『好きな本』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
本棚が散らかっている。それはまあ、足の踏み場もないほどに床に落ちていたり、雪崩のように本が崩れたりしているのだ。僕は早く片付けねばと、床に落ちている一冊の本を手に取った。それは、見覚えのない本だった。かなり年季が入っているようだ。僕はタイトルなんか見ずに、早速ページを開いた。自分でも、殆ど無意識のうちに、だった。この本を読めば何かが叶う。本能的にそう悟ったのかもしれない。1ページ目には赤い文字で[Aくんを殺す方法]と書かれていた。僕の脳裏に一つの顔が思い浮かぶ。僕は思わず、本を閉じそうになった。A君というのは、僕のクラスメイトで、背が高くてハンサムで、ときたら、頭も良くて人望もあるような、非の打ち所のない男だった。僕は、少し戸惑ったが更にページを読み進めることにした。A君は僕をいじめていた。彼は、自分と取り巻きたちで、僕を殴ったり、何かを強要したり、お金を取ったりした。その時のA君たちの顔はとても楽しそうだったのを僕は覚えている。まるで、今の僕の顔みたいに。本には、A君の殺し方や遺体の処理の仕方、警察が来たときの対応の仕方などが、具体的に書かれていた。僕は、それらを一文字一句目に焼き付けるようにして、全てを読み上げた。
僕は、ずっと前からA君を殺そうと思っていた。A君を殺せば、何かが変わって、この地獄みたいな日常が終わると思っていたのだ。しかし、それは、[すれば]の域を出ることはなかった。もう失うものなどないというのに、中々決心がつかなかったのだ。だが、もうこれで決心がついた。僕は、A君を殺す。A君が僕の心と理性を殺していったように。僕は、ふと気になって、本の表紙を見てみる。真っ白な表紙の上に、赤い文字でこう書かれていた。
[君達がとても好きな本]
『好きな本』
私の好きな本はちょっと。いや、結構、かなりクセのある本だったりする。
話の内容をざっくり説明すると、ストーカーとその被害者のレンアイ。しかもGLね。女と女のラブラブしてるヤツ。この本の結末はストーカーは自殺。被害者は自殺したストーカーの骨を持って海外へ~。ね、クセ強いでしょ。
この本が好きな理由は、なんかほら。よくあるじゃん。その本のストーカーと私がなんか似てる、気がしたから。ありきたりンゴな理由でしょう。実を言うと私は今恋してまして、好きな子は女の子。私も一応、女の子。そんでもって、私は好きな子の許可を得て、写真を撮って集めたりとまあ、少し間違えれば犯罪になるようなことを…。もうこれは合法的なストーカーになるね、と好きな子に言われて、なんかにてんのかもなぁと。だから好き。多分。あ!けど私は本と違ってこの恋の結末、自殺とかにする気ないから!以上!
寝食忘れて本にかじりついていたのは、十代の頃か。
その頃の脳ミソは柔軟で、文字の羅列から勝手に映像を創り出し、まるで一本の映画を観ているようだった。
ハードカバー一冊を三時間で読みきって、上下巻なら下巻を休憩もせずに飲まず食わずで読み続けていた。
とんでもない集中力、勉強に活かせば良かった、と後の祭り。
今では殆ど本を読まなくなって、昔読んだ本の内容も忘れてしまったけど。
お気に入りの本のタイトルと表紙は、今もしっかりと覚えている。
テーマ「好きな本」
好きな人と同じ言葉や感情を共有していたあの瞬間
学校の教科書さえも大好きだった
#好きな本
ジャンルはミステリー物が好きです。僕が小説が好きになったきっかけは西村京太郎先生の十津川警部シリーズです。鉄道を中心に物語が進んでいくところが面白く次々にページをめくってしまいます。
好きな本は
夫と読む本だよ
あなたと一緒に読んでたい
というと夫から
いろんな本を一緒に読んでたい
という嬉しい言葉いただきました
一緒にこれからも色んな本読もうね
おう
好きな本
小学生から読書好きで、多分、数千冊は読んできた。持ってる本も1万冊くらい。古代ギリシア哲学や法律、美術書や歴史、経営学や勿論文学も古典から大衆小説迄色々読んだ…色々感銘を受けた書籍も多い。ひと頃流行った活字中毒的な…その中から一つ選べるか…
#50 好きな本
「好きな本か。考えてみるから、君から教えてくれないか」
「僕は、福田和代の『迎撃せよ』が面白かったよ。いつも図書館でタイトルを見ながら直感で選ぶんだ。これが何故かなかなかアタる」
