『安らかな瞳』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
儚く
美しい
安らかな瞳の
あなたはもう
此処には
いない。
広大なお花畑。
どこからか吹いてくるやわらかい風。
一面真っ青な空。
みんなを照らす日光。
その中に、たった一人、ぽつんと立っている。
色とりどりに咲き誇っている花々は、
たくさんの瞳を持っているようなものだ。
一輪一輪に見蕩れ、
やがて取り込まれ、
私に安らぎを与える。
――今日は……にもってこいの日、舞台。
人生に疲れた私は、たくさんの安らかな瞳に囲まれ、
この風景に合うような鳥に今、なる。
〜安らかな瞳〜
わたしは、アオイの瞳が嫌いであった。
アオイはいつもいつも、わたしを見てくるのだ。
「今日も何か落ち込むことがあったの?」
優しく話しかけてくるアオイは、他の人には好感が持たれそうだが、今のわたしにはただただうざったい。
「ねえ」
アオイは、俯いているわたしの顔を覗き込んでくる。わたしは必死に目をあわせまいと、顔を逸らした。
わたしは、その顔が、その瞳が嫌いなのだ。
その、何もかも見透かしてくるような、何もかも赦すような、その安らか瞳が。
どうしてわたしなんかに話しかけてくるのだろう。
わたしは彼女を裏切ったというのに。
ことの発端は、わたしへのいじめだった。
まあ、そうだ、ただただわたしが陰気臭いとか、そういう理由である。
わたしはいじめなどくだらない、下衆な人間がするものだ、と斜に構えていたが、さすがにこたえるものがあった。
ノートや教科書を切り裂くのはないだろう。金がもったいないじゃないか。
とまあ、そういう理由でいくらか落ち込むことはあった。
教室にいると、馬鹿どもがわたしをコケにしてくるため、わたしはいつもの校舎裏のベンチで食事をとっている。
アオイと話す様になったきっかけは、いつも通り1人で弁当を食べようと、ベンチに座った時だった。
めんどくさいし展開よめるんでやめます
読んでくれてありがとうございました
久しぶりに見たその顔は
とても穏やかなものだった
いつもどこか疲れた表情をしていたのに
憑き物が落ちたような
清々しさ?いや、晴れやかさ?
いや、安らかさを感じさせる顔をしていた
久しぶりに見るどこまでも真っ直ぐな
けれども暖かみのある優しい目
その瞳にあてられて
こっちまで心穏やかになる
安堵した空気が
二人を包んで取り囲む
永遠に続くわけもない
けれどその時間を切望するでもなく
ただただ夢中で見つめ続けた
互いのその安らかな瞳を
正直、変わった奴だとは思ってた。
いつだって飄々としていて、ニコニコと笑っていて、それでいてよくオレ達を観察している、そんな奴。
つり目で黒目がちの瞳は、何となく小動物のようで。
普段はある理由から見られないその眼が、妙に印象的だった。
ーーーそう言えば、同僚がよくボヤいてたっけ。
”アイツと居ると、調子が狂う”
”迂闊なこと言うと、訳が解らないまま丸め込まれる”
”支離滅裂なくせに、妙に説得力があって困る”
だけど、何故かオレにはそんなことはなくて。
寧ろ、怖いくらいによく言うことを聞いてくれたし、色々なことを話してくれた。
その時は、いつだって楽しそうに眼を細めていたっけ。
ーーーでも。
「ごめんなさい。オレのせいで、あんなことになって、ごめんなさい」
思い出したように泣きながら懺悔を繰り返すアイツを見ているのは、正直辛かった。
虚ろで、光さえ飲み込んでしまったかのような漆黒の瞳は、何故かオレに向けられていたから。
ーーーだから、初めてだったんだ。あんなにも穏やかで、”安らかな瞳”を見たのは。
それが最初で最後になるなんて、思いたくなかったけどね。
安らかな瞳
