『寒さが身に染みて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私、永遠の後輩こと高葉井の、
永年の推しが「自称ニワカキャンパー」だった、
……という夢を見た。
「まぁ、少なくとも確実に、経験は浅い方ですよ」
何かの諸事情で宿泊先の、稲荷神社の宿坊の、
モノホンの漢方医の御狐様から追われたらしくて、
東京に仕事に来てた推しが、夜の屋外キャンプ場にご降臨あそばされた、
夢を見た。
夜だからか、他のテントから距離を置いてるからか、何かもっと別の理由か、
彼がここにロープを張って、なにか分厚くて丈夫な布でテントみたいなのを作って(なんかタープがどうとか言ってた)、
焚き火して、コーヒー沸かしてるのを、
誰ひとり、気付かないみたいだった。
すごい解像度だった。
すごいリアルで、すごい高音質で、
すごい、VRを超えたナニカだった。
「光の関係です」
「ひかり」
「そこに吊り下げているランタンで、多くの客から逆行になっているのです」
「はぁ」
「ランタンを移動させて順光にしますか?」
「やめてとめてくださいガチでやめてください、
しんじゃう、わたし、しんじゃうッ
笑わないでくださいよガチでホントにガチに言ってるんですからホンキでナシでお願いします」
ツー様とかツく部長とか呼ばれている推しは、
某管理局の法務部に勤めてて、即応部門っていう部門の副部長だか、副部門長だかをしてる。
管理局はビジネスネーム制を採用してて、
推しが貸与されてるネームは、ツバメ。
だから一部のツー様推しは、「ツく部長」と呼ぶ。
なおここではツー様に付随する二次創作的な右とか左とか上とか下とかは語らないものとする
(お察しください)
「さぶい」
「冬は苦手ですか。高葉井さん」
「寒さが見に染みてきてます」
「そうですか。それは良かった」
「ヨカッタ……??」
さぁ、どうぞ。
推しのツー様が焚き火から、吊り下げてたヤカンみたいなものを下ろして、タパパトポポ。
ツー様の上司のルー部長が普段使ってるというマグを失敬して、コーヒーを淹れてくれた。
「良かった、でしょう?」
私の推し、夢の中のツー様が言った。
「おかわりが必要なら、いつでもどうぞ」
キャンプ場の夜の寒さが身にしみてくるのも、
寒さが身に染みてる状態で温かいマグを持つのも、
温かいマグからコーヒーを胃袋に収めるのも、
全部ぜんぶ、私の夢だ。
夢の中で私とツー様は、まるで毛布の中にとどまる優しいぬくもりのように、
ぬくもりの、ように——…
…——「毛布にくるまってて良かったっけ?!」
アサデスヨコウハイ!オキナサイ!
ツー様のアラームボイスで目がさめた。
毛布からバンって跳ね起きたから、体が毛布の外の室温に馴染んでなくて、
夢の中の例のキャンプ場と違う意味で、寒さが身に染みてきた。
朝だ。
お手製アラームボイスが鳴った。
私の頭は半分寝ぼけてて、半分強制覚醒してた。
スマホのトップに貼り付けてるカレンダーを見た。
今日は、おやすみの日だった。
「は…… はぁぁ……」
そうだった忘れてた。寝てて良いんだ。
いつものアラームを消し忘れたんだ。
私は大きなため息を吐いて、もぞもぞ。毛布の中に潜って戻って、コテン。
休日だから、二度寝を決め込んだ。
「アラーム消しとけば良かった」
ちょっと毛布の中から暖気が逃げただけなのに、
毛布の中はそれでも、一瞬にして冷えた。
推しへの執念と執着とその他諸々とで、再度推しの夢を引き当てたけど、
日頃の不摂生のせいか、
寝て起きたら一気に正午まで時間が進んでた。
良い夢は見れたけど、私の休日の残り時間は、
すごく、すごく、減ってしまってた。
寒さが身に染みて/あの頃は若かった
夕べから降り始めたボタ雪が
今朝早くに吹雪いてきた
空は薄墨色に鈍い
今日は成人の日、
遠い昔の思い出に思い致せば
一緒になったあの人を思い出す