「ふむ。それなら、僕は人に勧められて読んだものから選ぼう。沢木耕太郎の『深夜特急』が面白かったな。人間味があって、行ったことのない場所なのに 情景が思い浮かぶところなんかね」
「なるほどね。あとは、そうだなぁ。教科書で読んだ、村田喜代子の『耳の塔』が印象的だったなー」
「ちょっと知らないな。どんな内容か教えてくれるかい」
「もううろ覚えなんだけどね、娘だったかなあ。仕事で難聴になった父に付き添って補聴器を買いに行くんだ。でもね階段で置いていかれるかなんかするんだよ。それを読んだ時に、なんかこう…人の寿命や死を意識したんだ」
「興味を引かれる話だね、あやふやなのが残念」
「10年以上前に授業で読んだだけだからねー」
「学生時代に読んだものでいうなら有川浩の『キケン』かな。大学生ならではの行動力と青春に憧れたものだよ」
「ああ、お店の子の話だよね。ゴム銃の改造のくだりが面白かったな。憧れかぁ…それなら村上春樹の『1973年のピンボール』は知ってる?あんなに幸せそうに夢中になれるものを見つけられるって、いいなって思ったんだ」
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ここに出てくる本は、私が読んで面白かったものからいくつか。
あれはここが面白い、こっちは世界観が…と一つに絞れず。
なので、ちょいちょい出てくるけど会うことはなさそうな、情緒のなさに一部定評がある雑学男と、雑学で愛を語ろうとする男の会話で。
お題 好きな本(今回は小話ではなく独り言として)
『世界から猫が消えたなら』
中学生の時、学校で泣き声を我慢しながら読んだ、思い出深い本。
一番好きなのが主人公がお母さんの手紙を読むシーン。母親の無償の愛が優しすぎて、苦しかった。
生きる意味の答えのひとつを、これで学んだ気がした。
『中原中也詩集』
「サーカス」とか「また来ん春…」「汚れつちまつた悲しみに」も凄く好きだけど、「頑是ない歌」が個人的に一番だと読む度に思う。
ふとした瞬間感じる、子供の時に見た光景を思い出して、どうやったってもうあの頃に戻れない悲しさとか、妥協して生きなきゃいけない人生のどうしようもなさを、こんなにも優しく静かな言葉で表せるのが凄いと思う。
図書館で見かける度に借りてる本。
生活が変わってしまって、それまで好きだった本が読めなくなった。
宮部みゆきや、恩田陸の本。
元々代表作よりマイナーな作品ばかり読んでいたが、何気ない描写や作者の思想に、削られることが多くなってしまって、読めなくなった。
当然、今まで好きだった本も読み返す事ができない。
困ったな、と思っていたら、古本屋で試し読みした別作者の本を気に入ってしまった。
今ではそのシリーズが私の好きな本だ。
世の中、星の数ほど本が溢れているのだから、自分にあった本が一冊は見つかるものなのかもしれない。
《好きな本》
それは毎年変わっていく
そんな素敵な本を読ませてくれる作家の皆さん
尊敬します
タマリンドって美味しそう。
なんて思ったのは小学生にあがった頃だった。
姉の使っているものはなんでもいいもの、という時期で、写真入りの学習帳に心惹かれるのは必然だった。
実際に高学年になると、思春期特有の気恥ずかしさとか、これまたやっぱり姉の使うキャンパスノートのようなシンプルなものが1番だと思うようになっていた。結局、しまい込んで使わなくなってしまったけれど、いまだに捨てられずにとってあるのはやっぱりタマリンドのせいである。
食べたことの無い、南国の、豆科の植物。
ねっとりしていて甘いのにさわやか。
小学生ながら、必死に読みにくいふりがなを読んで、
地図帳で国を調べて。
今思えば、これが初めての自主勉強だったように思う。
歳の離れた姉達に追いつきたくて、読むものも、食べるものも、なんでも真似していたのに。
これからも、引き出しの奥には、タマリンドが揺れている。
本という本をまともに読んでこなかった。
だから、好きな本は?と訊かれても思いつかない。
でも、最近読んだ本は?と訊かれたら
すぐに答えられる。
それは、数学の参考書だ。
小学生の頃から好きな本を、今でも、後生大事に置いている。
その本が自分の基盤になった。
考え方を、進路を、人生を。
その一冊が決めてしまった。
その本があったから、今の自分はいる。
その本があったせいで、自分の人生は狂ってしまった。
その本がなければ、私はここでこんな文章を書いてない。
酷い話!酷い話だ!
