細言

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1/23/2026, 3:13:13 PM

『こんな夢を見た』
帰り道、夕陽が道を海水のように埋め尽くしていく。冷たく悴んだ指先を制服のポケットに入れ、指を温めながら中に入っていた何かもわからない包装紙を弄る。
「今日はどんな夢を見たの?」
隣で歩く君は言った。毎度の如く、全てを取り込むように自然に。
「今日…?えっとね、何かを買いにどこかのビルに入って、そしたら家族連れがいて、なんかお父さんと仲良くなってさ、一緒に歩いてるうちに画面が変わって、大きな駅の中で…」
ふと君の方を見る。君は黙って、笑顔で、僕の顔を見ていた。
「それで?」
僕は充分に暖まった手をポケットから出し、身振り手振りを加えながら夢の説明を続けた。
「その後はね…」
支離滅裂な夢の話を聞き終わり彼女は笑った。無邪気な笑顔が夕陽に照らされていた。寒さで赤らむ頬を隠すように。
「そっちはさ、どんな夢を見たの?」
笑い終わり白い息を吐き出す君に問いかける。君と目があって瞳の奥が熱くなる。君は目を細めて笑うとこう話し始めた。
「こんな夢を見たんだ。」

1/21/2026, 11:03:01 PM

『特別な夜』
月が夜を呑んだみたいに
この部屋は翳っている
僕は一人で机に伏している
眠たくもないから
寝るほど生きてもいないから
よく育つ気もないから
寝ずに深い世界を観測する
月が眠ってしまった夜
星々は「自分が主役だ」と言いたげに
強く輝いている
月がいない夜だから
特別な夜だから

1/19/2026, 4:55:58 PM

『君に会いたくて』
そして僕はガラスペンを置いた。木製の机の上、所々インクが滲んでしまって綺麗とは言い難い。窓から入る光がガラスペンを通って部屋に拡散している。僕は静かに深呼吸をした。肺が大きく膨らんで、心に沈む鬱憤たちを一時的に浮き上がらせるみたいだ。息を吐くと肺は小さくなって、鬱憤たちも再び沈んでいく。でもゆっくりと、余裕を持って。机に上に開かれた手紙。君宛ての手紙。変だと思うかい?会おうと思えばいつでも会える距離なのに、手紙なんてって。僕は臆病だから、理由がないと会えないとか考えちゃう。だから、手紙を書く。内容はもちろん読んでからの秘密だよ。とにかく会うための要素として手紙を書いてる。僕、言葉を書くことは好きだし。
 君がこの手紙を読んだらなんて言ってくれるかな。部屋の隅で山になった過去の手紙を横目に考える。君は優しくて、いつも笑顔で僕のことを肯定してくれた。そんな君が少し嫌だった。八方美人みたいな、そんな印象。でも僕ってやつは単純でさ、少し優しくされただけで勘違いしちゃった。あの頃から手紙を書いてるけど、いつになったら渡せるのかな。書いたは良いものの、渡す勇気が出ずに溜まっていく。心の澱みが沈んでいく。
君に会いたくて、手紙を書いている。

1/18/2026, 2:41:43 PM

『閉ざされた日記』※自殺表現が含まれます。
4/13
新生活を祝して日記を書いていきます。別に誰にも見せるわけじゃないから不定期にね、気楽に〜書くよっ!

4/14
今日も今日とて大学に行った。まだまだわかんないことだらけだけど、まぁ結構楽しい!高校デビューは大失敗したからね、良かったね!!!

4/16
今日は本屋に行った。なんか専門書?みたいなのが必要らしくて買いに行ったんだけど途中で漫画コーナーに入っちゃってお金が溶けました。金くれっ!!
あ、専門書はオンラインで買えた。

4/20
念願の初バイト決定!高校は禁止だったからね、やっと金稼げる!億万長者になるぞ〜
案外面接は緩くて、仕事中もストレス少なそ〜!頑張るぞー!

5/1
最近忙しすぎて久々に書く。大学もバイトもきっつい。必修が多いし、バイトも覚えること多すぎて。てか店長キレすぎな、まじでだるいっ!早く給料くれぇ、発散してぇ!

5/8
やばーい!友達が、少ないよーー!なんでぇ?誘ってもみんな予定あるし、避けられてるの?えぇぇ!死ぬぅ!
バイトでも友達できないし!誰とも連絡先交換できてないし!なにこれ孤独!!!

5/17
大学休んじゃった。みんなキモいもん

5/18
一気に暇になった。笑

5/20
バイトは週一くらいで行ってるけどさ、結構自分いらないよな。ていうか迷惑なんじゃね。もう潔く首にして欲しき

5/25
うわ、バイト代入ってた。なんか努力の結晶みたいでアツい。我が子みたいに可愛がるわ

5/26
ゲームの課金に消えて草

6/2
やば、大学サボってるの親にバレてブチギレられた。そんで今カラオケに篭ってる。もう金カツカツだってのに。
流石に大学行くか。家入れてもらえないのは困るし。

6/3
しね

7/15
外蒸し暑くなってきた。今死んだら早く腐りそう。家から出たくねぇ

7/25
すっくないバイト代をもらっておさらば。もう働きませーん。ニートでーす。

7/30
また教授に怒られた。さいてーひどいしねよ
まぁ課題出してない私が死にまーす✌︎

8/4
もー金が尽きそう。

8/7
尽きた
どしよ

8/8
単発バイト入れた。がんばりゅよ

8/10
孤独

8/10
同じ日に二回書くってありなんかな。
それだけ

8/11
希死念慮がぁ、すごぉい!

8/12
微かなバイト代でロープを購入。当たり前だけど普通に売ってた

8/13
もう私の話聞いてくれるのこの日記しかない。草

8/[黒い塗り潰し]
[黒い塗り潰し]

8/20
死ぬ日決めた。お前ともあと少しだな

8/25
死ぬのミスったぁーーーー!意外と死ねないね。まじで苦しいだけだわ。

8/26
ロープの結び方とかあるんだ。てきとうにやってた

9/1
やっぱね、二度目となると慣れてくるんですよ。ほいじゃあ逝ってきまぁす!また来世で!

1/15/2026, 5:42:52 PM

『この世界は』
僕は単純な人間だ。精神年齢がいつまで経っても進まないみたいに、相手の気持ちを考えられない。言われた言葉に一喜一憂して、まるで人生が変わったかのような錯覚に陥る。初対面の人でも会話をするだけで幸せになれる。相手のことなど考えないから。
僕は面倒な人間だ。精神年齢が中途半端に老いてしまい、なんでも勘繰ってしまう。悲観的になってしまう。そのせいでいつも大きな行動ができなくなる。その癖して人に愛されたいだとか言ってしまう愚か者なのだ。
総じてこの世界は僕には向いていないのだろう。この世界は難しすぎる。何も考えない馬鹿になるか、考えすぎる馬鹿になるか、それしか無い、できないのだから。それに僕は業が深い。傲慢だとか嫉妬だとかが大罪と称されるこの世界ならば、きっと僕は即刻死刑だろう。
それでも、ここまで生きてしまった軌跡が、鎖となって僕を離さない。僕をこの世界に拘束する枷になってしまった。この世界を美しいと錯覚させる代物だ。きっとその幻想は消えてくれない。いくら挫折や絶望を感じても、過去の微かな幸せが僕を水面に浮上させる。光を見せてくる。この世界は残酷だ。
この世界は美しい。

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