二人とも成人式にはゆかず
二人だけの結婚式をあげた
若過ぎると反対されたけれど
私たちは幸せだった
朝も夜もお互いの顔が見え
寂しさにメールすることも要らない
行ってきます、という声が
温かいのだから
。
。
それから幾十年、何が悪かったのか
今は薄くまぶたの裏を覗いてみても
お互いに
寒くなった寂しさよりも
一人になりたい二人だったのかもしれない
今は堪える
あの人は今頃
、、
目が覚めたら、ボクは石ころになっていた。雪がチラホラと降ってきた。
うぅ、石ころでも、寒いんだな。
…そういえば、
忙しくてたまらない毎日で、とことん疲れ果てたボクは、もう動きたくないよ、、、と、思いながら眠りについたっけ。
…いや、だからって、石ころなのか?確かにさ、動かなくてすむけどね。
そういう意味じゃなかったんだけどなあ…
雪は降り続いている。
寒さが身に染みて、ボクは泣きたくなった。石ころでも寒いし、泣きたくなる。
人間と何ら変わらないじゃないか。
そこに、ちいさな女の子が通りかかった。赤いマフラーをした可愛い子。
ボクを見つけたその子は、ボクをそっと手の中に包んでくれた。
ああ、あったかい。
人の手って、こんなにあったかいんだ。
女の子の手の温もりに安心し、ボクは再び眠りについた。
お題『寒さが身に染みて』
夜の街は冬の冷気で満ちていた。
猪野は小走りで七海の横に並ぶ。手袋をしていても指先が冷たくて、思わず肩をすくめる。
「……さむっ、さむっ……七海サン、手つなご?」
「ええ、構いません。猪野くん、無理に走らなくても大丈夫ですよ」
七海は静かに猪野の手を取り、指先まで丁寧に包み込む。温かさがじんわり広がって、猪野は思わず息を吐いた。
「ん……あったかい……」
猪野は手をぎゅっと握り返して、ぐっと体を寄せる。七海も自然と肩を少し丸め、二人の距離がぐっと近づいた。
「七海サン……こうやってくっつくと、寒さがぜんぜん気になりませんね」
「そうですね。……君と一緒なら、私も寒さを忘れます」
雪がちらつく道、街灯の明かりが二人を柔らかく照らす。
猪野の頬は赤く染まり、七海はその可愛らしさに胸を締め付けられる。
「ねぇ……七海サン、もっとこうしててくれる?」
「ええ……喜んで」
七海がそっと猪野を抱き寄せると、二人は冷たい風を忘れ、ただぬくもりだけを感じて歩いた。
身に染みるような外の寒さも、冬の街の静けさも、二人だけの甘い時間に変わっていった。
鈍い痛みを抱えながら
今も死ねないことに生かされている
一人の夜は、寒さが身に染みる
いつまでもうずくまっていたら
腹の底が暖まることを知った
なんだ
もう寒くないや
冬は都合がいい。
「寒い」だけで、お前に会う口実になるから。
【寒さが身に染みて】
_______
人肌が恋しい季節。
寒さが身に染みて
貴方の温もりガ恋しい
寒さが身に染みて
そもそも、朝寝坊したのがいけなかった。慌てて家を飛び出して、余裕がない一日が始まった。焦りは、いろいろなところに伝染するのだろうか。電車の中、立ち寄ったコンビニで、何となくイライラした空気を感じる。
調子悪いなあと思いながら、一日を過ごして帰途につく。朝は急いでいて気づかなかったが、こんなに寒かっただろうか。冷たい風が、容赦なく吹きつけてくる。
いや、本当はそんなに寒くはない。元気な時はやり過ごせる寒さが、今日はじわじわと染みてきているのだ。リセットしよう! 風を切って早足で歩く。すたすた歩き、大きく腕を振る。忘れていた温かさが、ようやく感じられてきた。
「寒さが身に染みて」
俺は、生まれたときからずっと一人だった。
親の顔は知らない。街の人々には邪険に扱われ、俺の唯一の友人といえば、路地裏で一緒にゴミを漁るカラスやネズミ達だった。
そんな俺の嫌いなものは、冷たい目でこちらを見つめる大人、弱い者からさらに搾取してくる年上の少年たち、そして、冬。
