細言

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『寒さが身に染みて』
この街にも冬が来た。冷たくて、寂しくて、居心地の良い冬が。
そうだ、思い出した。冬の時期の、朝の布団は心地がいい。起きたくても体が動かない。と、君もよく言っていた。冬になると着る服が多くて準備が大変だとか、脱ぎっぱなしの服が散らかるだとか、色んな冬を君から聞いた。君の知っている冬を、いや、君の知る全てを知りたい。君から教わったものをなぞるように、君の歩いた道を歩きたい。
まずは冬を知りたいと思った。
君がいなくなった季節。そういえば、あれからもう1年経ったのかと思うと、なんだか懐かしい気分になる。昨日のように思い出す。君の声、君の体温、君の身体。布団にくるまっていると君に包まれているようで安心する。大好きだ。
でも僕は、君を知るために布団から出ないといけない。骨に染みるような鋭い寒さ。君がいなくなった僕が帰ってきたみたいだ。この世界を知って、君を知って、最終的に君になりたい。そう思える。

1/12/2026, 6:03:42 AM