぽさを感じて、帰ってきてから熱を測ると、やはり微熱あり。
一人暮らしの自分の家に体温計があるのが意外だったが、以前に付き合っていた彼女と一緒に購入したものであったことで納得。
付き合い始めは、うまくいってたのに、楽しかったこともあったのに、なぜ別れてしまったんだろう。
・・あのトキメキも微熱だったのかな。
身体が弱っているせいか、なんだか悲しくなり、涙がポロリ。
早く寝よ。
なんてタイムリーなお題。
今まさに風邪引いてるよ。
鼻水と喉痛、軽いめまい。
夕方から関節が痛みだして、咳もたまに出るようになった。
薬が切れてこの時間に目が覚めたのか、神経が切り替わる時間帯だから息苦しくて目が覚めたのか。
よくわからないが、市販薬で治っておくれ。
この『微妙』な時期に、病院には行きたくないの。
テーマ「微熱」
微熱。
微熱なのは
多分ゆうに。
手が当たったり
体が
触れると
微熱が出る。
きっと
ずっと。
36.8度の微熱に迷わされて、わたしは志田くんに会う。
落ち着きがないなって、笑われるのは、そのとおり、余裕がないのだ。
志田くんは、こちらに気がないみたいに、自然体。かしこまってるわたしって、なんか不公平。
今日、三叉路のコンビニで、彼を待っています。
わたしが告白したの。
心臓が痛くなるくらいの興奮を彼にさせてあげるわ。
37度5分の肉と骨を抱いて眠りにつく。ひとより平均が高いのだと君は言っていた。
以前の部屋は欠陥だらけで、夏は暑く、冬は寒かった。
腕いっぱいに眠るそれから温もりを貰っていた。
ピピピと機械音が鳴る。37度5分、風邪をひいたようだ。
今の部屋はエアコンの効きが良い。夏も冬も凌ぐには充分な働きだ。
憂鬱を抱きながら、額に手を当て目を閉じる。
今日はやけに冷えるな。
風邪かな?と思ったらすぐ鼻うがい
引き始めには かなり有効
(コロナ感染時はちょっと遅れた)
額くっつけ熱を確かめ ついでにキス
しようとしたら頭突き食らった
#微熱
微熱
微熱があるようなあの感覚。
今はそれがなくなってしまったのかも。
…また取り戻そう。
そして、もう少し“好きな自分“になろう。
君と話しているとじわじわと体温が上がってくる
冬なのに体はぽかぽかする
「お前顔赤くね?」
じっと見つめてくる君
また体温が上がりそうだ
急いで私は言う
「…微熱かも」
この体温のあつさはきっと熱だろう
そういうことにした
【微熱】