タマリンドって美味しそう。
なんて思ったのは小学生にあがった頃だった。
姉の使っているものはなんでもいいもの、という時期で、写真入りの学習帳に心惹かれるのは必然だった。
実際に高学年になると、思春期特有の気恥ずかしさとか、これまたやっぱり姉の使うキャンパスノートのようなシンプルなものが1番だと思うようになっていた。結局、しまい込んで使わなくなってしまったけれど、いまだに捨てられずにとってあるのはやっぱりタマリンドのせいである。
食べたことの無い、南国の、豆科の植物。
ねっとりしていて甘いのにさわやか。
小学生ながら、必死に読みにくいふりがなを読んで、
地図帳で国を調べて。
今思えば、これが初めての自主勉強だったように思う。
歳の離れた姉達に追いつきたくて、読むものも、食べるものも、なんでも真似していたのに。
これからも、引き出しの奥には、タマリンドが揺れている。
6/15/2023, 2:40:18 PM