John Doe(短編小説)

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万華鏡


私は安楽椅子に腰掛け、部屋の窓から庭を眺めていた。
40分ほど経過したころ、突然視界の端で七色に光り輝く幾何学模様を認識した。
庭の草木が神秘的な曼陀羅を描き、七色に揺れ始める。
私の精神は恐ろしいほど落ち着いていた。
怖がるべきなのだろうが、恐怖感や不快感は少しも感じられない。
万華鏡を覗いているように、庭も部屋も揺れている。
波模様を描きながら、光の球となり、東西南北をふわりふわりと飛び交い、窓は教会のステンドグラスのように美しく揺れていた。
私はこれが夢なのか、単なる私の妄想なのか、それとも脳の異常なのか、考えなければならないのに、どうでも良く感ぜられたのである。
このあまりにも芸術的で神秘的な光景は筆舌に尽くしがたい。
私は扉を開いたのである。
隣の部屋は宇宙の神秘を詰め込んだ箱庭だった。
それから数時間後、万華鏡はゆっくりと消えていき、強烈な眠気が私を襲った、

私はいつの間にか眠っていた。
夢のような世界から夢に入り、夢の扉を開くのである。

3/2/2026, 1:28:39 AM