John Doe(短編小説)

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6/14/2024, 7:40:46 PM




金融機関
軍事施設
コンビニの惣菜パン
鉄道会社
讃美歌


そして、僕の真っ黒なたましい。

6/3/2024, 6:25:24 AM

窓際


夕暮れのサバンナの大地を見ていた

ブラウン管に映し出された雄大なサバンナ

くだらないファーストフード店のCM

私はタバコを取り、火をつけ

そして窓際に腰掛けて一服する

5/30/2024, 12:58:50 PM

積み木


ここは僕の世界
そしてここは僕のテリトリー
この小さな部屋が僕を守ってくれるんだ
僕は誰かが帰って来るのを待っていた
何百年も、何千年も

僕は海底に沈んだ難破船の一室で
積み木の帝国を作っていた
光の届かない、暗い海の底
地上は嵐で大混乱
ここはとても静かだ、それが寂しいくらい

僕の身体は完璧なんだ
おまけに不老不死
でも、積み木の帝国の王になったところで
僕は外に出られやしない
水圧で瞬く間にぺしゃんこにされるだろう

でも君たちは来てくれた
僕を迎えに来てくれたんだ
光が積み木の城や塔を照らしてくれる
もう、ここには要はないんだね
彼らの潜水艦に乗り、僕は新たな旅に出る

積み木の帝国は静かに崩壊した

今日は記念すべき僕の新しい生命のスタートになる

5/29/2024, 1:25:31 PM

渓谷


俺の目をみろ
俺の眼球はお前のノロマな面を反射しているが
俺はお前なんかみちゃいない

お前は下降し続けている
彼らはお前の行く先を妨害するだろう
だがお前は下降し続けるしかない

彼らは浮き沈みしながらやってくる
谷を降りて、心をズタズタに引き裂きくるぞ
ハイエナみたいな獣の群れが見えるだろ?

俺の目をみろ
俺は夢なんかみちゃいない
お前は誇大妄想に取り憑かれた夢想家
俺の目をみろ、そして耳を澄ませ
踏み切りの音が聴こえてくるだろ?
奴らトロッコに乗って谷を降りて来たんだ

今にお前は奴らに呑み込まれる
ノロマなお前は俺の目をみているしかない
もちろん、俺はお前なんか助けたりしない

5/28/2024, 11:14:49 PM

覚醒


君の言葉が僕を目覚めさせた
君の言葉が僕を奮い起たせたんだ
僕は勇気を得た

神様は知っているだろうか?
僕は地獄の日々の中に楽園を見つけたことを
そしてそこでノートの切れ端に愛の言葉を綴っていたことを

すべてが心地よい
すべてが新しく、爽やかだ
僕は風の中で、朝日を浴びて立っている

工事現場のそばのアパート
子供たちのはしゃぎ声が聞こえる校庭
水平線の彼方にぽつんと見える貨物船

すべてが心地よい
すべてが新しく、爽やかだ
僕は抗鬱薬が全身の血管に行き渡るのを感じる

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