冬はずっとずっと嫌いなのだ。あの、体の末端を凍らせて砕いてしまうような寒さも、少なくなる食料も。年末だとか言って浮かれる街並みさえ腹が立つ。
それは、大人になって財力を得た今も抜けなかった。今も、町中でクリスマスソングが流れると耳を塞ぎたくなる。雪が降り始めると、もう外に出られない。俺は、冬というものに対して、ある種恐怖症のようなものを抱いていた。
冬の寒さは、俺の体に隅々まで染み入ってきて、その血液ごと凍らせてしまう。布団はおろか屋根すら無い裏路地では、一度体が冷え切ってしまえば暖めるのは至難の業だ。子供の頃は、同じく凍える野良猫やカラスと身を寄せ合い、僅かな食料をネズミと分け合って生きていた。
だから、俺の身にはもう隅々まで寒さが染み込み尽くして、心まで冷えてしまった。誰かを助ける、誰かと過ごす。そういった人間的な行動が、極端に苦手になったのだ。
「ねぇってば!聞いてる?」
物思いに耽っていた俺の思考が、喧しい声に引き戻された。現実逃避のように過去に浸っていたのに、また無理矢理引き戻されて、そのきらきらとした、星の爆ぜるような光を宿した瞳に真っ直ぐ射抜かれる。
あまりに無垢で、あまりに無邪気は目は、俺にとって毒にも等しかった。
「……なんだ。」
「寒くない?さっきから顔色悪いからさ。コンポタ買ってきた!」
むに、と頬に温かい缶が押し付けられて、半ば強制的に受け取ってしまった。無言の訴えに負けて口に含むと、とろりとした黄色の液体が、優しい甘さを伴って喉を滑っていった。
「ね、おいしい?元気なさそうで心配なんだよね。冬、嫌い?」
太陽のような瞳に、さりげなく握られた手の温もりに、胃に落ちていく温かさに、俺の中に染み付いた寒さが解けていく。
血色感の無かった指先に、ふわりと桜色が差した。
「……ああ。……大丈夫だ。」
「え、笑った?今笑ったよね!?ちょ、も、もっかい!もっかいやって!今度は撮るから!」
「馬鹿か。」
目の前で騒がしく喋り続ける彼に、また緩みそうになった口元をそっと手で隠した。
あの冬の寒さは、もうどこにもない。
テーマ:寒さが身に染みて
寒さが身に染みて
あぁ、生きているんだなと実感した。
悪魔のような女性に恋をした。
恋愛体質で、顔を合わせる度違う男を連れていた。
彼女は僕の気持ちを知っているくせに、毎回見せつけるように逢い引きをする。
なのに俺には、「貴方は私を好きにならないでね。」
その一点張りだ。
こっちだってそんなお前願い下げだよ。
そう軽口を叩くと決まって彼女は安心したような顔をする。
それが何故なのか俺には知るよしもないが、
ただ1つ、俺が君を好きだという事を知られてしまったら彼女はもう二度と俺の前に現れなてくれない気がした。
この恋がどこに着地するのか、しないのか。
もしくは雪のように溶けて消えてしまうのか。
「なーにしてるの?こんな所で
っていうか、寒くないの?」
彼女は不意に雪の上に寝そべる僕を見下ろし、そう尋ねる。
あぁ、愛おしい。
顔を見ただけでそう思ってしまう程度には参っているのかもしれない。
、、もうこんな不毛な恋終わらせよう。
そう決意して、身を起こし彼女を見る。
「好きだよ」
やっぱり彼女は僕の気持ちに気づいていたのだろうか、
「やっぱり、だめなんだね、、、さようなら」
そう言い残し去っていった。
【後で書きます…!】
2025/1/12 「寒さが身に染みて」
寒さが見に染みて、二次原作注意⚠️、あ〜あ、寒いわ、どこにも出かけたくない、気に食わないわ、あ、え?何で、ヨンバオ、追いかけるの?、ぎゃああああああああ!追いかけてこないでぇ!!!ヨンバオ!お願いだから!!、ヨンバオはこう言う、何で追いかけてくるかって、それは、君が好きで、追いかけてみたかっただけだからさ、だから、ぐふっ、あははは、そしてホンメイはこう言った、え? どうしたのよ、ヨンバオ?次に続く?