これだけ自分の人生を狂わせたのに、その本はなんにも責任も取らずに、
私の咎になっているのをほくそ笑んでいるのだから!
こんな私を作り上げたのは間違いなくお前なのに、
私にための一冊ではないのだから。
好きな本には思い出が宿っている。
その本を読んでいた頃の記憶。友達に「そんな本、どうやって見つけるん?」と聞かれたとか、教科書とノートの間に挟んで廊下を歩いたとか、とても些細なことだ。年末にリビングの絨毯に寝転がって読んだ、なんて記憶もある。小説の内容とは全く関係ないのに、物語を思い出すと一緒になって浮かんでくる。大好きな本に失恋の記憶が混じってたりするのが玉に瑕だけれど、僕は本を懐かしむのも好きだ。
などと言い訳をしながら、僕は本棚を見上げている。冬休みに入ったと思ったらもう年末だ。本棚の掃除は一向に終わる気配がない。
「いい加減、掃除しなさい! 捨てるわよ!」
僕は飛び上がる。思い出を捨てられたらたまったものじゃない。あくせく片付けながら、今年も好きな本が増えたな、と思う。
-ねぇねぇ、何の本読んでるの?
コンビニの弁当を食べ終えて机で本を読んでいると、艶のある長い黒髪を揺らしながら先輩が隣から覗き込んでくる。
-勝手に見ないでください。
そう言って僕は、どこにでもあるような茶色のハードカバーのついた手のひらサイズの本を閉じて机の上に置く。
-いいじゃん、タイトルぐらい教えてくれても。
口を尖らせて拗ねた表情をしながら、先輩が隣の同期の席に座る。
可愛い…少し年上なはずなのに、僕よりも若く見える横顔に心臓が少し跳ねるのが分かった。
-そこ、奥村の席ですよ。
先輩に言ってもどかないのは分かっているが、皮肉を言いたい気分になっていた。
僕が新卒で会社に入って、僕の教育係の先輩で、たくさんお世話になった人
いろんな相談を先輩にして、先輩に褒められたくてたくさん頑張った。
僕の恩人で僕が好きになった人…そして、座っている同期の奥さんだ。
隣の席に座り、長い髪を左手でクルクルと弄びながらイタズラっぽく先輩が笑う。
気づいてますか先輩?
この本、貴女から貰ったんですよ。
本のタイトルは
「幸せは掴みとれ」
待っててくださいね先輩、もうすぐです
貴女がくれたこの本が僕に幸せの掴みかたを教えてくれました。
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貴方には好きな本がありますか?
ありそうですね。こういう小説を書くアプリを使っている時点で、たくさんの本を読んだ、文才のある方々なのは分かっています。
「貴方の好きな本はなんですか?」
街中でアンケートなどを取られた時、こんな質問があったとします。
私ならこう訊かれたらこう答えると思います。
「たくさんあります」
少々曖昧ですが、「今まで読んだ本に面白くないものはなかった」、といえそうです。単に読んできた本が少ないのでそう思ったのかもしれませんが。
「貴方は今まで読んだ本の中で好きな本はありましたか?」
_2023.6.15「好きな本」
#好きな本
好きな本は沢山ある。
今まで読んできた本はどれも面白かった。
世間的にハズレと言われる作品にも僕には刺さる物もあった。
本、本、本。僕の世界は本に埋め尽くされている。
記憶を辿ってもどの場面だろうが僕が本を離した瞬間は多分ない。
それぐらい日常に溶け込んでいる本たちで、好きな物はどれって聞かれても僕にとっては、とっても難しい質問だ。
きっと僕は死ぬその瞬間まで本に囲まれている。その時にやっと、あれが1番だったってなるんじゃないかな。
そんなに気になるなら最後まで僕の横に居てくれよ。そうすればきっと君の疑問の答えになる。
自分の中の好きって何なんだろう
生まれつきか
見つけたものか
どっちもか
今日も
木の感触をあたたかく
確かめながら
ページをめくる
✳︎好きな本✳︎