安らかな瞳だなって思うその瞳だってきっと数え切れない涙で濡れてきてるはず。
だから何も知らない私たちが上部だけの褒め言葉で形容してはいけない。
安らかな瞳
貴方が安らかな瞳で見つめていたその先は、
貴方にとってかけがえのない
大切では表しきれない
想い出が映っていたのだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー今日2つ目の投稿です。「想い出」にしたのは意図的です。短い文でしたが、何かを感じてくださったら幸いです。
嬉しいことも
悲しいことも
すべて経験し、乗り越えてきたから
君の瞳は
澄んだ湖のように安らかなのでしょう
『安らかな瞳』
キミは身体を横たえたまま、穏やかに此方へと微笑んだ。
その表情があんまりにも優しくて温かくて、ボクはどうしようもなくなってしまうんだ。
_キミとの出逢いはあの日。陽が傾くのが幾分か早くなった頃の夕。辺り一面いっぱいに赫赫に埋め尽くされ翳が伸び、まるでこの世のものとは思えぬ世界に独り通学鞄を持ち竦むキミ。近くの中学に通い友人は居らず、家に帰る時刻はいつも二十二時を越えるキミは家でも上手くいっていないようで楽しみはこの道の先にある橋下にいる子猫の世話なのだと知ってはいたが初めて声を掛けた。昂る気持ちを宥め努めて紳士に声を掛けたつもりが、存外震えていて、そんな自分をその大きな黒曜石は見詰め、鈴の転がすような涼やかな声音でこう言ったんだ。
「ころして」
嗚呼、聡いキミはボクが何者なのか、すぐにわかったんだ。何も言わずともわかってくれたんだ。
それからボクはにたりと嗤い、キミを不幸から連れ出した。キミの読みたい本を好きなだけ読み、キミの好きなジュースとアイスを食事の後に必ず食べ、夜にはふかふかの暖かい布団で寝る。いつしかキミは笑顔を絶やさぬ少女になった。
キミを幸せの下に連れ出せたのだ。
ひとりの少女を救った、それは自身の心さえ梳く思いで。これまでの自分の人生がいいもののように思えて嬉しかった。
幸福だった。
そばにいたい離れたくない。
悪い夢を見た時其処にキミが居れば、安堵する。
鬱々蝕まれる時キミが話を聞いてくれると、優しくなれる。
キミが笑ってなを呼んでくれると、まだ生きていたいと思える。
いなくてはならない存在なのだ。
そしてそれは多分、キミにとっても同じで。
最近少しずつ近づくキョリにどぎまぎしつつも、キミはボクのベッドにそっと忍び込む。ギシリと軋むスプリングの音が不快ではなく、むしろ心地良さすら覚え、思わずキミの方を振り返る。キミも此方を向き微笑む。呼気が上がる。微かに手が当たり心臓が跳ねた。きっと顔も赤くなっているだろう暗闇なのがせめてもの救いだが、バレていないかどうかわからない。暗いのに、それでもキミの艶めいた唇が開いたのをありありと感じ、その声を待つ時間が永遠に思えた。
キミは言う。
「ありがとう。あなたがとってもだいすきよ」
そう言ってキミは身体を横たえたまま、穏やかに此方へと微笑んだ。その瞳は安らかな色を湛え、ボクは無意識に雫をこぼす。幸せだ。
遠くの方で鳴っていたサイレンは、
気付けば自身の背後で鳴り響いた。
「安らかな瞳」
安らかな瞳で見つめられると
どうしようもなく、勘違いする。
春がわたしに確かに近づいてくるものだから、ちょっとだけ怖いことがある
思いきり尖った冷たさのなかで棘をなでるように指先を温めあうことの美しさも抜け落ち
身体のそばをはなれてしまう、春には、本当のあたたかさが分からなることがある
『安らかな瞳』
その瞳にはわたしが映っている。
と、いうことは、わたしの瞳にはあなたが映っているはず。
わたしの瞳の、小さな小さなあなたが溺れないように、わたしは涙を堪えた。
私 あの瞳をずっと見ていたい。
暖かくて優しい瞳。
大好きなの。