『寒さが身に染みて』
仕事が早めに終わり、彼女と外食をするため待ち合わせをした駅の改札口前。
日も落ちかけ、体の芯まで冷え込む寒さに身を縮めた。
手足の爪先がジクジクと痛むだけではなく、関節の隙間を縫って冷気が差し込む。
流れてくる風に鼻を啜り、肩をすくめた。
さすがにどこか入るか。
マフラーを巻き直して駅中のカフェに入ろうとしたとき、ダウンコートをもこもこと着込こんだ彼女が改札口から出てきた。
「あっ」
俺と目が合うなり、彼女の眉毛がぷりぷりと釣り上げる。
大きなスポーツバッグを肩にかけながら、容赦なくズンズンと距離を詰めた。
「もーっ、ちゃんと温かいところにいて!」
無実を主張するために、両肘を曲げて降伏宣言をする。
「今、移動しようと思ってたんです」
瑠璃色の瞳を厳しく光らせ、彼女は俺を見上げた。
「ホントに?」
「本当ですって」
過去に一度、うっかり俺が風邪を引いてしまって以降、冬季はもちろん、季節の変わり目、寒暖差が激しい日など、定期的に風邪の症状がないかチェックが入る。
少なくとも中学生以降、風邪を引いた記憶がないらしい彼女が、人の顔色で体調の判断をできるのかは甚だ疑問ではあった。
過剰な心配をかけさせてしまった過去も含めて、わかりきっている地雷を踏み抜く勇気は俺にはないため、その本音はしまっておく。
「まあ、いいけど」
納得したのかしてないのか、よくわからないが見逃してくれたことに、俺はホッと肩の力を抜いた。
そんな俺をよそに、彼女はダウンコートのポケットから使い捨てカイロを取り出す。
両手で何度か揉み込んだあと、彼女は俺に向かって手を伸ばした。
おとなしく彼女の伸びてくる手を受け入れていると、頬にカイロを当てがわれる。
……あったか。
開封したばかりなのか、カイロの熱が強く残っていた。
カイロの鉄特有の金属臭が鼻をさしたところで、彼女の右手を掴む。
彼女はいつも、ハムスターのケースに入れてカイロを持ち歩いていたはずだ。
「ハムはどうしたんですか?」
「ちゃんと持ってる」
即答した彼女は、左手で左側のポケットからハムスターのカイロケースを取り出す。
「むぐぉっ!?」
ペチョッと反対側の頬にハムスターを押しつけられ、両頬が幸せの温もりで押し潰される。
この寒さにこの温もりは染み入る……。
カイロの温もりだけでは満足できなくなった俺は、彼女の背中を抱きかかえた。
カイロの熱と、彼女の甘やかな香りが体に染み込んでいた冷気を溶かしてくれる。
「あー……、生き返る」
「ん、ねえ。苦し……っ」
スポーツバッグが変なところに引っかかっていたのか、照れ隠しではなく本当に苦しそうな掠れた声をあげた彼女に慌てて腕を緩めた。
「おっと、すみません」
「いーけど。れーじくん、冷たい。どんだけ待ってたの?」
「10分も待っていませんよ」
本当は30分待っていたことをとっさにごまかす。
「風が強かったんで、すぐに冷えてしまったみたいです」
俺の頬に、ずっと伸ばし続けている彼女の腕を下ろさせた。
ハムスターのカイロケースを彼女のコートのポケットにしまう。
「それより、本当に今日は寒いので早く飯食いに行きましょう?」
むき身のままでいた使い捨てカイロは彼女の手から抜き取り、そのまま俺が拝借した。
空っぽになった彼女の右手に指を絡める。
「……わかった」
ほかほかと熱の残る彼女の手を引いて、俺たちは強く風が吹き抜ける駅から立ち去った。
寒さと乾燥で手がパックリ割れる。お風呂に入ると傷が染みる。寒さは怖い。冬は強い。でも冬のスポーツと外の匂いは大好き。外から帰ってきてかじかんだ手を洗うと水さえも温かく感じる。普段冷たいものが温かく感じる。魔法みたいだ。
