John Doe(短編小説)

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クレイジー・ガール


「ねぇ、“愛”って何だと思う?」
私は自分に対して質問する。
しばらくして、風が答えてくる。
『その難病のことよ。ガール』

君を愛し過ぎて、好き過ぎて、死んじゃいそう。
でも、私の声は、気持ちは君に届かない。
クラスのチアガール達の方がずっと君にはふさわしいだろうから。
可愛くて、輝いてる彼女達。
シャイでダウナーな私なんか、興味ないよね。

だから、私は君を影で応援してるね。
でも、ああ、君を気にしないように思えば思うほど、気持ちが苦しくなってきちゃう!
愛って残酷。
世界が逆さまになればいいのに。
神様が私に振り向けばいいのに。

昼休み。
君は女の子達とカフェテリアに行く。
私は教室でママが作ったお弁当を一人で食べる。
こっそりロリポップも持って来たのは、私は甘いものが大好きだから。
君にあげようなんて、絶対絶対思ってないから!

でも、もし世界が、神様が私に味方してくれたら。
その時君にこのロリポップをあげてもいい。
君に告白すればこの病気は治るのかな?
私に誰かを愛する資格なんてあるの?
君を幸せにできるの?
本当に?

チアガール達と君が教室に戻ってきた。
君が私に微笑んだ気がする。
ううん、きっと気のせいね。
もうすぐ授業が始まる。
胸が気持ち悪い。
やっぱり私、クレイジーだ。



3/14/2023, 1:42:44 PM