[ お題 - 安らかな瞳 ]
ゆらゆらと揺れている綿、小さな手は空を掴んで、ああ彼はどこまでも進んでいくのだろうと、そんなことばかりを思い出す日の暮
『安らかな瞳』
安らかな瞳、というと。
眠る前の少しの時間に見られる、
あなたの穏やかな瞳だろうか。
わたしたちには決まりがある。
ともに同じベッドへ入り、
寝る前には手を繋いで、目を合わせ、
おやすみを言い合う。
一瞬のことではあるが、特別で大事な時間だ。
一日の終わりには必ずあなたと目を合わせ、
言葉を交わす。
あなたの柔らかな声を聴いて、
その安らかな瞳を見ることで、
私の心は解きほぐれ。
また今日もよく眠れるような、そんな気がするのだ。
『安らかな瞳』
町はグレーに染まり
アスファルトの花にも気づかない
僕の瞳も黒く染まり
何をするにもやる気が湧かない
地面に写真をぶち撒ける
その黒い目で僕は見る少年の日を
クレイジー・ガール
「ねぇ、“愛”って何だと思う?」
私は自分に対して質問する。
しばらくして、風が答えてくる。
『その難病のことよ。ガール』
君を愛し過ぎて、好き過ぎて、死んじゃいそう。
でも、私の声は、気持ちは君に届かない。
クラスのチアガール達の方がずっと君にはふさわしいだろうから。
可愛くて、輝いてる彼女達。
シャイでダウナーな私なんか、興味ないよね。
だから、私は君を影で応援してるね。
でも、ああ、君を気にしないように思えば思うほど、気持ちが苦しくなってきちゃう!
愛って残酷。
世界が逆さまになればいいのに。
神様が私に振り向けばいいのに。
昼休み。
君は女の子達とカフェテリアに行く。
私は教室でママが作ったお弁当を一人で食べる。
こっそりロリポップも持って来たのは、私は甘いものが大好きだから。
君にあげようなんて、絶対絶対思ってないから!
でも、もし世界が、神様が私に味方してくれたら。
その時君にこのロリポップをあげてもいい。
君に告白すればこの病気は治るのかな?
私に誰かを愛する資格なんてあるの?
君を幸せにできるの?
本当に?
チアガール達と君が教室に戻ってきた。
君が私に微笑んだ気がする。
ううん、きっと気のせいね。
もうすぐ授業が始まる。
胸が気持ち悪い。
やっぱり私、クレイジーだ。
安らかな瞳
その人はあまり笑わない人だった。華やかなドレスをまとい、みんなが羨むような人の婚約者になっても、その表情は崩れることなく、石のようだった。
僅かな表情の差異を見つけ、彼女の気持ちを読み取るのは決して簡単ではないが、それができるくらいには隣に長くいたはずだ。
だから、その日、初めて見たんだ。いつもは無感情なその瞳が、少しだけ柔らかく色付いて、穏やかになったのを。
その表情に気づくことができたのは、きっと自分しかいないだろう。すべてを許すような、そんな穏やかな瞳で、断頭台に立つ彼女と目があったような気がした。
「やっと、終わる……」
そう呟いた彼女の声は怒号にかき消され、誰の耳にも届かなかったけれど、たしかにそう言ったことだけはわかった。
いつも笑いかけてくれる彼の瞳が大好き
だけど何故か切なくなる
月夜の下に二人 貴方に抱かれて私
気付いた事があるの 誰にも言えない話
トモダチのままでいたいと
想ったのが間違いだった…
貴方は今 誰を見つめてて 誰の中に居るの?
きっと私は 貴方の瞳には もう二度と映らない
このままつながっていたいけれど
傷つくのはきっと私だけ…
もう二度と抱かれない 二人だけの悲しい行為
夢はいつだって 覚めてしまうの儚く…
貴方は今 誰を見つめてて 誰の中に居るの?
きっと私は 貴方の瞳には もう二度と映らない
この腕に包まれたまま 二人溶けてしまいたい…
明日の今ごろには、きっと
二人別々の道 貴方には言えないの
この想いは
抱き締めたまま…