『寒さが身に染みて』
寒さが身に染みて、心が風邪を引きそうだ。
とは、人生で一度は聞いたことがあるセリフだとは思う。
実際に現在進行形で、自分はそれを味わっている。
「なんでかき氷の中に埋められてたんだ、俺は」
「ほら、夏に言ってたじゃん? 暑すぎて、かき氷に埋まりたーい!って。最近、作れたから早速埋めてみたよ!」
「だからって真冬にするのは辞めてくれ、死ぬ」
「いや、もう死んでるけどね」
「…………は?」
寒さが身に染みて実際に凍死した俺が生き返るためにゾンビチートでツエーした件について。
……続かないどころか、はじまらない。
おわり
P.S. ネタ浮かばなかった。時間もなかった。
【なきむし】
暖かな陽射しを求めて
雪を踏みしめる
夢のような白の世界は
冷たくて時に優しく見えた
鼻を赤く染めて
叫んだ泣き虫な僕は
もう居ないけれど
忘れないよあの冒険だらけの日々だけは
少しだけ遠回りして
ここまで来れた
小さな歩幅はいくつ思い出を残したかな
俯いてばかりの影は
まるで大人だと証明されてるようで
沢山の悩みを抱えながら生きる
街角の隅で鳴いている子猫を
抱きかかえたとき
なぜだろう
痛みのない涙が零れたんだ
ずっと忘れていたよ
叫んで泣いたあの頃は
今も胸のなかで僕を呼んでいた
泣いていいんだよ笑えるまで
泣いていいんだよ大人だって
変わらないから
変わらなくていい
項垂れた心を咲かせて
また冒険の続きをしよう
『寒さが身に染みて』
あまりの寒さに足が震える。
冷えきった手はポケットのホッカイロを包んでる。
でも、気分はとても暖かかった。
だいすきな友達たちに、美味しいお酒。
なんでも楽しくて嬉しい。
寒いけど暖かい。
この時間がずっと続けばいいのにって思った。
明日が来なければいいのに。
・・·・・· 寒さが身に染みて ・・·・・·・・· ·・・ ·・·・・·・・·・・·・・·・・·・・
·・・·・・·・・·・・·・・· ・ Je suis en train d'écrire. ・·・・· ·・・·・・·・・・・·
寒空の下、立ち尽くす。
木枯らしに独り吹かれる。
パチンコに負けて、無一文の俺。
寒さが身に染みる。懐の寒さも身に染みる。
あまりの情けなさに、頬に一筋のしょっぱいものが流れる。
今日の晩ご飯は冷蔵庫の野菜室に眠ったもやしかな……塩分はこの涙で足りるだろうか……。
溜め息が出る。体だけじゃなく、心も寒かった。
『寒さが身に染みて』
『寒さが身に染みて』
この街にも冬が来た。冷たくて、寂しくて、居心地の良い冬が。
そうだ、思い出した。冬の時期の、朝の布団は心地がいい。起きたくても体が動かない。と、君もよく言っていた。冬になると着る服が多くて準備が大変だとか、脱ぎっぱなしの服が散らかるだとか、色んな冬を君から聞いた。君の知っている冬を、いや、君の知る全てを知りたい。君から教わったものをなぞるように、君の歩いた道を歩きたい。
まずは冬を知りたいと思った。
君がいなくなった季節。そういえば、あれからもう1年経ったのかと思うと、なんだか懐かしい気分になる。昨日のように思い出す。君の声、君の体温、君の身体。布団にくるまっていると君に包まれているようで安心する。大好きだ。
でも僕は、君を知るために布団から出ないといけない。骨に染みるような鋭い寒さ。君がいなくなった僕が帰ってきたみたいだ。この世界を知って、君を知って、最終的に君になりたい。そう思える。