『安らかな瞳』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
澄んだ水のようだと思った。
何も映さないはずのガラスの瞳は、とても瑞々しく安らかだった。
僕の作る人形は、どれも目が死んでいた。
それがいい、と周りは言う。
何も映さない。いや、映す気のない瞳こそが、僕の作る瞳の良さなのだと、誰もが口々に言った。
誰が言い出したのかも分からないけど、僕はそれが嫌で。でも、周りの評価を覆すだけの勇気もなくて。それこそ死んだ目で人形を作っていた。
そして僕が人形を作る人形になった頃。
たったひとつ出来上がった瞳は、とても瑞々しく、安らかに見えて。
ああ、これで僕は水のような瞳の人形を作れると。
残った片方の目で、それを満足げに眺めていた。
乗りこなせなかった
自分自身を
鏡の中の私は
安らかな瞳で
静かに受け止めてる
諦めはきっと
少しだけ
悔いになるけど
気が向いたら
また始めたらいい
いつになったって
何度だって
「安らかな瞳」
クソ久しぶりに書くけど、安らかとは何ぞ。例えば『ととのう』ってやつとか?
吾輩はサウナとか急激な温度変化食らうと1、2分で、マジで目ぇ回して胃の中空っぽになるまで吐くようなタチなのでサウナの民は理解が出来ない。早すぎだろって思うだろう? 吾輩もそう思ってる。どうにかならんのかこの体。
大体が42℃の風呂さえ無理。つま先でさえつけたくない。前世は氷とかだったの?
『桃ジャムのおまじない』
私の祖母はジャム作りの名人だった。祖母の手作りジャムはどれもこれも絶妙な甘さとフルーティーさが最高のハーモニーを奏でていて、スーパーやパン屋で売られているジャムとはまた別格の美味しさがあった。
特に私は祖母が作る“桃ジャム”がお気に入りだった。元々私の大好物が桃だったからという理由もあるが、お気に入りとなった最大の理由は祖母が初めて桃ジャムを作ってくれた時のお茶目な一言が印象に残っているからだと思う。
「この桃ジャムにはね、特別なおまじないをかけてあるんだよ。おばあちゃんの大好きなちぃちゃんがこのジャムを食べたら、たちまち笑顔になるおまじないがね?うふふ。」
祖母のその言葉は確かに現実のものとなった。当時の幼い私が初めて桃ジャムをトーストに塗って一口食べた途端、口いっぱいに広がる大好きな桃の味に幸福感を覚えて笑顔になったものだ。だから、その頃は祖母のかけたおまじないというよりも美味しい桃ジャムの味で笑顔になったのだと考えていた。
だが、今となってあのおまじないの効果は“祖母がいた”からこそあったのだろうと考え直している。何故なら桃ジャムを食べている間、祖母は安らかな瞳で私を見つめながら温かな手で頭を撫でてくれていたから。きっと私はその心地よい祖母のスキンシップにも幸福感を覚えていたからこそ笑顔になれていたのだ。
──現在もう祖母はこの世にはいない。半年前に老衰で亡くなってしまったからだ。
そして、今。私は祖母の家の遺品整理で見つけた桃ジャムのレシピを使い、あの桃ジャムを再現しようと台所で奮闘していた。
桃、砂糖、レモン汁。準備するものは至ってシンプル。桃の皮を剥いて切り分けて鍋に入れ、砂糖とレモン汁と共にグツグツと煮詰める。出来上がれば冷蔵庫で冷やし、後はお好みでトーストやスコーンなどに塗って食べる。たったそれだけだ。もちろん祖母と同じ様におまじないもかけてみた。笑顔になる対象は自分自身になったが。
そんなこんなで何とか桃ジャムを完成させた。初めて作ったにしては焦げもなく上出来だった。事前に準備しておいたトーストに桃ジャムを塗り、早速一口頬張ってみる。
…しかし、どうしたことだろうか。笑顔になるどころか、あまりの懐かしさに思わず涙がポロリポロリと落ちてきてしまう。嗚呼おまじないは失敗のようだ。それに上手に再現出来た筈の桃ジャムも段々としょっぱく感じてきてしまった。
「っ…あのおまじないは、本当におばあちゃんにしか使えない特別なおまじないだったんだね。」
私はもう祖母が亡くなって半年も経つのに、今だにその悲しみと虚しさからは解放されていなかった。だから久しぶりに桃ジャムのおまじないを使って笑顔になれないものかとやってみたのだが、そんな幼稚な考えはあっさりと崩れてしまった。
もう一度祖母に会いたい。また桃ジャムのおまじないをかけてほしい。そう願いながらも実現することはないと分かっている。やはりこればかりは時間が問題を解決してくれるのを待つしかないのだろう。
私は泣きながらも早々にしょっぱいトーストを食べ終えてしまえば、作った桃ジャムを冷蔵庫へしまって後片付けをしていく。その間も私の脳裏には祖母の穏やかな笑顔と頭を撫でてくれたあの優しい手が浮かんでいた。
【安らかな瞳】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
3/12 PM 2:50
「――あ、インターホン鳴ってる」
暁が音に反応して、ゲーム画面から
視線を外してオレの方を見る。
「お荷物でも届いたの?」
「いや、天明(てんめい)が
来たんじゃないかな」
「……は?」
玄関へ向かおうとしたのか、
ソファから腰を上げた宵が
そのまま固まった。
「宵と暁に用があるって言うから、
なら、うちに来れば? って
LINEで住所送っておいたんだよ」
「……やるねぇ、真夜(よる)くん」
ニコニコ笑っている暁とは対照的に、
宵は呆然と立ちつくしたままだったので、
オレが玄関へ向かうことにした。
「いらっしゃい、天明。
迷わず来られた?」
「ああ、学校から近くて
分かりやすかったよ。
――お邪魔します」
リビングへ戻ると、暁がひらひらと
手を振って天明を迎える。
「いらっしゃーい、天明くん。
わたしたちに用事って聞いたよ~」
「悪いな、急に」
「全然悪くないよ。どうしたの?」
「あー……。フライングになるけど、
バレンタインのお返し渡しに来たんだ」
「そうなんだぁ。
……けど、どうしてフライング?」
「それは……。俺、バレンタインの時、
気持ちに応えられないから、
受け取れないし、お返し出来ないって、
基本的に断るスタンスだったんだよ」
「でも、押し付けられまくってたね」
「まぁ、そうだったんだけどな。
一応全員にお返し出来ないって言った
手前、学校で古結(こゆい)たちに
お返しを渡すのは控えた方がいい気が
したんだ」
「……ん? あれ? ……それって、
わたしたちだけに、お返ししようと
思ってくれたの?」
「……そうだな。古結たちには、逆に
しないって選択肢が俺の中になかったな」
「わ~。天明くんて義理堅いっていうか、
友情に篤いっていうか……。
ふふ、ありがとう、とっても嬉しい。
ね、宵ちゃん」
「え、あ……そう、ね? ……ありがとう」
じゃあこれ、と、天明が2人に
お返しを差し出す。
暁にはホワイトショコラの中に
苺ガナッシュが詰まったトリュフ。
宵には猫の肉球の形をしたクッキーと
フィナンシェの詰め合わせ。
しっかり好みが把握出来ているな、と
思う。
「美味しそう!」と喜ぶ暁と、
「可愛い」と思わず呟く宵を見て、
天明はほっとしたような、
安らかな瞳で2人を見つめている。
どうやら天明にとっても、
2人はもう、特別な存在に
なっているのかもしれない。
安らかな瞳
安らかな愛
穏やかな時間
かなり昔…
日系おっさんと知り合った…
優しい語り口で
俺に優しくしてくれた
おっさん何で日本に来たの?
聞いてみたよ
それで
やっぱり普通に金って即答でしたよ
朝5時から働いて
終わるの夜8時…
たまに顔見かけると
よくやるねぇ…としか言えなかった…
おっさん…日本人のおっさんぽくて…
若いやつに遠慮するのよ
優しさでね✨
見た目は普通に日本人
中身は何処にも居る優しい日本人のおっさんなんだよ
携帯鳴って向こうの言葉で突然話すと
あぁ日系なんだなぁ…✨(笑)
思うのよ…(笑)
おっさん俺にビールくれたのよ
多分自国のビールをね✨
知らない言葉で読めない(笑)
薄めの味で…
何か酔わないから…
多分ノンアルビールで…(笑)
何だよ…(笑)
次顔見かけた時に
言ったのよ…
そしたら
おっさん俺に
お前サプリメントとか
多いだろ…
酒も多いだろ…
体を考えろ…
おっさん…おっさん…
何よ…その優しさは…
幸せになりたくて
日本に来たんだ
お婆さんの生まれた国に来た
金貯めて幸せになりに来たんだ
お前も幸せになれ…ってよ…
体大事にしろ…ってよ…
だから俺にノンアルビール…
それで…
最近見なくなって…
何処に居るのか…?
全然見かけなくて…
日本の優しい心を逆輸入した…優しいおっさん…
最近よく
おっさんを思う
おっさん元気でいてくれ…
おっさん…幸せでいてくれよ…
おっさん…ありがとうございました
少しの間だけど安らかで穏やかな日々でした
遠方から来て日本で働き
日本経済に貢献してくれている方々
日本経済を動かしていただき
ありがとうございます🍀
貴方だからだよ。
安らげる瞳ではなくて
貴方達がいるから。
いつもありがとう。
支えてくれてありがとう!
応援してくれてありがとう!
そんな綺麗な心が瞳に出てるよ。
それだから且つありがとう。
貴方は眠る。
乱れたシーツの上で、
太陽が目を覚まし、今日を呼んでいる。
私は眠る。
汚れた貴方の隣で、
今日の始まりが訪れる。
始まりを終わりに変えた私達は、今日に別れを告げる。
そして、夜を待つ。
お題《安らかな瞳》
まだ見ぬ夢幻の春をまぶたに描いて
まだ知らぬ季節さえも愛おしく想い散ってゆけるのは
君の笑顔に春の陽ざしをみるからだろうか
安らかな瞳→正直あまり書かない僕にとってはこの単語が出ても何も書けない。
千景は安らかな瞳で僕を見た。
そして微笑みながらはにかんだ。
『麝香猫の夜』
奥深い眠りから醒めた朝 窓の雫と蜥蜴の亡き骸
しゃがみこんでみつめる先は 今しか見れない新世界
空想好きの私はいつも ペンとノートを片手に持って
生きてる証を残そうと 足掻くように詩を書いた
この詩は私の糞そのもの 読んでもいいし捨ててもいい いつのまにか夜がまた来る 麝香の匂いで何故だか私は目が冴える
君は凄く悲しそうな眼で僕を見るから
僕は手助けのつもりで君を殺した。
その時、君は安らかな眼で僕を映していた。
私は大事な人の死んだ姿を見た事がない
亡くなったという知らせを聞いたことがあるだけ
いつかその時が来たらその人は安らかな瞳をしているんだろうか
その瞳に恋をした
吸い込まれそうなほど
大きなその目が
全てを話してしまいそうなほど
暖かい目線が
大好きだった
いつかまた
あの瞳を見たい
「安らかな瞳」n
安らかな瞳で微笑みかけ
いつも僕の愚痴を聴いてくれる
君の隣は居心地が良くて
陽向のような温もりで
僕を包み込んでくれる
そんな君の隣が好きで
いつしか君の存在が
当たり前になっていた
この先もずっと続いてゆくんだと
そう思っていた
些細な事がきっかけで
少しずつ君との溝は深まり
いつしか埋まらない程の大きな穴になって
陽向は夕暮れの様に影を伸ばし
君は僕の前から消えた
そして時が経ち
そんな君の事を引きずってたある日に
君に再会をする
君は相も変わらず
安らかな瞳で微笑みかけて
いつかの想い出を語り合う
そして君は言う
『貴方の幸せを願っているよ いつかまた』
安らかな瞳で君は去ってゆく
一筋の陽向を僕に残して
アイツは私に、いつも憐れみの瞳を向ける。それは、時に私を、不愉快にする。
私には、父がいなかった。
幼い頃に両親が離婚して、今は母が女手一つで育ててくれている。駅のホームの反対側にいる男。アイツはそれを知らないはずなのに、いつも、あたかもそれがわかっているかのように私を見る。
気味が悪かった。母に相談しようとも、警察に連絡しようかとも思った。私自身が社交的な性格であるため、本人に直接言うこともできた。それでも、私はしなかった。
いつも私に向けられているその瞳は、もう一つの意味でも受け止められた。
それは、我が子を見つめる安らぎの瞳。
私があの男を通報できない理由は、私の中に存在する、幼い頃の記憶。今はもうモザイクがかかったようにはっきり見えないが、あの男に似た父が、私をそっと抱きしめていた。
安らかな瞳
素敵な響きの言葉だけれど、何故だか上手く想像出来なかった。
実際に安らかな瞳をした人にはあまり会ったことがないからかもしれない。
唯一思い浮かんだのは、仏像くらいだった。
その仏像も、よく見ると辛うじてうっすら目を開いているのが分かるくらいで瞳と言えるかは怪しい。
調べるとそもそも目を完全に閉じている仏像の方が多い気がする。
目を開けている仏像は大抵険しいお顔をしていた。
安らかな、という言葉からはどうしても死を連想してしまう。
普段あまり使う機会がない言葉だからか、
最期に見た満面の笑みのまま眠っているようなあの人の顔が目に焼き付いているからか。
きっとこれから色々な人に出会えば、
この言葉の意味をしっかりと理解できるようになるのだろう。
ゆっくりお休み
傍に居てくれてありがとう
ふわふわの毛並み
ガラスみたいな瞳
わたしのたからもの
ずっとずっと忘れないよ
今は涙が止まらなくても
君のいない世界をしっかり生きるよ
お空でずっと見守って居てね
また会おうね
約束だよ
大好きな猫が虹の橋を渡って
空の世界に行った
安らかな瞳
そんな瞳で見つめないで
余計に不安になるから
君の瞳に映るその先は
どこか哀しそうだった
今まで積み上げてきた想い出が
安らかな瞳に映し出していたのだろうか